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【なりそこないの四方山うる星ばなし05】10くらいからわかるうる星講座その3・まずは初期から読んでみよう!5週連続連載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

前回で「うる星やつら」をその時代ごとに区分化したので、今回からいよいよ具体的について見ていこうと思います。
特に「初期」に関しては、令和版アニメではほとんど取り上げられませんでしたからね。新アニメからうる星に興味を持たれた方たちに、まずはこの時代ならではの面白さや空気感を知ってもらいたいなと考えました。

進め方としてはコミックス収録順ではなく、雑誌初出の順番で見ていきます。
そうすることで、本来のうる星が歩んできた道筋が見えてくると思うんですよね。そこからさらに、うる星の世界が少しずつ変わっていく兆しみたいなものを感じ取っていただけたらうれしいです。

というわけでこれから一つ一つ見ていくわけですが、今回はスタイルを少し変えています。
各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻〜34巻」より引用しています。


■5週連続連載期

「うる星」は当初5話短期連載の予定だったので、あたるが次々変な人に出会っていくオムニバスにするイメージで始めました。(2013年5月にコミックナタリーに掲載された「高橋留美子画業35周年インタビュー」より)

●EP001;かけめぐる青春(01巻 PART01)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;まれにみる受難の星のもとに生まれた諸星あたるは、鬼星からやってきたインベーダーの娘・ラムと地球をかけた「鬼ごっこ」で勝負することになる。

◆ポイント;ラム初登場
◆キーワード;鬼ごっこ 結婚
◆注目フレーズ;「産むんじゃなかった!」「さだめじゃ!!」

◆解説
記念すべき第1回ですが、今読んでも驚くほど面白いですね。「5週連続連載期」の中では「絶体絶命」の次に好きな話かも。

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こちらが記念すべき最初の一コマ。いきなり主人公がヒロインにビンタを喰らうところから始まるというのもすごいw
なお、高橋先生は最初の連載で1話ごとに課題を課していたそうで、「第1回目は、スピード線、集中線の練習」(「うる星やつら復刻BOX」Vol.4特典「ミニ原画集」あとがきより)だったとのこと。もしかしたら、スピード線を描きたいがためのこの導入だったのかもw

でもこれだけで、あたるとしのぶの関係や性格がすぐに読者にわかるというのはすごいですよね。物語への呼び口として見事な入りではないでしょうか。

全体的には、あたるが主人公だというのがよくわかる構成になっています。「女にふられたくらいで死んでたまるか!!」とか、すでにこの頃からタフでめげないキャラの萌芽が伺えますね。「鬼でも宇宙人でももってこい!!」なんてセリフは、今読むとすごく意味深に聞こえて面白いw
後、この頃のあたるって割とやさぐれている印象が強いんですよ。地球はどうなるんだとか好き放題言うヤジ馬たちに対して「ふん、勝手なこといいやがって!てめえらはみてるだけじゃないか……」と内心毒づくシーンは、古き良き時代の熱血主人公らしい一面が出ているような気がしますね。
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さて、ラム初登場というと、
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こちらのシーンが有名ですが、実は本当に姿を現した場面となると、
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こちらなんですよね。
空中に浮かんでいるUFOから「雷」と共に降臨するシーンになります。
この時点ではまだ男か女もわからない状態で、なかなかの緊張感がありますね。この時期のトラジマパンツは裾が広いタイプで、一見すると半ズボンみたいにも見えますしw

で、こちらが初セリフ。
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“〜かや!?”という語尾が印象的ですね。信州や北陸あたりの方言っぽいですけど、この頃はまだ言葉遣いにブレがあることがよくわかります。(それにしても後ろから見ると、ツノの形や大きさが際立ちますねw)

他にも、「返せよ!」とか「覚えてろっ!!」といった乱暴なセリフが目立ちます。特に「覚えてろっ!!」と言いつつ、ゴチンと拳であたるを殴るシーンは強烈。まさに「鬼」そのものと言えるでしょう。
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ちなみに、この時点ではラムは電撃を使っていません。第1話ではその辺の設定がまだ定まっていないのがよくわかりますね。

ただよくよく見ると、彼女が荒ぶり出したのは
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ここからなんですよね。
いきなり抱きつかれ、事もあろうに胸を掴まれた瞬間に「なにすんだスケベーーっ!!」となるわけです。
ある意味、女性としての尊厳を傷つけられたと思った瞬間に豹変としたとも考えられるんですよ。

この後ラムは、なんとトップレスのままUFOに帰ります。しかもそのまま、2日間にわたって手ブラで「鬼ごっこ」を続けることになります。このシチュエーションはアニメでも昭和・令和ともにやれなかったw

ただ、漫画だとそんなにいやらしさを感じないんですよね。正直トップレス姿でもエロさがないんです。
乳首が単なる「丸」でしか表現されないのもあるのかもしれません。この乳首の淡白さは高橋留美子のヌードの描き方の特徴でもありますね。

しかし、「スペア」を持ってないってすごい設定ですw
まあラムはここからしばらくトラジマビキニ以外の格好をすることはないので、本当にこれしか持っていなかったかもしれませんw(ラムが初めてトラジマビキニ以外の衣装を披露するのは、2巻PART01「お雪」)

あと、両手が使えないとジャンプ力が半減という設定もいつの間にかどこかいったような気がするw

それにしても、
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からの
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「女をなめるなっ!!」キックは今見てもえげつないですねw
さらに、
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「一メートルも落ちてねえのに!!」とかほとんどヤクザだw

ただ、この女をなめるなという言い方はある意味、彼女のその後のパーソナリティにもつながっている気がします。
一途だとか健気とか以前に、やはり自立した女性なのだという点は押さえておきたいところです。

で、オチがどうかというと……
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うーん、今見てもわけわからんw
令和版アニメだとラムがあたるに惹かれた様子も仄めかされていましたが、原作ではまったく意味不明の結婚承諾になっていますw
まさにラムという存在は「不条理」そのものの象徴としての存在だったのです。

ていうか、結婚するなら鬼星に行ってツノもつけて立派な鬼になるという設定はどこにいったのだろうw
あたる母の「盆暮れ正月にはきっと帰っておいで!!」が最高w 何、すんなり受け入れているんだw
これからもわかるように、1話完結型のギャグでオチを次回に引き継がないスタイルは最初からだったのですね。

何はともあれ、ここから「うる星やつら」は始まりました。鬼で宇宙人(インベーダー)のラムはこの時点は確かにゲストキャラに過ぎませんでしたが、その彼女が第1話のゲストだったのが、その後の「うる星やつら」を運命を決定づけたといえるでしょう。
もし、1話目のゲストが悪魔だったら、もしくは巫女さんだったりおユキさんだったら、「うる星やつら」という作品がここまで長く愛されることはなかったのではないでしょうか。

ラムの本当の「侵略」は、実はまだ始まったばかりだったのです。

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
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構図が素晴らしい。漫画で風を感じたのはこれが初めてだったかも。名シーンだと思います。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
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「This is a pen」はドリフの荒井注のネタからでしょうけど、当時はむちゃくちゃ衝撃を受けましたね。さらにそこから「八宝菜」「I’m a boy」「冷麺」「I love you」とつながっていくのはすごく斬新に思えました。「もうちょっと!」「I love you」なのかwとケラケラ笑ってましたw

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初期において、チェリーはギャグメーカーとして存在感がすごかったですね。ある意味、彼こそが主人公だったとも言えるかもしれません。その中でも、人相がすべてみたいな口ぶりがツボでしたw

☆ピックアップワードチェリーと呼んでくだされ!
錯乱した坊主と書いてチェリーと読ます。
このセンスはあの日本SF界の巨匠をもってして、「天才」と言わしめました。
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以下、「巻頭カラースペシャル対談 高橋留美子×糸井重里×星新一」より冒頭部分を抜粋します。

星 この前、初めて高橋さんの「うる星やつら」を買って読んでみたんですけど、おもしろいですね。例えば錯乱坊(チェリー)なんていうのは、描いているうちに出てくるわけですか?
高橋 そうですね。あれは単なる思いつきですから。(笑)
星 変な坊さんが出てきて、「チェリーと呼んで」なんて驚いた。(笑)単なる思いつきとなると、あなた天才ということになりますよ。
高橋 とんでもない。(笑)

(東京三世社 昭和58年(1983)9月1日発行 SFマンガ競作大全集PART21 巻頭カラースペシャル対談 高橋留美子×糸井重里×星新一 より)

まあ、天才から天才とお墨付きを受けたのですからやはり天才と言わざるを得ませんねw
(正直、最初に読んだ時は今ひとつその面白さがピンときませんでしたが。こういう落語的なおもしろさはある程度歳をとってこそわかるものなのかも)




●EP002;やさしい悪魔(01巻 PART02)(重要度:A★★★

◆あらすじ;少年野球のボールを頭に受けたあたる。深夜に痛み出したコブを確認するために合わせ鏡をしたばかりに、今度は「悪魔」を召喚してしまう。

◆ポイント;ラム未登場
◆キーワード;悪魔 スイカ
◆注目フレーズ;「悪魔を投げた~~!あ、あ、悪魔を~~!!」

◆解説
当初はラムが1話限りのゲストキャラであったことを示す貴重な2話目。これ以外にもラムが登場しない話はありますが、それはあくまでラムが再登場した世界でのことです。つまり作中にラムがいなくても、描かれていないところで彼女の存在は共通認識としてあるんですね。
ラムが地球上にいない世界でのラム不在回というのはこの回だけで、そういった意味で非常に重要な回でしょう。
本当の意味で「ラム不在」回はこの回だけといえるのかもしれません。

まあしかし、面白いですね。正直この路線で続けてもかなり面白いものになったのではないかと思いますよ。
あたるとしのぶが毎回怪異にまきこまれる1話完結型のちょっとオカルトチックなギャグコメディ。うん、いいじゃないですかw

もっとも高橋先生いわくネタが思いつかなかったということですから、仮に続いたとしてもコミックス1~2巻程度で終わっていたかもしれませんが。その場合、チェリーは第3の主人公みたいな感じになったかもw

まあとにかく、この回は特にチェリーが大活躍ですねw
悪魔よりも実は彼の方がはるかに災いの元になっている構図が最高ですw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
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わしの女にならんきゃーっ!!としのぶに迫る悪魔をはたき落とすあたる。彼の嫉妬深さが最初に表れた瞬間です。
この嫉妬深さは彼の本質を見る上で非常に大きなポイントになるので、今後も注目してみてください。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
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「この出歯をしまえというのきゃ?」「しまったら結婚してくれるきゃ?」「デバぼうちょうをしまうの!!」くだらないけど好きw
てか、この悪魔は何がどう悪魔なんだろ。ラムよりも全然怖くないんだがw
~きゃ、~ぎゃという語尾はラムの~ちゃの亜流でしょうか?

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「揚豚(カツ)!!」
今見ると他愛のない駄洒落にも見えますが、当時は衝撃を受けました。
この時代はギャグをほとんど彼が担っていた印象です。「ガキデカ」などの影響が感じられますね。
チェリーがこまわり君で、あたるとしのぶはむしろ西条くんとモモちゃん的なツッコミ役っぽい。
あと、この頃のあたる母や父も山上たつひこのキャラっぽい感じがあります。最後のオチでのあたる父のずっこけ方とか完全にガキデカだろw↓
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☆ピックアップワード鬼のつぎは悪魔にとりつかれおったか……おぬしも不幸よのう……
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ラムがあくまで(洒落ではない)あたるにとって災いの存在でしかなかったことを如実に表している言葉ですね。
ここでは「鬼」と「悪魔」は同等の扱いなのです。
あと一応、前回のあのオチを引き継いでの話であるというのも、注目すべき点かと。




●EP003;悲しき雨音(01巻 PART03)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;ラムにもう一度会いたいと願うラム後援会の面々はUFOを呼ぶ儀式を始める。かくしてUFOはやってくるが、それはラムのUFOとは違っていて……

◆ポイント;ラム再登場 ラムが諸星家に同居 メガネをはじめとする「ラムちゃん後援会」の面々が初登場 学生姿初登場(友引高校の名前はまだない)
◆キーワード;この星の石油含有量 ダーリン 同居
◆注目フレーズ;「ベントラベントラスペースピープル」「今度こそとりつかれるわよ!!」

◆解説
ある意味、うる星史上もっとも重要な話といえるかもしれません。1話限りの登場だったはずのラムが早くも第3話で再登場することで、「うる星やつら」という作品は作者をも想定していなかった方向へ大きく舵を取ることになります。

まず大きなポイントとしては、学校のシーンから始まるということですね。ここで初めて、あたる・しのぶ以外の同世代キャラが登場します。いわゆる学園ものとしての基盤がここで生まれるわけです。
ただこの時は、メガネ以外の友人キャラはまだはっきりしていない感じですね。本来メガネ・チビ・カクガリ・パーマの4人のはずが、なぜか5人いますしw この後一人はリストラされるんですねw まあはっきりいって、メガネ以外のキャラはモブみたいなものでしょう。(なお、原作においては彼らに特に名前はありません。メガネにせよサトシにせよ、アニメオリジナルの名前です)

この時点ではメガネたちはラムを再び呼ぶための舞台装置に過ぎませんが、結果的に彼らのおかげで「うる星」はマンガ史に残る名作になったわけです。そういった意味では、彼らこそはうる星の影の功労者といえるかもしれませんw 感謝しないとですねw

ストーリーとしてはラムのUFOを呼ぶつもりが星間タクシーを呼んでしまい、その膨大な料金を肩代わりすることでラムが諸星家に同居することになるという話です。
個人的な感想ですが、全体的にギャグが比較的少ないように感じます。たぶんチェリーがほぼ登場しない(あたるの回想シーンのみ)というのが大きいと思いますが……。
その分、ストーリーに重みを置いている印象ですね。星間タクシー組合が強制的に地球上の石油を取り立てていくさまは、なかなかにスペクタクルな面白さがあります。

ただ、「第二のオイルショックだ!!」などは時代を感じさせるなあ…w
当時の記憶は私でさえないので、最初に読んだ際、今ひとつピンとこなかった覚えがあります。

しかし、ラムはいつどうして“星間タクシー”の件を知ったんでしょうね?
そもそも1話のあのオチからいったいどういう流れがあって、彼らがいったん地球から去っていったのかもよくわからないんですがw ラムの様子からすると別に破談になったというわけでもなさそうですし、角をつけて鬼星に行くという話はどうなったのかw
で、一転して地球に同居する、ですからね。うーん、どうも「陰謀」の匂いがするぞw

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「そうか!!そんなにうちと同居したいのけ!!」 
直前のコマからの流れを見ると、この涙も狙っていたような気がしないでもありません。
いわば「女の涙」を武器に使ったのかもw
もちろん「嘘泣き」ではないはずなので、本気の涙ではあるんでしょうけど、一方ではあたるを揺さぶる取引として使っているかのようにも見えます。(あたるはああ見えて、女の涙に弱いのだ)
いわゆる初期のラムの狡さは、後のそれとは少し違う質のものがあるようにも感じるんですよね。

もっとも、とことんあたるに拒絶された時の
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この表情には、彼女の純粋たる思いが隠れているように思います。

ちなみに、この時の料金の肩代わりが、のちに「君待てども…」のラストであたるがつぶやく「またラムに借りをつくちまった」につながっています。そういった意味でも、最大級に重要な話なのです。

ところで、当初1話限りのゲストキャラだったはずのラムが3話で再登場した経緯については、1話を読んだ読者から「ラムをもう一度出してくれ」という投書が殺到したからという噂が当時ありました。というか、今でも割りと広く知られている説なのかもしれません。

でも、そうではないんです。ラムの再登場は読者の反響とは一切関係なく、当初から予定されていたことだったんですよ。
これは当の高橋留美子先生自身が語っていることですから、間違いありません。

「最初は5回連載の予定でしたから、描きたいキャラクターより、やりたいネタの方に重きを置いた。ラムは、第一回目のゲストキャラクターだったんです。だから2話目はでてこない。もう自分の星に帰っちゃったということで終わっていた。ところが3話目のコンテで煮つまりまくった。進退きわまってしまって、"あの娘(こ)を使おう"と、再登場させたわけです。」(1988年2月発行の少年サンデーグラフィック・スペシャル[うる星やつら完結編 ボーイミーツガール]小学館より)

「ラムは当初、1回限りのゲストキャラのつもりだったんですよ。1話に出て、2話には出ていない。3話に出したのは、実は苦しまぎれ(笑)。」(2013年5月にコミックナタリーに掲載された「高橋留美子画業35周年インタビュー」より)

これからもわかる通り、どうやら苦しまぎれの果ての産物だったようですねw
もっとも、ネタに困ったというより、キャラをどう絡めるかで行き詰った感じのようです。

「『うる星』のネタは、結構昔からありました。~(中略)~初めの三話分っていうのはですね、実は村塾で作っていた全く別の短編を、同じ主人公(あたる)を使ってやったというようなもんなんです。しかもラムはゲストキャラで、主役はあくまであたるのつもりでした。」(サンデー名作ミュージアム・展示ナンバー5 うる星やつら 高橋留美子自作を語る より)

ここで語っているように、「初めの三話分」のネタはそれぞれ別の短編ネタを入れ込んだわけですね。
つまり短期集中連載ということで、最初はキャラを大事に育てるということよりも、とにかく持っているネタを全部使って勝負に出ようというつもりだったのではないでしょうか。それだけ、プロとしてやっていくんだという気持ちが強かったんだと思います。

ちなみにこの「悲しき雨音」は、高橋先生は相当お気に入りの話のようで、インタビューの度に好きな話として名前を挙げています。連載終了直後の少年サンデーグラフィック・スペシャル[うる星やつら完結編 ボーイミーツガール]でも「石油が町に降る話」がお気に入りだと答えていますし、近年でも、

「3話目なんかはすごく好きですよ。ラムがもういっぺん出てきて。」(2016年発行 うる星やつらパーフェクトカラーエディション下巻 巻末インタビューより)
と答えています。聞かれる度に名前を挙げているくらいですから、よっぽどお好きなんですねw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
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ラムが初めて電撃を発するシーン。
この時点では攻撃やおしおきの意味ではなく、喜びを表す表現になっています。また、あたるを「ダーリン」と呼ぶのもこの回から。非常に重要なシーンといえるかと思います。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
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お茶の間コントw
少しドリフっぽい感じもありますね。あたる母父の存在感はこの時代の特徴でしょう。

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オマケして成層圏かよw 地球一個の価値なんてそんな程度かいw
あたるたちのコケ方がなんだかうる星らしくないのもこの時期ならではですね。この頃、まだ「ちゅどーん」はなかったw
(なお、ちゅどーんは高橋留美子先生の発明ではなく、「できんボーイ」の田村信先生とのことです)

☆ピックアップワードおぬしにとって、今日は最悪の日になるであろう……
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まさにラムはあたるにとって「最悪」の災いでした。
あたるがラムから逃げたがるのは、すべてここに集約されているんですね。
そして、その「最悪」を彼が受け入れた時、うる星やつらという世界は生まれ変わったのです。




●EP004;あなたにあげる(01巻 PART04)(重要度:A★★★

◆あらすじ;ラムが押しかけていてからというものの、学校にも家にもいたたまれなくなって家出をしたあたる。逃亡中に出会ったきれいな女性は巫女さんだった。彼女はあたるの悪相を祓ってやるというのだが…

◆ポイント;サクラさん登場
◆キーワード;家出人捜査 巫女 女難の相 病の権化
◆注目フレーズ;「おさわりバー」「なによ!地球の女をさしおいて!!」

◆解説
「正直3話目で持ちネタを使い切って、次はどうしようと途方に暮れました。で、巫女のサクラが出る話をしぼり出しました。」(「うる星やつら復刻BOX」Vol.4特典「ミニ原画集」あとがきより)

「宇宙人と追いかけっこ」も「石油の雨が降る」も全部、別のお話のネタをぶっ込みました。だから、4話目ですっからかんになりましたけどね(笑)。」(うる星やつらパーフェクトカラーエディション下巻 巻末インタビューより)

最近のインタビューでわかったことですが、どうやら当初の予定通りに進められたのは3話までで、4話からは本当にすっからかんの状態で始まったようですw

でもその割には、ストーリーもよくできていたと思いますよ。追い詰められた先にサクラさんが待っていたとは、なかなか運命的でもありますよねw

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こちらが記念すべき(?)サクラさんの初登場シーン。
この時点では正体不明な謎の美女といった感じですね。

病弱な体質というのもミステリアスな雰囲気をまとっていますが、すぐに化けの皮は剥がれますw
あのチェリーの姪(意外と勘違いされがちだが、子ではない)という設定からか、かなりエキセントリックなキャラとして設定されていますね。
後の大人な女性としての彼女とはかけ離れている印象を受けます。

一方のあたるは、ようやく女好きでいい加減な性格が顔を出します。
1話の冒頭で女好きなことが示唆されていますし、その後ラムのグラマー(死語)な姿によろめいたりもしていますが、2話3話では、そういった一面はうかがえませんでしたからね。
それでも常識の範囲内というか、一般的な男子が持ち得る色好きに過ぎない感じはありますね。この時期の彼はどこかまだキャラが定まっていない印象があります。

基本的な話としてはほぼあたるとサクラさんとのドタバタです。ラムとしのぶはあたるの回想シーンとテレビ中継、そしてラストにちらっと出るだけです。
ただ、その回想での彼女たちの様子はなかなかに興味深いものがあります。

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温泉マーク初登場!……って、そんなことはどうでもよくてw
ここで注目すべきことは、学校の教室内にラムがすでに居座っているということです。
3話のラストで、同じ屋根の下で暮らすことになったあたるとラムですが、どうやらあれから一時も離れないような状況が続いているようですね。そして、あたるはそれを毅然として拒むことができないわけです。

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見よ!このラムの表情を!
しのぶの言っている“あてつけ”もあながち被害妄想ではないことを如実に表しているのではないでしょうか。

何よりここで重要なのは、ラムがしのぶの存在をはっきり認識していることなんですね。
そう、1話や3話では、ラムはあたる以外の地球人を一切意識していなかったんですよ。もともと侵略者であるラムにとって、地球に住んでいる人間なんて眼中になかったのかもしれませんね。それが「結婚」を申し込まれたと勘違いすることで、諸星あたるという存在をそこで初めて見たんです。
その後、どういういきさつがあったかはわかりませんが、3話で再び地球にやってきた彼女は最後の最後まであたるしか見ていません。

そんな彼女が、あたる以外で初めて地球人の存在を認めたのが、恋のライバルである「しのぶ」だったというのは、うる星という作品を考えるうえでとてつもなく大きな意味を持つと考えます。

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で、これがラムとあたるの初のキスシーン♡
ちっともロマンチックじゃない、なんとも即物的な感じがらしいと言えばらしいですねw
(もっとも正確にいえば、第3話のラストで傘を差しながら登校するあたるにしがみついたまま頬にキスをするラムが描かれているんですけどね。まあ唇でないのでノーカンとしておきましょうw)
直前のラムの表情からすると、これもしのぶに見せつけるためのものだったのかもしれません。

ちなみに、これを起爆剤としてしのぶが初めて“机投げ”を披露しますw
彼女の「怪力キャラ」もここから生まれたのですね。
すでにこの時点から、彼女たちの三角関係が世界を構築するファクターになっていたことがよくわかる場面ともいえるのではないでしょうか。

あと、ポイントとしては
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これかなw もうこの段階で出オチギャグとして成立しているのが面白いですねw
まあ彼女はチェリーではないんですけどw

オチはこれまで以上に悲惨というか、死神オチw
正直、ちょっと笑いづらいところが初読の時からありましたね。まあ70年代の時代の空気を濃厚に残したギャグといえるかもしれません。
でも、そこでもしのぶとラムの対比は興味深いものがあります。
しのぶは正統派ヒロインよろしく、ベッドにすがりついて泣いているわけですけど、ラムはそのベッドの上に寝そべって少し心配そうな様子であたるの頬を撫でているだけですからね。まるで“死”をうまく理解できていないかのようでもありました。

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
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「ダーリン ごめんよー!!」
一応、悪かったという気持はあるんだw まあ本当に反省しているというより、ダーリンの機嫌が一向に直らないことに少し不安になっただけなのかもしれませんね。いずれにしても、少しは人間らしい一面(?)もあるんだなと当時子供心ながら思ったものです。
でも、この直後に「愛情表現!!」となるんですけどねw

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
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これまたベタな3段落ちw
最初からチェリーは便利なキャラとして重宝していたのがよくわかりますw
ただ、あたるのコケ方にはまだるーみっくならではのオリジナルさは見受けられませんね。

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さすがはチェリー一族w
サクラさんもこの頃は完全にいかれたキャラとして描かれていますね。ろうそく2本を頭に刺したその姿は、まるで丑の刻参りのようw

☆ピックアップワードありがとう 錯乱坊(チェリー)おじさん
病の権化が退散したことでよかったのうと声をかけてくれたチェリーに対してのサクラさんの言葉ですが、今となってはなんだか違和感がありますね。本来は「おじうえ」と呼ぶのが正しいのですから。
この時点では、彼女もチェリーと同じくらいに頭のおかしいキャラだったんですね。




●EP005;絶体絶命(01巻 PART05)(重要度:S★★★★

◆あらすじ;どうにかラムを部屋から追い出すことに成功したあたるはなんとかしのぶに会いに行こうとするのだが、地上に浮かぶUFOからラムがあの手この手で妨害をしてくる!

◆ポイント;最初の「最終回」
◆キーワード;離婚 絶交 ブラックホール 三角関係
◆注目フレーズ;「土曜の夜は子どもをつくるっちゃーっ!!」「アホの生き造り」

◆解説
屈指の名作と言っていいでしょう。個人的にも「初期」における最高傑作だと位置付けています。ストーリーもギャグもこれまでの集大成といった具合に洗練されていて、何度読み直しても飽きません。
1話から5話まで一気に描き上げた中で、これが最後になるかもしれないという必死な思いが読み手にも伝わってくるような気がします。場面場面に鬼気迫る迫力を感じさせますね。

ラムはもちろんのこと、あたるもしのぶもとにかく感情むき出しなんですよ。三人とも必死だからこそ、本気のスラップスティックな笑いが繰り広げられるわけです。お約束だけではない、本気の笑いが堪能できるところがすごく好きです。

あと、この回はマンガの表現に対していろいろ挑戦している様子がうかがえますね。
たとえば、
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これとか、
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これには、電話をつかった表現に工夫の跡が見受けられます。
そのほか、
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これなんかも面白い表現ですよね。

あとちょっと好きなのが、
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この「てれほんくいず」w
押しボタン式で片方の札が上がるシステムに時代を感じるw
おめでたうとか、だっぴゃ星人の団体が日の丸を挙げているところに、るーみっくぽさを見ることができます。

一方ラムはといえば、特に今回は悪役に徹している様子。
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ここでも「女の涙」が使われますが、どうみても“狙ってる”感がありありw
あたるが動揺しているところにも注目ですね。これまでも何度か同じような手口で丸め込まれたことがあったのでしょう。

それと、
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これなんかもすごいですよね。もう、完全に悪の総統気取りですw

そんなこんなで三人の“魔のトライアングル”は周りを巻き込みながら、ますます大混乱に陥っていくわけですが、
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あたるとしのぶは完全に二人の世界に入り込んでいますw
障害があるほど愛は燃え上がるとはいいますが、けっこうノリノリですよねw やっていて気持ちがいいんだろうなあw

そんな中、チェリーだけはずっと「ナンマイダ~ナンマイダ~」と唱えていますw
彼だけはこの騒動の悲劇的な結末を知っていたのかもしれませんね。うーん、さすがは「法力の高い高僧」だけあるw

で、けっきょくこうなります↓
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どうやっても、彼は“鬼の角”をつかむ運命にあるようですね。
うーん、何度見ても完璧な締め方だと思いますw

☆なりそこないが選ぶこの一コマ
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やはりここはオチに注目したいですね。
特に「やっぱりこうよ!こうでなくちゃおもしろくありませんわ!」には「うる星やつら」という作品の本質をとらえたセリフとして、単なるモブのセリフ以上の響きを感じます。(なお、この野次馬おばさんは11巻「薬口害」にも登場する)

その他、最後だからと言わんばかりのカオス状態w
ラムが「さだめだっちゃ!」とチェリーの決め台詞を言っていたり、あたる母の必殺「生むんじゃなかった!」が再び炸裂したりと、まさに「最終回」らしい終わり方になっていますね。

☆なりそこないがハマったギャグベスト2
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家長としての立場が形無しw
ていうか、妻と息子に対してビシッと言えずに「りんじにゅうすだ!!」で話を逸らすだけというのがねw
「ヒコーキが消えたってあたるのアホはなおらないわ!!」が強烈w やはり、母親には勝てませんw

uy_01kan_part05_12-5koma.png 
三角関係がブラックホールをつくる。
これこそが、この話を端的に表していると思います。もはや究極のギャグといってもいいw
ていうかこれ、なぜか大相撲中継の中で解説しているんですよねw で、解説者がミドロが淵親方というw
そんなことより、目の前の取り組みを解説しろよw

この後の「なんでそれを早くいわんのですかーっ!!」「電話をやめさせればすむこっちゃないかーっ!!」も最高w

☆ピックアップワード心中だっちゃー! 三角関係を清算するっちゃ~っ!! 
ある意味、これほど「うる星」の幕を閉じる上でふさわしい大団円はないのかもしれないw
まさに鬼女として本領発揮といったところですね。
ただ一方、ラムがしのぶを「三角関係」の一角として認めたセリフともいえるわけで、そういった意味でも注目すべきところかと思います。いずれにしても、ここまで激しい感情を露にするのは第1話以来になるわけです。



◆5週連続連載期のまとめ
こうして見ていくと、最初の連載では「初期」の特徴である「あたる、しのぶ、ラムの三角関係」はまだそれほど色濃く出ていないことがわかります。
むしろ最後の5話目だけが異色に感じられるほどですね。しかも、そこでさえ特にラムとしのぶが激しくやり合う描写はありませんし。
あくまで高橋留美子が大学3年の夏休みを使って描きたかったものは、単なる「SFっぽいものとスラップスティック(どたばた喜劇)、それにギャグ漫画だけどストーリー性があるとか、そんなごった煮みたいな漫画」(サンデー名作ミュージアム・展示ナンバー5 うる星やつら 高橋留美子自作を語る より)だったわけです。

この時代はキャラの言動や性格にもブレがありますし、どちらかというとネタ重視ストーリー重視だったのでしょう。まあだからこそ、独特で濃厚な味わいがあるのですが。
それはまだ読者の反応を一切知るよしもない身の、ある種の無鉄砲さが生み出せたものなのかもしれません。

同じ「初期」でもこの後の時期とは一線を画する、不思議な熱量と魅力にあふれている時期といえるでしょう。



なんだか思った以上に長くなってしまったので、今回はここでいったん区切ることにします。
本当は一気に「初期」だけで一つの記事にまとめたかったんですけどね。この密度で進めるのは到底無理な話でしたw

というわけで、次回「まずは初期から読んでみよう!単発掲載期編」をお楽しみに!


「復刻BOX」4セットがあれば、うる星の歴史を一望できます!
   


気軽に読める電子書籍もいいですね。とりあえず4巻まで読めば、「初期」の雰囲気がわかります!
   


初出どおりの順番で読むには文庫版が便利!
特に「5週連続期」から「単発掲載期」への流れはすごくわかりやすくなっていますね。
   


令和版アニメのほうも忘れちゃいけません。
第2期が始まるまでには、「うる星やつら Blu-ray Disc BOX」を何度でも見てうる星ロスを吹き飛ばしましょう!
 
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tag : うる星やつら高橋留美子

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No title

更新お疲れ様です。猛暑が続いていますので注意をしましょう。

感想はですね、第1話の1コマ目はよく覚えています、漫画のノウハウ本だと1コマ目は風景からっていうセオリーを外して、いきなりキャラとのやり取りをする展開は、初めて読んだときも斬新でしたね。


あとさくらさんの初登場は覚えていますけど、しかしこうやって改めて記事のコマの部分を読みますと結構キャラの出し方やセリフがとっ散らかっていますね、まあそれが初期の味なのでしょうけど。


次回の記事も期待してお待ちしております。

Re: No title

>かわずやさん

本当毎日ひどい暑さが続きますよね。さすがに少しバテ気味ですが、お互い体調には気をつけましょう。

第1話の1コマ目は私も当時度肝を抜かれました。こんなのありなんだと思いましたよw
まだ学生の身で、怖いもの知らずだったからこそできた芸当なのかもしれませんね。変に描き慣れていると逆にできないような気がします。そう言った意味で「ある種の無鉄砲さ」という言葉を使ったんですけどね。

この時代の話は読者の反応など一切知らないままに一気に5回分描いたので、キャラの整合性とかをあまり気にしてなかったようなんですよね。
記事内でも引用しましたが、「描きたいキャラクターより、やりたいネタの方に重きを置いた。」ということなので。
ラムやあたるの言動や振る舞いよりも、とにかくこれまで暖めていた「鬼と鬼ごっこ」「石油の雨が降ってくる」といったネタをぶち込むことに夢中だったのでしょう。
そこからどうやってキャラがだんだん確立していったのかという視点で見ていくのも面白いかと思いますよ。

次回以降もぜひ楽しみにしていてください!

No title

予想のはるか上を行く、見たことのない解説でした!
なりそこないさん以前は、このうる星ばなしはアニメ2期までのつなぎだから軽いものにすると書いていて、私はそれに決して触れないようにしてたんですけど、そのかいもあったというものです。
何がめでたいのかうまく言えませんが、おめでとうございます。
心配なのは、如何にこの5話が特別とはいえ、最初の5話でこんなにエネルギー使って大丈夫かということですけど。

どちらかというと、うる星やつらを知らない人向けではなく、最低限アニメを見てるか、既に原作を読んだ人向けですね。それが新しいところなので、私はこの路線で突っ走って欲しいです。
あまりすごいと、何を言っていいのか感想も出なくて、うる星やつらを見るか読むかして興味を持った人がネットで検索したときに、すぐに出てくるようにならないかな、というようなのが感想です。
不謹慎ですが、なりそこないさんが亡くなった後も永遠に残すにはとか、気の早いこと考えたりしました。

この頃のラムは、ほんとにこんな感じの凶暴なラムで、アニメの最初からかわいいラムちゃんとは大違いでした。
それでなんか絵や話が暗いじめっとした感じでした。なのに面白くて笑えた。
ただ私の笑ったところは、なりそこないさんの挙げた所とは、少しずれてますね。
例えば第1話だと、駄ジャレとかより、「おぬしが悪い‼」(バキ!)「わしがいうと怒るのか…」とか、絶望で床に臥せっていたあたるが、「勝ったら結婚してあげる」に対して「そのことばまことか!?」「明日こそがんばるぞーっ!」みたいな、1コマでがらっと変わる超絶テンポの掛け合いが私のツボです。
こういうのが連発すると、面白いけど、笑いながら見返してしまってなかなか次に行けなくて苦しい。。

第1話では、ブラを取られたラムが夜、ブラを返せと言ってやって来るところも好きなんですけど、エッチだというより、ラムの性格が違ってしまうので、アニメでできなかったんじゃないかと思います。残念。

第4話のしのぶの「わーっ!ひどいわ!ひどいわ!」「わたしにあてつけてるのよーっ!」に対するラムの顔はあんなに小さくて、少ない線で描いてるのに、ヤバいくらい美人ですね。
5話の表紙もそれに通じる妖艶さです。なのに中の話では、また違ったバラエティーに富んだ顔で、全然見てて飽きない。
で、心中だって言って、あたるとしのぶめがけてUFO墜落させる悪役なんだから。
で、最後に勝っちゃうという。。
初めて読んだときは本当に衝撃でした。

私はこのラムが今のラムちゃんになってくところが一番思い入れがあるので、次回も楽しみにしてます。

Re: No title

>えんじにあさん

そのかいって何ですかw ていうか、おめでとうございますってw
まあいいですよ、私の軽くはこのくらいですw 実際、それなりに抑えたつもりだったんだけどなあ。
でも予想をはるかに上回るものだったようで、そこはよかったです。

またご心配ありがとうございます。正直、このペースでは到底無理ですw 絶対に体が持たないしw ていうか、永遠に終わらないw
まあ「初期」は、どうやってもこのくらいの熱量になってしまいますね。徐々にスローダウンしていこうとは思いますけど。
それと、このまま「前期」「中期」と続けていたら埒が明かないので、途中途中でブレイクタイム的な記事も挟んでいくつもりです。以前話した「表紙」ネタとか「コラム」ですね。やりたいネタはもういくらでもあるんで、あとはどこでどう制御していくかだけになっていますw

> どちらかというと、うる星やつらを知らない人向けではなく、最低限アニメを見てるか、既に原作を読んだ人向けですね。
その辺はもうそうするしかありませんでした。だからこそ初めに「10くらいからわかる」と銘打っているわけです。本当に1から紹介していくようなものは私には書けません。それに、そういった記事は他にもあるでしょうしね。
記事でも言いましたが、あくまで令和のうる星を見た人に向けて原作の楽しみ方を私なりにお伝えできたらなという感じです。
私の死後のことはわからないなあw それこそ、えんじにあさんが保存運動でも始めてくださいw

最初のラムは「鬼」のイメージをそのまま具現化したものだったんでしょうね。ヒロインにするつもりもなかったので、思う存分暴れさすことができたのでしょう。キャラというより「鬼」伝説を忠実にトレスするイメージだったのかもしれません。

笑いのツボの違いは、他の方のコメントも含めて人それぞれだなあと思うことが多かったんですよ。それがまた面白く感じられたんですね。それに人に言わせると、私の笑いの感覚は常人とはちょっと違うらしいんでw
今回「ハマったギャグベスト2」を選んだのは、その辺のずれを炙り出したいという意図もありました。

私は言葉遊びみたいなところがすごく衝撃でしたね。今回は初めて読んだ時の気持ちを思い出しながらギャグを選んでいったんですけど、あの時の新鮮な驚きが今も胸に蘇ってくるようですよ。
特に初期の頃はキャラの掛け合いよりもセリフそのものの面白さに惹かれましたね。とにかくチェリーが何か言っていれば面白いみたいなところがありましたw

ブラを取られてからさらに二日間あるのは、15分枠でやるにはちょっと長いですからね。しつこい感じになってしまいますし、ラムのキャラを考えずともカットする方向になったんじゃないかと思います。昭和のアニメでもブラ剥ぎ取りは最後の段階ですしね。

4話のあのラムは実にいい表情をしていますよね。5話の表紙もそうですけど「魔性の女」といった感じで、危ないと思っていても骨抜きにされてしまう妖しい魅力にあふれていると思います。
心中のところはまさに「やっぱりこうよ!こうでなくちゃおもしろくありませんわ!」なんですよw
面白ければ悪側だって勝ってしまうのがギャグマンガのいいところなんです。これが恋愛ものだったら、しのぶとの逃避行という展開だったかもしれませんがw

次回の単発掲載編は早ければ今週の日曜にでもアップできるかと思います。遅くとも来週末にはなんとかなるでしょう。そのあともいろいろやりたいことが詰まっているので、あんまりのんびりもしてられませんw
「ラム」から「ラムちゃん」に変わっていくのはもうちょっと先になりますが、どうぞ楽しみにしていてください。
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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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