fc2ブログ

【なりそこないの四方山うる星ばなし07】10くらいからわかるうる星講座その5・まずは初期から読んでみよう!10週連続連載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)


二度目の「連載」が始まったのは週刊少年サンデー1979年12号、時期としては2月の下旬になります。
最後の「読切」だった「酒と泪と男と女」が1978年11月下旬ですから、およそ3ヶ月くらいのブランクが空いての連載開始だったわけです。

その間、読者からの反応をじっくり読む機会もあったでしょう。それによって、求められている方向性は何かということにも考えを巡らせたのではないかと想像します。

ただ、この時期はさすがに「5週連続」とは違って休みの間に一気に描くという形ではなかったかと思います。いくら長期の休みがあっても、さすがに10本まとめて描き上げるのは現実的ではないですからね。
つまりこの2ヶ月余りの連載期間は、リアルタイムで読者の反応を見つつ微調整が可能だったということになります。
話のバリエーションが多彩になり、少しずつ雰囲気も明るめになっていったのはそういった一面も関係しているのかもしれませんね。

というわけで、これからその「初期」の世界観が確立した時期の作品たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。


■10週連続連載期

「自分としてはただのドタバタSFをやりたかったんですけど、読者の興味はそっちじゃないんだなと。だからといって恋愛の要素を強めようとは思わなかったんですけど、「うる星」の本格的な連載を始めるにあたり、物語の縦軸として、あたる、ラム、しのぶの三角関係を描くのはありだなと考えたんです。」(2019年12月発行 漫画家本Vol.14「高橋留美子本」小学館 P37より)

●EP009;憎みきれないろくでなし(01巻 PART07)(重要度:B★★

◆あらすじ;学校帰り、あたるたちは牛丼屋でラムの元婚約者のレイを見かける。あたるを迎えにきたラムと一緒にレイをからかう彼らは逆上したレイに町中追いかけ回されることに!

◆ポイント;レイ再登場
◆キーワード;牛丼 プロポーズ
◆注目フレーズ;「う……牛が牛丼食っとる」「一生おれのために、めしを作ってくれないか」「最近あの人がわからなくなってきたわ」

◆解説
連載1回目にしていきなりの「レイ再登場」。
コミックスだと「愛で殺したい」の次なので全然違和感がないんですけど、一応“新連載”なのにいきなり「読切」でのゲストキャラを再登場させるってどうなんだろうw

しかも「愛で殺したい」は増刊サンデー掲載でしたからね。当時週刊サンデーしか読んでいない読者はどう受け止めていたんだろうと、今でも不思議な感じがします。
当時は新人でしたし、そういうことはあまり気にせずにとにかく思いついたネタをぶつけていくことを優先したんでしょうか。担当編集者もその辺は気にしなかったのかな。
まあ増刊サンデーの読み切りも本誌で宣伝告知はしていたでしょうし、当時の「うる星」ファンだったら読んでいて当然みたいな空気があったのかもしれませんね。

それに、仮にレイ初登場の「愛で殺したい」を読んでいなくても内容自体はすぐ入っていけるでしょうしね。ラムの元婚約者がいたということだけ理解できていれば特に読むのに支障があるわけではありませんし、1話完結の読み切り連載だからという空気が強かったのかもしれません。

話としては割と単純です。
レイが言葉をほとんど話せないことをいいことにあたるたちは散々おちょくり、怒った彼に町中を追いかけ回されます。その都度レイはプロポーズの言葉を発しながら追いかけるわけですが、それを真に受けた巷の女性たちやその彼氏などを巻き込んで大騒動になるといった、まあいつものドタバタ劇ですねw
でもこれまでのような悲壮感はあまりなく、割とポップな雰囲気で展開していきます。
新連載ならではの新しさはあまり感じられないものの、明らかにこれまでとは一転したノリと空気感がありますね。

ここではあたるのキャラもかなり変わった気がします。
端的に言うとより軽薄になったというか(笑)、割とおちゃらけたキャラになっているように見えるんですよね。「愛で殺したい」と比べてもそのキャラの軽さははっきり感じ取れます。
やはり「お雪」を経て、あたるというキャラが少しずつその本性を見せるようになったのかもしれませんね。

uy_01kan_part07_08-1koma.png uy_01kan_part07_09-3koma.png 
ラムの意地悪にあたるが乗っかるのも印象的。
ここではレイにラムを押し付けようとはしないんですよね。むしろラムと一緒に楽しんでいるかのようです。
「愛で殺したい」の頃とは明らかに関係性が変化しています。
冒頭で紹介した「恋愛の要素を強めようとは思わなかったが、縦軸として三角関係を描くのはありだな」という言葉を裏付けるような描写と言えるのではないでしょうか。

uy_01kan_part07_14-3koma.png 
変化といえば、しのぶの心情も微妙に変わりつつあります。
ラムとのこともありますが、あたるに対する気持ちが少し揺らいできているんですね。
ここの描写は何気に重要だと思います。
しかも特にギャグ要素として描かれたわけではなく、わりとシリアスな雰囲気での発露ですから。

uy_01kan_part07_15-4koma.png 
このシーンはギャグの一環でしょうけど、特に彼女が尻軽というわけじゃないと思います。
しのぶのキャラはあくまで「あたるの普通っぽさを際立たせる存在にしたかったので一般的な女子高生に」好書好日 人気漫画家インタビュー「 祝「うる星やつら」アニメ化、高橋留美子さんインタビュー! SF、ギャグ、学園もの…なんでもありの世界だっちゃ」 2022年4月22日より)ということですので。
「愛で殺したい」でも見せた“ハンサムに弱い”一面は、あくまで一般的な女の子としてのものでしょう。

ただ、ここはあたるとラムの反応が面白いですねw
ていうか、地球を離れる覚悟なのかw 両親もびっくりだわw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
uy_01kan_part07_13-3koma.png 
この話をもっとも端的に表している1コマですね。令和版アニメでも再現されていましたが、見ているだけでなんだか楽しくなってきますw
こういうコマ送り的な移動表現って昔から好きなんですよね。とうもろこしの時だけ牛になってるのもいいw
ていうかこの公園、カップルだらけですよね。しかも、みんな草むら的なところばかりwうーんなんて風紀が乱れているんだw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
uy_01kan_part07_15-5koma.png 
いじきたないし牛になるし理性はないしw
直さなきゃいけないところしかないじゃねーかw
特に理性がないのは致命的w

あたるが唖然としているのも面白いですし、レイが明後日の方向をみているのも意味がわからなくて好きw なに黄昏てるんだw

uy_01kan_part07_18-5koma.png 
ひどいw お父さんも直前に妻の体を気遣っていただけにここは切ないですよね。
でも、こんなあほヅラを見せられたら無理もないかw もうちょっと心から心配してる感じを出してけよw

☆ピックアップワードおや ラムだけ?
uy_01kan_part07_17-5koma.png 
あたるの母がラムを名前で呼ぶのはここが初めてになります。
これまでは彼女の存在を考えないようにしていたというか関わる接点がなかったわけですが、ここで彼女が諸星家に自由に出入りしていることについて初めて言及しているんですね。

一方、ラムはまだあたるの両親についてはほとんど意識していない風ではあります。
彼女はあくまであたる個人しか見えておらず、諸星家との付き合いについては一切無頓着のように見えますね。
この辺もお互いどう変わっていくか、注目していくべきポイントではないでしょうか。




●EP010;いい日旅立ち(01巻 PART08)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;ラムの星の節分に参加するために無理やり連れて行かれたあたる。そこで待っていたのは、福の神たちと鬼たちとの「合戦」だった…

◆ポイント;弁天初登場 ラム父 しのぶ未登場
◆キーワード;スキヤキ 節分 施餓鬼会
◆注目フレーズ;「こんなおいしそうな女を放っておけるか」「いいのかよ、女房(ばした)の目の前だぜ」「食ってもいいぜ」

◆解説
弁天初登場。おユキさんに続いてのラムの「友だち」になりますね。
ただここでは友だちとははっきり言っていません。むしろ敵同士なんじゃないかと思われます。
何しろ「合戦」相手ですしw

まあしかし、「鬼」の相手が「福の神」という設定は秀逸としか言いようがありません。
しかも、鬼以上にとてつもなくガラが悪いというねw
uy_01kan_part08_06-1koma.png 
なんといっても、弁天のキャラデザインが素晴らしい!
こうしてみると、永井豪の影響が色濃く出ているのがよくわかりますね。
鎧の鉄ビキニに鎖とか、70年代にここまでフェチ心をわかっていたとかすごすぎます。髪を鎖で後ろに束ねているのも最高にかっこいい。

しかも、七福神の他のメンバーもちゃんといるんですよね。
弁天の隣が毘沙門天様、「不良老年云々」が恵比寿さん、極道鎧に葉巻の大黒天様に、男一匹の刺青が布袋尊さん。そのとなりのジジイ二人が寿老人と福禄寿でしょうけど、これはどっちがどっちなのか…w

いやもう、鬼族の方が全然おとなしいじゃないですか。これもまたギャップネタですよね。
そりゃ、おユキさんもラムを「あんなにしとやかな」と思うわなw

uy_01kan_part08_04-3koma.png 
なお、この「いかれた扮装」が合戦での正装らしいw
ラムのビキニ以外の格好も「お雪」以来ですよね。この頃は地球以外でないとおしゃれ(?)をしない感じなんでしょうか。

また、ラムが自分の父親のことを「とうちゃん」と呼ぶのも実はこの回が初めてです。
2回目の連載でだいぶ彼女のキャラも確立してきた感がありますね。

それと、
uy_01kan_part08_08-2koma.png 
ラム父があたるを「むこどの」と呼ぶのもこの回から。一応「かけめぐる青春」ラストでは「婿」とは呼んでますけどね。
まあ嫁の田舎の奇祭に無理やり参加させられる構図でしょうかw 何気にトラジマ甲冑を着せられているのが泣かせますねw

さて、実はこのエピソードには弁天登場以上に非常に重要なポイントがあります。
それは「しのぶが登場しない」ということ。
連載2回目にして早くもヒロインが出てこないってすごいと思いません?

よく初期において「ラムが登場しない」話のあることが取り沙汰されますが、実はヒロインであるはずのしのぶにもあったんですよ。なぜかほとんど取り上げられることがありませんけどね。

まあラムの交友関係の話で地球を飛び出してしまうと、どうしてもしのぶの入る余地がなくなってしまう面はあります。彼女はあたる奪還を目指して一緒に鬼星に乗り込んでいくみたいなアグレッシブなキャラではありませんからね。
でも本当に三角関係を軸とするならば、彼女もまたラムに対抗できるようなポテンシャルを持つべきだったのかもと個人的には思ってしまいます。

この時点では特にしのぶをヒロインの座から一歩引こうという意識はなかったでしょう。あくまで節分のネタをたまたま思いついて結果的にしのぶの出番がなかっただけかと思います。
ただ「一般的な女子高生」という縛りが、彼女をうる星のヒロインとしての立場を難しくさせてしまったのは確かなのではないでしょうか。

で、一方、しのぶがいない間でのラムの一挙一動がこれまたむちゃくちゃ魅力的なんですよ。
しかも「合戦」という状況下においては、いつものような激しいヤキモチを発揮するわけにはいきませんからね。
妻の目の前で旦那が他の女(しかも自分の幼なじみに!)に迫る姿を、
uy_01kan_part08_15-1koma.png 
イライラしながらも見ているしかないというこのシチュエーション!
最高に可愛いじゃないですかw(こうして子どものうちから性癖が歪んでいったのであった…)

それと、鬼族と福の神の合戦は後腐れがないところがいいなと感じます。
やっていることは単なる「紅白玉入れ」ですし、勝負がついたらノーサイドで
uy_01kan_part08_18-2koma.png 
こんな「余興」まで開いてしまうんですからw
侵略も「鬼ごっこ」でしたし、地球人よりもよっぽど平和的ですよね。
てか、おせんにキャラメルてw これぞ昭和ギャグの真髄w

で、恒例の罰男はもちろん
uy_01kan_part08_18-6koma.png 
この男なのですが、
目の前で浮気現場を見せつけられても、電撃を喰らわせたらもう後は引かずに「ダーリンがかわいそ~~っ!」と訴えるラムがいじらしいw
この争い事を後に引かない性質は鬼族特有のものなんでしょうか。

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
uy_01kan_part08_16-4koma.png 
殺すw
我慢に我慢を重ねたラムでしたが、さすがに目の前で「いただく」ダーリンは黙って見ているわけにはいきませんねw
あたるも本当よくやるわw 命知らずもいいところw
弁天のしてやったりという表情がまた最高ですね。

決定的な瞬間を激写したような構図が見事としかいいようがありません。あえてスピード線などを排して空白を残すことでより印象的な場面になるんですよね。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
uy_01kan_part08_04-5koma.png 
これはもう、冒頭の「おぬしとわしは今宵限り……」が最高のフリになっていますねw
普通は別れを告げる方が去るものですが、ここでは逆だというw
てか、予言だったのかよw

スーパーマンかのようなポーズで無表情に攫っていくラムがまたおかしいw
片手であたるを連れ去るとか、意外と力持ちだなw

なお、新装版コミックス33巻の巻末企画「完全データファイル・とにかくカウントしてみたっちゃ!」は「あたるが宇宙へ旅した回数」なのですが、なんとこの話はカウントされていません。

ラムの宇宙船には5巻3話『怪談・コピー人間』と、ラムの母星から地球へ帰路に利用した9巻10話『見合いコワし=その4=』の2回乗っただけである。

とあって、下のカウント数でも「ラムの宇宙船(2回)」になっていて、今回の節分合戦の件が入っていないんですよね。
まあ単純な見逃しだと思いますけど、あの企画も全部が全部信用おけるとは限らないようです。
ひょっとすると他のデータでもこうしたミスがあるのかもしれませんが、逐一確認なんてしてられないのでこれ以上はないということにしておきましょうw

uy_01kan_part08_19-7koma.png 
WWW餓鬼入道www
チェリーとあたる母のコンビは本当最高w
何気に曼荼羅図が双六みたいになっているのがまたおかしいんですよね。

包丁ネタは当時そんなに過激には感じませんでしたが、令和版アニメでもここはちゃんとやってくれてよかったです。

☆ピックアップワードラムが湯豆腐なら、あなたはスキヤキだ
uy_01kan_part08_15-6koma.png 
スキヤキと湯豆腐って比較対象になるんだろうかw てか、よだれを垂らすなw

でも酷いセリフではありますが、実はあたるがラムについて評するのってここが初めてなんですよね。
最初に読んだ当時、「それでも湯豆腐くらいの魅力は感じているんだ」と思ったものです。
彼がラムにそれなりの性的魅力を感じていることを示す最初の言葉として、注目すべき台詞のような気がします。
しかしこれ、弁天もあえてラムの名前を出して煽っているんだよなあ…




●EP011;大勝負(01巻 PART11)(重要度:A★★★

◆あらすじ;両親が旅行に出掛け、二人っきりになったあたるとラム。ラムはここぞとばかりに自慢の手料理を作るというのだが…

◆ポイント;ラムの料理初披露 サクラVSチェリー
◆キーワード; ふたりきり 生霊
◆注目フレーズ;「ラムとふたりきりになったからって野生にもどるんじゃありませんよ」「量をまちがえると爆発するっちゃ!!」

◆解説
初カラー回。当時はまだ学生でしたし、連載3回目でまだ何もわからない状況での2色カラーということで「手探り」だったと後のコメントで答えています。(2016年発行 うる星やつらパーフェクトカラーエディション上巻 巻末一言コメントより)
コミックスで読むと、やっぱりざらついた感じが少し気になりますね。

ここではあたるの両親が旅行で不在ということで、初めてあたるとラムが一つ屋根の下でふたりきりという状況になります。ある意味「中期」の代表作「夜を二人で!!」の先駆けとも言えるかも?
「ラムとふたりきりになったからって野生にもどるんじゃありませんよ」なんてセリフは、「夜を二人で!!」での「くれぐぐれも間違いのないよ~に!」というあたる父の言葉をほうふつとさせますしね。
考えようによっては、初のあたラムラブ(?)回と見る向きもあるかもしれません。(とはいえ、令和版ラブセレクションにもコンビニコミックあたる&ラムセレクションにも収録されていませんが)

注目すべきことは、今回もしのぶの出番はないんですよね。つまり、2週連続未登場ということになるんです。
これもおそらく意図的なことではなく展開的にそうなったんだと思いますが、結果的にラムのキャラがより目立つようになったような気がします。

実際ここでの二人のたたずまいは、まるで本当の夫婦のようなんですよね。
UY_01kan_Part09_02-6koma.png 
この「ちょっと台所手伝って」なんて新婚の雰囲気すら漂いますw

家の中でラムがあたるの部屋以外に普通にいるのも新鮮というか、この回がほぼ初めてなんですよね。
「お雪」「憎みきれないろくでなし」で玄関先にいたことはありましたが、それもたまたまというか意図的なものではありませんし。あとは「絶体絶命」であたるが家電しているところを邪魔するくらいですか。
いずれにしてもイレギュラーな状況であって、今回のようにあたるの親からも許しを得て家の中を自由に動き回れるのとはまったく意味が違うでしょう。彼女が諸星家の馴染んでいくその第一歩がここにあると言えそうです。

ストーリーはこれまでと比べると、割と複雑なものになっています。
なにしろ、ラムが調味料の量を間違えて調理器が爆発したと思ったら、いきなりリモコンで動かす戦闘機やらロボットが飛び出してくるんですからw
で、訪ねてきたチェリーとサクラさんが、そのどこかの星でリモコン戦争をしているやつらの生霊を呼び出そうとするわけですが、出てきたのはなんとサクラさんの守護霊とチェリーの憑依霊。
周りをそっちのけで勝手に争いだした彼らは実はリモコン戦争とはまるで関係なく、単なる身内のケンカだったというのですからもうわけがわかりませんw

けっきょく、あとからリモコン戦争の当事者である宇宙人たちがやってくるんですけど、これが優しいいい人たちなんですよねw どこぞで姪と伯父の代理戦争をやっている輩とはえらい違いw
鬼対福の神の時もそうでしたが、基本彼らは争いごとが好きでも後を引かないというか、終わったらノーサイドで仲良くやっているようですね。我々地球人も見習いたいものですw

この回の重要なポイントとしては、なんといってもラムの料理初登場が挙げられます。
といっても、
UY_01kan_Part09_16-3koma.png 
果たしてこれは「料理」といえるのかどうか微妙なところかもしれませんがw
てか、あちこち飛び出ている針金みたいなものはいったい何でできているんだw

隣で若干吃音ぎみの宇宙人がリモコン戦争をやっていた人なんですが、本当いいひとなんですよねw
ある意味ラムの料理の犠牲者でもあるのに、文句ひとつも言わないんですから。まあ自分たちも戦闘機を爆発させた負い目もあるんでしょうけどね。
ちゃんと入れ替わった「料理」を持ってきてくれるあたり、律儀な人だw

自分の料理のぶじを喜ぶラムの笑顔がまたかわいいw
今まで見せたことのない屈託のない笑顔ですよね。子供っぽい無邪気さを感じさせます。

笑顔と言えば、
UY_01kan_Part09_17-3koma.png 
ここの表情もいいですよね。
争うサクラさんとチェリーに「もう仲なおりするっちゃ」と自分の手料理を差し出す姿は、いじらしくさえあります。
これまでの乱暴なイメージとは違う一面が見えたのではないでしょうか。
(…もっともこのせいで、なんと二人の霊がともに消えてしまう羽目になるのだがw うーんなんという破壊力w)

それと、この回で「初登場」したものがもう一つあります。
それは
UY_01kan_Part09_19-5koma.png 
これ。
両手の中指と薬指を曲げたこのポーズは、いわゆる「るーみっくサイン」とも言われていますね。
信憑性は定かではありませんが、マンガで描かれたのは「うる星やつら」が初出だそうです。

なんでも
たとえばドタバタシーンでブン殴られるでしょう? そのままぶっ飛ばされると、ややもすれば「痛そう」「酷い」って印象を持たれてしまうかもしれないんだけど、この手になってると不思議とちっとも深刻にならない、という(笑)。余裕あるな、大丈夫なんだとわかるだろうと思って描いたんですよ。」 (2013年5月にコミックナタリーに掲載された「高橋留美子画業35周年インタビュー」より)
とのことですが、ここではそういう場面ではないですよね?
まあ「あまり考えずに描いた」とも言ってますし、ひょっとすると後付けだったりしてw
というか、あたるのおちゃらけた性格を強調する意味があったのかもしれませんね。

ちなみにアメリカの手話では「I Love You」の意味らしいですが、高橋留美子先生によると、
「そういえば、あとから読者の方の手紙で、この手の形には「I love you」という意味があると教えてもらって。それはまったく知りませんでした。そんなにいいポーズだとも思ってなかったですよ。」(2013年5月にコミックナタリーに掲載された「高橋留美子画業35周年インタビュー」より)
だそうですw

あと、これは個人的な印象ですが、この回ではあたるとラムが妙に仲が良く見えますね。

例えば、
UY_01kan_Part09_06-1koma.png 
こんな風に自然に寄り添っていたり、

UY_01kan_Part09_19-6koma.png 
さりげなく、あたるがラムの肩を抱いていちゃったりしていますw

なんだかんだ言っても男と女、同じ屋根の下で二人一緒に過ごすとなれば自然と近づくものなのかもしれませんね。(しかも電話での話によると「三日の留守番」ってことなんだよなあ…よくもそれで「野生にもどるんじゃありませんよ」なんて言えたもんだw やりたい盛りの高校生にそれは酷ってもんじゃないだろうかw)
当然、しのぶはこの件を知らないんでしょうね。知っていたら血の雨が降ったかもしれないw

もっとも、最終的には
UY_01kan_Part09_20-7koma.png 
こんな感じになるんですけどねw
(この時点では「からい」じゃなくて、まだ「まずい」であることにも注目!)

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
UY_01kan_Part09_03-1koma.png 
直接見ると目がつぶれるw どんな料理だよw
てか、どうみても鉄工所の作業風景にしか見えないんだがw

しかし、あたるに手伝ってもらうのって、防護盾を持ってもらうことだったのかw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_01kan_Part09_07-5koma.png 
くだらなすぎるwww
でも、ちゃんと今回の話のキーワードで全部つながっているんですよね。これって何気にすごいと思いません?
うる星の初期は言葉遊び的なギャグが印象的ですが、これなんかはその最たるものなんじゃないかと思います。

UY_01kan_Part09_14-5koma.png 
あたるとラムのツッコミが最高w
守護霊たちの中傷合戦が本体に波及した形ですが、「ヘボ巫女」「ロートル」というワードに反応したというのがまた面白いw

ちなみに私はロートルって当時知りませんでした。単に老いぼれとか言うよりも知性を感じさせる言葉ですよね。子供心ながらなんだか大人の世界を垣間見たような気持ちになったことを覚えています。

☆ピックアップワードげんに失敗したじゃねーか!!
UY_01kan_Part09_12-6koma.png
これはあたるが正しいw てか、あんな「調理風景」を見せられて信用しろって方が無理だわw

でも一方では、ちゃんと「二人分」のラーメンを注文しているんですよね。
ラムはこの気遣いにまったく気づいていないようですけど、失敗するのを想定しつつも一応彼女の分まで用意してあげているのはそれなりの優しさなんじゃないでしょうか。
お前はわけのわからん工業製品だけ食ってろ、俺は俺の食べたいものを食うでもいいはずですから。

ていうか、この頃ラムは地球でいったい何を食べていたんだろ…




●EP012;性(さが)(02巻 PART2)(重要度:B★★

◆あらすじ;体育で草むしり中に小さな卵を拾ったあたる。それはコロボックルの村に伝わる秘宝で、人間の精神を吸って成長する卵だった…

◆ポイント;初の本格的な学校描写
◆キーワード;しのぶの発作 能天鬼
◆注目フレーズ;「どうせラムの方がグラマーだ!!」「あたしと抱きあったら、あんなに大きく…」

◆解説
本格的に学園が舞台になる最初のエピソードになります。
これが後の学園中心のギャグマンガになっていく礎になったような気がしますね。
そういった意味でも意外と重要な意味を持つ話だと思います。

これは表紙も印象的なんですよね。ラムとしのぶが同時に小槌で卵を割るとあたるが出てくるというw
まさに冒頭で紹介した「物語の縦軸として、あたる、ラム、しのぶの三角関係」という言葉通りの構図になっているんです。
しかもここではラムとしのぶが同列の扱いになっているんですよ。ある意味二人の共同作業によって「諸星あたる」というキャラが生み出されたとも読めるわけで、この時代のうる星を象徴するものなんじゃないかと思います。

内容としては高橋留美子お得意の民俗ファンタジーですね。コロボックルの村に伝わる世界が入っている卵という設定が魅力的。それを学園ものと絡めることで、独自の世界観を生み出しているんですね。
なにより、その卵がかえったところは誰も見たことがない、なぜから普通の人は卵が大きくなると気味悪がって手放してしまうからという話が素晴らしすぎるw
それによって、あたるのキャラの特異性がより強調されるわけですよね。最初の連載5話くらいの頃だったら、ひょっとしたら手放してしまうかもしれませんが、もはや彼はそんなタマじゃなくなっているんです。

ていうか、学校での彼はかなり悪ガキ風に描かれてしますね。
何しろ拾った卵をクラスの女子に見せて「わーきれい」「欲しいなー」と言われても、そっけなく「だめ!!あとで食うんだ」と言ってますしw てか、食うんだ…

他にもメガネたちと一緒にポルノ雑誌を教室内で堪能したりしていますし、意外と「男同士」の関係を重視しているように見えます。女子たちの機嫌を取ることよりもそちらを優先するわけですから。
また、女教師のスカートが破れていることを男子生徒だけで分かち合ったりもしています。ガールフレンドであるしのぶがたしなめても、「べー」なんて舌を出して拒否するくらいですからね。女の子と仲良くするよりも男子特有の社会を優先する姿は、ちょっと異色な感じもします。

結果、しのぶが先生に教えてあげて、
UY_02kan_Part02_06-6koma.png 
こうなるわけですが、こうしてみるとけっこうすさんだ学校なのかもしれないw
まあ昭和50年代というと、学校の荒廃がさかんに叫ばれる時代でしたからね。その辺の世相も反映しているのかもしれません。
それにしても「禁酒禁煙」てw
(ちなみにあたるの持ってる卵はこれくらいでも大きくなっていますw 女性教師のスカートがちょっと破れているくらいで興奮するとか、意外と純情といえるのかもw)

でも、
UY_02kan_Part02_07-5koma.png 
こうした幻想を抱いている時点でなんだかかわいいものですw おれたちの清純なイメージw
彼らは「あなたにあげる」でラムがあたるにキスをした時も、「清らかなわれらのラムちゃんにむりやり…」なんて言っていましたし、けっこうガチでそう思い込んでいるのでしょう。
一方ではポルノ雑誌を教室内で広げているくせに、男って本当バカですよねw

ラムが教室にいる光景も実はここが最初だったりします。「あなたにあげる」はあくまであたるの回想ですからね。
話の流れに沿ってリアルに姿を見せるのは、なかなかに印象的でした。しかも宙に逆さで浮いている状態でですから。
彼女の自由奔放なキャラがこういうところにもにじみ出ている気がします。

UY_02kan_Part02_08-3koma.png 
ここのキスシーンなんて、すごくかわいいですよね。
これは「やさしくしてくれないと…電撃だっちゃ~!!」と迫った直後での甘~いキスなのですが、「あなたにあげる」時の直接的なものよりもはるかに魅惑的だと思います。
彼女もこういった「駆け引き」ができるようになったんですよね。ただやみくもに迫ったりヒステリックに騒ぐだけではダメだということを彼女も学習したんです。

また、一方では
UY_02kan_Part02_12-1koma.png 
こんな一面を見せてもいます。
小さいか弱いものを慈しむ心。
「かわいいっちゃ」という彼女の言葉には、そんな人間の“情”みたいなものが含まれているような気がしますね。

もちろん、ラムだけではありません。
2週連続出番のなかったことの憂さ晴らしするかのように、しのぶもまた大きく成長します。
「あなたにあげる」の回想では単に泣き叫ぶだけだったり机を投げるだけだった彼女も、それだけでは事足りず、「この色餓鬼がーっ!!」とあたるを追いかけまわしますからねw
おまけにあたるがラムに対して「下心」があることも看破しています。どうせラムの方がグラマーだと訴える姿はいじらしく思えましたよ。この頃から「独特の体形」であることにコンプレックスがあったんですねw

で、
UY_02kan_Part02_10-3koma.png 
こんな状態で我に返ったとたんに赤面したりしてw
ここのしのぶはむちゃくちゃかわいいですね。彼女もまた、あたるとの追いかけっこをある種のじゃれ合いとして楽しんでいたのかもしれません。

そんなこんなで「みだらな心」を思う存分吸い取った卵は、ついには殻をやぶってかえることになるわけですが…
UY_02kan_Part02_16-1koma.png 
これがあたるの心象風景w
和洋折衷の異空間というか、無秩序な感じが彼らしいですよね。
単純にあたためた人間の理想世界を構築するわけではなく、あくまでその人の「性格」を反映させるもののようです。そうでなければ、美女だらけのハーレムになっているに違いないですからねw
「女の岩」というのがシュールでよいw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
uy_02kan_part02_16-4koma.png 
いや、あなたたちの隣にもその鬼はいるんですけどw
同じ鬼でもこの反応の違いw
なんか構図が面白くて、つい選んでしまいましたw

ちなみに彼は“能天鬼”といいますが、
その他にも、「ロクデナシ」や「ムセッ草」、「ウツリ木」に「ヤジ馬」、さらに「極楽トンボ」「ソノヒグラシ」がいます。あたるの性格を表したものばかりですねw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_02kan_Part02_11-4koma.png 
ここはあたるの性的妄想のたくましさもさることながら、しのぶもまた「抱き合ったら」と認識しているのが面白いw
恋する乙女はあんな状態でも十分ロマンスを感じるものなのです!

UY_02kan_Part02_20-3koma.png 
最後まで収拾のつかない、いつも通りのドタバタエンドですけど、ある意味ハッピーな締めなんじゃないかという気もするんですよねw 別に命の危険にさらされるわけでもないですし、面白おかしく過ごせるならこれでもいいんじゃないかとw
で、あたるとラムだけが順応しているというw
ラムも最初はわりと渋い顔を見せていたんですけど、いざ宴会が始まるとまんざらでもない表情を見せるのが彼女らしいですね。
正統派ヒロインのしのぶとしては、ここは安易に同調するわけにもいかないのがつらいところですw

まあしかし、ここでなんといっても一番笑えるのは、コロボックル双子の「むこうで割れたら悲劇だったわね」でしょうw
本当その通り!としか言いようがないw

☆ピックアップワードラムちゃんがキスしたら卵が大きくなった!!
UY_02kan_Part02_08-5koma.png 
こいつ、なんだかんだ言ってもラムの積極的なアプローチにまんざらでもないんじゃねーか、このむっつりが!…と、当時は思ったものですw

彼のラムに対する素直じゃない態度はこの時から見えてはいたんですね。




●EP013;系図(02巻 PART3)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;学校に遅刻しそうなあたるはラムが作った空間の抜け穴に落とされてしまう。落ちた先はちょうど始業1分前、なんとか成功したかに思えたのだが、実はそこは十年後の未来だった…

◆ポイント;あたるとしのぶが結ばれた未来
◆キーワード;十年後 諸星こける
◆注目フレーズ;「どうせうちは鬼だっちゃ」「せっかんしてやるーっ!!」「そのガキの親の顔が見たい」

◆解説
うる星史上最大の問題作……ということになるのかな、やっぱり。
まあ何しろ、あたるとしのぶの将来の話で、彼らが未来では結婚していて子供までいるというんですからね。そりゃ大騒ぎになるでしょう。
この回を特に重要視すること自体に異議を唱えるつもりはまったくありません。

ただ、それは「うる星やつら」が完結した後の話だと思うんですよね。
これが最初に掲載された当時、そこまで大きな反響を呼んだのかという点においてはいささか懐疑的に見ています。

高橋留美子先生は、インタビューで「うる星」の最終話の話題になるたびに必ずと言っていいほどこの「系図」についての話をします。それはもう、絶対にこれだけは言っておかないとという強迫観念があるんじゃないかと思うくらいw
長くなりますが、ちょっと引用してみますね。

とにかく連載中ずっとしのぶのことを考えていたんです。初期の頃の「系図」という回で、しのぶがあたると結婚して彼の子供を産んでいる未来を描いちゃってたものですから。~(中略)~どうその問題をクリアするかを悩んでいました。(2019年12月発行の「漫画家本vol.14 高橋留美子本」小学館より P43-44から引用)

『うる星』は、終わる方向のネタを思いつくまで終われないと思ってたんです。終われたのは、それを思いついたからっていう(笑)。連載の最初の頃、〈あたる〉たちの将来についての話を描いていて、そこでは、〈あたる〉と〈しのぶ〉が結婚してるってことになってるんですが(一三話「系図」)、物語がそういう方に進んでいかなかったから。そこを解決しながら、とにかく〈しのぶ〉が幸せになるにはどうしたらいいかなと考えてたんですね。(クイックジャパンNo.71/高橋留美子15,000字インタビューより P82から引用)

――『うる星やつら』完結の決め手となったのは何ですか?
 しのぶです。話が進むにつれてあたるとラムがカップルのようになって、しのぶをどうすれば幸せにできるのか考え始めました。~(中略)~「これでしのぶにも明るい未来が見えた」と感じ『うる星やつら』完結を決めました。登場人物みんなが幸せで、読者が「読んでよかった」と思えるような結末にできました。

(好書好日 人気漫画家インタビュー「 祝「うる星やつら」アニメ化、高橋留美子さんインタビュー! SF、ギャグ、学園もの…なんでもありの世界だっちゃ」 2022年4月22日より)

また、昨年の週刊少年サンデー2022年46号において、「うる星やつらTVアニメ放送開始直前豪華鼎談」として、令和版アニメのあたる役・神谷浩史さんとラム役・上坂すみれさんとのスペシャルクロストークが掲載されたんですけど、そこでも高橋先生は、
『うる星やつら』は短期連載として始まっているんですけど、そのとき「あたるとしのぶが結婚して子供が生まれている」エピソードを描いたんですよ。でもそれが通常連載になったときに「やっぱり主役はあたるとラムだよね」となり、これはまずいぞって思ったんです。しのぶのことを疎かにするのはとても嫌だったので、しのぶが幸せになる道筋を思いつくまでは連載を続けようと思って。
と語っています。

とにかく「系図」の問題が解決しない限り、「うる星」は絶対に終われないんだという悲壮感すら漂うお言葉で、高橋先生の必死の思いがひしひしと伝わってくるのですが、でも一方私はこうも考えるんですよ。
その「重要性」は後から生まれたものではないかと。

「系図」が発表した当時、うる星は「あたる、ラム、しのぶの三角関係」を軸にしたドタバタコメディでした。そしてヒロインは間違いなく、しのぶだったはずです。
どんなにライバルのラムが象徴的な存在として魅力的だったとしても、そこは物語の構造上ぶれてはいけないところでしょう。

最初のアニメ化がきっかけで「うる星」を知った私は、連載当時の雰囲気を知りません。だからこれは想像でしかないんですけど、「あたるとしのぶの結末」を描かれたのはあくまでファンへの「サービス」のつもりだったんじゃないかと思うんですよ。つまり、今はギャグマンガとしてドタバタをやっているけど、いつの日か彼らも幸せになれる日が来るからそれまで安心して笑って楽しんでねと。
あたるとしのぶの仲を心配するファンに向けての作者からのメッセージみたいな気持ちから描かれたような気がするんですね。

実際、彼らが結婚していたことや「諸星こける」の存在は作中の誰にも知られないまま終わります。ラムやあたるはもちろん、しのぶだってその事実を知りません。つまり、伝えたい相手はあたるでもしのぶでもラムでもなく、あくまで読者に向けてなんですよ。

また、これも原作が完結してからわかったことですが、高橋先生は1981年にうる星のアニメ化が決まった際に一つだけ要望を出されたそうです。
当時アニメうる星のプロデューサーだった落合茂一氏が1987年に出版した「僕のプロデューサーかけだしマル秘日誌」という本にその辺非常に興味深い話を書かれているので、少し引用してみます。

「興味深かったのは、高橋さんから原作のこの話だけはアニメ化しないでほしいというのが1本ありまして、それが「系図」(単行本第2巻収録)という『うる星やつら』の初期の話なんです。(中略)高橋さんはその話だけは絶対にアニメにしないでほしいって言うわけ。」(本文34ページより引用)

今も昔も、基本アニメの内容についてはほとんど口出しをしない高橋先生のことですから、これはよっぽどのことだと考えていいでしょう。それほどまでに先生は思い詰めていたのです。
実際、昭和でも令和でもこの「系図」だけはアニメ化されていません。今後もすることは決してないでしょう。

で、いったいどうしてかというと、
「高橋さんが言うには「あの話はわたしの作品がまさか「少年サンデー」で連載されるとは思ってなかったので、いつも掲載される度にこれで終わりだろう、これっきりだこれっきりだと思いながら描いていて、本当にこれっきりだと思ったのが『系図』だった」って」言うんです。だから、その後には『うる星やつら』が連載されることになって、逆にその作品が非常に障害になった、ということらしいんです」(本文34ページから35ページより引用)
ということなんですね。

ここでいう「『うる星やつら』が連載されることになって」とは、もちろん1980年の春から始まる本格的週刊連載、つまり「面堂終太郎」以降を指すのでしょう。
要するに「うる星」の構造がそれまでの三角関係ではなく、あたるとラムの追いかけっこを中心としたものに変化したからこそ支障が出てきたというわけです。

「本当にこれっきりだ」という言葉が印象的ですよね。当時はまだ学生の身ですし、いつ打ち切られるかわからないままに、毎週これが最終回かもしれないと思って必死で描いていたんです。
逆にいえば、それならば後の展開への影響なんてそんなに考えなくてもいいだろうと私なんかは思ってしまうんですけど、先生は非常に作品への思いが強い方ですからそうもいかなかったんでしょうね。

最初のアニメが放映されていた当時この「系図」をめぐってファンの間でよく論争になっていましたが、私はそれを冷めた目で見ていました。「初期」と「前期」以降ではまったく違う作品なのに、何を言っているだろうと。
というか、そこまで取り立てて騒ぐようなエピソードか?とまで思っていました。

今となっては、うる星において決して外すことのできない重要な話だったんだとわかります。
なんといっても、この話がなければうる星は「完結」できなかったのかもしれないのですから。
ただ、「初期」の流れで見る限り、そこまで“重要性”があったかは疑問がありますね。

…思った以上に前置きが長くなりました。(ここまで前置きだったのかよ)

実はそんな構えて読まなくても、普通に面白い話なんですよ。
何しろ「タイムトラベル」ものですからね。これまでで一番SF色が強い回といってもいいでしょう。
十年後の未来で自分の息子に会うなんて、なんだかワクワクする展開ですし。

UY_02kan_Part03_11-2koma.png 
座敷わらしw
実は「しのぶ=座敷わらし」というイメージはここが発祥なんですよね。最初は彼女ではなく、息子から想起されたというw
てか、子供を見た瞬間、座敷わらしだと思う方も思う方だがw

でも彼は一方、おなかをすかせて駄々をこねる子供に対して、
UY_02kan_Part03_12-3koma.png 
泣きながらもお弁当を差し出したりもします。
けっこう情にもろいというか、小さい子には優しい一面もあったりするんですよね。
意外と涙に弱いというのも彼の特徴なのかもしれません。

もっとも、
UY_02kan_Part03_13-3koma.png 
血は争えませんけどねw
ラムはむじゃきなだけだけと言ってましたが、絶対いやらしいことを考えているに決まっているw
あたるの言う通り好色そうな目をしてるしw
ラムも目がとろんとしてるこけるを見て「ダーリンみたいだっちゃ」と言ってましたが、さすがよくわかってらっしゃるw

でもここは、見ようによってはあたるが嫉妬している構図にも思えて興味深いですね。
また前回同様、ラムが小さい子に対して慈しみの心を見せる場面でもあります。
あたるも「おれよりもそんなどこの馬の骨ともつかないガキのかたをもつのかーっ!!」と言ってましたねw

あたるとしのぶの未来が描かれたわりには、意外とラムとあたるの仲がいい感じなのもこの回の特徴だったりします。

実は表紙でも
UY_02kan_Part03_hyoushi.png 
ラムがデカデカと描かれていたりするんですよ。ここでの彼女は唇もふっくらしていてこれまで以上に煽情的に描かれていますね。初期の中でも特に色っぽいラムだといえるのではないでしょうか。

しのぶがいないのはネタバレを避けるためなんでしょうけど、結果的にラムとあたるの「ラブ回」みたいな感じになっているのはある意味皮肉ではありますね。(実はあたるとラムの令和版ラブセレクションでは、この「系図」も上巻に収録されていたりしますw)

子どもの名前が
UY_02kan_Part03_16-5koma.png 
「もろぼしこける」だとわかるシーンも面白いですね。二人ともわかりやすいくらいに“こける”というw
ここだけ見ると、あたるとラムは本当いい雰囲気に見えます。
(ただ、こける君がもし「かあちゃん」の名前を憶えていたとしたら…どうなったんでしょうw)

そうそう、この話では非常に重要なポイントがもう一つあるんでした。
なんと、
UY_02kan_Part03_18-1koma.png 
「友引高校」の名前はここで初めて登場するんですね。しかも「区立」だというw
はたして高校で区立ってあるんだろうかと思いますけど、まあこれは十年後のどこか別の世界線だということで納得することにいたしましょうw

UY_02kan_Part03_19-6koma.png 
で、幸いにもこける君は無事にママのところに帰ることができたわけですが、このシーンはこれを見ている読者だけへのメッセージになっているんですよね。
あたるもラムも、そして高校生のしのぶもまだ彼女の姿を見てはいないわけです。

…てか、「パパに似て」ってw
あたるはパパになってもママの見分けがつかないのかw
ひょっとしてこの世界でも、しのぶはあたるの女癖に悩まされているのかもしれませんw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
UY_02kan_Part03_19-4koma.png 
ラム…かえろ… うん……

この二人の会話がすごく好きです。
なんて言うんだろ、お互い望まない結末を知ってもなお、それをあえて口にすることなく気持ちを押し殺しているんですよね。
そして静かに未来を去るんです。
なんて切ないんでしょう。でも、なんて優しいんでしょう。

この二人の物語は実はここから始まったんじゃないかと思ってしまうのは私だけでしょうか。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_02kan_Part03_14-4koma.png 
まあこわいw
ここはもう単純に笑ってしまうw

まるでホラーな雰囲気で語られているのが最高ですねw

UY_02kan_Part03_20-3koma.png 
失禁w
これは怒られるわw
漏らしたから学校をさぼったんだとか最悪すぎるw

この後、「おまえならやりかねない」とまで言われてますが、いったい普段どう思われているんだか…

☆ピックアップワードきょうはラムちゃん とくにくっつくな
UY_02kan_Part03_20-4koma.png 
あんなことがあったから、いえ、あんなことがあったからこそ、なおさらあたるのそばにいたいんですよね。
実際、この出来事をきっかけにしてラムはさらにあたるへの想いを募らせたんじゃないかと想像します。

「系図」は、これが描かれた時点では確かに「あたるとしのぶ」の未来を約束するものでした。
ただ、それは特に深い意味があるわけではなく、あくまでこの時点での読者に安心を与えるための一種のサービスに過ぎなかったんだと思います。
結果的にそれが作者を長い間悩ませることになりました。そしてその“呪縛”は「うる星」が完結するまで続くことになります。

今思うと、あたるとラムのラブストーリーはここが一つのきっかけだったんじゃないかとつくづく感じます。
彼らが自分たちは結ばれないと思った時から、それは始まっていたんです。
このラストのラムを見るたびにそんな思いに駆られてしまいますね。




●EP014;あやつり人形(02巻 PART4)(重要度:B★★

◆あらすじ;夕食後、あたるは体が勝手に動く症状に見舞わられる。部屋に戻ってみると、ラムが自分の人形で遊んでいた。それはモデルの相手を自由にあやつれる人形だというのだが…

◆ポイント;ラムのアイテム
◆キーワード;人形 うらみ 痴漢
◆注目フレーズ;「ラムは鬼だもんな~~、どんなものすごいことをするか…」「人形を使って人間をいたぶるというのは異常だぞ!!」

◆解説
いわゆる初の「アイテム」回。
「前期」以降、ラムが持ち込む変なアイテムで騒動が起こる話が定番化しますが、これはそのはしりと言ってもいいでしょう。
人を操る人形であたるをもてあそぶとは、ラムもけっこういい性格をしていますw

実際、ここでラムがやっていたことは特に愛情の発露でも嫉妬や復讐でもなく、本当に単に遊んでいるだけなんですよね。
なんでもラムの星ではやっている「念動力ゲーム」だそうですけど、なんとも危険すぎるw
しばらく彼女のかわいさや純粋さが感じられる話が続いていましたが、実は無邪気な残酷さも兼ね備えている存在なんだということを如実に思い知らされます。

あたるの浅はかさでうらみをはらす道具にもなることを知ったラムは、当然のごとくしのぶの人形を作りに彼女の家へと向かいます。そこで相手の髪の毛が必要なわけですが、
UY_02kan_Part04_13-4koma.png 
あいにく彼女は入浴中。
「生意気に」って言い方が面白いですねw そりゃ湯船に入る時は濡れないようにアップにもするだろw別に隠していたわけでもないw
てか、こうしてみるとけっこう怖いシーンですよね。完全にストーカーの構図です。(当時はそんな言葉もなかったですけど)

UY_02kan_Part04_17-2koma.png
こえ~w
あたるじゃないですけど、「鬼」である彼女がいったい何をするつもりなのか考えれば考えるほど怖くなってきます。
このあと、「ふん!!うちをさしおいて!!」なんて捨て台詞を吐くんですよね。形相もまるで鬼そのものなだけに、よけいにすさまじいw

UY_02kan_Part04_20-3_4koma.png 
あたるにお風呂を覗かれていたと勘違いしてしまったしのぶの涙。
ここはなんともやるせない気持ちになりましたね。
ラムの暴走を止めようとしたあたるの必死な行動がこうして裏腹な形になってしまうのは、ギャグとはいえちょっと切なく感じます。

でも、この娘の涙の意味を親は知らないんだろうなあ。

今回は一見するとラムとあたるの話に思えますが、実はしのぶの話だったんじゃないかという気がします。
「系図」とは逆の構図ですね。

そう考えると、表紙も
UY_02kan_Part04_hyoushi.png 
「系図」との対比になっているように見えませんか?

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
UY_02kan_Part04_14-2koma.png 
とは言いつつ、このラムがむちゃくちゃかわいく思えるんだよなあw

これ、冗談で言ってるのかと思ったらけっこうマジなんですよね。
「あのうたぐり深いしのぶは、そうかんたんに中にいれてくれないっちゃ」と言ってますしw
うたぐり深いとかそういう問題じゃねーよw
本当、いろんな意味で純粋なんだなあと感じますw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_02kan_Part04_11-6koma.png 
WWW八つ当たりもいいところだけど、気持ちはわかるw

今見るとすごく昭和テキストのギャグだなあとも思いますけど、その前の緩急のつけ方がうまくてテンポよく笑えます。
これは前振りもいいんですよね。「そちらの方角は不吉」だとか「こよいは一段とさえない面相をしておる」とかw

UY_02kan_Part04_19-5koma.png
ポーンw
あやつり人形となればこういう展開もお約束ですよねw

まあ結果的にチェリーに投げ飛ばされて命拾いをしたともいえるのかもw
もしあのまましのぶの父親に見つかっていたら、それこそ身の破滅だったでしょうw

☆ピックアップワード人形使ってうらみをはらすなんて思いもよらなかったっちゃ
UY_02kan_Part04_10-1koma.png 
このセリフはすごいですよね。
ラムの純粋さと、無邪気だからこその恐ろしさを同時に感じさせます。

人を自由に操れる道具でゲームに興じる子が、うらみをはらすということに思い当たらない。
これが純粋と言わずしてなんというのでしょう。これを無垢なる狂気と言わずしてなんというのでしょう。
ある意味、面堂了子に通じるものがありますね。
あたるもよけいなことを教えてしまったものですw




●EP015;いまだ浮上せず(02巻 PART5)(重要度:C★

◆あらすじ;日曜の野外授業で二人っきりになったあたるとしのぶ。久しぶりの逢引きに盛り上がる二人だったが、そこに謎のカッパ女が現れ、あたるを竜宮城に連れて行ってしまう!

◆ポイント;ラム未登場
◆キーワード;カッパの竜宮城 乙姫
◆注目フレーズ;「おい、こっちの方がおもしろいぞ」「諸星くんの生命力はゴキブリなみだもの」「この浮気者ーっ!!カッパ女の次は人魚かーっ!!」

◆解説
あたるとしのぶがカップルらしい、唯一と言ってもいい回。
ラムが登場しない話としてわりと取り上げられる回でもありますが、これまでの流れからすると、むしろ不自然さすら感じますね。
ここまでしのぶが登場しない回が2つあったので、帳尻合わせのために急遽描いたんじゃないかと勘繰ってしまいますw

実際、ラムとしのぶとでバランスをとったんじゃないかと思いますよ。しのぶ不在が2話続いて「性(さが)」、そして系図とあやつり人形ときてから、この話ですからね。
当時は「ラムとしのぶ、どちらがあたるとカップルになるのかは考えておらず」(好書好日 人気漫画家インタビュー「 祝「うる星やつら」アニメ化、高橋留美子さんインタビュー! SF、ギャグ、学園もの…なんでもありの世界だっちゃ」 2022年4月22日より)ということですから、どちらかに偏らないように慎重に配慮していたんじゃないでしょうか。

話としては単純というか、カメの恩返しならぬ河童の恩返しですねw
しのぶがちょっとしたわがままをあたるにねだったばっかりに、あたるがカッパの美女(笑)に無理やり竜宮城へ連れていかれるといった内容です。

UY_02kan_Part05_04-1koma.png 
野外授業で、あたるとしのぶが二人でしっぽり(笑)を目論むも、けっきょくうまくいかないのはまあお約束というか、そういうマンガじゃないですからねw
ていうか、あたるもがっつき過ぎだし、しのぶも思わせぶりでチャンスを逃すしw

「だ~れもじゃま者はおらん」とも言ってましたけど、考えてみればラムが邪魔しに来ないのはちょっと不自然ですよね?
まあ、たまたま遠くの友達のところにまた出かけて行ったとかいくらでも理由はつけられるでしょうけど、正直ご都合っぽいなあという気はしないでもないです。

ただ、あたるがこの瞬間を待ち望んでいたという気持だけはよく伝わりましたw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
UY_02kan_Part05_18-4koma.png 
竜宮城から帰る時の「おみやげ」がこれw
カッパの世界では美醜の感覚が逆転しているという構図が面白いですね。
いってみれば、彼らにとってはブタか牛を持たせるようなものなんでしょうか。

あたるもいつもの悪い癖が出てやすやすともらってきてしまうんだよなあw
ていうか、この人魚は果たして知性があるんだろうか?まあ見た目美しければそれでいいのかもしれませんが…

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_02kan_Part05_11-2koma.png 
ここは、このあとの「おれたちあんなものを見て喜んどったのか……?」「少年の夢がくずれて行く…」を含めてのセレクトですね。
この回は美しさの基準が逆転している面白さが全体的なテーマになっていたような気がします。

UY_02kan_Part05_16-5koma.png 
これもその一つ。美少年てw
あたるのずっこけ方が懐かしささえ感じますね。

あと、何気に薔薇のバックがエグいw

☆ピックアップワード今をのがしたらもうチャンスはないのだ
UY_02kan_Part05_04-5koma.png 
実際、そのとおりになってしまったというねw

本当、唯一の機会だったよなあ。
あたるとしのぶの恋のくんずほぐれつは、ここを最後に二度と巡ってくることはなかったのでした…




●EP016;幸せの黄色いリボン(02巻 PART6)(重要度:A★★★

◆あらすじ;あたるはラムの電撃をなんとか封じる手立てはないかとチェリーに相談する。彼が授けた「黄色いリボン」は鬼力を封じる特別なリボンだった…

◆ポイント;電撃を封じられたラム
◆キーワード;妻の晴れ姿 ケダモノ 一生
◆注目フレーズ;「リボンなんてダサくないか?」「わたしには虫ピン一本くれたこともないくせに」

◆解説
「初期」の代表作と言っていいでしょうね。
令和版アニメでも選ばれたのも納得の名作ではないでしょうか。

いわゆる「アイテム」ものでもありますが、ここではラムのではなくチェリーが作ったというのがポイントですね。
ああみえて一応、法力のパワーは本物なのですw

UY_02kan_Part06_05-1koma.png 
黄色のリボンというのもなんだか意味深に感じますが、おそらく深い意味はないかと思われます。
単純に歌のタイトルから連想して生まれたアイデアなんじゃないでしょうか。

それはともかく、チェリーの手紙にさくらんぼのあしらいがあるのが面白いw
顔に似合わずけっこうかわいいところがあるんだw

黄色いリボンは鬼のツノに結ぶとその鬼力を封じる力があるというのですが、ここで初めて「ラムのツノ」には特別な力があるということが明らかになります。
鬼族にとってツノはとても神聖なものなんでしょうね。「かけめぐる青春」でも鬼ごっこのゴールは「ツノ」をつかむことでしたし。
ラムがあたるに惚れたのはもしかすると、ツノを掴まれたこともあるのかもしれません。
実際、ツノがなくなると彼女は何もできなくなるんですよ。
飛ぶことも電撃を出すことも一切の超能力が封じられてしまうんです。
それはまさに彼女の「生命力」そのものとも言えるような気がします。

そのリボンは結んだ者にしかほどけないとなれば、あたるが何がなんでもとなるのもわかりますね。

UY_02kan_Part06_07-1koma.png 
こんな二枚舌を使うのも無理はないw
「夫」とか「妻」なんて言葉を彼が使うのはここくらいかもしれません。

まあしかし、ここはなんといってもあたるの甘い言葉に乗せられて照れるラムですね。もうむちゃくちゃかわいいw
頬を両手で掴む仕草といい、真っ直ぐな目線といい、そして「そうけ?」の響きといい、もう悶絶ものですよw

ここに限らず、この回のラムはとにかく異常にかわいいんですよね。
ぶっちゃけてしまうと、7割くらいはラムのかわいさに尽きるといってもいいw

UY_02kan_Part06_07-2koma.png 
なんの疑いもなく、夫にリボンをつけてもらうこのいじらしさ!
どんな感じになるんだろうと、上目遣いで大人しく待っている姿に胸がときめいてしまいますね。

UY_02kan_Part06_07-5koma.png 
鏡の前ではしゃぐラム!
まさに尊死状態ですわ。天真爛漫を絵に描いたようなかわいさですよね。

UY_02kan_Part06_08-1koma.png 
この満面の笑顔!
よっぽど気に入ったんでしょうね。それはやはり、あたるからの初めてのプレゼントだからということが大きいのではないでしょうか。

UY_02kan_Part06_08-5koma.png 
これですよ、これ!
いたいっちゃとかじゃなくて、「いて~」がラムなんです。
尻餅をついた格好もかわいいですし、キバがはっきり見えるのもかわいいw
なんか女の子というより、むしろ少年ぽいかわいさがありますね。
女をあまり感じさせないニュートラルな魅力が感じられます。

で、これ。
UY_02kan_Part06_12-4koma.png 
ここではしのぶへの対抗心もかわいいんですよね。
ていうか、ほとんど小学生の煽り方じゃないですかw 「うらやましいかー!」ってw
いつもの過激なラムとはまた違う魅力にドキッとしてしまいますね。
ぴょんぴょん跳ねている姿もいいw

UY_02kan_Part06_15-5koma.png 
ここのラムも丸っこくってかわいいですけど、あたるの反応がまた微妙ですよね。
令和アニメではわりとバツの悪い表情を見せていましたが、このあたるはもうちょっと複雑というか自分でもうまく言葉にならない感じの「……」な気がします。

はたしておれはなんでラムをかばったんだ?と自分でもわからない問いに戸惑っているのかもしれませんね。

UY_02kan_Part06_16-12koma.png 
ここは何気に重要な設定ですね。
ラムが押しかけてからはたして普段はどんな生活をしているのか、
特に夜はどう過ごしているのかこれまではっきりとは描かれていませんでしたが(「絶体絶命」の冒頭では虎の皮のカーペットを敷いて、あたるの部屋で寝ているラムのが姿はありましたが。あれは一時的なうたた寝なのか、いつもそうしているのかは定かではない)、どうやら寝る時間になるとラムはUFOに戻っているようです。この設定は令和版アニメでも踏襲されていましたね。
どういう話し合いがあったのかはわかりませんが、ラムもよく素直に応じたものですw

まああたるの両親も高校生の身で「間違い」がないようにと言っていましたから、彼らからそういう条件が出ていたのかもしれませんね。その割には「土曜の夜は子どもを」とか叫んでいましたがw

それはさておき、ここでのラムも最高にかわいすぎるw(今回はこればっかだな…)
枕を抱く仕草とか「今夜からここに落ち着く」としみじみ噛み締めるように口にするところなんて、たまりませんね。リボンがまた本当似合っているんだよなあ。

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
UY_02kan_Part06_19-3koma.png 
リボンをつけてくれたあたるの思惑を知って怒り狂うも、電撃が使えないので物理攻撃をするラムw
引っ掻き攻撃もいいですが、ここはやっぱり噛みつき攻撃でしょう!
メガネたちは「電撃の方がまだかわいげがある」とか言ってましたけど、私はこっちのほうがむしろかわいいなと思いますよ。なんだろう、やられている本人にとっては最悪なんでしょうけど、見ている分にはむちゃくちゃかわいいとしか思えんw
ていうか、できることなら自分も噛み付いてもらいたいわw 少なくとも電撃喰らうよりはこっちの方をお願いしたいw

ちなみにかなり後になりますが、この「噛みつき」も彼女の定番おしおきとして定着いたします。
あたるはコミックス10巻の「翔んだドラキュラ」でラムをドラキュラみたいなやつだと言ってましたが、この時のトラウマがあったのかもしれないw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
UY_02kan_Part06_06-7koma.png 
メガネw 特に茶々を入れるわけではなく、本当に本心からそう思っている感じが笑えるw
あたるの爆発ツッコミも面白いですね。この頃はいろんなパターンを試している感じも伺えます。

でもどうなんだろ、リボン自体はコーディネート次第なんじゃないかと思いますけどね。
ていうか、かわいい子がつければなんでも似合うものです。かわいいは正義!

UY_02kan_Part06_12-6koma.png 
虫ピンw
例えが昭和というか、果たして女の子に虫ピンをプレゼントするのってそれはそれでどうなんだろw

この回はしのぶのヤキモチもかわいいんですよね。そしていじらしい。
ラムのリボンを取ろうとしてあたるに制止された時なんて特にやばかった。
「お菓子を焼いたからあげようと思って持ってきたんだけど…」が泣かせます。

この回は特にしのぶが可哀想という声が殺到したという話も聞きますが、気持ちはよくわかりますね。
とはいえ、私は昔からラム派なんですがw
ここも猫又のようなラムの顔に目がいってしまいますw

☆ピックアップワードもう、一生はなれないっちゃ。
UY_02kan_Part06_16-3koma.png 
今読むとすごく意味深というか、このあとの「うる星」が歩む道を考えるとなんだか色々な思いがよぎります。
この話だけじゃなくて、「うる星」全体を象徴する言葉として重要な気がします。「一生」は今後も要所要所で出てくる言葉なので、注目してみてください。

あたるが特に拒絶反応を示すのも大きなポイントになっていると思います。




●EP017;ディスコ・インフェルノ(03巻 PART2)(重要度:B★★

◆あらすじ;サクラさんがあたるたちをディスコ(集団舞踏場)にさそいにきた。彼女の恋人・尾津乃つばめとチェリーも巻き込んで東西化け物合戦が今始まる!

◆ポイント;尾津乃つばめ初登場 レイ再登場
◆キーワード;ディスコ 勝負
◆注目フレーズ;「わたしとてなうなやんぐじゃ、ですこでふぃーばーしてどこが悪い!!」「おいでませ!!」

◆解説
サクラさんの恋人というか一応フィアンセになるのかな、尾津乃つばめ初登場回となります。
もっともこの時点では完全なるゲストキャラであって、彼が再び登場するのはコミックス9巻「生ゴミ、海へ」まで待つことになりますが。

サクラさんも3回目の登場になりますが、あたるがまったく警戒心を持っていないのは少し違和感がありますね。
まあそもそも、彼女がいきなりあたるをディスコに誘うという時点で違和感バリバリですけどw

それにしても、「ディスコ」という舞台自体が時代めいていますよねw
今でいうと「クラブ」みたいなものなのかな?「サタデーナイトフィーバー」なんて映画が当時大ヒットしたりして、70年代後半から80年代にかけては若者文化の象徴的存在だったんですよ。

なお10年前のインタビュー記事になりますが、高橋留美子先生もこの「ディスコ」については後に少し気にかけていたようですw

──その頃の「うる星」や「めぞん」もずっと読み継がれていて、いま読み返しても古くないのがすごいです。
そう……なのかな? 自分としては、「うる星」の始めのほうは、セリフの言い回しなど、さすがに「ちょっと古いなあ」と思ってしまうところがあるんですけど。コメディの場合、どうしても当時の流行語が出てきたりするから。ディスコが出てきたりね……今の読者、ディスコってわからないよね?

(2013年5月にコミックナタリーに掲載された「高橋留美子画業35周年インタビュー」より)

まあ気持ちはわかるw でもたとえ言葉はわからなくても、面白さや楽しさはちゃんと伝わっていると思いますけどね。

で、サクラさんが誘いにくるわけですけど、
uy_03kan_part02_02-2koma.png 
その時、ラムとあたるは居間で普通にくつろいでいるんですよね。

このシーンを最初に見た時はけっこう新鮮でしたよ。
特にラムがあたるにベタベタしてるわけでもなく、日常の風景として二人でテレビを見ているわけですからね。
こうしてみると、本当に家族の一員のようです。とはいえ、ラムは座布団なしで直に座っているわけですがw

uy_03kan_part02_03-4koma.png 
ラムのよそ行き衣装は本邦初公開でしょうか。
ただし、ここでもトラジマ仕様は変わらないようですね。

まあそれでも、遊びに誘われたとなったときに(ある意味ダブルデートでもあるわけだ)、こうしておしゃれをするようになったのはなんだか感慨深いものがあります。ラムも少しずつ地球の暮らしに馴染んできているんだなあとw
もっとも、この後「ラムまでつれてくことないのに」とあたるにつれなくされてムッとしてますけどね。
あれはあれでかわいいんだよなあw

uy_03kan_part02_05-4koma.png 
で、彼が尾津乃つばめなんですが、なんとここで例の「るーみっくサイン」をやっているんですよね。
初対面からおちゃらけているというか、相当エキセントリックなキャラとして登場しています。
後にプールの妖怪の話で再登場した彼とはまるで別人ですねw

ディスコでは伯父であるチェリーが待っていて、サクラさんとつばめの結婚を認めてもらうために東西妖術合戦を始めます。
uy_03kan_part02_17-1_2koma.png 
すうぱあばっとまんVSクラマ天狗w 何が何だかよくわからない勝負だw
一応著作権的なアレで「すうぱあばっとまん」にしたんだろうかw
これ、けっきょく出した化け物のどちらが強いかじゃなくて、より多くの化け物を出した方が勝ち、みたいな話になっているんですよねw
この頃のつばめはチェリーと渡り合えるほどの変人でしたw

クラマ天狗は後のクラマ姫の発想につながったのかなーなんてちょっと思ったりもしましたね。

あとそうそう、今回またしてもしのぶは登場しません。これで3回目になります。
10回中3回も登場しないってけっこうな頻度ですよね。
やはりSFドタバタをやっていく上で、なかなかしのぶの動かし方がうまくつかめなかったのでしょうか。
この辺が後に「ラムとあたるの追いかけっこ」にシフトする遠因になったのかなあという気もします。

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
uy_03kan_part02_20-3koma.png
うる星お得意の収拾のつかないドタバタエンドですが、よく見るとこれまでのゲストキャラが大勢揃っているんですよね。
悪魔や能天鬼、弁天やおユキさんまでいます。それと、酔っ払い化け狐も。
さらには星間タクシーの運転手にデビュー作の「勝手なやつら」に登場する宇宙人まで!
「最終回」まであと1話ということで、これまでの振り返り的な集大成をやってみたのかもしれません。
本当に毎回「これっきり」という気持ちで描いていたのでしょう。

あとこれは余談ですけど、あたるって意外とモテるキャラだったんですね。
ガールハントも「うん、いいよ」なんてあっさりOKをもらっていましたし(タヌキに変身させられた彼女ねw)、ここでも「坊やあたいと遊ばない」と誘われてたりしています。
自称プレイボーイというのもあながち伊達じゃないんだなと思いましたw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
uy_03kan_part02_08-5koma.png 
股関節脱臼くらいで済めばいいけどw
ラムってけっこう踊りのセンスがあるんですね。ガチャガチャした性格なのに、ちょっと意外w

あと、DJ選曲センスも好きw
「ディスコ佐渡おけさ」「ディスコ津軽じょんがら節」ときて、最後は「ディスコ博多甚句」で締めるというw

uy_03kan_part02_19-1koma.png 
だから、当初の「勝負」の意味が変わってるじゃねーかw
なんでどちらが多く化け物を出したかという話になっているんだw
ていうか、西洋の化け物VS日本の妖怪というコンセプトもよくわからんw

まさに妖怪大戦争といった装いになってきていますねw

☆ピックアップワード彼女翔んでる女だなー
uy_03kan_part02_11-2koma.png 
これも今では通じないというか、意味不明なネタかもしれません。

「翔んでる女」とは 1977年の流行語です。
元々は欧米で「フライング・ガール」という言葉が流行したのが日本でそう訳されたようですね。
「開放的で、世間の常識にとらわれることのなく、自由に行動する女性」という意味があり、「自立を求める自由な女性」として新しい女性のイメージを表す言葉として使われるようになったとか。

ここでは単なるダジャレ的な扱いですが、まさにラムにふさわしい言葉ではないでしょうか。
高橋留美子先生もそういった新しいヒロインのイメージを重ねたのかもしれませんね。




●EP018;さよならを言う気もない(03巻 PART3)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;ラムからもらったアメとチェリーのまんじゅうを食べたことで二人に分裂してしまったあたる。ラムとしのぶとの三角関係もついに最終解決を迎えるか!?

◆ポイント;2度目の「最終回」
◆キーワード;くいあわせ ダブル厄MAN
◆注目フレーズ;「どんなアホでももとのあたるが一番かわいいのよ」「半分こだっちゃ」

◆解説
「絶体絶命」に続く、2回目の「最終回」になります。
「区分化しよう!」の時にも触れましたが、高橋留美子先生はこの「10週連続連載」をもって「うる星やつら」は終了したと考えていました。(クラマ姫の単発はあくまで番外編という意味合いだったかと思われる)
そういった意味で、この回は「初期・うる星」における正真正銘の「最終回」といってもいいかと思います。タイトルからして最後を意識している感じですしね。

終わり方としてもよくできていると思うんですよ。ラムとしのぶの三角関係を解決するにあたって、あたるを二人用意するって、完璧な方法じゃないですかw
心中で終わる「絶体絶命」よりはよっぽど平和的なんじゃないかとw

だからまさに「ラムとしのぶ、どちらがあたるとカップルになるのかは考えておらず」なんですよね。どちらかに肩入れすることなく、お互い同等の扱いで幸せになって欲しいという気持ちからこういう終わり方になったんじゃないかと想像します。

uy_03kan_part03_02-1koma.png 
話はこの二人の帰り道から始まります。
しかし、「けさ、ラムにもらった」って簡単に答えてしまうあたるってどうなんでしょうねw
仮にも他の女から貰ったわけじゃないですか。そこは言わない優しさもあっていいんじゃないかと思うんですけどね。
まあこういうデリカシーのない男だというのは今更言うまでもないですけどw

それにしても、この頃はあたるもラムからもらうものに対して警戒心が薄かったんですね。
「大勝負」でだいぶ懲りたんじゃないかと思っていたのですがw
まあこれは「アメ玉」ですから、ラムが作ったものじゃなければ大丈夫とたかをくくっていたのかもしれません。

しのぶはこれを受けて「やめなさいよ、どうせまたへんなものよ」と警告していましたが、なんで彼女はラムの持ってくるものがへんなものだと知っていたんでしょうかね?
「あやつり人形」の件はラムの仕業だと誤解が解けたんでしょうか。
それとは別に、やっぱり面白くないというか嫉妬もあったと思うんですけどね。あたるは本当に罪な男ですw

uy_03kan_part03_02-7koma.png 
ラムの味覚が「からい」もの好きという設定はここから生まれました。
おそらく、あたるもこの時の記憶が忘れられないことでしょうw
しかし、ますますこの頃のラムの食事事情が気になります…

uy_03kan_part03_05-4koma.png 
というわけで、辛いアメ玉とチェリーの災厄まんじゅうとの食い合わせであたるが分裂してしまう羽目になったわけですが、この発想がもうすごいですよね。
SFとオカルトと和風ファンタジーのごっちゃ煮というか、発想自体が食い合わせになっているというねw

性格的に善と悪に分かれるという設定も面白い。あたるのパーソナリティがどういう割合で成り立っているのか気になるところですw

uy_03kan_part03_06-6koma.png 
あ、けっきょくはどちらもアホなのかもw
「まあ、見苦しい!!」のご婦人は「絶体絶命」でも出てきていましたね。
なぜかすんなり“双子”ということで納得していましたがw

uy_03kan_part03_07-4koma.png 
一応最終回ということもあって、久々に直接いがみ合う二人。
ラムはこうして天井に逆さでぶら下がっていると、なんだか家に取り憑いた妖怪のようですw

でもなんだか子どものケンカみたいでもありますよね。
「い~~~っ!!」「ふん!!」、どちらもかわいいですw

uy_03kan_part03_08-2koma.png 
いいかげんなあたるにはラム、優等生のあたるにはしのぶという構図がわかりやすい。
どっちも「こっちがホンモノ」だと訴えるのですが、母親としてはどちらとも判断できない感じでしたね。
なんだかんだいっても、親が一番息子のことをわかっているのかなとも思いました。

でもこうしてみると、優等生のあたるだけは絶対にないなw

uy_03kan_part03_09-5koma.png 
素知らぬ顔をするラムw
彼女の小ずるいところというか、保身に入る性格はこの辺から見え隠れしていましたw

uy_03kan_part03_16-4koma.png uy_03kan_part03_16-5koma.png 
色気のない女VSバストだけの女w
どっちのあたるもデリカシーがないというか、やっぱり基本的な性質は同じなんだなと思わせますw
ていうか、ふくらし粉はひどいなw こうしてみると優等生あたるの方が性格が悪いのかもしれないw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
uy_03kan_part03_20-2koma.png 
いつ見ても、見事な締めですね。
「三角関係」を軸にしたマンガとして、これほどみんなが幸せなハッピーエンドはないんじゃないかw

私が「系図」の“未来”をあまり気にしていなかったのは、このオチのこともあったんですよね。
つまり、あの時のしのぶの夫はこの時の片方のあたるであって、もう一方のあたるはラムが連れ去ったんじゃないかとw
ここでお互いの未来は「分離」していたわけで、それですべて丸く収まるじゃないかと思っていたんです。
まあそれも、この「さよならを言う気もない」を「最終回」と捉えた上での一つの見方ですけど。

実際、この「最終回」は「系図」のことを踏まえて描かれたんじゃないかという気もするんですよね。
それこそ、「登場人物みんなが幸せで、読者が「読んでよかった」と思えるような結末」じゃないですか。
そんな風にも考えて、「系図」問題をずっと軽く見ていました。

まあ今となってはいい思い出ですw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
uy_03kan_part03_19-3koma.png 
ダブル厄MANw
「というやつだな」という言い回しが面白過ぎるw
何一般的な用語のように語ってるんだw

こういう言葉ネタは本当昔から大好物ですね。

uy_03kan_part03_19-6koma.png 
なんつー言いぐさw
優等生と出来の悪いのに分かれていた時は「どんなアホでももとのあたるが一番かわいいのよ」なんて泣かせることを言っていたくせに、同じになったとたんこれだもんなあw

しのぶも薄情なもんだ…これ、母親同様どっちでもいいと思ってますよねw

☆ピックアップワードそれがいいわ。片方わたしがもらっちゃお
uy_03kan_part03_19-5koma.png 
考えてみると、なんだかちょっと怖い言い方ですよね。まあラムの「半分こだっちゃ」もエグいといえばエグいですけどw
こうも簡単に割り切れるものなのかと、二人のドライな態度に少し複雑にもなります。
でも、一方では爽やかな印象すら受けるんですよね。いつまでも執着したりいがみ合ったりするより、よっぽど気持ちのいい考えじゃないかと。

まあ、女性っていざという時はスパッと切り替えられるところがありますからね。
そういう強さは男も見習わないといけないのかもしれません。
あたるなんてむちゃくちゃ女々しい部分があったりしますし。

まあとにかく、女は強いなあと感心しきりでした!



◆10週連続連載期のまとめ
全体的にはとにかく「バランス」を考えていたんだなという印象でした。
ラムが目立つようになったらしのぶの話を持ってきたり、ラムのかわいい部分が続いたら次は粗暴な面を見せてきたり、はたまた二人のどちらかに偏らないように注意深く出番を調整したりもしていました。
「三角形」の形がいびつにならないように、細心の注意を払っていたのがよくわかりますね。

世間的にはしのぶメインのイメージしかない「系図」も、よくよく読んでみるとラムの話でもありますし、ラムのアイテムの話である「あやつり人形」は読みようによってはしのぶの話のようにも受け取れます。
まさに、「ラムとしのぶ、どちらがあたるとカップルになるのかは考えて」いなかったわけです。

そして極めつけは「さよならも言う気もない」。
究極の平等主義というか、ラムもしのぶもどちらもあたると結ばれる(?)結末で「うる星やつら」は「最終回」を迎えました。
高橋先生のどの子も悲しませたくない、どのファンにも楽しんでもらいたいという気持ちにあふれる連載になっていたんじゃないかと思います。

こうして「初期」うる星は、終わりを迎えたのでした。



というわけで、次回は「まずは初期から読んでみよう!単発掲載期(クラマ姫)編」になります。
「初期」と「前期」をつなぐ、架け橋のような時期ですね。ある意味どちらにも属さない“狭間”にある作品群といえるかもしれません。
だからこそ、他では味わえない独特の空気感がありますね。
クラマ姫がうる星においてどんな役割を果たしたのか、みなさんと一緒に見ていけたらいいなと思います。どうぞお楽しみに!


「復刻BOX」4セットがあれば、うる星の歴史を一望できます!
   


気軽に読める電子書籍もいいですね。とりあえず4巻まで読めば、「初期」の雰囲気がわかります!
   


初出どおりの順番で読むには文庫版が便利!
「10週連続連載期」は1巻のPART9から2巻のPART3まで続いています。
   


うる星やつら 令和版ラブセレクションでは、 (上巻) になぜか「系図」が収録されていますw 果たしてこれがあたるとラムの「ラブセレクション」なのかどうか、あなたの目で確かめてください!
 


令和版アニメのほうも忘れちゃいけません。
「幸せの黄色いリボン」は第2話Bパートでしたね。原作と見比べてみるのも一興かと思いますよ。
 
関連記事
スポンサーサイト



tag : うる星やつら高橋留美子

line
line

comment

管理者にだけ表示を許可する

一応の感想記事です

更新お疲れ様です。やっと落ち着いて書けるようになりました、本当ご迷惑おかけしました。しかし記事がすごいボリューム、なりそこないさんのうる星やつらへの愛のなせる業ですね


私の拙い記憶で覚えていて気にいっていたのは、レイ再登場回でレイが何度もカップル相手に大暴れしているのを、1コマで表しているところですかね?改めてみると表現がすごいうまいと感じました。しかしこの話が読み切りからの連載開始の話に持ってくるって、高橋先生恐るべし。



次は卵が割れてあたるの心象風景が具現化した話ですね、能天鬼というキャラはよく覚えていますし、カオスのままオチていたのを覚えています。この話リメイクのアニメでやってほしかったなー


しのぶと結ばれた未来の回も覚えています。読んでいたときはラムはまだ押しかけ女房時代だったのでさほど違和感がなかったですけど、後年読み返すと確かに高橋先生が気にするのも無理がないと思いました。やはりあたるとラムの話がどんどん強くなりますしね。短期連載を目指していた痕跡なのでしょう。


ただそこから生まれたのが、後年のifの未来の世界の扉が出てくるうさぎの話でしょうか?あそこでもあたるとしのぶが結婚する世界は出ていますし。こっちは旧作じゃアニメ化はされていないのでしょうかね?リメイクじゃ絶対やるでしょうけど。



かっぱの話は肝心のギャグのかっぱよりも、あたるとしのぶがいい感じだったシーンが印象的でしたね、なにしろこれが最後のいいシーンでありますし


幸せの黄色いリボンは、覚えているのですけど、ギャグというよりなんか色々つらい話なんですよ私には。罠にかけてばつが悪くなるあたるは正直見ていられませんでしたし、電撃以外の罰を与えるラムも生々しい女性でしたね。名作とは思いますが。


さくらさんの恋人のつばめさんが出るシーンは、ディスコ行く回でしたか。登場シーンはイケメンというより変態登場に見えますがwプールの妖怪だとただの紳士なのに、格好は恐ろしいw高橋先生の初期のドタバタエンドは味わい深いですね、能天鬼の回みたいに。


記憶にない回は割愛しますが、しかしすごい量のレビューですねーまたもよろしくお願いいたします。

Re: 一応の感想記事です

>かわずやさん

そうですね、本当ようやく一息つけて良かったですw

今回はボリュームでまずびびりますよねw 考えてみれば10話まとめて一気に書くわけですから、単純計算でも2倍から3倍くらいになるのは目に見えていたw 本当なら1話につき一言コメントくらいで進めないといけませんよね。
まあ君待てどもと君去りし後まではそうもいかないでしょうけど、それ以降を紹介するなら一言、二言でやらないと終わらないなと思っています。もしくはもう全話をやるんじゃなくて私がセレクトしたものだけがっつり紹介するかですね。

レイがカップル相手にというと、私も「この一コマ」で選んだやつですね。これはもう見ているだけで楽しくなりますw 新アニメでも表現されていましたよね。
本当これが連載第一回というのですからすごいw 当時は読者にどう受け止められていたか気になりますね。

「性(さが)」は能天鬼ですか。まああれはあたるの分身みたいなものですしねw
ラストのオチも賑やかで細かいところまでいろいろあって飽きさせません。確かにアニメで見たかったですね。
初期の話はほぼカットされてしまったのでしょうがないですけど。

「系図」は当時ではたぶん普通に受け入れられていたと思うんですよ。実際今まで第一話から見てきて別に違和感はないですしね。しのぶがメインヒロインでラムはあくまでそれを邪魔する敵役みたいなポジションだったのですから、取り立てて騒がれることはなかったんじゃないかと。
やっぱり「前期」以降の展開を知ってから改めて読むと、気になってしまうということなんでしょう。少なくとも「君去りし後」以降を考えると問題になるわけです。高橋先生も最初のアニメ化の時に要望を出していたということなので、たぶん面堂登場以降の連載が始まってから後悔したんでしょうね。

> 後年のifの未来の世界の扉が出てくるうさぎの話
そうです。記事内でもいくつか引用していますが、あの話を思いついたことで「うる星」を終わらせられると思ったそうです。あれは長年ネックになっていた「系図」に落とし前をつけるための話でもあったんですよ。
昭和TVシリーズではアニメ化はされていませんが、後にOVAでアニメ化されているそうです。もっとも私は未見ですが。
令和ではやることは確定しました。23日に公開された2期決定のビジュアルにちゃんと「因幡くん」がいますしね。

かっぱはある意味唯一のあたるとしのぶのラブコメ回と言えるかも?
確かにギャグは一つのパターンしかありませんし、そっちがメインなのかもしれませんね。

幸せの黄色いリボンはアニメの感想の時も苦手だというようなことをコメントされていましたもんね。
私はやっぱり初期の中ではかなり上位にランクする話ですねえ。ラムの角の設定が確立した話でもありますし、あたるのラムに対するちょっとした複雑な思いみたいなものも感じられてなんか好きなんです。
あと、ラムが生々しいのも好きw 愛で殺したいでの妊娠狂言も好きだったりするので、ああいうヤンデレテイストが好みなんでしょうね。噛みつくラムは本当たまりませんw

つばめは後に再登場する彼とはまるで別人ですよw 本当奇妙奇天烈なキャラとして登場するんです。まあこの頃はサクラさんもへんでしたからねw その恋人ということでそうなったのでしょう。後にサクラさんが保健の先生になって比較的まともなキャラになったのにあわせて彼もまた多少まともになったのではw
このころは最後はほぼ収拾のつかないドタバタで終わるんですよね。それでも次回に引き継がないのがいいんじゃないでしょうか。

弁天の話とかあたるが分裂した話は記憶になかったですかw 重要度Sなのになあw
次回はクラマ4部作になりますが、ここまでにはならないんじゃないかな…まあ断言はできませんけどw
なるべく読みやすい内容にしますので、どうぞ次回もよろしくお願いします!

No title

残念今週は無かったかーと油断したすきに更新されてましたよ!
原作やリンク振り返りながら読んでると脱線もしちゃってまだまだかかりそうなのと、明日から数日旅行に行くので、まず途中までの感想をば。

>「自分としてはただのドタバタSFをやりたかったんですけど、、、」
いやいや、ここまでの話、三角関係バリバリだったじゃないですか。
特に私はコミックの順番で読んでたので、「あなたにあげる」「絶体絶命」「愛で殺したい」と来てたのもあるんですけど。
私は一般読者と同じく、爆笑しながらも、三角関係にハマってたので、気付いてくれて良かったです。
なりそこないさんがどう思ってたかも教えてほしいですよ。

「憎みきれないろくでなし」は、笑いの中に三角関係も入れてくれました。
レイをみんなで馬鹿にしてるところは、いい気がしないんですけど。。
「いい日旅立ち」は、三角関係なしなのに、面白すぎてすっかり忘れてました。
私、弁天のきっぷの良さと、ブラの前が開いてるセクシーさがお気に入りで、一時はラムとどっちがいいかなあと考えたこと有りますよ。最終的には、やっぱりラム一択だったんですけど。
あまりにも見どころが多すぎて記事では紹介されてないですけど、随所に出てくるすきやきがらみも最高でした。
父母の「あなたがいけないのよーっ!!あたるの分まで食べてしまおうなんていうからーっ!!」「食ってしまったものはしかたがないじゃないか、第一、おまえの方がよけいに肉を食った。」とか、あたるやチェリーのすきやきがらみのところも大笑いします。
(記事内、”一応「かけめぐる青春」のラストでは「婿」とは呼んでますけどね” の「ラスト」のリンクが切れてるようです)

「大勝負」はサンデーのWebにカラーで公開されてますね。
当時の表紙に”人気大爆発!!オールカラースペシャル”と書いてます。
前のコメントで、”うる星はすぐヒットしたかというと微妙だ”って留美子先生の言を引用されてましたけど、これって、すぐヒットしたようにしか思えないんですが???
私の場合は、コミックで読んでて、もうこの辺、1巻の終わり頃では、中断してトイレに行くなんてとてもできない程度には夢中になってました。
一番笑ったのは、「量を間違えると爆発するっちゃ!!」「あ…まちがえたっちゃ…」かなー。早すぎ~!
それで「性(さが)」でやっと三角関係思い出しましたよ。
色っぽいラムと、しのぶの体を張った怒り方が、私好きですねー。両方とも随一だったんじゃないでしょうか。

この記事読んでても感じるのは、笑ったり見入ったりするところが多すぎて、相変わらず密度が濃いなあと思います。紹介されてる以外にもたくさん有りますからね。
確かにこのころラムが悪女でなくなってきて、あたるとの仲も良くなってますね。話そのものが明るくなってきた。
漫画家になりたてどころか、大学生活してる時期なので、3カ月の空きって、作風が変化するのに十分な長さなんでしょうか。
ラムはかわいいしすごく面白いんだけど、ちょっと寂しい気もします。。
その上で、引き続く4巻までの変化が愛おしいところなんですけど。

さて、今週は竜之介登場の15巻を読みました。
「絵画はスポーツだ!!」以外は、ずっと竜之介の回でした。
初めて読んだときに、異分子が入ってきたという感覚を持ったのは、私も覚えてます。竜之介に少し、父にかなり。
それでも面白いし、だんだん慣れて、今はそれがうる星やつらだと思ってますけど。

で、ここで選ぶとしたら、やっぱり「蘭は女の香り」ですね。
話も最高に面白いし、ここで一気に、竜之介がラムたちになじんだように思います。
導入部とか、せっかくだからデートするっちゃ!のあたりも大好きなので、できれば省略しないでアニメにして欲しかった。
ただ、アニメの、「女の子のことを教えてもらいてえんだ!」を聞いて灰色に固まったランちゃんのところは、一生忘れられないくらいウケました。
他の話では、「女の子は”おれ”なんていわないっちゃ!うちの真似するっちゃ!」「だめよラムは!」からの、ラムとしのぶのけんかでうれしくなったり(分かってもらえますよね?)、影が薄くなってたテンちゃんが出てきたと思ったら、かわ面白うらやましいとこ取ってくなあとか、たとえ動物だって怒っててもラムにニコッとされたら、そりゃよそにあたるしかないよなあとか。。
最後のクラマ3話もノリがよくてすごく面白く、このオチが次は無いことになって、リセットされて始まるのかと思ったら、次忘れられてなくて良かったです。
最後は、クラマは竜之介に男になって欲しかったけど、ああなっちゃったっていうオチの方がうる星らしかったかな。
ではでは~。

Re: No title

>えんじにあさん

油断させてしまってすみませんw
日曜夜ギリギリまで詰めていたんですけど、どうしても一部しっくりこない部分があって次の日に持ち越したんです。今回はけっこう細かい言い回しまで気を使ったつもりなので、じっくり読んでいただけると幸いです。
旅行に出かけられるということで、このコメントもすぐには読めないかもしれませんが…

またその間、クラマ編や、あと2期の時期が決定したのでそれについての記事も書くかもしれませんが、そちらも落ち着いてからでいいのでゆっくり読んでくださいね。

> いやいや、ここまでの話、三角関係バリバリだったじゃないですか。
いや、私に言われてもw 高橋先生がインタビューでそう答えているのを紹介しただけなんで、説明しろと言われても困りますw

ただ推測するに、ここでの発言はあくまで最初の「5週連続連載」が終わった直後の話なんだと思います。彼女にとってあの5話は特に三角関係を前面に出したものではなかったんですね。
実際私もそう思いますよ。記事でも書きましたが、「絶体絶命」以外は特に三角関係が色濃く出ていたとは感じませんでしたし。「あなたにあげる」もラムとしのぶは回想シーンだけで、基本はサクラさんとの話でしたからね。
だから、この発言は次の読切である「愛で殺したい」を描くあたりのことをおっしゃっているんじゃないかととらえています。

なお私が最初に読んだ時の感想ですが、そりゃ三角関係の話だと思っていましたw
というか、私はまずTVアニメから入ったので、あのOPのイメージが強烈だったんですね。ラムとしのぶがあたるを取り合うみたいな。それがまずあって、なおかつ1巻より先に8巻を読んでいたんです。
なので、基本情報としてあたるとラムとしのぶの三角関係がまずあって、最新の展開ではしのぶが一線を退いてラム優勢になってるんだなという認識のもとで1巻から読み始めました。
なので、「やさしい悪魔」を読んだ時はぶっ飛びましたよw その辺でラムが当時1話限りのゲストキャラだったみたいな予備知識を得てなるほど~と思った記憶がありますね。

> レイをみんなで馬鹿にしてるところは、いい気がしないんですけど。。
あれは今だとアウトな描写かもしれませんね。下手すると失語症や吃音者への差別につながりかねませんし。アニメでカットされたのもそういう部分も大きかったのかもしれません。

「いい日旅立ち」にしのぶが出ていないのを忘れてましたかw
実は弁天登場よりも大きな意味があると私は思っているんですけどね。最初に読んだ時もまずそれでびっくりした覚えがありますよ。しかも1巻の最後で続けて登場しませんからね。あの時点でラムがメインになりつつあるのかなとなんとなく感じていました。

まあでもそんなことは置いておいてもむちゃくちゃ面白い話ですよね。弁天のキャラは子供心ながら刺激的で本当ドキドキしました。ラムとどっちがとは考えませんでしたけど、言ってみればどちらもスキヤキですよねw あたるはまったく贅沢すぎる!

見どころ全部を紹介していたら1話につき1記事にしないと無理なんでw それよりも全体を通してのそのエピソードが果たした意味みたいなところを優先しています。
そこは心を鬼にしてある程度割り切りましたよ。今後はもっとバサッといくつもりです。そうでないといつまでたっても終わりませんからw
まあでも、あたるの父母のやりとりとかチェリーとの絡みとか、面白いところは目白押しですよね。
「この世にすさまじい執着」といいつつ、すぐに「スキヤキごときで迷うとは」となるところなんかも最高ですw

> (記事内、”一応「かけめぐる青春」のラストでは「婿」とは呼んでますけどね” の「ラスト」のリンクが切れてるようです)
うわ、本当だ。ありがとうございます。さっそく訂正させていただきました。なんかえんじにあさんに推敲してもらってるようで申し訳ない。

> 「大勝負」はサンデーのWebにカラーで公開されてますね。
名作ミュージアムのところですね。一応最初のカラー原稿ということで資料的価値もあるのでしょう。
スキャン画像だからか、コミックスよりもさらにざらついた紙面になっていますね。「悪夢の戦場と化す諸星家!!」というコピーが扇情的w(洒落ではないです)これだけみると、ギャグ漫画とは思わないかもw
5ページ目の柱には高橋先生からのコメントも載っていますね。ここでは不安な心のうちをこぼしていますが、実際は自信満々だったんでしょうかw

> これって、すぐヒットしたようにしか思えないんですが???
ですよねーw それはインタビュアーにもツッコまれていましたw
でも高橋先生いわく、「手紙をもらったりして嬉しいな、とは思ってたんですけど、ヒットと言われると……。自分ではもっとウケると思ってるのに、思ったよりきてないな、って方がむしろ正直な感想だったかもしれない」だそうですw
本当にヒットしたんだと実感したのはアニメ化した時(1981年)だそうですよ。
だからもう、設定しているハードルが我々の想像よりはるかに上なんだと思いますね。

> 「量を間違えると爆発するっちゃ!!」「あ…まちがえたっちゃ…」
そこも最高ですよねw この回はラムのお茶目な部分というか、かわいい一面ものぞけてどのコマも笑いっぱなしでした。

「性(さが)」はしのぶが2週連続出てこないことに気づいてあわてて描いたんじゃないかとw
ここではラムとしのぶが同列で魅力的なのがいいですよね。しのぶが顔を赤くしているところなんてラムにも負けていないかわいさがあります。

この時期はとにかく目まぐるしく変化していく感じでしたね。高橋先生もひたすらがむしゃらに描いていた時期で、その熱がそのまま作品に投影されているのでしょう。
最初の連載と比べてもかなり雰囲気が変わりましたよ。あたるはギャグ漫画の主人公らしく軽薄でお気楽な感じになりましたし、ラムも少しずつ女の子らしいかわいらしさも見せるようになりました。それに伴い、二人の仲もギスギスした感じがなくなってきていますよね。一緒にいて当たり前みたいな雰囲気になりつつあります。

まあとにかく読者の反応を感じつつ調整していった時期だったんでしょう。そして1話1話が命懸けだったんだと思います。アニメプロデューサーの落合氏の言葉にもあった通り、「これっきりだこれっきりと思いながら描いていた」わけですから。

15巻はほぼ竜之介巻ですね。最初は本当違和感がすごかったんですが、徐々に受け入れられるようになりました。アニメの感想でも触れましたが、私の場合「努力、女の道!!」がそのきっかけになったわけですけど。

私も一つだけ選ぶなら「蘭は女の香り」かなあ。竜之介登場の「激闘、父子鷹!!」や「努力、女の道!!」も捨てがたいんですけどね。
アニメでは「セーラー服よ、コンにちは!!」と合わせたために、面白いところがカットされたのは残念でした。あたるとラムたちとのWデートもみたかったですし…
ただ、ランちゃんのところは最高でしたねw タイミングもばっちりでしたし、演出も見事に決まっていたと思います。

ラムとしのぶのやりとりは「努力、女の道!!」でのやつですよね。もちろん分かります!
「あんたの言葉づかいは特別なの!自分でわかんないの!?」「うちがなまってるとでもいうのけ~!」なんて最高ですw
あれって、なまってるという言い方をしてる時点で自覚しているようなもんだと思うのですがw
実際あの話をきっかけにあの二人は仲良くなっていったような気がするんですよね。竜之介の存在が彼女たちのわだかまりを溶かしてくれたんだと思います。

竜之介とテンちゃんの絡みも新鮮でしたよね。組み合わせの妙というか、今度はどのキャラと竜之介は絡むんだろうとかそういう楽しみも増えていった気がします。で、必ず新たな化学反応があるんですよね。そのあたりも高橋先生は楽しんで描かれていたように感じます。
だからその後の竜之介とクラマという組み合わせもノリノリでやれたのでしょう。
でもさすがにあのオチで次回何もなかったかのように始まるのはないですよw 一応クラマシリーズとして彼女も継続して出てくるんですしw

個人的には若草物語よろしく、4人で朝の食卓を囲んでいるシーンがよかったですね。
ラムがあたるのご飯をよそってあげているのもいいですし、よく見るとラムはおかずはみんなと同じですがご飯ではなくて缶詰のようなものを開けているんですよね。ひょっとすると、彼女は白米が苦手なのかなと思ったり。そういうのを想像してみるのもまた楽しかったりします。
最後の大オチはあれで全部が丸く収まるからいいんです!
やっぱり竜ちゃんは女の子ですし、あたるは男というところに落ち着くのがキャラを大事にするうる星らしい締めだったんだと思いますよ。

それではまた!旅行楽しんでくださいね。

No title

ブランクが挟まったとはいえ、今頃になってようやく完読しましたよ。

この10話は、ラムとしのぶでバランスを取ろうとしてたんだろうってことですね。
私は三角関係が続いた後で、最後にはあたるとしのぶがくっつくんだろうなと思って読んでたんですけど、普通にラムとあたるのコメディーが多くなってきて、???となってて、しのぶが出てきたときにはホッとすると同時に、ここから逆転していけるのかなあとか心配をしてました。
「いまだ浮上せず」とかがそうですけど、特に「系図」は、その頃の心の拠り所になってましたね。
その予想は、面堂登場以降そういう話ではなくなってきて、君去りし後で完全に葬り去られるわけですが。
留美子先生がそんなに「系図」を気にし続けていたというのは、私にとっては、驚きよりも、感謝の気持ちが大きいです。
全然雰囲気の違う初期の、無いことになったと思っていたけど、思い入れのある部分だったので。
アニメにはしなかったけど、あの頃のラムとしのぶをちゃんと考えていてくれてたんだって。

「あやつり人形」は、しばらくぶりにラムが悪女の面を見せるのがお気に入りです。この話が最後ですよね?
この変化の大きさは、初期好きとしては、楽しくもあり、寂しくもあります。
私が一番笑ったのは、あたるがウキウキで錯乱坊に復讐しようとしたけど、「人形の中にモデルの髪の毛をいれるっちゃ。錯乱坊には髪の毛がないっちゃ。」「ガク」ってとこだなあ。あたるの表情の変化がいいですよ。

「いまだ浮上せず」で大笑いするのは、モズのはやにえだって言ってあたるにとって来させて、「先生に見せるんだから、しまっといてね」..「いやっ!!そんな気色わるいものふところにいれて抱きつかないでよっ!!」..「すてるぞっ!!」「だめよー、先生にみせるんだから~っ!!」「おまえが持ってりゃいいだろほらっ!!」「いやーっ!!」のところじゃないですか?なんてほほえましい。

「幸せの黄色いリボン」が名作なのは私も文句有りません。
ただ、なりそこないさんが、ラムのかわいさをこんなに言うのは意外でした。
私はことあるごとにラムの顔がどうたらこうたら言ってますが、なりそこないさんから聞くのは初めてのような気が。。まあ完全同意なんですけど。。
新アニメの最初のOPの原作シーンで、「いて~!!」の下の、誰かを引っ掻いてる絵も、この話のあたるに攻撃してるとこなんですかね?絵はだいぶ違うんですけど、他も原作から変えてたりするんで、そうかなあと思ってます。

「ディスコ・インフェルノ」はほんとにラムとあたるがなじんでるんですよね。またまたしのぶが出て来ず。
すごいドタバタ回なんですけど、まだ三角関係抜けれてなかった私には、そっちの方が印象深かったかなあ。

で、全く考えてなかったのが、「さよならを言う気もない」が最終回のつもりだったということ。
私は普通にあたるが二人になるギャグ漫画だと思ってたんですけど、これが三角関係の解決法だったと。
そいで、次の作品に行くつもりが、うる星を続けることになっちゃったということですか。
なるほど~。これは背景を知らないと、気付きようがないですねえ。
初期の話が濃く感じるのは伊達でなくて、まだ駆け出しの留美子先生が短期連載のつもりで入魂したものの繰り返しだからなんでしょうね。
ちなみにこの話での私のポイントは、なんだ、あたるの大部分を占めるダメあたるの方はラムにぞっこんなんじゃないかってとこでした。
まあこれは話の都合上そうなっただけで、後への伏線の意味は全くないんでしょうけど。

それで不思議なのが、コミックでは、どうして後発のクラマ3編を、途中で挟んだんでしょう。
そんなことしなければ、この10週連続掲載期がきれいに2巻に収まって、クラマ編も2巻と3巻で切れなかったのに。

で、余韻も冷めやらないところですが、今週読んだ16巻の感想を。
この巻は、バラエティーに富んだ、いつものメンバーのドタバタって感じで、明るく笑えて、11巻あたりの雰囲気を思い出します。
それにしても、まあよくこんなに新しい話や笑いを次々と発明できるもんです。
特に笑った所を記そうと思ったのですが、多すぎて選ぶのが無理でした。

「母子断絶火事模!!=その1=」「クリスマスツリーわいわいバーティー」で一番たくさん笑って、「怒りのラムちゃん!!」で笑いと一緒にあったかくなって。この話はとにかくテンちゃんがかわいいですよ。”もうボクのこと…きらいになったんやなあ…” の顔とか。サクラさんもここでは普通に優しくて頼れる大人だし。

その中で、「愛♥ダーリンの危機!!」はラブコメと少しミステリーの傑作と思うので、新アニメに入らなかったのがほんとに残念です。
ランちゃんのラムへの本心も上手に描かれてますよね。何度も見直してしまいます。

こうしてみると、16巻からは選ばれてないんですね。
どれもこんなに面白いのに、紙一重の差で別の話が選ばれたって感じです。
4クール1年分もやってくれて感謝感激なんですけど、半分くらいは主要キャラの登場回とか、他の絶対やらないといけない話に割かれるので、やっぱり6クールくらいあればなあと、欲が出てきますねえ。

まだ次の記事はあえて読んでないんですけど、第2期は来年の1月からなんですね。
12月末に34巻読み終える予定なので、ぴったりです。
楽しみで楽しみで。
では多分また来週~。

Re: No title

>えんじにあさん

おかえりなさい!旅行は楽しまれましたか?
今回の記事は長編でしたからねw 途中息継ぎを入れないと完読できなかったかもしれません。

なるほど、どちらかというとしのぶを応援する気持ちで読んでいたのですね。やっぱり「系図」はそういう読者を安心させるために描かれたものだったのかもしれません。まさに気をもむファンに対しての「心の拠り所」としての“安心の未来”として。
私は初めからラムに気持ちを置いていたのであまりそういう意識はなかったですね。やっぱり8巻から入ったというのが大きいかも。最初に1巻から順に読んでいけばまた受け止め方も変わっていたのかもしれませんけど。
記事でも書きましたが、系図も当時からラムの方に感情移入して読んでいましたね。

今だから言いますが、「扉シリーズ」で再び「系図」の話が出てきたときはショックでした。正直幻滅した気持ちもありましたね。あの話は今さら取り上げることもないはずなのに、一部のファンの声に押されて日和ったんじゃないかと。今考えると本当アホかと思ってしまうんですけどw
それが間違いだったと気づいたのは、連載が終わってしばらくたってからですよ。先に紹介した落合氏の話とか、高橋先生のインタビューなどを読んで、高橋先生の想いに触れたことで見方が変わりました。そして、高橋先生のキャラに対する真摯な気持ちに感激しましたね。

「あやつり人形」はまさにバランスをとった回だと思うんですよね。それまでラムの割とかわいい部分が目立つようになったので、調整したのかなと感じました。
どこまでを「悪女」というかにもよりますが、わかりやすい形ではここが最後かもしれませんね。個人的にはクラマ編での彼女もなかなかだと思っているのですがw
まあいずれにしても、もっとも変化の激しい時期だったのは確かでしょう。

> 「ガク」ってとこだなあ。あたるの表情の変化がいいですよ。
そこも確かに面白いですね。私の中での一番はやっぱり「きょうのような事態をまねいたんだ!!」なんですが、この回はあたるの表情や感情の動きがポイントだった気がします。

「いまだ浮上せず」はしのぶとあたるのやり取りは確かに微笑ましいんですが、どうにもあたるががっつき過ぎなのがなんだか気になるんですよね…まあふだん我慢していたのがここではじけてしまうのはわかるんですが。
それをいうなら、むしろ「おまえといっしょならどこでも極楽なのだよ」「それほんとう…?」「これがウソをついている目ですか!?」の方がいいかな。あたるの目が「色」になってるのが笑えますw

> ただ、なりそこないさんが、ラムのかわいさをこんなに言うのは意外でした。
あれ、そうですか。うわなんだか急に恥ずかしくなったなw
そんなに意識していたわけじゃないんですけど、改めて「幸せの黄色いリボン」の魅力ってどこだろうと考えたらそれしかなかったというw
実際、初期の作品群の中で一番ラムの魅力が出ているエピソードだと思います。
新アニメのOPでここでのラムが取り上げられたのも、たぶんスタッフも同じ思いだったからなんじゃないかと思っているのですがw
もちろんひっかいているシーンはここから取られたんだと思いますよ。

ディスコ・インフェルノではしのぶが出てこなかったのが印象的だったんですね。私はこの辺になるとラムとあたるのコンビが当たり前のようになっていたのでそこまでは感じませんでした。弁天の回くらいだと、あれ?という感じだったんですけどね。

「さよならを言う気もない」は最終回という意識はなかったですか。私は最初に読んだときに、「あ、これは一度最終回のつもりだったんだな」と感じましたよ。またしてもドラえもんで恐縮ですけど、「さようならドラえもん」(コミックス6巻の巻末に収録)を思い出したんですよね。あれも一度最終回を迎えたんだなと子供心ながら感じましたから。同じ「さよなら」というフレーズが入っていることもあって、そういうものだと思い込んでいましたw
ドラえもんも一度終わったのが読者からの要望で再び連載が始まったと聞いてましたからね。

ちなみに
うる星やつらbot
https://twitter.com/pigglum_bot/status/1696538211181572306
こちらのツイート(ポスト)で原作第一話から面堂登場までの雑誌掲載時の表紙を集めた、大変貴重なGIFが投稿されているんですけど、「さよならも言う気もない」の回でしっかり「最終回」と銘打っています。私の目論見は間違ってなかったわけですw もちろん本当の最終回という意味じゃなくて、単に10週連続シリーズがいったん終わるよという意味なのかもしれませんけどね。
でも次のクラマで「待望久し、読み切りシリーズ新装登場!」となっているところからすると、やっぱり「さよならも~」で終わらせたつもりだったんじゃないかなあ。

ダメあたるの方はラムにほれ込んでいたというのは確かに興味深い構図ではありますね。伏線として考えていたわけではもちろんないでしょうけど、結果的にそういう方向に流れていった面はあるのかもしれません。

初期のコミックスにおいて、話の順番が入れ替わっているのは本当謎ですね。まあ「君待てども…」を3巻ラストに持っていくために「酒と泪と男と女」を外したのはまだわかりますけど、ディスコとさよならをあえて3巻に持って行って、間にクラマを入れた意味はよくわかりません。
ただ、こういう順番って、作者の考えってあまり反映されていないと思うんですよね。よほどつよいこだわりがあればまた別かもしれませんが。
おそらく、編集部が何らかの意図をもってこうしたのではないかと推測します。権限的にはサンデー編集部の方が強いような気もしますしね。
まあ無理やり考えるなら、クラマの人気がこの当時かなり大きくて、2巻と3巻に彼女の回を分散することで売り上げアップを見込んだとか?あとは、さよならを言う気もないを2巻ラストに持ってくると、いかにもそれで完結みたいになってしまうと考えたからなのかもしれません。

16巻はいいですよね!個人的にも昔からすごく好きな巻なんです。
15巻で少し雰囲気が変わったことに戸惑いを覚えた矢先だったので、11巻あたりの雰囲気が返ってきたのがうれしかったのかもしれません。17巻、18巻が個人的に少し落ちたかなという印象もあったので、よけいに16巻のクオリティの高さが印象にありましたね。

特に好きなのは「晩秋…そしてまつたけ!!」かな。あと「家宝は寝て待て!!」とか「さらば温泉マーク!!」も好きw

「母子断絶火事模様!!」と「怒りのラムちゃん!!」、そして「愛♥ダーリンの危機!!」はなんとしてもアニメでやってほしかったですね。本当16巻からまったく選ばれなかったというのは今もって納得できません!
「クリスマスツリーわいわいバーティー」も面白いんですけど、ラストの花火ネタが「面倒邸新年怪」で使われてしまいましたからね。たぶんもうやらないだろうなあ…
「怒りのラムちゃん」は高橋先生が「1983年度の自作ベスト」で選ばれているんですよ。後のインタビューで指摘されたときは選んだことを忘れていたらしいですけどw でもお気に入りの話なのは間違いないと答えてらっしゃるくらいですから、先生にとっても思い出深い話なんだと思います。心温まる話なのにギャグも切れていて本当素晴らしいですよね。ラストのオチなんて、泣いて笑ってもう大変ですよw

「愛♥ダーリンの危機!!」は今からでもいいからアニメでやってほしいです。雰囲気がすこしダークファンタジーというか不思議の国のアリスをベースにしているんですよね。独特の空気感がすごく好きです。
ラブコメでも、あたるがラムに本音を見せるというパターンじゃないのが印象的ですよね。こういうラムの想いをストレートに描いたのはこの回くらいなんですよ。そういった意味でもすごく重要な話だと思います。
また、実はランちゃんとラムの話でもあるんですよね。「おんどりゃ」からの「…どしたのラムちゃん?」はいつ見ても泣きそうになります。

4クールじゃ絶対に足らないですよね。本当せめて6クールあれば、あれもやれるこれもやれるとなるのですが。
2期は来年1月からというのはもう発表になりました。
そうか、1週につき1巻というペースだと、あと4か月くらいで最後まで読み終われそうですね。まるでえんじにあさんに合わせたかのようなタイミングw

次来られるのは来週ですか。お待ちしていますね。
その頃にはもしかしたら、クラマ編の記事も更新できているかもしれません。(断言はできませんが…)
それではまた!

No title

1週間と言っておきながらですけど。。。
サンデーでの表紙を集めたGIFの情報をありがとうございました。すごいbotですね。
でもこの大量のあまり役に立たない(?)情報の洪水の中から、これが来たのに気付くなりそこないさんもすごい。
とにかく、表紙を一つ一つ止めながらじっくり楽しみました。
雑誌では、こういうふうに表紙にいろいろ書かれてたのを思い出しました。
当時の編集部のドタバタが目に見えるようです。
一部抜き出すと、

5週連続掲載期
1話:新連載!!
2話:新連載、早くも人気!
3話:ケッサクって大評判だっぴゃ!!
4話:諸星あたるくんにファンの同情が殺到!
5話:完結 ラムちゃんが怒った!さあ、テンヤワンヤの大団円だ!

単発掲載期
1:番外編★ あのラムちゃん、ふたたび!!期待にこたえ再登場!
2:番外編★ 本誌大ヒット作品が、新作で大登場。全力のラムちゃんが大活躍!
3:番外編★ 人気のラムちゃん、再登場だっちゃ!!

10週連続掲載期
1:新連載!!ラムちゃん大・・(読めず)
2:新連載快調!!
3:人気大爆発!!オールカラースペシャル
4:大人気!!ラムの魅力の電撃ショック!!あたるじゃなくともシビレます
5:ラムちゃん、あたるに首ったけ!!
6:話題集中 ラムの嵐がふきあれる!!
7:大人気!!あたるとしのぶの危険な関係に注目
8:大評判!!
9:ものすご~い評判!!
10:話題集中!!最終回 ラムとしのぶにはさまれて、あたる一人じゃ身がもたぬ!!

単発掲載期 クラマ姫
1:帰ってきた!!待望久し、読み切りシリーズ新装登場!!
2:大人気シリーズ!!
3:大人気シリーズ!!留美子先生乗りに乗り、またまた放つ大爆笑ヒット!!
4:大人気シリーズ!!ことしも”留美ック”な笑いをふりまいてあたる、ラムが大暴れ!!

週刊化 面堂登場
1:新連載!2週連続オールカラー おまたせしましたっ!!ラムちゃんとあたるのラブ・コンピが帰って来ましたっ!!

ほんとに新連載が3回、ちゃんとそれに対応して完結と最終回があり、その間に、期待に応え再登場とか帰ってきた!とかがいくつも挟まってるんですね。
大人気とかいうのは編集部の宣伝の場合もあると思いますが、これについては、ほんとに大人気で、終わっても終わってもまたやるしかなかったって感じですか。
しかも書かれてるのがラムちゃんラムちゃんラムちゃん、あたるとしのぶが少しだけって、留美子先生の意図と違って、読者の反応がどんなだったか想像つきますねえ。
まあこのラインナップを見返すと、ラムの魅力と、見たことのない面白さと濃さで、評判になるのは必然に思えますよ。
面堂登場回は、それに加えて、はっきりと第1話って書かれてますね。
コミックで読んでると、「絶体絶命」と「さよならを言う気もない」が一旦最終回だったとは、普通は絶対気付かないと思うんですけど。。
まさに百聞は一見に如かずって感じです。
この時期の話が、レギュラーとして週刊で描くのが軌道に乗ってからの4巻以降とは重さが違って感じられていたのは、私の感覚も間違ってなかったかな。

今は17巻にはまってます。
私的には、17巻も最高に近いくらい好きですねえ。
ではではー

Re: No title

>えんじにあさん

いらっしゃい!
いやいや、いつでも大歓迎ですよ。遠慮せずにコメントしてくださいね。

あのGIFを見つけたのはたまたまです。でも、けっこう目立つでしょw
当時の雑誌掲載時の表紙は私も見たことがなかったので興奮しました。

一枚一枚チェックしていただいたんですね。ありがとうございます!
私はそこまで確認する余力はなかったw
こうしてみると、改めて貴重な資料ですね。実に興味深いものがあります。

5話でしっかり「完結」となっていたり、単発時期ではそれぞれ「番外編」と銘打っていたりしていましたね。
新連載の時は5回分とか10回分とかは前もって告知はなかったんでしょうか。だとしたら、いきなり最終回とかかれて当時の読者は困惑したかも。
高橋留美子先生ののちのインタビューによると、連載期間は最初から5週とか10週とか決まっていたらしいので、予定通りだったんでしょうけど。

ただ、すぐに番外編や10週連続連載、読切シリーズときて本格的に新連載となったのは、読者からの反響がすごくて終わりにできなかったというのはあったと思いますね。その辺のことは高橋先生の耳には入っていなかったのかもしれませんが。

当時のアオリ文句を見ると、ラムちゃんラムちゃんばかりですねw 5話以降はほとんどそれで占められています。
てか、10週連続連載から急に“ちゃん”が抜けて「ラム」呼びになるのが面白いですねw
で、面堂登場からまたラムちゃんに戻るとw
10週連続の新連載のあおりは「ラムちゃん大旋風!」かな…文字が潰れていてわからないですね。

でも、これはちょっと意外なんですけど、高橋先生によると、しのぶを応援する声も多かったらしいんですよ。
たとえば、前にも紹介した
コミックナタリー「高橋留美子画業35周年インタビュー」
https://natalie.mu/comic/pp/rumic35/page/3
こちらのインタビューでは、
「でも、ラムだけのおかげで人気が出たかというと、そうとはいえないんじゃないかな。読者の方からのお手紙では意外に「あたるくんとしのぶちゃんはどうなるんですか?」というものが多かったし。」なんて答えてらっしゃいますし。
ただ、一方では
「ヒロインよりも主人公があたるだということを重視したので、ラムとしのぶ、どちらがあたるとカップルになるのかは考えておらず、連載中に自然とラムがヒロインの立ち位置になってきたんです。」
とも答えているんですよね。
編集部としてはラムを前面に出したい方針だったんでしょうけど、高橋先生自体はそんなに意識してはいなかったんじゃないかなと思います。
ドタバタ劇をやるにあたって、単純にラムの方が動かしやすかったんじゃないかとw

面堂登場は新連載とはっきり銘打っていますね。ただ、これは不思議なんですけど、カラーページという触れ込みなのに、コミックスではモノクロなんですよね。色がついていたような形跡もないですし。2週連続となっていますが、次の「星座はめぐる」もカラーにはなっていないようです。
加えて「パーフェクトカラーコレクション」にも「トラブルは舞い降りた!」と「星座はめぐる」は収録されていないんですよ。
もしかしたら、このカラーには高橋先生は一切関わっておらず、印刷ページに編集部が勝手に色を塗ったのかもしれません。だって、元の原稿がカラーだったら、コミックス収録時にどうしてもその跡がでるはずですからね。

17巻ももちろんすごく面白いんですけどね。16巻に比べると若干…といった感じが当時はあったんです。
まあ今見直すとまた違った感想になるかもしれません。
それではまた!

No title

ひえっ、たしかに面堂登場時、サンデー表紙は2週連続オールカラーって書いてあるのに、コミックの方は、他のカラー話にある濃淡がないですね。
サンデー表紙のオレンジに塗られてるところも、コミック表紙では放射状の帯以外真っ白だし。
いきなりレギュラー化で留美子先生も大変だろうし、アシスタントも整ってないだろうし、カラー化決まる前に最初の原稿は上げてたかもしれないし、本物の原稿には手をつけず、編集部で色をつけたんですかね。
いずれにしても、期待の星だったってことですね。
それにしても、よく見てますねえ。
いつもながら感服します。

Re: No title

>えんじにあさん

ねえ?私もびっくりしましたよ。もとより面堂登場の回はカラーとは思っていなかったので、どういういきさつがあったのかまったくの謎ですね。
普通、カラー原稿と通常の原稿では描き方が異なるはずなんですよ。「パーフェクトカラーコレクション」での高橋先生のコメントでもその辺のご苦労が語られていますし。
なので、カラーだったものがモノクロに戻るというのは考えづらいんですね。となると、モノクロ原稿が入稿された後に、急遽カラーで連載一回目をドンと目立たせようと編集部の判断で決まって、印刷所から上がってきたゲラにみんなで着色したのかな、とw

今だったら絶対に許されないことですけど、当時は普通にあったんですかねえ。ていうか、高橋先生には事後報告で済ませたんでしょうか。
この件については先生や当時の担当者も含めて誰もコメントしているのが見たことがないので、真相は不明ですけど。

この間の「春うららの落第教室」の「エロ本」問題もそうですが、雑誌初出時と後のコミックスとではまだまだ知られていない相違があったりするかもしれませんね。
line
line

line
プロフィール
ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

なりそこない

Author:なりそこない
FC2ブログへようこそ!

line
Twitterフォロー
line
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
line
最新記事
line
最新コメント
line
最新トラックバック
line
月別アーカイブ
line
カテゴリ
line
カウンター
line
表現規制問題について
line
Amazon人気商品










line
My Favorite商品
line
検索フォーム
line
読んでいます
line
リンク
line
RSSリンクの表示
line
QRコード
QR
line
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

line
sub_line