私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!7巻 感想~1年目と2年目を比べてみよう~
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」更新までまだ1週間ありますね。
というわけで、今回は変則的に単行本のほうの感想でも。
最新7巻は最初の喪56を除けば、57から66までほぼ全編「2回目の夏休み」の話でした。
1巻まるごと、ひとつのイベントで占められているのはめずらしいというか、一年目の夏の2巻以来ですね。
なので、7巻は2巻と読み比べてみると、より楽しめると思います。
1年目の夏休みと対になっているような話もありますし、もこっちなりの“成長”が実感できますよ。
きーちゃんとの関係性の変化は言わずもがなですね。
ひたすら見栄をはって、公共施設の真ん中で土下座をするはめになったあの夏に比べれば、きーちゃんとの田舎生活は天国みたいなものでしょう。
いくら悪あがきしようと、すでにきーちゃんにはすべてお見通しな今の状況もむしろ、もこっちにとって救いでもあるように思えます。
それに、犬扱いに決して甘んじることなく、「きーちゃん、きぇーい!」とばかりに反撃をも試みていますしね。喪61の「八尺さま」の話はそんな2人の関係性のわずかな揺らぎをうまく表現していたのではないでしょうか。
また、前回は、同じ高校の友達と海に行っていたゆうちゃんとの電話に「海なんて公開露出してる変態の集まりだろうが」なんてぼやいていたもこっちが、

そして、夏の終わりに「この夏どこにも行っていない…」なんてつぶやいていたもこっちが、
今年は、友達3人組で虫取りやショッピング、コミケに海水浴ですからね。
そう考えると、
喪66「モテないし自己暗示をかける」で学校に行きたくないと言っていたのも、別の捉え方が見えてきます。
夏を惜しむのは同じでも、やっぱり星空をひとり見つめて死にたくなって涙をこぼしたあの頃とは圧倒的に違っていて、なんというかポジティブな姿勢でしたからね。
つまり去年と違って、もこっちにとっても2年目の夏休みはすごく楽しかったのではないでしょうか。だからこそ、楽しかった夏休みが終わってしまうことを惜しんでいたようにも思えてくるのです。
やっぱり周りの環境だけが変わったのではなくって、もこっち自身の心のもちようも少しずつですけど変わってきているんですよ。
確かにそれは、普通のマンガでは「成長」とは言えないほどの気の迷い的なものかもしれませんが、もこっちにとっては大きな変化だったんだろうと思います。
その「変化」に対して、作品としての方向性を危ぶむ人もいるかもしれません。
でも、私は楽観視というか、もこっちが「ぼっち」を卒業という展開にはならないと思っています。
きっと彼女なら、「喪女」のまんまで人生を楽しむ術を見つけるはずですよ。
夏休み最後の回、「モテないし自己暗示をかける」を読んでいると、なんだかそんな気がしてくるのです。
さて、喪59から66までは一応、単独でレビューしていますので、
ここでは56から58までをざっと見てみます。
■喪56「モテないし匂いを気にする」
唯一の夏休み前の話ですね。
こういった、もこっちの認識ずれからとんでもない方向にすすむパターンは、「キャバ嬢」回などわりと定番でもあります。
こういう現役女子高生とは思えない行動原理があるから、ゲスな性格でも憎めないんですよね。
個人的ベストシーンはこれ。
「別に臭くねーよ」と言われてからの反応が可愛すぎますw
ていうかこの台詞って聞きようによってはツンデレぽいですよねww
ちなみに7巻末のおまけマンガももこっちと弟の「いちゃいちゃ」エピなので必読ですよ!
■喪57「モテないし2年目の夏休みに入る」
この回は7巻で喪65の次に好きですね。
6巻では、もこっちとこみちゃんをなんとか仲良くさせようとしていたゆうちゃんですが、
今度はそんな2人の“仲”に嫉妬してしまうゆうちゃん、というコンセプトが見事です。
このシーンも1年目の花火大会の話との対比で見てみると、なかなか切ないものがありますね。
もこっちの中であの中学生たちとの一夜はどういう思い出として残っているんでしょうか。
この独特のぎこちなさがいいですよね。白いバックに人物と吹き出しだけというレイアウトが“空気感”をよく表しています。
この話は、6巻の喪54「モテないし変わらない」の直接的な続編と言ってもいいかもしれませんね。
個人的ベストシーンはこれですねw
ゆうちゃんの天使ぶりとこみちゃんの戸惑いともこっちのガン見のトライアングルが、
この話を一番象徴しているのではないでしょうか。
■喪58「モテないし無駄に過ごす」
この回はまさに「無駄」な回でしたね。
いらない、という意味ではなく、「無駄」がテーマの話です。
本当になにもなく、ただ飯食って動画みてコンビニ行って動画みてごろごろして……。
まさに人生の無駄を満喫している感が素晴しいです。
これも2巻の喪13「モテないし夏休みを満喫する」との比較で見ると面白いですね。
「こんな日々が続くなんて幸せすぎて泣いちゃう!」と夜中に嗚咽を漏らすもこっち。

「こわいこわいこわいこれじゃすぐに夏が終わっちゃう!!」と助けを求めるもこっち。
こうしてみても、あれからやっぱりもこっちなりに成長しているんですよね。
そしてラスト。
無駄なことをしないと決めた矢先……最高の無駄行事を持ってきやがった…
なぜ私に無駄を強いるのか……
なら明日まで寝ないで無駄に過ごそう……
無駄な抵抗だけど……

もう単に“無駄”という文字を入れたいだけだろ、といいたくなりますが、
この話は次回喪59「モテないし応援する」への前振りとしてもよくできていますね。
このもこっちの「無駄な抵抗」が熱中症を引き起こし、喪59のオチに繋がるわけですw
個人的ベストシーンはしょっぱなのこれ。
朝日じゃなくて“夕日”かよ!
普通、起きた時に夕方だったら死にたくなりますけどね……
喪59から66はこちらからどうぞ↓
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪59」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-7.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪60」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-23.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪61」~きーちゃんの重要性~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪62」~優しさゆえの残酷さ~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-33.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪63~姉と弟こそ原点~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-37.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪64~三人は出会ってしまった~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪65~笑えるシーンを羅列してみた~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-52.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪66~ちょっとだけ残ってた夏休み~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
というわけで、
1年目の夏休みはこちら!
というわけで、今回は変則的に単行本のほうの感想でも。
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最新7巻は最初の喪56を除けば、57から66までほぼ全編「2回目の夏休み」の話でした。
1巻まるごと、ひとつのイベントで占められているのはめずらしいというか、一年目の夏の2巻以来ですね。
なので、7巻は2巻と読み比べてみると、より楽しめると思います。
1年目の夏休みと対になっているような話もありますし、もこっちなりの“成長”が実感できますよ。
きーちゃんとの関係性の変化は言わずもがなですね。
ひたすら見栄をはって、公共施設の真ん中で土下座をするはめになったあの夏に比べれば、きーちゃんとの田舎生活は天国みたいなものでしょう。
いくら悪あがきしようと、すでにきーちゃんにはすべてお見通しな今の状況もむしろ、もこっちにとって救いでもあるように思えます。
それに、犬扱いに決して甘んじることなく、「きーちゃん、きぇーい!」とばかりに反撃をも試みていますしね。喪61の「八尺さま」の話はそんな2人の関係性のわずかな揺らぎをうまく表現していたのではないでしょうか。
また、前回は、同じ高校の友達と海に行っていたゆうちゃんとの電話に「海なんて公開露出してる変態の集まりだろうが」なんてぼやいていたもこっちが、

そして、夏の終わりに「この夏どこにも行っていない…」なんてつぶやいていたもこっちが、

今年は、友達3人組で虫取りやショッピング、コミケに海水浴ですからね。
そう考えると、
喪66「モテないし自己暗示をかける」で学校に行きたくないと言っていたのも、別の捉え方が見えてきます。
夏を惜しむのは同じでも、やっぱり星空をひとり見つめて死にたくなって涙をこぼしたあの頃とは圧倒的に違っていて、なんというかポジティブな姿勢でしたからね。
つまり去年と違って、もこっちにとっても2年目の夏休みはすごく楽しかったのではないでしょうか。だからこそ、楽しかった夏休みが終わってしまうことを惜しんでいたようにも思えてくるのです。
やっぱり周りの環境だけが変わったのではなくって、もこっち自身の心のもちようも少しずつですけど変わってきているんですよ。
確かにそれは、普通のマンガでは「成長」とは言えないほどの気の迷い的なものかもしれませんが、もこっちにとっては大きな変化だったんだろうと思います。
その「変化」に対して、作品としての方向性を危ぶむ人もいるかもしれません。
でも、私は楽観視というか、もこっちが「ぼっち」を卒業という展開にはならないと思っています。
きっと彼女なら、「喪女」のまんまで人生を楽しむ術を見つけるはずですよ。
夏休み最後の回、「モテないし自己暗示をかける」を読んでいると、なんだかそんな気がしてくるのです。
さて、喪59から66までは一応、単独でレビューしていますので、
ここでは56から58までをざっと見てみます。
■喪56「モテないし匂いを気にする」
唯一の夏休み前の話ですね。
こういった、もこっちの認識ずれからとんでもない方向にすすむパターンは、「キャバ嬢」回などわりと定番でもあります。
こういう現役女子高生とは思えない行動原理があるから、ゲスな性格でも憎めないんですよね。

個人的ベストシーンはこれ。
「別に臭くねーよ」と言われてからの反応が可愛すぎますw
ていうかこの台詞って聞きようによってはツンデレぽいですよねww
ちなみに7巻末のおまけマンガももこっちと弟の「いちゃいちゃ」エピなので必読ですよ!
■喪57「モテないし2年目の夏休みに入る」
この回は7巻で喪65の次に好きですね。
6巻では、もこっちとこみちゃんをなんとか仲良くさせようとしていたゆうちゃんですが、
今度はそんな2人の“仲”に嫉妬してしまうゆうちゃん、というコンセプトが見事です。

このシーンも1年目の花火大会の話との対比で見てみると、なかなか切ないものがありますね。
もこっちの中であの中学生たちとの一夜はどういう思い出として残っているんでしょうか。

この独特のぎこちなさがいいですよね。白いバックに人物と吹き出しだけというレイアウトが“空気感”をよく表しています。
この話は、6巻の喪54「モテないし変わらない」の直接的な続編と言ってもいいかもしれませんね。

個人的ベストシーンはこれですねw
ゆうちゃんの天使ぶりとこみちゃんの戸惑いともこっちのガン見のトライアングルが、
この話を一番象徴しているのではないでしょうか。
■喪58「モテないし無駄に過ごす」
この回はまさに「無駄」な回でしたね。
いらない、という意味ではなく、「無駄」がテーマの話です。
本当になにもなく、ただ飯食って動画みてコンビニ行って動画みてごろごろして……。
まさに人生の無駄を満喫している感が素晴しいです。
これも2巻の喪13「モテないし夏休みを満喫する」との比較で見ると面白いですね。
「こんな日々が続くなんて幸せすぎて泣いちゃう!」と夜中に嗚咽を漏らすもこっち。

「こわいこわいこわいこれじゃすぐに夏が終わっちゃう!!」と助けを求めるもこっち。

こうしてみても、あれからやっぱりもこっちなりに成長しているんですよね。
そしてラスト。
無駄なことをしないと決めた矢先……最高の無駄行事を持ってきやがった…
なぜ私に無駄を強いるのか……
なら明日まで寝ないで無駄に過ごそう……
無駄な抵抗だけど……

もう単に“無駄”という文字を入れたいだけだろ、といいたくなりますが、
この話は次回喪59「モテないし応援する」への前振りとしてもよくできていますね。
このもこっちの「無駄な抵抗」が熱中症を引き起こし、喪59のオチに繋がるわけですw

個人的ベストシーンはしょっぱなのこれ。
朝日じゃなくて“夕日”かよ!
普通、起きた時に夕方だったら死にたくなりますけどね……
喪59から66はこちらからどうぞ↓
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪59」
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪60」
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪61」~きーちゃんの重要性~
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪62」~優しさゆえの残酷さ~
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪63~姉と弟こそ原点~
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪64~三人は出会ってしまった~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪65~笑えるシーンを羅列してみた~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-52.html
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪66~ちょっとだけ残ってた夏休み~
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
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