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なりそこないの昔話7~岡田斗司夫、イデオン、原秀則、車田正美(アオイホノオ第8話より)~

テレ東系ドラマ「アオイホノオ」第8話は岡田邸パートのほうがすごすぎて、正直モユルパートが食われ気味でしたね。
まあ、それくらい「岡田斗司夫」という存在があまりに“ほんまもん”すぎたわけですが。

岡田役の濱田岳さんには賛否両論あるようですが、
私は実在の「岡田斗司夫」というより、原作の「岡田トシオ」として合っていたと思います。
あの「エネルギー全快なのに目だけが死んでいる」感じが素晴しかったですw

というわけで、今回は第8話に出てきたキーワードをいくつかピックアップしつつ、個人的に振り返ってみます。

●岡田斗司夫

私はアニメもSFもほとんど知らない青春時代をおくったので、岡田氏の存在自体を知ったのも随分あとになります。DAICON3どころか、ゼネプロガイナックスという会社名も知らないくらいでしたからね。

もう昔の事なのでよく覚えていませんが、オタクアミーゴスのころにテレビで見たか、小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言」で知ったのかも知れません。

その後、1995年にオウム事件が起こり、宮崎事件に続いてふたたび「オタク」界隈で議論が活発になったころに改めてオタク知識人として認識した感じです。
こうして思い返してみると、つまりは一般の人と同じようなきっかけですね。


おたくにさえなれなかった“なりそこない”にとって「オタキング」という称号を自ら名乗っている岡田氏は、もはやUMAみたいな印象でした。
作家として代表作があるわけでもなく、正直、なぜ「オタキング」なのかよくわからない部分もありました。それほどガイナックス初代社長という肩書きは大きいのかと。

しかし岡田氏自身の解説によると、核シェルターもパチモンで大もうけも宗教も、
細部は異なるものの、8話のほとんどのエピソードは実話なんだそうですね。
(そりゃ当時のあだ名が「キ◯ガ◯」にもなるわ……)

で、あの部屋の本棚!
しかも実際はもっと本棚だらけだったそうで、ああこれなら「オタキング」名乗れるよな……と、改めて思い直しました。
クリエイターどうのこうのではなく、知識のコレクションとして「オタクの王」だったわけですね。

要するに、「アニメやゲームにのめり込んでいる変な人たち」としての「オタク」ではなく、
「知識モンスター」としての「おたく」の頂点だったのです。
だからこそ、オタク評論家として世に出たころ、「オタク学」という“学問”を提唱していたんでしょう。
まあ、ある意味、“なりそこない”である私とは真逆の人ですね。
良い意味でも悪い意味でも「頭がおかしい」人という気がします。
そうでなきゃ、自分をおちょくっているアオイホノオ第8話を意気揚々と解説しないでしょうw

ただ、その言動の軽さで功罪はあるにせよ、
特に90年代においてオタクのイメージ払拭に労を尽くしたことはきちんと評価されるべきだと思います。

●イデオンは基礎

「ガンダムは常識、イデオンは基礎」
庵野ヒデアキのこのセリフが私にオタクへの道を諦めさせたと言ってもいいかもしれません。
いえ、10代のころ私は庵野氏自体知りませんでしたが、80年代前半にこうした空気があったのは事実なんですよ。

クラスメイトにもガンダムやイデオンを知っているものとして話を振ってくる人間が複数いましたし、マンガでもパロディネタとしてポピュラーでしたからね。(ドラえもんにも出てきて驚いた記憶があります)
まあ、そんな感じだったので、イデオン知らない人間はオタクと名乗ってはいけないと自分で決めていたんです。

後にエヴァンゲリオンにハマったときも「イデオン」も見ていないニワカが語るなという雰囲気があったので、エヴァファンとは名乗っていません。

以前、「エヴァの作品論は語らない」と書いたのもそういった思いがあるからですね。
つまり、自分のような「ガンダム」「イデオン」を知らない、“基礎”がなっていない人間に「エヴァ」は語る資格がない、とどこかで思ってしまうんですよ。
もともと裏に隠された設定をあーだこーだ考察するのは趣味に合わないというか、あまり興味がないですし。(だから「オタク」失格なのですが)
エヴァのラストが「イデオン」へのオマージュだとか聞いてもそうなんだとしか思わなかったですね。
ダイコン3のスタッフになるわけじゃなし、別に“基礎”がなくってもいいや、と思ってしまいます。

●原秀則
※すみません、“ほろびゆくじじいの方針”として「悪口」は書かないこと、と決めていますが、ここだけちょっと例外となってしまうかもしれません。まあ若気の至りと言うか、思い出話としてご容赦願えれば幸いです。

私は基本的に作品を貶したくない性分です。いままでのエントリーを見ていただければわかると思いますが、好きな作品がいかに素晴しいかを語るのが楽しいわけで、嫌いな作品を語ること自体面白くありません。
苦言をするにしてもそれは好きだからで、嫌いならそもそもなにも言わない方がいいと考えるタイプです。変にここが嫌いといって、そこを改善されるのもいやですから。(性格悪いですねw)

で、正直に言いますと、80年代、原秀則が嫌いでした。
これはあだち充の存在が面白くなかったというのとは意味が違います。
その名の通り、“嫌い”だったのです。

具体的には当時少年サンデーに連載されていた「さよなら三角」が嫌いでした。
つまり「アハ♡」ですね。
よく妹と「さよなら三角」をぼろくそに貶していた記憶があります。(どういう思い出だ)

そもそもタイトルが「さよなら三角」て。
なんでも「三角関係にさよなら」とか「目を三角にして怒ることにさよなら」という意味らしいのですが、いやあ、ひどいセンスだと思いましたね。

それにしても今思うと、なんであそこまで嫌いだったのか不思議なくらいですね。
ほとんど、“神”“好き”“興味なし”の区分けしかない私のような人間にとって、“嫌い”というカテゴリーはある意味レアでしたから。

同じようなサッカーを題材としたラブコメマンガとして、
当時、少年ジャンプで「キックオフ」という作品がありましたが、
こちらは当時の編集長が「ラブコメのパロディ」と称するくらいの“ネタマンガ”で、
主人公とヒロインが見つめ合うたびにケラケラ笑っていた覚えがあります。

作品としては別に見るところはないけど、なんとなく笑えて話のネタになる、という点で
「キックオフ」という作品はうまく成立していたのですね。

「さよなら三角」にはそういう「ネタ消費」的な楽しみ方もできない中途半端さがあったので、
そんなところが気に食わなかったのかもしれません。

余談ですが、80年代初めあたりから「シリアス」を「ネタ」として笑う風潮がでてきたんですよね。
北斗の拳」をギャグとしてみるとか熱血ものをちゃかすとか、笑い全体が“つっこみ”路線に走ったころでした。(おそらくひょうきん族とかビートたけしの影響も大きい)
だからこそ、島本和彦氏もいいタイミングでデビューできたのでしょう。

あだち充はそういった風潮に上手くのりながらもかろやかに青春を描いたのに比べ、
原氏のラブコメはあまりに無防備というか脳天気に見えたんですよね。

その後、原秀則はこれまた中途半端な野球マンガを描いたのち、
青年漫画というか、「柳沢きみお」路線に走ります。

ただ、80年代に一世を風靡した漫画家たちの多くが消えていった中で、
未だに生き残っているのは素直にすごいと思います。
いっちゃあなんですが、中学生ぐらいのときはこんな漫画家すぐ消えると思っていましたから。
業界の荒波に耐えて、作風を変えつつも描き続けられるというのも才能のひとつではないでしょうか。

●車田正美
当時「ふぁんろ~ど」(昔はカタカナではなくひらがな表記だった)というマンガやアニメファン中心の投稿雑誌がありました。
そこに「お気に入りキャンペーン」という漫画家ランキングのコーナーがあって、
車田正美は常にダントツのトップだったことを覚えています。

……まあ、思い出といってもそれだけですね。特に思い入れもなかったですし。
ただ、あのころの車田氏の人気は「ふぁんろ~ど」紙上でそれは異常な人気で、サンデーを中心に読んでいた私は子供心ながら「なんで高橋留美子でもあだち充でも鳥山明でもなくって車田正美なんだ?」と不思議に思っていましたね。

ちなみに「ふぁんろ~ど」独特のノリについていけなかったのも「オタクリタイア」の遠因だったような気がします。

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というわけでテレ東系ドラマ「アオイホノオ」もいよいよ佳境。
果たして、モユルの「学園ラブコメスポーツアクションギャグコメディ漫画」の評価は。
そしてダイコン3のアニメは成功するのか?
次回第9話も見逃せませんよ!
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tag : アオイホノオ1980年代

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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