私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!ガンON15周年特別編~みんなが持ち寄った妄想で作り上げた「映画」~
11月9日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」がブラウザ版で特別編に更新されました。
今回は特別編。
ここ最近、3回に1回くらいのペースで続いていますし、まして前回が(前編)だっただけに焦らすのもいい加減にしてくれと言いたくなる向きもあるかもしれません。
ただ、今回ばかりはしょうがないんですよ。単なる特別編でなく、1P目の柱にもあった通り「ガンガンONLINE15周年特別編」ですからね。要は「企画もの」なんです。
おそらく編集サイドからの要請があったんでしょうし、谷川先生としてはその依頼に応えただけでしょう。
決して話を先送りにするような意図はなかったと思います。文句を言いたいのでしたら、15年前のこの時期にガンガンONLINEを立ち上げた編集部に言うべきかとw
※なお、キャンペーンはこちらですが、
15th Anniversary キャンペーン
https://www.ganganonline.com/event/1554
すでに終了しています。
ここしばらく、イレギュラーな「特別編」が続きました。
ヘルニアを発症した作画さんの負担を低減するために描かれた「過去」編や“実質延期”だった「梅雨」編、さらに作画さんがコロナにかかったということで再延期の果てに1Pものの無料更新になった「休憩中」編。
今年になってから更新がなかなかスムーズにいかなかったこともあって、「特別編」という文字を見ただけで少し身構えてしまう方もいらっしゃるかと思います。
ましてや、今回の話はちょっと特殊ですからね。
「高校じゃん」「10年以上ぶりだね」
こんなサムネを見たら、なんだか不安になるかもしれません。
でも心配は無用です。読んでしまえば、なあんだとなること請け合いですからw
まあいずれにしても、今回は2度読み必須ですね。
最初はまず、なんの予備知識もない状態で読むことをお勧めします。
そしてオチを知ったらすぐに戻って、もう一度読み返してください。
当初の印象とはまた違ったものが見えてくるはずです。
というわけで、さっそく見てまいりましょう!
冒頭からおやっと思わせますね。どう見てもいつものもこっちとは違います。
着ている服もさることながら背丈も伸びていますし、なんだか不思議な感覚に陥りますね。ひょっとして今回は「わたモテ大学編」なんだろうかとか考えてしまいます。
というか、構図自体がなんだか映画っぽい雰囲気があるんですよね。
片側をあけて歩いている感じもそれっぽい「空気感」を醸し出していますし、読者の目線をどこか意識しているかのようでもあります。
もこっちが歩いてきた道の向こうが、少しカーブになっているのも印象的ですね。
いろんな意味で「絵」になる始まり方だなあと思います。
いきなりの黒木智子(32)w
大学生どころじゃなかったw
要するに17歳+15年後で32歳ということですね。
今回は15年後の未来(?)を描いた特別編というわけです。
今回の個人的ベストもこっちは一応ここにしておこうかなw
一応、というのもなんか変ですけどw
アラサーもこっちは少し顔が長細くなりましたね。
ていうか、アホ毛みたいなのがやたら伸びてるんだがw
「テロップ感」も相まって実体が薄い感じですし、違和感を覚えつつもすんなり受け入れている自分がいます。
あるあるですね。
最近は特にこういうことを感じることが多くなりました。
昔のものが消えていく寂しさともちょっと違うんですよね。
コンビニや飲食店、雑貨屋など、わりと最近できたと認識していたものがいつの間にかなくなっていたりしますから。世間と自分の時間感覚の齟齬みたいなものに疎外感を覚えてしまうのかもしれません。
街を歩いているだけで否応なしに現実を見せつけられているようで、なんとも言えない気持ちになってしまいます。
30代のゆりちゃん!
変わったような、でもやっぱり変わってないような、なんとも微妙な感じが逆にリアル。彼女ならこうなってそうと思わせます。
黒のスウェットにタータンチェックロングスカート、髪を後ろで束ねて垂らしているところなんかも、30代の女性ぽい雰囲気があるんですよね。
公園っぽい雰囲気ですが、ひょっとして待ち合わせをしていたんでしょうか。
この後の会話からすると、もこっちは東京から帰ってきたという話でしたが、その時点でえ?どういうこと?となってしまいます。
さらに戸惑うひまもなく、「仕事は家でできる」とか「小説打ち切りになってなかった?」と畳みかけてきますからね。
急に「今はバイトしながら次回作練ってる最中」と言われても、いやいや話についていけないんだけど!と叫びたくなりますw
楽しくねーよwww
ネットのこたつ記事ライターなんて、絶対地獄だぞw
ラジオを聞いて感想を書くだけの簡単なお仕事です、なんて思ってたら大間違いだからなw
ノルマもきついでしょうし、ひたすら魂を殺してボロボロになっていくだけの過酷な作業だと思うんですけどね。
で、ゆりちゃんは図書館で働いてると言ってましたが、どういう勤務スタイルなんでしょうねえ…
普通、司書とかだったら、レファレンスとかで専門的な知識も求められますし、仕事が暇ってことはないと思うんですが…
ひょっとして単なる受付のバイトなんじゃなかろうかw
あと、ゆりちゃんよりももこっちの方が胸があるように見えるのは錯覚でしょうか?w
いきなりの急展開www
てか、その低温度の反応はいったい何なんだw もうちょっと気持ち出してけよw
さも何でもないように言ってるけど、「捕まった」って別に交通違反でキップを切られたってレベルじゃないよな?
ちょw野菜ってw
予想以上にヤバい話だったw
いくつものスマホを前にして険しい表情を浮かべている吉田さんが妙にリアルw
真子さん、なにやってるんすかwww
良心の呵責じゃねーってw 何勝手に計画して、何勝手にバラしてんだw
これじゃあ、いくらなんでも吉田さんが可哀そうすぎるw
たぶん何の疑いもなく、本当に「野菜」を売ってるつもりでやっていたんだと思うしw
正直、このあたりで「あれ?ひょっとしてこれはネタなんだろうか」と思い始めたのですが…
WWWWW
こいつのせいで、あ、やっぱりマジの話かもと思ってしまったじゃねーかw
なんだよ、この微妙なホントぽさはw
前髪ぱっつんとかいかにもありそうな感じだし、さらにはリボンやハートのネックレスまでw
30代ならではの痛さが生々しくてむしろ切なくなるわ…
売れない声優とか言われてましたけど、これは営業用の衣装なんでしょうかね?
普段からこの格好だとすると、近所で別の意味で有名人になってると思うw
空しいマウント取り合いはやめろ w
ていうか、けっこうお互いの作品を追ってるじゃねーかw ある意味ファンだろw
このあたりで、ひょっとするとこれはパラレルものかなという印象を持ちました。
夢オチにしてはなんか嫌なリアリティがありますし、かといって実際の未来編とするのは、さすがに問題があるかなという気もしますしw
鳴かず飛ばずの低額納税者www
うるせーよ、余計なお世話だw
てか、お前だって図書館バイトの身だろうが!
人のこと言えんのか、おおん?(私はいったい何をムキになってるんだろう…)
まあとにかく、お互い平日の昼間に暇してる仲なんだから仲良くしてほしいものですw
さて、三十路の女性三人が平日昼間に集まってどこに行くのかというと…
彼女たちが向かった先は、かつての母校でした。
大人になってからなんとなく足が向いてしまうというのはわかりますね。その辺、リアルな空気感がよく出ています。
だいたい大学中に1回、あと10年くらいたって20代後半あたりに1度行きたくなるんだよなあ…なぜか30超えると逆に行きたくなくなるんですけどねw
あまり時間が経ちすぎると、もはやそれは自分が知っている高校ではなくなるからなんでしょうか。
(ていうか、30過ぎて高校の前をぶらぶらしてたら不審者扱いされるしw)
今回の個人的ベストシーンはここにしましょう。
学校を見上げる3人の後ろ姿がよけいに郷愁感を誘いますね。
ちょうどいい懐かしさという言葉が頭をよぎります。
ちょっとだけというのが逆にリアルですよね。
本当はそこまでじゃないんだけど、別に本気じゃないんだけど、もし戻れたら…なんて願ってしまう気持ち。
人生の曲がり角で立ち止まってみるに、誰もが少しは思うことなんじゃないでしょうか。
セリフの吹き出しが透けて見えるのは、彼女の空ろな思いを象徴しているようにも思えます。
校舎を見上げる眼も、どこか遠い彼方を見ているようですね。
こみさんが交通事故で…
ここでわかった人は分かったようですし、少し不快に感じた人もいたようですが、私はそこまで思わなかったんですよね。今読んでも、ああそんなことが…と納得してしまう自分がいます。
むしろ吉田さんや真子よりはリアルな感じがしたんですよ。ドキッとはしましたけど、ショックでもなかったですし、逆にネタ的なニュアンスも感じませんでした。
もこっちも決して茶化してるようには見えなかったんですよね。
どちらかというと悼む思いから語っているようですし、みんながあまり上手くいっていない状況の中でそれを嚙みしめているように思えたんです。
本来ならおめでたいはずである結婚を、それはそれで悲しいと感じてしまうのも同じことのような気がします。
おいおい、30で終わりに向かってるなんて言われたら、50過ぎの俺なんかどうなるんだw
まあそれはともかく、「高校生」を(こども)と呼び、「大人」を(いま)と読ませる感覚が妙に刺さりますね。
ここでも、時間感覚のズレが生じているんです。
自分はまだあの頃のままなのに、世界だけが先に進んでしまって置いていかれているような感じ。
それが悲しいというか寂しいんですよね。友人の結婚を悲しいと思ってしまう気持ちも、きっとそういうところからきているのでしょう。
ここのセリフは本当にリアルな印象があって、これはやっぱり本当の「15年後のわたモテ」の世界なのかもしれないと再び考えてしまいましたね。
キッズリターンかよw
てか、ラストシーンにはまだ早いぞw
この辺のシーンは後でオチを知ってから見ると、なかなか面白いんですよね。
言えるタイミングだから言ってみたなんて言葉も、またちょっと違った風に感じられます。
WWW
なんかいいことを言ってる感じだったけど、最後で台無しw
ホント、中身がガキだからって犯罪だけはやめとけよw
てか、あの二人、半年も入ってるのかよw それって初犯じゃないんじゃ…もしくはよっぽど悪質だったかw
なにげなく差し込まれたコマですけど、なんだか象徴的なシーンですね。
かつて、桜の花びらをもこっちたちに見立てた演出がありましたが、ここでは落ち葉が彼女たちを表しているかのようです。
そういえば、ここまでの間に何度となく、彼女たちの周りを落ち葉が舞っていたことに気付きます。
今こうして、3枚の葉っぱが静かに休んでいる姿を見ると、いろんな思いがつのりますね。
少ししんみりしたまま校門を出ると、そこにはなぜか加藤さんの運転する車が…
これはこれでありそうでなさそうなシチュエーションw
ていうか、加藤さんの格好が絶妙なバランスでリアリティがないw
これからパーティーにでも行くんかw
なるほど、一応ネモが連絡していたのね。じゃあ一言言ってくれよという感じですがw
ていうか、ネモもあれは偶然なのか待ち合わせだったのかもよくわからんしw
なんかこの辺からだんだん違和感が大きくなってきましたね。
まあ、ネモと加藤さんが今でも連絡を取り合っているというのはちょっといいなとは思いましたがw
あーでも、仲間うちで結婚した相手に変に気を遣ってしまう感じはわかりますね。
やっぱり生活のベースが変わるのでお互いのタイミングも合わなくなりますし、自然と疎遠になっていくんです。
ええw なんか展開が急すぎるw
お互いの仕事が忙しくてすれ違いとか、いかにもその手のドラマぽくて逆に嘘っぽいわw
ネモが食い気味にくる感じが面白いですね。
意外とゴシップ好きなタイプなんでしょうか。
それか単純に結婚に幻想を抱いていたのかもしれません。
ここはちょっといいですね。
ゆりちゃんが「4人なら」と言うところに、なんだかグッときてしまいます。
なんか、急にロードムービーになったような気もしますがw
ここから奇妙な4人組の逃避行が始まる…!なんてw
おいおい、本当に逃避行が始まりそうじゃねーかw
正直、このパターンは目覚まし時計の音で目覚めるやつなんじゃないかと思い始めたのですが…
同乗者キモさ制限超過wwwww
制限ていうことは逆にある程度の許容範囲もあるのかw
てか、うっちー、スマイルバッチ付けすぎだろw こすぷれ感がハンパないw
今回の一番笑ったシーンは文句なしでこれですねw
これまでの落ち着いた雰囲気がここで一気に台無しになる感じが最高w
もこっちも思わずストップをかけるしw
というわけで、ここまでの話はもこっちたちの「想像」のお話でしたw
うっちーが口をはさんできたとたんに、リアリティを保てなくなるのが逆にリアルと言えるかもしれないw
いつ自分の話が出てくるか今か今かと待っていたんだろうなあw
てか、やっぱり真子の部分はゆりちゃんが言い出したところだったんだw
あそこを読み返してみると、もこっちの「吉田さん捕まったって?」というフリをゆりちゃんが受けて話を広げているんだよなw 野菜売ったとか良心の呵責とかw
「面会に行くけど智子も来る?」「うん…」も今の彼女たちがここでしゃべっていたかと思うと、二重に笑えるw
それをそばで聞いていた真子はどんな顔をしてたんだろw
(てか、笑顔で問い詰めてるまこっちが怖い…)
リアリティーw
どんないいわけだよw
ていうか、小宮山さんもそこはモヤりながらも聴いていたのかw
「妄想」が途切れたタイミングで抗議するところがいいですよね。
ん?と思いながらも、ツッコんでいいかどうか躊躇していたんだろうなあw
なんとなくw
まあさすがに、ガンガンONLINEが15周年だからとは言えないわなw
この微妙にはぐらかすメタ感がわたモテらしいですよね。
ちょっとざわつく感じで始まった「未来編」のオチとして、ふさわしい落としどころなんじゃないでしょうか。
てか、吉田さんもいたのかよw
「野菜売り」で捕まった話をどう聞いていたんだろw
あり得そうとそんなわけあるかの匙加減というか、ちょうどいい塩梅のリアリティがよかったですね。
時々変なネタ(笑)を交えつつも、高校生が考える30代のリアルさが「夢オチ」ではなく「想像オチ」に着地させたのではないでしょうか。
それと、なんだか「映画」っぽいなとも感じましたね。
簡易感想の時に「設定オチ」とも書きましたが、設定を元にみんなが口を出していって、それが一つの「作品」になっていく過程を見ているような気分にもなりました。
「映画」ってある意味「想像」を形にするものですからね。
そういったことを踏まえながら、もう一度読み返すと面白いですよ。
冒頭のシーンはもこっちが頭に浮かんだそのままでしょうし、知ってる店がいつの間にか潰れてるみたいなところは、彼女が例えば…なんて言いながらゆりちゃんたちに語っている姿が目に浮かびます。
そこから、ゆりちゃんはこんな感じで公園で待ち合わせをして…なんて話から、もこっちが「ゆりちゃんはなんだっけ?」とネタフリをして、ゆりちゃんがそれに対して「図書館で働いてる」かもなんて答えるわけですw
で、だんだん乗ってきたもこっちが大喜利よろしく、「吉田さんが捕まった、いったいなぜ?」みたいなお題を出してくるとw
そうしたら、ゆりちゃんが「よくわからないけど、なんかのアプリで野菜を売ったらしい」「真子が吉田さんの為にと思って計画したんだけど、途中で良心の呵責で耐えられなくなって…」と返したりしてw
で、たぶんそこからネモも参戦して「売れない声優」VS「打ち切り作家」バトルが始まるんですねw
「N.E.M.O名義のエロゲ・同人仕事やってる」「クロだって小説二連続打ち切りでその後何も依頼がないよ」とかw
そうやって見ていくと、校舎の前で語った話もまた違った印象になります。
「高校生(こども)の時」「大人(いま)」なんて言っていましたけど、あれは大人になったもこっちの言葉じゃ無くて、まだ高校生(こども)であるもこっちの語りだったのですから。
こみさんが交通事故で死んだという話なんて、普段の通りですからね。野球の撮影の時に「こみさんの頭にぶつけて再起不能にして…」と言っていたのと大して変わらないでしょうw
最後、うっちーが割り込んだせいで一回ストップしたところは、「いったんカメラ止めて」と撮影を中断する場面にも見えますよね。
これは今の彼女たちが想像した未来像なんだと思って見直すと、最初には見えてこなかったものが見えてくるわけです。
今回の妄想話がどういうきっかけで始まったのかはわかりませんが、ひょっとすると、前回(喪217前編)の「美少女演劇集団」の話から発展したのではないでしょうか。
「地道にラノベ作家目指すか」「公務員かニートになるしか」みたいなこともいってましたしw
微妙にリアルな「上手くいってない感じ」だったのは、その辺の影響もあったような気がします。
そう考えると今回の特別編は、もう一つの「映画」の話でもあったのかもしれません。
もこっち一人が考えたのではなく、みんなで妄想を膨らませていく感じが共同作業のようじゃないですか。
それはもこっちがかつて語っていた「疑似的青春」のテーマともつながっているようにも思うんですよね。
10代の彼女たちが考えるリアルさで作った30代の自分たちが、かつての自分たちをもう一度見つけようとする。
そのおかしなズレというかねじれたメタ構造は、もこっちが求めていた「本当の青春」の一部だったのかもしれないと、ちょっと思ったりもした「特別編」でした。
11月10日に最新24巻が発売になりました!感想記事は早ければ来週あたりに、遅くても今月中には更新する予定です。
特別編15と比べてみると、今回が「夢オチ」ではないのよくわかりますね。
「大学編」ではないですが、14巻では彼女たちが将来について考え始めた様子が描かれています。
将来の話といったら、喪90「モテないし将来について考える」ですよねw
今回は特別編。
ここ最近、3回に1回くらいのペースで続いていますし、まして前回が(前編)だっただけに焦らすのもいい加減にしてくれと言いたくなる向きもあるかもしれません。
ただ、今回ばかりはしょうがないんですよ。単なる特別編でなく、1P目の柱にもあった通り「ガンガンONLINE15周年特別編」ですからね。要は「企画もの」なんです。
おそらく編集サイドからの要請があったんでしょうし、谷川先生としてはその依頼に応えただけでしょう。
決して話を先送りにするような意図はなかったと思います。文句を言いたいのでしたら、15年前のこの時期にガンガンONLINEを立ち上げた編集部に言うべきかとw
※なお、キャンペーンはこちらですが、
15th Anniversary キャンペーン
https://www.ganganonline.com/event/1554
すでに終了しています。
ここしばらく、イレギュラーな「特別編」が続きました。
ヘルニアを発症した作画さんの負担を低減するために描かれた「過去」編や“実質延期”だった「梅雨」編、さらに作画さんがコロナにかかったということで再延期の果てに1Pものの無料更新になった「休憩中」編。
今年になってから更新がなかなかスムーズにいかなかったこともあって、「特別編」という文字を見ただけで少し身構えてしまう方もいらっしゃるかと思います。
ましてや、今回の話はちょっと特殊ですからね。

「高校じゃん」「10年以上ぶりだね」
こんなサムネを見たら、なんだか不安になるかもしれません。
でも心配は無用です。読んでしまえば、なあんだとなること請け合いですからw
まあいずれにしても、今回は2度読み必須ですね。
最初はまず、なんの予備知識もない状態で読むことをお勧めします。
そしてオチを知ったらすぐに戻って、もう一度読み返してください。
当初の印象とはまた違ったものが見えてくるはずです。
というわけで、さっそく見てまいりましょう!

冒頭からおやっと思わせますね。どう見てもいつものもこっちとは違います。
着ている服もさることながら背丈も伸びていますし、なんだか不思議な感覚に陥りますね。ひょっとして今回は「わたモテ大学編」なんだろうかとか考えてしまいます。
というか、構図自体がなんだか映画っぽい雰囲気があるんですよね。
片側をあけて歩いている感じもそれっぽい「空気感」を醸し出していますし、読者の目線をどこか意識しているかのようでもあります。
もこっちが歩いてきた道の向こうが、少しカーブになっているのも印象的ですね。
いろんな意味で「絵」になる始まり方だなあと思います。

いきなりの黒木智子(32)w
大学生どころじゃなかったw
要するに17歳+15年後で32歳ということですね。
今回は15年後の未来(?)を描いた特別編というわけです。
今回の個人的ベストもこっちは一応ここにしておこうかなw
一応、というのもなんか変ですけどw
アラサーもこっちは少し顔が長細くなりましたね。
ていうか、アホ毛みたいなのがやたら伸びてるんだがw
「テロップ感」も相まって実体が薄い感じですし、違和感を覚えつつもすんなり受け入れている自分がいます。

あるあるですね。
最近は特にこういうことを感じることが多くなりました。
昔のものが消えていく寂しさともちょっと違うんですよね。
コンビニや飲食店、雑貨屋など、わりと最近できたと認識していたものがいつの間にかなくなっていたりしますから。世間と自分の時間感覚の齟齬みたいなものに疎外感を覚えてしまうのかもしれません。
街を歩いているだけで否応なしに現実を見せつけられているようで、なんとも言えない気持ちになってしまいます。

30代のゆりちゃん!
変わったような、でもやっぱり変わってないような、なんとも微妙な感じが逆にリアル。彼女ならこうなってそうと思わせます。
黒のスウェットにタータンチェックロングスカート、髪を後ろで束ねて垂らしているところなんかも、30代の女性ぽい雰囲気があるんですよね。
公園っぽい雰囲気ですが、ひょっとして待ち合わせをしていたんでしょうか。
この後の会話からすると、もこっちは東京から帰ってきたという話でしたが、その時点でえ?どういうこと?となってしまいます。
さらに戸惑うひまもなく、「仕事は家でできる」とか「小説打ち切りになってなかった?」と畳みかけてきますからね。
急に「今はバイトしながら次回作練ってる最中」と言われても、いやいや話についていけないんだけど!と叫びたくなりますw

楽しくねーよwww
ネットのこたつ記事ライターなんて、絶対地獄だぞw
ラジオを聞いて感想を書くだけの簡単なお仕事です、なんて思ってたら大間違いだからなw
ノルマもきついでしょうし、ひたすら魂を殺してボロボロになっていくだけの過酷な作業だと思うんですけどね。
で、ゆりちゃんは図書館で働いてると言ってましたが、どういう勤務スタイルなんでしょうねえ…
普通、司書とかだったら、レファレンスとかで専門的な知識も求められますし、仕事が暇ってことはないと思うんですが…
ひょっとして単なる受付のバイトなんじゃなかろうかw
あと、ゆりちゃんよりももこっちの方が胸があるように見えるのは錯覚でしょうか?w

いきなりの急展開www
てか、その低温度の反応はいったい何なんだw もうちょっと気持ち出してけよw
さも何でもないように言ってるけど、「捕まった」って別に交通違反でキップを切られたってレベルじゃないよな?

ちょw野菜ってw
予想以上にヤバい話だったw
いくつものスマホを前にして険しい表情を浮かべている吉田さんが妙にリアルw

真子さん、なにやってるんすかwww
良心の呵責じゃねーってw 何勝手に計画して、何勝手にバラしてんだw
これじゃあ、いくらなんでも吉田さんが可哀そうすぎるw
たぶん何の疑いもなく、本当に「野菜」を売ってるつもりでやっていたんだと思うしw
正直、このあたりで「あれ?ひょっとしてこれはネタなんだろうか」と思い始めたのですが…

WWWWW
こいつのせいで、あ、やっぱりマジの話かもと思ってしまったじゃねーかw
なんだよ、この微妙なホントぽさはw
前髪ぱっつんとかいかにもありそうな感じだし、さらにはリボンやハートのネックレスまでw
30代ならではの痛さが生々しくてむしろ切なくなるわ…
売れない声優とか言われてましたけど、これは営業用の衣装なんでしょうかね?
普段からこの格好だとすると、近所で別の意味で有名人になってると思うw

空しいマウント取り合いはやめろ w
ていうか、けっこうお互いの作品を追ってるじゃねーかw ある意味ファンだろw
このあたりで、ひょっとするとこれはパラレルものかなという印象を持ちました。
夢オチにしてはなんか嫌なリアリティがありますし、かといって実際の未来編とするのは、さすがに問題があるかなという気もしますしw

鳴かず飛ばずの低額納税者www
うるせーよ、余計なお世話だw
てか、お前だって図書館バイトの身だろうが!
人のこと言えんのか、おおん?(私はいったい何をムキになってるんだろう…)
まあとにかく、お互い平日の昼間に暇してる仲なんだから仲良くしてほしいものですw
さて、三十路の女性三人が平日昼間に集まってどこに行くのかというと…

彼女たちが向かった先は、かつての母校でした。
大人になってからなんとなく足が向いてしまうというのはわかりますね。その辺、リアルな空気感がよく出ています。
だいたい大学中に1回、あと10年くらいたって20代後半あたりに1度行きたくなるんだよなあ…なぜか30超えると逆に行きたくなくなるんですけどねw
あまり時間が経ちすぎると、もはやそれは自分が知っている高校ではなくなるからなんでしょうか。
(ていうか、30過ぎて高校の前をぶらぶらしてたら不審者扱いされるしw)
今回の個人的ベストシーンはここにしましょう。
学校を見上げる3人の後ろ姿がよけいに郷愁感を誘いますね。
ちょうどいい懐かしさという言葉が頭をよぎります。

ちょっとだけというのが逆にリアルですよね。
本当はそこまでじゃないんだけど、別に本気じゃないんだけど、もし戻れたら…なんて願ってしまう気持ち。
人生の曲がり角で立ち止まってみるに、誰もが少しは思うことなんじゃないでしょうか。
セリフの吹き出しが透けて見えるのは、彼女の空ろな思いを象徴しているようにも思えます。
校舎を見上げる眼も、どこか遠い彼方を見ているようですね。

こみさんが交通事故で…
ここでわかった人は分かったようですし、少し不快に感じた人もいたようですが、私はそこまで思わなかったんですよね。今読んでも、ああそんなことが…と納得してしまう自分がいます。
むしろ吉田さんや真子よりはリアルな感じがしたんですよ。ドキッとはしましたけど、ショックでもなかったですし、逆にネタ的なニュアンスも感じませんでした。
もこっちも決して茶化してるようには見えなかったんですよね。
どちらかというと悼む思いから語っているようですし、みんながあまり上手くいっていない状況の中でそれを嚙みしめているように思えたんです。
本来ならおめでたいはずである結婚を、それはそれで悲しいと感じてしまうのも同じことのような気がします。

おいおい、30で終わりに向かってるなんて言われたら、50過ぎの俺なんかどうなるんだw
まあそれはともかく、「高校生」を(こども)と呼び、「大人」を(いま)と読ませる感覚が妙に刺さりますね。
ここでも、時間感覚のズレが生じているんです。
自分はまだあの頃のままなのに、世界だけが先に進んでしまって置いていかれているような感じ。
それが悲しいというか寂しいんですよね。友人の結婚を悲しいと思ってしまう気持ちも、きっとそういうところからきているのでしょう。
ここのセリフは本当にリアルな印象があって、これはやっぱり本当の「15年後のわたモテ」の世界なのかもしれないと再び考えてしまいましたね。

キッズリターンかよw
てか、ラストシーンにはまだ早いぞw
この辺のシーンは後でオチを知ってから見ると、なかなか面白いんですよね。
言えるタイミングだから言ってみたなんて言葉も、またちょっと違った風に感じられます。

WWW
なんかいいことを言ってる感じだったけど、最後で台無しw
ホント、中身がガキだからって犯罪だけはやめとけよw
てか、あの二人、半年も入ってるのかよw それって初犯じゃないんじゃ…もしくはよっぽど悪質だったかw

なにげなく差し込まれたコマですけど、なんだか象徴的なシーンですね。
かつて、桜の花びらをもこっちたちに見立てた演出がありましたが、ここでは落ち葉が彼女たちを表しているかのようです。
そういえば、ここまでの間に何度となく、彼女たちの周りを落ち葉が舞っていたことに気付きます。
今こうして、3枚の葉っぱが静かに休んでいる姿を見ると、いろんな思いがつのりますね。

少ししんみりしたまま校門を出ると、そこにはなぜか加藤さんの運転する車が…
これはこれでありそうでなさそうなシチュエーションw
ていうか、加藤さんの格好が絶妙なバランスでリアリティがないw
これからパーティーにでも行くんかw

なるほど、一応ネモが連絡していたのね。じゃあ一言言ってくれよという感じですがw
ていうか、ネモもあれは偶然なのか待ち合わせだったのかもよくわからんしw
なんかこの辺からだんだん違和感が大きくなってきましたね。
まあ、ネモと加藤さんが今でも連絡を取り合っているというのはちょっといいなとは思いましたがw
あーでも、仲間うちで結婚した相手に変に気を遣ってしまう感じはわかりますね。
やっぱり生活のベースが変わるのでお互いのタイミングも合わなくなりますし、自然と疎遠になっていくんです。

ええw なんか展開が急すぎるw
お互いの仕事が忙しくてすれ違いとか、いかにもその手のドラマぽくて逆に嘘っぽいわw
ネモが食い気味にくる感じが面白いですね。
意外とゴシップ好きなタイプなんでしょうか。
それか単純に結婚に幻想を抱いていたのかもしれません。

ここはちょっといいですね。
ゆりちゃんが「4人なら」と言うところに、なんだかグッときてしまいます。
なんか、急にロードムービーになったような気もしますがw
ここから奇妙な4人組の逃避行が始まる…!なんてw

おいおい、本当に逃避行が始まりそうじゃねーかw
正直、このパターンは目覚まし時計の音で目覚めるやつなんじゃないかと思い始めたのですが…

同乗者キモさ制限超過wwwww
制限ていうことは逆にある程度の許容範囲もあるのかw
てか、うっちー、スマイルバッチ付けすぎだろw こすぷれ感がハンパないw
今回の一番笑ったシーンは文句なしでこれですねw
これまでの落ち着いた雰囲気がここで一気に台無しになる感じが最高w
もこっちも思わずストップをかけるしw

というわけで、ここまでの話はもこっちたちの「想像」のお話でしたw
うっちーが口をはさんできたとたんに、リアリティを保てなくなるのが逆にリアルと言えるかもしれないw
いつ自分の話が出てくるか今か今かと待っていたんだろうなあw
てか、やっぱり真子の部分はゆりちゃんが言い出したところだったんだw
あそこを読み返してみると、もこっちの「吉田さん捕まったって?」というフリをゆりちゃんが受けて話を広げているんだよなw 野菜売ったとか良心の呵責とかw
「面会に行くけど智子も来る?」「うん…」も今の彼女たちがここでしゃべっていたかと思うと、二重に笑えるw
それをそばで聞いていた真子はどんな顔をしてたんだろw
(てか、笑顔で問い詰めてるまこっちが怖い…)

リアリティーw
どんないいわけだよw
ていうか、小宮山さんもそこはモヤりながらも聴いていたのかw
「妄想」が途切れたタイミングで抗議するところがいいですよね。
ん?と思いながらも、ツッコんでいいかどうか躊躇していたんだろうなあw

なんとなくw
まあさすがに、ガンガンONLINEが15周年だからとは言えないわなw
この微妙にはぐらかすメタ感がわたモテらしいですよね。
ちょっとざわつく感じで始まった「未来編」のオチとして、ふさわしい落としどころなんじゃないでしょうか。
てか、吉田さんもいたのかよw
「野菜売り」で捕まった話をどう聞いていたんだろw
あり得そうとそんなわけあるかの匙加減というか、ちょうどいい塩梅のリアリティがよかったですね。
時々変なネタ(笑)を交えつつも、高校生が考える30代のリアルさが「夢オチ」ではなく「想像オチ」に着地させたのではないでしょうか。
それと、なんだか「映画」っぽいなとも感じましたね。
簡易感想の時に「設定オチ」とも書きましたが、設定を元にみんなが口を出していって、それが一つの「作品」になっていく過程を見ているような気分にもなりました。
「映画」ってある意味「想像」を形にするものですからね。
そういったことを踏まえながら、もう一度読み返すと面白いですよ。
冒頭のシーンはもこっちが頭に浮かんだそのままでしょうし、知ってる店がいつの間にか潰れてるみたいなところは、彼女が例えば…なんて言いながらゆりちゃんたちに語っている姿が目に浮かびます。
そこから、ゆりちゃんはこんな感じで公園で待ち合わせをして…なんて話から、もこっちが「ゆりちゃんはなんだっけ?」とネタフリをして、ゆりちゃんがそれに対して「図書館で働いてる」かもなんて答えるわけですw
で、だんだん乗ってきたもこっちが大喜利よろしく、「吉田さんが捕まった、いったいなぜ?」みたいなお題を出してくるとw
そうしたら、ゆりちゃんが「よくわからないけど、なんかのアプリで野菜を売ったらしい」「真子が吉田さんの為にと思って計画したんだけど、途中で良心の呵責で耐えられなくなって…」と返したりしてw
で、たぶんそこからネモも参戦して「売れない声優」VS「打ち切り作家」バトルが始まるんですねw
「N.E.M.O名義のエロゲ・同人仕事やってる」「クロだって小説二連続打ち切りでその後何も依頼がないよ」とかw
そうやって見ていくと、校舎の前で語った話もまた違った印象になります。
「高校生(こども)の時」「大人(いま)」なんて言っていましたけど、あれは大人になったもこっちの言葉じゃ無くて、まだ高校生(こども)であるもこっちの語りだったのですから。
こみさんが交通事故で死んだという話なんて、普段の通りですからね。野球の撮影の時に「こみさんの頭にぶつけて再起不能にして…」と言っていたのと大して変わらないでしょうw
最後、うっちーが割り込んだせいで一回ストップしたところは、「いったんカメラ止めて」と撮影を中断する場面にも見えますよね。
これは今の彼女たちが想像した未来像なんだと思って見直すと、最初には見えてこなかったものが見えてくるわけです。
今回の妄想話がどういうきっかけで始まったのかはわかりませんが、ひょっとすると、前回(喪217前編)の「美少女演劇集団」の話から発展したのではないでしょうか。
「地道にラノベ作家目指すか」「公務員かニートになるしか」みたいなこともいってましたしw
微妙にリアルな「上手くいってない感じ」だったのは、その辺の影響もあったような気がします。
そう考えると今回の特別編は、もう一つの「映画」の話でもあったのかもしれません。
もこっち一人が考えたのではなく、みんなで妄想を膨らませていく感じが共同作業のようじゃないですか。
それはもこっちがかつて語っていた「疑似的青春」のテーマともつながっているようにも思うんですよね。
10代の彼女たちが考えるリアルさで作った30代の自分たちが、かつての自分たちをもう一度見つけようとする。
そのおかしなズレというかねじれたメタ構造は、もこっちが求めていた「本当の青春」の一部だったのかもしれないと、ちょっと思ったりもした「特別編」でした。
11月10日に最新24巻が発売になりました!感想記事は早ければ来週あたりに、遅くても今月中には更新する予定です。
特別編15と比べてみると、今回が「夢オチ」ではないのよくわかりますね。
「大学編」ではないですが、14巻では彼女たちが将来について考え始めた様子が描かれています。
将来の話といったら、喪90「モテないし将来について考える」ですよねw
- 関連記事
-
- 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!24巻 感想~「お祭り」はまだ始まったばかり~
- 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!ガンON15周年特別編~みんなが持ち寄った妄想で作り上げた「映画」~
- 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪217(中編)簡易感想~基本ネタバレなし~
スポンサーサイト
tag : 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!