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【なりそこないの四方山うる星ばなし04】10くらいからわかるうる星講座その2・うる星の歴史を区分化しよう!

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

うる星について書かれた記事を読んでいると、時々「初期」とか「後期」といった言葉にぶつかります。
当ブログでも「初期うる星」とか「中期の~」という言い回しが、特に前置きもなく出てきますよね。
原作は単行本にして全34巻、連載期間は8年半におよぶ歴史のある作品ですから、どうしてもその時期によって作風が異なってきます。それを語る上で便宜上そういった言葉で区分化しているわけです。

ただ、この区分は特にファンの共通した認識の下で決められたものではありません。ストーリーマンガとは違い、〇〇編とか明確な区切りがあるわけじゃないですからね。
それぞれが自分の分類に基づいて「初期」だ「後期」だと言っているに過ぎないんです。

それ自体は別にいいんですけど、これから「10くらいからわかるうる星講座」をやっていく上で、その辺の認識があいまいだと何かと不都合かなと感じたんですよね。講座というからには、いい加減な定義のまま語っていくわけにはいきませんから。
せめて当ブログ内では、一度しっかり定めておく必要があるのではないかと考えたわけです。

というわけで、今回は「うる星の歴史を区分化しよう!」と題して、原作を大きく4つの時期に分けて見ていきます。
すなわち「初期」「前期」「中期」「後期」といった具合ですね。

ただし、ここではあくまでざっくりと流れを踏まえるだけです。
そうすることで、「うる星やつら」を“線”として理解できると思うんですよね。俯瞰的な視点で見ることで全体の流れを把握するだけではなく、それぞれの時代の特色や変遷も見えてくるんじゃないかと。
うる星やつらを知る上での大まかなガイドラインになれば幸いです。

ひとつおことわりしておきますが、今回提示する区分はあくまで私独自の基準になります。必ずしも普遍的な指針にはならないということはあらかじめご理解ください。
「歴史」の解釈は人それぞれ、今回の記事を見たら、今度は自分だけの「区分」を作ってみるのも面白いのではないでしょうか。

それでは見てまいりましょう!
(なお、各区分で挙げた「代表的エピソード」は私の独断によるものです。異論は認めますw)


●初期

オリジナルコミックス(新装版・電子書籍版共通)1巻PART1「かけめぐる青春」3巻PART4「勇気があれば」+4巻PART1「酒と泪と男と女」まで
(文庫版1巻~3巻PART7、ワイド版1巻~2巻PART3)

1978年8月に「うる星やつら」の連載が始まったとき、高橋留美子はまだ大学3年生でした。その年の6月に「勝手なやつら」で本誌デビューしたものの、まだ海のものとも山のものともつかない新人がわずか2か月でいきなり本誌連載を勝ち取るのですから破格の待遇だったといっていいでしょう。

もっとも最初は「5回集中連載」という形でした。いわゆる「お試し連載」という意味合いもあったかと思います。
まだ学生の身でしたし、学業を優先しつつ無理のない形で時間のあるときに集中して描くというスタイルだったようです。
第1巻PART1「かけめぐる青春」~PART5「絶体絶命」までがその時期に当たりますね。
なんでも「大学3年生の夏休みを使って描きました」(うる星やつらパーフェクトカラーエディション下巻 巻末インタビューより)とか。

その後、冬休みや春休みごとに単発掲載や10週集中連載を経て、大学を卒業した1980年春から本格的に週刊連載が始まりました。
この間のいわゆる不定期連載期間を「初期」と呼ぶことにします。

最初は「プレうる星期」とか「旧うる星期」という名前も頭に浮かんだんですけどね。個人的な見解として本格連載が始まる前の時期のうる星は、それ以降とはまったく別ものと考えている面があるので。
ただ、一般的にはなじみのない言い方ですし、いたずらに混乱を招く危険性も考慮して無難なところに落ち着きましたw
なお、「最初期」という言い方も一部では使われているようです。

「初期」の特徴としてはなんといっても、あたる、ラム、しのぶの三角関係でしょう。当初はラムもゲストキャラに過ぎず、主人公あたるとその恋人であるしのぶを中心としたSFドタバタ劇が繰り広げられます。いわゆるラブコメ色はほとんどなく、むしろドロドロとした薄暗い雰囲気でのブラックギャグといった装いですね。

この「初期」に関してはその掲載時期によってさらに4つに分けることができます。参考までに併記しておきましょう。(巻数はオリジナルコミックスに準じます)

■5週連続連載期(週刊少年サンデー1978年39号~43号 ※発売日は’78 8/30~9/27)
1巻PART1「かけめぐる青春」~同巻PART5「絶体絶命」まで

■単発掲載期
2巻PART1「お雪」(週刊少年サンデー1978年51号 ※発売日’78 11/22)
1巻PART6「愛で殺したい」(少年サンデー1978年11月25日増刊号 ※発売日確認とれず。おそらく’78の10月下旬かと思われる)
4巻PART1「酒と泪と男と女」(少年サンデー1978年12月20日増刊号 ※発売日確認とれず。おそらく’78の11月下旬か)

■10週連続連載期(週刊少年サンデー1979年12号~21号 ※発売日’79 2/21~4/25)
1巻PART7「憎みきれないろくでなし」~同巻PART9「大勝負」
2巻PART2「性(さが)」~同巻PART6「幸せの黄色いリボン」
3巻PART2「ディスコ・インフェルノ」~同巻PART3「さよならを言う気もない」

■単発掲載期(クラマ姫編)
2巻PART7「女になって出直せよ」(週刊少年サンデー1979年37号 ※発売日’79 8/15)
2巻PART8「思い過ごしも恋のうち」(週刊少年サンデー1979年43号 ※発売日’79 9/26)
3巻PART1「父よあなたは強かった」(週刊少年サンデー1979年48号 ※発売日’79 10/31)
3巻PART4「勇気があれば」(週刊少年サンデー1980年5-6合併号 ※発売日’80 1/5?)

これからもわかるように、この時期のエピソードは雑誌初出とはかなり順序が入れ替わっています。
特に4巻PART1「酒と泪と男と女」はひとつだけ離れて収録されているので注意が必要ですね。

★この時期の代表的エピソード:
「かけめぐる青春」
「絶体絶命」
「お雪」
「幸せの黄色いリボン」
「思い過ごしも恋のうち」


●前期

オリジナルコミックス(新装版・電子書籍版共通)3巻PART5「トラブルは舞い降りた!!」14巻PART11「みんなで海をきれいにしよう!」まで
(文庫版2巻PART8~8巻PART11、ワイド版2巻PART4~7巻PART6)

1980年春に大学卒業を機に、週刊少年サンデー1980年15号(’80 3/12発売)からいよいよ本格的に週刊連載が始まります。
その第一回目が「トラブルは舞い降りた!!」。いわゆる「面堂終太郎初登場」回ですね。

ここでひとつ、高橋留美子先生の実に興味深いお言葉をご紹介しましょう。
昨年から4つのBOXに分けて発売された「うる星やつら復刻BOX」のVol.4に特典としてついてきた「ミニ原画集」のあとがきに当時の思い出としてこんなことが書かれています。

無事大学を卒業でき、いよいよ週刊で新連載の準備という段階で『うる星』でいこうと言われ、正直困惑しました。
新連載なのだから、別タイトルでやるものだと思い込んでいたので。


どうです、ちょっと衝撃的じゃないですか?
なんと、高橋留美子先生は「初期」でうる星やつらは終了していたつもりだったんです。
逆に言えば、「トラブルは舞い降りた!!」は正真正銘の「新作新連載」でもあったんですね。
このことからしても、「面堂以前」と「面堂以降」はまったく別作品だといっても過言ではないのではないでしょうか。

この時期は私にとってもっとも思い入れの強い頃ですね。特に4巻から12巻あたりまでは「うる星黄金期」と勝手に呼んで崇拝しているくらいですw

特徴としては、面堂の登場によってそれまでの三角関係が解消され、ラムとあたるの追いかけっこに物語の主軸が移るというのがまず大きなポイントですね。
それにともない、ラムのキャラクターも「初期」とは変わっていきます。
友引高校への転入、幼なじみのランちゃん登場、いとこのテンちゃんが居候してくるなど、彼女周りの環境も変化していきドンドンにぎやかな雰囲気になります。ドタバタを描きながらもどこか明るくて、あっけらかんとしている感じがありますね。

「初期」とは違って、さらに細分化する必要はそれほどないかとは思いますが、
■3巻PART5「トラブルは舞い降りた!!」~同巻PART9「君待てども…」まで
■4巻PART2「涙の日記」~同巻PART8「君去りし後」まで
■5巻PART1「妖花・サクラ先生」~同巻PART11「哀愁でいと」まで
 (+4巻PART9「魔のランニング」、PART10「七夕デート」が途中に挟まります)
■6巻PART1「個人教授」~7巻PART4「おみくじこわい」まで
■7巻PART5「テンちゃんがきた」以降
といった具合に分けることも可能でしょうね。とにかく大きな鳴動が頻繁に起こっている時期でもありました。「うる星」の歴史の中でももっとも活動的で波に乗っていた頃と言えるのではないでしょうか。

★この時期の代表的エピソード:
「君待てども…」
「君去りし後」
「見合いコワし」
「買い食い大戦争」
「酔っぱらいブギ」


●中期

オリジナルコミックス(新装版・電子書籍版共通)15巻PART1「激闘、父子鷹!!」24巻PART02「最後のデート」まで
(文庫版8巻PART12~13巻PART7、ワイド版7巻PART7~11巻PART7)

「前期」と「中期」を“藤波親子登場”で分けるのはファンなら誰もが考えることでしょうが、どこで「中期」を区切るかはかなり意見が分かれそうな気がします。私は「最後のデート」でいったん区切りたいですね。

一般的にはこのあたりのイメージが一番強いのではないでしょうか。
竜之介が登場したことでよりバイオレンスなギャグが繰り広げられるようになり、全体的な雰囲気としてますますにぎやかで騒がしい感じになりました。一方、あたるとラムの関係性も徐々に変わっていき、“ラブコメ”色も濃くなってきた時期でもあります。
トータル的に見て作風に幅が出たというか、バラエティーに富んだ印象ですね。
絵柄的にもこの時期が一番安定しているといえるでしょう。

この「中期」をさらに分けるなら、20巻PART5「愛は国境を越えて」からかな。
それまでを上半期、それ以降を下半期と分けることは可能かもしれません。
ただ、それを境に大きく作品世界が変わるというわけでもないですからね。一つの道標にはなるかもしれませんが、あえて切り分ける必要もないような気もします。
ただ、15巻16巻あたりと、22巻23巻あたりとでは明らかに作品が醸し出す空気は変わってはいるんですよね。たぶん、緩やかなグラデーションを描きながら少しずつ変化して行ったんだんだと思います。

★この時期の代表的エピソード:
「怒りのラムちゃん!!」
「岩石の母」
「愛は国境を越えて」
「秘密の花園」
「最後のデート」


●後期

オリジナルコミックス(新装版・電子書籍版共通)24巻PART03「大脱走・大騒動」34巻PART1-11「ボーイミーツガール」まで
(文庫版13巻PART8~18巻ボーイミーツガール[ACT.1~ACT.11]、ワイド版11巻PART8~15巻PART24)

どこからが「後期」なのかはかなり難しい問題です。絵柄の微妙な違いから分ける人もいますし、それこそ最終話である「ボーイミーツガール」だけを「後期」と呼ぶ人もいるくらいですからね。その人の「うる星」観が問われるところでもあるのでしょう。
私は当時自分が受けた衝撃を素直に受け取って「最後のデート」の後に線を引きましたが、「大脱走・大騒動」が「後期」の始まりを飾る大きな意味のある話とは到底思えませんからねw(面白い話ではありますが)
この辺は便宜上、形式的に区切っている感は正直あるかもしれません。

話の流れとしての重要性を考えるなら、むしろ
31巻PART7「扉を開けて」
かなという気もするんですけどね。これはいわゆる「扉シリーズ」と呼ばれるその第1話にあたるもので、あたるとラム、そしてしのぶの未来についての話です。
高橋留美子先生はこのエピソードを描けたことで、「そろそろ物語を締めてもいいかなと考えるようになった」と語っています。(漫画家本Vol.14「高橋留美子本」44ページより引用)

まあ後期を分けるとするなら、「扉を開けて」からを「晩期」もしくは「終期」とするのがいいんじゃないかなと思いますね。

★この時期の代表的エピソード:
「風邪見舞い」
「母の心、子の心」
「おとなの恋の物語」
「極彩のペアルック」
「ボーイミーツガール」



というわけで、ここまで「うる星やつら」を「初期」「前期」「中期」「後期」と分けて見てきましたが、いかがだったでしょうか。
それぞれ作風もギャグのテイストも違いますし、ラムやあたるのキャラも変わってきていますが、きっとあなた好みの時代が見つかるかと思います。
またそれとは別に、時代の変遷みたいなものを感じてもらいたいですね。その流れにこそ「うる星」の本当の面白さがあると思っているので。
ぜひ、それぞれの味わいの違いを楽しんでくださいね。

さて、次回の【なりそこないの四方山うる星ばなし】ですが、今のところテーマはまだ未定です。
この流れに基づいて「初期」から順を追って掘り下げていくか、もしくはいったんブレイクとして「表紙」をテーマに取り上げるか、それとも一つのテーマに絞ってコラム的な話を繰り広げるか…

もし何かこれをやってほしいといったリクエストがありましたら、コメントいただけるとうれしいです。
ただし私の手に負える範疇で、ですけどw

それではまた次回にお会いしましょう!


いっそのこと、「復刻BOX」4セット通りに分ける方法もありかもしれませんね。
それだと、1巻~9巻が「初期・前期」、10巻~18巻が「中期」、19巻~27巻が「後期」、28巻~34巻が「終期(晩期)」といった具合でしょうか。
   


うる星を一気に読みたい場合には、フィジカルな形よりも電子書籍版のほうが便利かもしれません。
   


文庫版だと話の前後がほとんどなく、雑誌発表時通りに収録されているので「歴史」の変遷がわかりやすくて便利ですよ。
   


令和版「うる星やつら」の12話から23話分を収録した「うる星やつら Blu-ray Disc BOX」第2巻が6月28日に発売になりました

先日我が家にも届きましたが、第1巻に負けないくらいの豪華さですよ。
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tag : うる星やつら高橋留美子

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No title

更新お疲れ様です。
最初は週刊連載じゃなくて、面堂登場まで途切れ途切れにやっていたのかーというか在学中で天才すぎますな。

面堂登場と藤波親子登場は区切りですね、終期の区切りは扉シリーズに一票でしょうか?確かに明確に終わりに目指している感じがします。あたるとしのぶが結婚しているifの話なんか初期を振り返っているのかなと思ったりもしました。


他に節目だなと感じたのは、私がタイトルをなかなか覚えないのでうざったく思われるでしょうけど、ミスコン回とか電気野菜の回とかも作品の傾向が変わったというか、次回作の乱馬っぽい感じがするんですよね、単純に長編ものが後半になると多くなるだけかもしれませんが。


なんかちぐはぐな感想になりましたが、なんせ手元に単行本がないので記憶をたどってですけど、おそまつなコメントですいません。

ではまた記事をお待ちしております。

Re: No title

>かわずやさん

そうなんですよ。デビュー当時はまだ学生でしたし、漫画家一本でやっていけるかどうかまだ自信が持てなかったようですね。
これまた「パーフェクトカラーエディション下巻」のインタビューからの引用ですが、「最初は5話って決まっていて、その後のことはわからないし~中略~あわよくば5話以内に人気が出て、このまま続けば大学も辞められるし…なんて夢は見ていたんですけどね。まあ結果的に大学は出られてよかったです。」と答えられていましたw
サンデー編集部としても、大学はちゃんと卒業して欲しいという温情もあったんじゃないかと想像します。

面堂と藤波親子で区切るというのは、おそらくほとんどのうる星ファンが賛同してくれると思いますw
問題はその後ですね。竜之介以降をどこで区切るかでその人のうる星観が出てくるような気がします。
扉シリーズは明白な区切りですよね。高橋留美子先生自身がこれを描けたので幕を下ろそうかと考えたとおっしゃってるくらいですから。
もともと初期のエピソードである「系図」の問題がずっと頭にあって、それをクリアしない限り物語を終わらせられないという思いがあったそうです。

> ミスコン回とか電気野菜の回とかも作品の傾向が変わったというか、次回作の乱馬っぽい感じがするんですよね、
普通に考えたら、そこに区切りを入れるのが順当かと思いますよ。ミスコン以降雰囲気が変わったとする考察ブログも見たことがありますし、電気野菜(電飾魔境)回はある意味、「ボーイミーツガール」のきっかけになった話ですから。らんまの匂いがするのもわかります。ギャグのノリも少し変わってきているんですよね。

ただ、これはあくまで個人的なこだわりですが、いわゆる「シリーズもの」で区切りたくなかったんですよ。長編ものはうる星の本流ではないという、実にめんどくさいやつなんですがw
なので、あえてその辺は避けて通りました。まあだから始めに「おことわり」を入れておいたんですけどね。むしろ極めて特殊な区分けといってもいいですからw

> 手元に単行本がないので記憶をたどってですけど、
ああなるほど…じゃあ、次の記事はやっぱり「初期」から順を追ってエピソードを振り返っていく感じのほうがいいですかね。適度に引用画像なんかも入れた方がいいのかな。
ちょっと考えてみます。

こんな感じで面倒臭いオタクの記事ですが、どうか今後もお付き合いいただけるとうれしいです!

No title

やっぱり、初期はいろいろあったんですね。
初期前期中期後期の分け方には特に異論というほどのものは有りません。
私自身は、4巻までと5巻以降で思い出に明確な差が有って、4巻までの変化の方が、5巻~最終巻よりもはるかに大きく感じるのです。
なので、初期の中の分類と、サンデー発売日がすごく参考になりました。
私の表に転記させてもらって、あーこの順番で、ここが間空いてるんだとか眺めてます。

増刊号っていうのは、毎週出してるのと別に、レギュラーでないマンガを集めて1冊出すってことですか?
それで、11月25日増刊号だと、1カ月も早い10月下旬に発売されるんでしょうか?
酒と泪と男と女は、増刊号だったから、たまたまコミックへの収録を4巻まで忘れられてたんですかね。
それとも、収録が後になってるのは「お雪」とこれなので、エッチっぽいコマがあるから、最初は見送られたのかな。

初期については、君去りし後までではなくて、面堂登場の前までというのは意外でしたが、それでもいいかもとは感じます。
背景まで知ればしょうがないですね。
でもほんとに、週刊移行時にうる星を続けることにしてくれたサンデーの人には感謝です。
それまでの話の出来を目にしてたら、そりゃあ止めれるわけないとも思いますけど。
その積み重ねてきた部分が有ったから、私は君まてどもを経て君去りし後への変化にやられてしまったのでした。

5巻以降は、ランちゃん、テンちゃん、竜之介登場の時にしばらく話が変わったなーというのと、話の位置を思い出すときに、いくつかのラブコメ回を基準にしてたくらいで、そこまで考えたことは無かったです。
そのラブコメ回は当然のように挙げられてますし、続き物が増えた、ラブコメが増えた、あと、ラムちゃんの顔もちょっとずつ変わってるっていうので、その辺で分けるのはわかります。

個人的には、この流れで、中期と後期を分けてる、「最後のデート」や扉シリーズ頃にうる星が終わるんじゃないかと感じたことを聞きたいんですけど、ここは第2期でやる部分なので、それまで待とうと思います。
あと表紙っていうのは、オリジナルコミックの表紙並べるだけじゃなくて何か解説もするってことですか。
私はこれがいいんですけど、一般的には、初期はこんな流れだった、前期の初めはこんなふうに進んだっていうあらすじが、多くの人の参考になるんではないかと。
一話とかのあらすじや感想はよそにあっても、大きなあらすじは見たことないので。
多分「トLOVEル・レター」までは1期で済んだんですよね。
基本読み切りの話を何巻か分まとめるのは、すごく難しいと思うので、全く無責任な意見です。

今週は、9巻を読了しました。
金太郎の鬼退治に大笑いして、あたるの小さい頃にノスタルジーを感じて、ラムの「女体のアップ」にどきっとして、見合いコワしでホロっとして、生ゴミ海へで爆笑で閉じました。
一番笑ったのは見合いコワしその1のテンちゃんですけど。
留美子先生ノッテてるなー。
生ゴミ海へは、新アニメも原作の雰囲気を良く出してて、最後も良かったし。それからあの4人で海に行くなんていいなあと昔思ったのを思い出しました。
見合いコワしは、随分親切に、キャラデザインした読者の名前をしつこく出してましたね。サンデーで募集したんですよね。ちょっと邪魔だったですけど。
その人たちどうしてるんだろうと思って検索してみたんですけど、全然出てこないんです。
もし自分だったら、フェイスブックのトップで一生自慢するのになー。

それから、アメリカのアマゾンの Urusei Yatsura 1巻に、自分に正直に、Best manga in the world というレビューを書いちゃいました。
これを見た人が一人でも興味を持ってうる星を読んでくれるといいなあ。
ではまたー。

Re: No title

>えんじにあさん

初期における連載の流れというのは、けっこうややこしいんですよね。
当時は私もまだ知らなかった頃なので、実際サンデー上でどういう状況だったのかはよくわからないところがあります。
サンデー誌の初出データに関しては、オリジナルコミックスでは各エピソード末に記載が入っていたのでそれに倣っています。新装版だと奥付にまとめて表記されているので、どの回がいつというのがわかりづらいですね。Kindle版もおそらくそうなっているのでしょう。特に「初期」に関しては掲載順がバラバラだったりするので、その辺はしっかり表記してほしかったですね。

10週連続連載期のところはちょっとわかりづらいかもしれませんが、
「憎みきれないろくでなし」「いい日旅立ち」「大勝負」「性(さが)」「系図」「あやつり人形」「いまだ浮上せず」「幸せの黄色いリボン」「ディスコ・インフェルノ」「さよならを言う気もない」
という順番です。「さよならを言う気もない」は実質2番目の最終回のつもりで描かれたんだと思いますね。(最初の「最終回」は「絶体絶命」)
連載の間を紡ぐ「単発掲載期」はあくまで番外編みたいなつもりだったんじゃないかと想像するのですが、これまた定かではありません。

増刊号というのは名ばかりで、実際は「月刊誌」ですね。
週刊マガジンに対して月刊マガジンがあるように、他の出版社は週刊と月刊で分けていたのですが、なぜかサンデーは月刊サンデーという名前は使わなかったんです。その辺の理由はよくわかりませんが、スペシャル感を出したかったのかもしれません。でも実質は単なる月刊誌ですよ。特に週刊サンデーとリンクしているわけでもありませんし。

それと、今でもそうですが、日本の雑誌というのは発売する月ではなくて次の月のナンバーをつけます。例えば7月に発売するものを8月号と呼ぶんですね。

これはまだ物流体制が発達していない時期の名残りで、地方によって発売日と発行日がずれるのをなるべく避けるためだったとか。あと、単純に早いものをゲットできるお得感を出したい思惑があったのでしょうw
一応雑誌協会で月刊誌は最大40日まで先付けができるという協定があるらしいです。
なので、雑誌の名前が「11月25日増刊号」だと、最大その40日前の10月15日に発売することが可能なわけです。もちろんあくまで協定なので、本当に11/25に発売されていた可能性もありますけどね。今となってはいつ書店に並んでいたのかは確認ができないので、その辺は推測するしかないわけです。
ただ、だいたいの慣例としておおよそ1ヶ月前に発売する例が多いので、10月25日前後かなと。
例えば、うる星やつら連載第一回が掲載された週刊少年サンデー1978年39号は、正式には1978年9月24日号らしいんですけど、実際に発売されたのは8月30日(水)ですね。

「酒と泪と男と女」や「お雪」がなぜ収録が後回しになったのかは、実際のところはよくわかりません。ただ、「愛で殺したい」も増刊号だったので、増刊号だから後回しというのはちょっと違うかもしれませんね。あれはレイの話を並べたいがために「憎みきれないろくでなし」の前に差し込んだ気がしますけど。

これは私の勝手な憶測ですが、「酒と泪と男と女」に関しては最初は本当にコミックス収録を見送るつもりだったのかもしれません。本来なら「愛で殺したい」か「お雪」の後に入るべきエピソードですからね。2巻はおろか、次の3巻にも入らなかったのは、あまりに間が空きすぎています。
おユキさん登場やレイ登場のような重要な要素があるわけでもないですし、どうしても入れないといけないという類のものではないと思うんですよ。これまた個人的な見解ですが。

エッチ度が問題で見送られたというのはちょっと考えづらい気はしますね。それならクラマの話も負けじ劣らずかなりエッチですしw
それよりは「君まてども…」を3巻のラストに持ってくることを優先して、あえて4巻まで見送っていたと考えるほうが理にかなっている気がします。

私の中では、面堂登場とそれ以前とでは明確な線が引かれています。まったく世界が違うとまで考えていますね。とにかく「君まてども…」が自分の中での最大のビッグバンなんですよ。「トラブルは舞い降りた!!」から「君まてども…」の5部作(あえてこう呼びます)でうる星やつらという作品はまったく別の形で生まれ変わったと認識しているので、3巻と4巻(「酒と泪と男と女」を除く)の間の方が遥かに大きな差を感じてしまいますね。

でも本当、大学卒業を機に本格週刊連載が決まった時の編集担当者には大感謝ですね。高橋留美子先生自身はそれまで毎回のようにこれが最後になるかもと思いながら描いていたそうですが、それだけただがむしゃらに描いていたんでしょう。まだ漫画家としてプロでやっていけるか不安だった時期ですし、自分の作品を客観的に見ることもなかなかできなかったんだと思います。
そんな中ちゃんと道を先導してくれる担当の方がいたことは、うる星やつらという作品にとっても本当に僥倖でした。

中期はやっぱり竜之介登場が大きいです。ギャグのノリのさることながら、あたるやラムたちも彼女と出会ったことでキャラが変わったような気がするんですよね。その変化は面堂登場の衝撃と近いものがあると考えています。

ラブコメ回やシリーズものは個人的なこだわりとしてあえて選びませんでしたw

「最後のデート」や扉シリーズあたりで感じたことに関しては、別の機会で語ることもあるでしょう。これは個人的な思い入れにかかわる問題ですし、理屈でうまく説明できるかどうかはなんとも言えませんが…

表紙をテーマにというのは、解説というほど大げさなものではありません。今は電子版も新装版になっていますし、オリジナルの表紙を見る機会がほとんどないじゃないですか。それこそ復刻BOXを購入するくらいしかないわけです。それがもったいないというか残念な気がするので、みなさんに「表紙」の魅力をもっと知ってもらいたいなと考えたわけです。本当ごく単純な紹介記事ですよ。

でもそうですか。それよりはまず、全体的な流れを紹介していくような内容のほうがいいですかね?「初期」だけでも書きたいことはいくらでもありますけど…
正直、あれも書きたいあれも触れておきたいみたいなことばかりで整理がつかない状態なんです。でもおっしゃる通り、大きな流れに沿ってそれを解説していくというのはかなり難しいんですよね。頭の中ではいろんな言葉や思いが溢れんばかりに出てくるんですけど、それをそのまま記事にするとたぶん相当独りよがりのものになるんで…
なるべく多くの方に興味を持っていただけるようなものにするにはどういう組み立てがいいか、検討してみますね。
もちろん「表紙」の企画もそのうちやるつもりです。とにかく楽しく見てもらえるものを目指します!

9巻はまた最高にノッていた頃ですよね。金太郎の話は旧アニメではむちゃくちゃ早くて、確か第4話くらいでやったはずですw テンちゃんといいコンビだったのでレギュラー入りしてもよかったんじゃないかと思うくらいですね。
あたるの幼少期に会いに行く話は私もすごく好きな回です。ラム目線で語られるのがなんだか新鮮に感じましたね。
女体のアップというと、ラグビーのやつですかw そこが最大のポイントなのかw

見合いコワしのテンちゃんというと、「なんで知ってんねん!」ってやつですかw 確かにあれは最高に笑えますねw
生ゴミ海へは新アニメでも素晴らしい出来でしたよね。おっしゃる通り、アニオリのラストもすごく良かったです。
夏になると、あの4人は必ずと言っていいほど海に遊びに行きますよね。本当仲のいいことでw
あたると面堂もそうですが、ラムとしのぶが仲良くやっている感じがなんだかすごく好きです。
見合いコワしの宇宙人デザイン募集は当時のサンデーを見ていないのでどんな感じだったのかはわからないんですよね…
でもあれはあれで面白かったですよ。一人気持ちの悪い幽霊みたいなやつがやたら名札を強調するのとか、当時むちゃくちゃ笑った覚えがありますw
でも、けっこう採用された人がいるのに、誰一人その後の話を聞きませんね。確かに自分だったらむちゃくちゃ自慢するだろうになあ。当時も周りに自慢しまくったんじゃないかと思うんですけどね。今と違ってネットもない時代ですから範囲は限られていたでしょうけど。

アマゾンレビューにBest manga in the worldですか!いいですね。
後でじっくり読ませていただきます。
それではまたどうぞ!

No title

>なりそこない様

更新お疲れ様です。いつも楽しくコラムを拝読させていただいております。

さて、『週刊少年サンデー増刊号』は、なぜ『月刊少年サンデー』ではなかったか? の理由については、島本和彦先生の『アオイホノオ』に描かれています。要するに、当時『マガジン』や『ジャンプ』では週刊(=本誌)編集部とは別に月刊誌編集部が存在しており、それぞれの編集部で独自に雑誌を編集していたのですが、『サンデー』の場合は、週刊(=本誌)編集部の人員(の一部)が、そのまま増刊号(=月刊誌)の編集部として機能していた……ということが理由のようです。

週刊編集部がそれだけ大人数で、分業が可能であったということなのか、個々の編集者がそれだけキツイ仕事量を強いられていたということなのか、そこはよくわかりませんが……。


Re: No title

>7/8の方、コメントありがとうございます!
ひょっとして、前回3巻の初版の件でコメントをいただいた方でしょうか。
大変興味深いお話だったので、もし何か知っていらっしゃったらぜひ当時のことなどを教えていただきたいのですが…

増刊号の件、詳しくご説明いただきましてありがとうございます!
そういえば「アオイホノオ」でそんな話がありましたね。コミックスも買っていて読んでいたはずなのに、すっかり失念していました…

要は週刊の編集部の中に増刊部があるみたいなイメージだったんでしょうかね?
なんとなくブラックなにおいがしないでもないですが…

No title

>なりそこない様

7/1と7/8にコメントさせていただいたものです。

>ひょっとして、前回3巻の初版の件でコメントをいただいた方でしょうか。
はい、その通りです。よくおわかりですね。

ちなみに、前回指摘したコミックス3巻の初版第1刷のセリフの違いですが、雑誌初出時にどうだったかについては、残念ながら私も確認できておりません。最初に入手したのがたしか3刷か4刷で、その後1刷を入手した際にセリフの違いに気づいた、というだけです。

ただ、おそらくは雑誌初出時「エロ本」→初版第1刷「へんな本」→第2刷以降「エロ本」の流れだったのではないかと考えております。もしくは、雑誌初出時から「へんな本」であったものの、ネームの段階では「エロ本」で、それを編集者が修正した可能性もあるのではないかと。いずれにせよ、高橋留美子先生としては、あそこの面堂のセリフは「エロ本」というのが本意だったのではないかと。その後の版でセリフを変更していない点からも裏付けられると思います。

なお、私自身はしょせん「門前の小僧」で、大して詳しい事情は存じませんが、旧アニメ化された1982年当時、たしか日本で4~5番目くらいに創設された古株のファンサークルに一時期所属しており、そこの会報誌あたりから聞きかじった小ネタなどは多少ありますので、また折があればコメントさせていただきたいと存じます。

Re: No title

>へんな本さま(で、いいのかな)

> はい、その通りです。
やはりそうでしたか。勝手に憶測してすみません、冒頭のあいさつや文章の感じからしてそんな気がしたものですから。

> その後1刷を入手した際にセリフの違いに気づいた、というだけです。
なるほど、そうだったのですね。まさか版によってセリフの違いがあるとは思いもしなかったので、後からの新装版でも特に気に留めることなく見逃していました。

確かに、第2刷以降セリフが「エロ本」で変更されていないところからすると、元々の高橋留美子先生の意図としては「エロ本」が本来の形であったと考えるのが自然ですね。
雑誌初出か第1刷の時点で担当者が修正したものの、やはりそこは原稿通りに倣おうとなったのでしょう。
ましてや、今回の復刻版BOXでも「エロ本」になっていたわけですから。

> たしか日本で4~5番目くらいに創設された古株のファンサークルに一時期所属しており、そこの会報誌あたりから聞きかじった小ネタなどは多少ありますので、また折があればコメントさせていただきたいと存じます。
本当ですか!そんな方にコメントいただけるとは光栄です。…と、同時に緊張もしますがw
私は特にサークルに所属したこともなく、一人でこじらせた生半可な知識をこねくりまわしているだけなので、もし誤認やおかしなところがありましたら、なんなりとご指摘いただけたら幸いです。

その他、何か面白いネタなどがありましたら是非共有させてください。これからも楽しんでもらえる記事を心がけますので、どうぞよろしくお願いしますね。

No title

日本の雑誌の協定とかまでいろいろと有難うございます。
そういえば昔、増刊号って、マンガがいつもに加えて余分に入ってるって意味かと思ったら、いつものマンガが無くてがっかりしたの思い出しました。
さらに上の方が書かれてるようなことはつゆ知らず。

> 「酒と泪と男と女」に関しては最初は本当にコミックス収録を見送るつもりだったのかもしれません。
あれはエッチというより、ちょっと下品寄りですから、子供向けとして配慮したのかもしれないなと思ったり。
担当者の熱意か何か見えないところでいろいろあって、最終的に4巻の初めになったのかもと。
真実はともかく、もっともらしくは思えるので、そんな感じで昔からの違和感を成仏させてやろうと思います。

君去りし後は、ラムとあたるの関係が激動の後ついに確定して、最終回までそのまま続いた回なので、私は「君去りし後まで」と「その後」の2つにここで分かれて感じてたんですよね。
粗すぎて区分化という感じではないですけど。

ところで、旧アニメは、Wikiによると、
君まてども -> 面堂登場 -> 見合いコワし -> (いまだ浮上せず+迷路でメロメロ) -> 君去りし後
だったみたいです。
なんと無茶苦茶な!と思うんですけど、アニメだけ見てると、当時、特に違和感無かったような。
君まてどもをドラマチックにしてあたるとラムの関係ができたので、見合いコワしも自然に見えたのかなとか考えたんですけど、当時はそこまで考えずに見てただけというのが一番もっともらしいと思います。
コミックと違って、見返すこともできないですし。
でも旧アニメは何で順番どうりにやらなかったんでしょうね。

今週は10巻読了です。
雨よ降れ降れもっと振れは、珍しくシリアスな展開に秀逸なギャグが同居してて、あれ、こんな名作を何であまり覚えてないんだろうと思って読んでたら、ラストがなんか。。
あっさり「さようならー」はまだギャグ漫画として分かるんですけど、あたるもあたるで、「仕返ししてやるーっ」って。あたるが女の子に袖にされて怒るって見たことなかったので。
。。と、始め思ったんですけど、後で気付いたのが、あたるが妖怪アメフラシの立場になったってことなんですよね。
ああそういうことか、そうすると落ちにはなってるなあと思って。
あと、プールの妖怪と幽霊民宿の、夏の話の間に、この梅雨っぽい話が挟まってるのが奇妙に思ったんですけど、教えていただいた奥付から想像するに、実際の掲載順は逆だったんですね。9巻が見合いコワしの途中で切れないように後ろに持ってきたと。

それから幽霊の落ちも良かったんですけど、「台風は楽し」の落ちをなんと忘れてたんですよ。
何であれを忘れられるんだってことなんですが、そのおかげで途中どきどき最後やられたーって。
あたるんちものとしては、新アニメに選ばれた「星に願いを」は明るくていいですけど、私だったらこっち選ぶかなあ。

全般に登場人物の掛け合いが洗練されてきてて、嫌味なく純粋に笑えたように思います。
ドラキュラの回の、ラムとあたるの感じなんか、ほのぼのします。
最後はラムちゃんと一緒に笑わせてもらいました。
まだ24巻あるのうれし~

Re: No title

>えんじにあさん

増刊というからには、増えてるんだと思いますよねw
そうでなくても毎月定期的に出る増刊ってなんだという話ですが。
詳しい事情はよくわかりませんが、サンデー特有の慣習だったようです。他よりもブラックな職場だったのかもw

「酒と泪と男と女」は下品寄りですか。というより、なんかどす黒い感じはありましたね。オチもひたすら悲惨で正直笑えないものがありましたし、収録に関して躊躇した可能性はあってもおかしくはないかもしれません。
ただ、コミックス収録に関しては誰に権限があるのかはよくわからないんですよね。高橋留美子先生の意見は反映されないものなんでしょうか。君待てども…が3巻ラストになったのは、高橋先生の意向もあったんじゃないかと私は睨んでいるのですが。

「君去りし後」はもちろん大きな区切りになるとは思います。あれで「衣替え」が済んだという話ですからね。
ただ、それは「君待てども…」のことを受けてのジャンプだと思っています。つまり最初の第一歩が「君待てども…」で、そこから大きく跳躍したのが「君去りし後」だと私は捉えているんですね。そういった場合に私は最初の一歩をより大きく考えたいという立場をとるわけです。

旧アニメにおける「君待てども…」は「ときめきの聖夜」というタイトルでした。その名の通り、クリスマスの話に改変されています。違和感という点では私も当時あまり感じませんでしたが、それでもすごく残念に思ったことを覚えていますね。
あれは実はアニメファンの中では屈指の名作とされていて確かファンが選ぶベストでもかなり上位に選ばれれているはずです。でも私はその世間との評価とはまったく違っていて、とにかく過剰なセンチメンタルな感じが受け付けられなかったんです。ただ、正直それは私くらいなものですよ。「ときめきの聖夜」が嫌いだというとすごく驚かれました。原作至上主義者として当時のクラスメイトにも馬鹿にされてトラウマになりましたw
別に原作通りじゃなけきゃいけないというわけじゃなかったんですけどね。アニメの「君去りし後」はすごく評価していますし。まあ原作の思い入れがどこにでるかにも寄るのでしょう。とにかく「君待てども…」のことになると私は冷静じゃいられなくなるんですw

いずれにしても、あの頃のアニメは原作はあくまで素材であって、それをアニメとして好き勝手にいじるのは当たり前の時代だったんですよ。逆に原作通りにやるなんて発想がなかったんだと思います。
むしろ、「うる星やつら」あたりからアニメ派と原作派の対立が顕在化したという見方もあるようです。原作に忠実にやれという層が世の中にいるらしいぞと「うる星」で初めて知られるようになったとかw
そういった意味でも歴史的な価値のある作品だったというアニメ史評論を見たことがあります。

10巻は日本の民俗的な要素が割と色濃く出た巻だったような気がします。コミックスごとにカラーと言いますか、作風に特色が出るのも面白いですよね。
雨よ降れ降れ、もっと降れ!はファンの中でも名高い名作です。私はシリーズ物はあまり高く評価はしないタチなのですが、この話は見合いコワしと合わせて例外ですねw
というか、シリーズといっても各話でちゃんと話がまとまっていてだれた感じにならない点で、あまりシリーズものという意識がないです。
オチがまた最高じゃないですかw アメフラシの呪いはこうやって引き継がれていくのですw

話が初出時と前後になっているのはシリーズ物が単行本をまたがないように配慮されているからですね。中盤以降シリーズ物も増えていきますので、それに伴い入れ替わることも多くなりますよ。
今回の流れから言えば、
原生動物の逆襲(9巻)→雨よ降れ降れ(10巻)→住めば都(9巻)→見合いコワし(9巻)→生ゴミ、海へ(9巻)→パニックin幽霊民宿(10巻)
が本来の順番になりますね。

「台風は楽し」はまたむちゃくちゃ面白いですよね。なんかパニック映画っぽいサスペンス感があるんですけど、あまりに非現実すぎて笑ってしまうというw
オチを忘れていたんですか。確かにすごく印象深いラストなんで忘れるかなあとは思いますが、逆によりドキドキしながら楽しめたんですからよかったのではw
台風は旧アニメでもなかなか面白かった覚えがあるので、令和版でもやってほしかったですけどね。
ただ、今の日本は水害がシャレにならないことになっているので、題材的に慎重にならざるを得ないということで見送られた可能性はあるかも…

ドラキュラの話なんて私が2クール目でぜひやってほしいタイトルに上げたやつですよ。ラムのニンニク嫌いが初めてわかる重要な回だったので、本当やってほしかった…
この頃のラムとあたるって、恋人とか夫婦というよりなんだか悪友ぽい感じなんですよね。ラムも「誰が美少年だっちゃ!」とか容赦ないしw
ああいうのがなんかいいなあというか、微笑ましくすら感じますね。
あと、風邪イヤですね!の「バストの大きなかわいい子」とかw 完全に小学生同士のじゃれ合いだろうというw
ただ、あの話も今や新型コロナの関係でアニメ化が難しいんだろうなあとは思います。
当時はなんでもなかったバカ話も今の時代だとデリケートな問題になってしまうことがけっこうあって、複雑な想いにもさせられますね。

No title

旧アニメも今配信されてるのを知って、「君まてども…」に対応する「ときめきの聖夜」を見てみました。
この回は友達のうちのビデオでも見たので、多少覚えてはいたんですけど。
面堂がまだいないので、喫茶店までの話は違いますが、そんなに不自然には感じませんでした。
じれったい引き延ばしはメガネの演説くらいでした。
クリスマスと言っても、特に恋人の日ってベタな演出には感じなく、街が華やいでいるのと、最後雪が降ってロマンチックだなというくらいでした。
面堂のいる原作の方が、「面堂なんかより…」の繰り返しとか、その後のラムと面堂とか、ずっと面白いんですけど、知らずにアニメだけ見てる限りでは、これで問題はない感じでした。
一つだけ、「組野おと子」が現れたときに、別人だったからみんな固まったのか、あまりにもかわいい子だから固まったのかがはっきりしないのが不満ですけど。はっきりと後者を強調するようにして欲しかった。
で、最後のシーンは、尺も長くないし、クリスマスの曲は暖かいし、しんみりした終わり方で、私は、むしろ大げさにしてなくて、とてもいいなあと思いましたよ。
雪と影、それからクリスマス曲で、一気に恋人の雰囲気に見れたと言われればそうかもしれないし、原作は日常の中のふとした出来事を切り取ったようなラストシーンなんで、確かに原作よりはドラマティックですけど。
なりそこないさんの気になったのは、この最後のシーンか、途中でラムがあたるにデートに行かないでって、めそめそするところでしょうか。
原作のラムがあのめそめそキャラだったら、私はうる星ファンになってなかったとは思います。
テレビだったら、1回で行き過ぎるのでそんなに気にならなかったのかも。
最後の印象が強すぎて、その辺りは記憶に残ってなかったし。
ああでも、全部合わせて考えるとかなりセンチメンタルに振った回だったという感じもしてきた。私鈍感だったかなあ。
あと、Wikiでリスト見ると、以前の話からの流れは全然違いますね。というか、そもそも考えられてない。
かくいう私も全然考えずに楽しんでました。
旧アニメのこの回については、もし文字にしてもよいと思えれば、いつか記事にしてもらいたいなあと思います。

で、その後、新アニメの「君待てども…」を見直したら、ぽろぽろ泣けてしまったんです。
ラムの電柱のシーン以降、静かな暖かい雰囲気が醸し出されていて、ラムが飛んで帰ろうとするのをあたるが手を握って止めるときの、あたるの表情の変化がとても好きです。
この部分はアニオリですね。

「台風は楽し」について、
> 確かにすごく印象深いラストなんで忘れるかなあとは思いますが、逆によりドキドキしながら楽しめたんですからよかったのではw
そうそう、まさにそれが言いたかったんですよ。
落ちを完全に忘れてたわけではなくて、表紙と次のページくらいで落ちまで思い出さなかったら、読んでるページに集中させられちゃって、うまくいけば、最後まで次を思い出さずに楽しめるんです。
で、最後に "パーッ" て、過去の記憶がよみがえるんですよ。
それでもこの話でそれが起こるとは思いもしなかったんですけど。
まさに30年ぶりの得なところですよ。
どうです、「う」「ら」「や」「ま」「し」 くないですか?!

で、今週は11巻です。
この巻は全部1話完結、基本いつものメンバーで、家とか学校くらいの範囲での話なのに、全然違う話で、毎回新鮮!
新アニメに4話も選ばれたのも納得です。
でもホラ薬の飴を食べて、ラムに「なんてかわいいんだ、おまえは!」は、読み直すとやっぱり引っかかるなあ。
ラムちゃんが居るのが当たり前すぎて、普段は何とも思ってないってことなんでしょうけど。
パーソナルコントローラーは、ランちゃんもいいけど、ガールハント3連発に笑って、それからラムちゃんが表情豊かで好きです。
留美子先生って、大道具使わないでも、こういう掛け合いの面白さががほんと上手ですね。
テンちゃんのツノの回もそうだし、これはさらにテンちゃんの話とランちゃんの話を一気に1コマの落ちでまとめてるすごい構成だと思います。
それからコタツ猫の話の中に、新アニメOPの、原作から飛び出してくるラムちゃんの元絵を見つけました!
なぜか、足の角度をちょっと変えてありました。
今のところ分かるの半分くらいですねえ。ラムちゃんの料理してる絵は「大勝負」のではないし。
それから酔っ払いブギの表紙のラムちゃんちょっと太った?かわいい。
旧アニメのマルガリータの流れるところはYouTubeに有ってお気に入りなんですが、そっちのグラスの後ろのラムは、魅惑的なんですよね。どっちも好き。
みんな深いところでは仲のいいドタバタで盛り沢山の巻でした。

それから、どうしても欲しくなって、昔の英語版(紙)を2冊買ってしまいました。
LUM Urusei-Yatsura, #1
- 1989の初出版。最初の2話のみ。
https://www.amazon.com/LUM-Urusei-Yatsura-1-Rumiko-Takahashi/dp/B0015MUUEI

Lum Urusei Yatsura: Perfect Collection
- 上のシリーズを1巻に。面堂登場前まで。
https://www.amazon.com/Lum-Urusei-Yatsura-Perfect-Collection/dp/156931019X

就職してから今年まで30年間、マンガ買ってなかったんですけど、日本の新装版(電子)全巻、その英語版(電子)1巻に続いてこれです。
これでなんとか打ち止めにできるかな?
では~

Re: No title

>えんじにあさん

「ときめきの聖夜」をご覧になったのですか。そうか、今は配信で簡単に昔の作品も見れたりしますからね。
正直、私が見たのはもう40年以上前ですからほとんど内容も忘れていますw
何度かは見たと思いますが、それでも10代の頃ですから、今見るとまた違った感想を持つかもしれませんね。でも、あの頃の気持ちが変わるのが怖いw

なるほど、原作を頭に入れてなければ、特に気にならないという感じでしょうか。まあだから、原作至上主義なんて揶揄されたのかもしれません。
メガネの演説とかはそれほど気にしてなかった気がしますね。むしろメガネというキャラはあのあたりから独特の存在感を見せるようになりましたし、そこはそれなりに評価していたような覚えがあります。
音楽は確かによかったですよね。旧アニメでは特にBGMがすばらしくて、そこは別口として大いに認めていたとは思います。
ただ、あまりにしんみりとした終わり方はどうしても受け入れられなかったなあ…これはもう、「君待てども…」の呪いみたいなものですけどw

確かに特に私がひっかかっていたのはラムの描写だと思います。「ときめきの聖夜」もそうですけど、全体的に旧アニメの彼女はとにかく湿っぽいんですよね。あれはどうしてもラムとは受け付けられなかった。
劇場版のオンリーユーも全面的には今ひとつ評価しづらいのはラムの描き方も大きいんですよね。ラムに関しては明らかにビューティフルドリーマーのラムの方が本来のラムだと思っているので。

「君待てども…」でいえば、ラムがポロっとこぼすほんのわずかな涙にこそ、あの話の真髄があるんですよ。そこをないがしろにされた気がしてしまったんですよね。他の何よりもたぶん、それが許せなかったんだと思います。

まあいずれにしても記憶の奥底に沈んでしまっていますから、もしもう一度語るならば、どこかでしっかり見直さないとその資格はないでしょうね。
それでもまったく感想が変わらなかったら、あえて文字にする必要はないかなという気がします。単にぼろくそにけなすだけの記事なんて書きたくないですからね。読むほうも不快でしょうし。
もし少しでも考えが改まって、よかった一面を再評価したいなと思ったら記事にするかもしれません。

> あたるの表情の変化
あそこはいいですよね。私もすごく好きです。全体的に抑制のきいた演出に好感が持てました。

> まさに30年ぶりの得なところですよ。
うん、「う」「ら」「や」「ま」「し」 いw
私はことあるごとに読み返しているんで、逆にその新鮮さがないんですよね。一度すべて忘れた状態で1巻からまた読んでみたいものです。

> ホラ薬の飴
あたるがラムに対してほらを吹くとしたらあれしかなかったんだと思いますよ。それでも決して「好き」とは言わなかったことにあの話のポイントがあるんじゃないでしょうか。しのぶには「きみだけが好きだよ!」と言っているわけですからね。そして、それは「ボーイミーツガール」への彼の言動にもつながっていくんだと思います。
逆にしのぶに対して「かわいい」とは言わないというのも注目ポイントかな。この「かわいい」という“ほら”をラムに対してだけ口にしたというのも面白い符号だと思うんですよ。
まあなんにしても、あの話はいろんな解釈が可能なのが面白いですね。

> ガールハント3連発
あれはまた最高ですよねw 掛け合いの面白さは天下一品な気がします。ラムとあたるの面白さってこういうところに表れるんですよね。
11巻のランちゃん回3連発はどれもクオリティが半端なくていつ読んでも感心させられます。このどれかでも令和アニメで見てみたいんですけどねえ…

> 新アニメOPの、原作から飛び出してくるラムちゃん
ああ、「安心して!ダーリンの面倒はうちがみてやるっちゃ!!」ってところですかw あそこのラムはいい表情してますね~
足の角度は、動かすのにあのままだと難しかったのかもしれません。

酔っぱらいブギの表紙は確かにちょっとふっくらしていますね。今まであんまり気になりませんでしたけど、梅の酔いで顔が火照っているのでしょうかw
マルガリータがまた名曲なんですよね。「酔っぱらいブギ」は令和版より昭和のアニメの方がよかった感じがあります。基本音楽の使い方がうまいんですよね、旧作は。

11巻は本当にバラエティに富んだ内容になっていましたね。ドタバタでも通り一辺倒ではなくて、それぞれに違った面白さが感じられます。「うる星」らしさを濃厚に味わえる一冊だと思いますね。

> 昔の英語版(紙)を2冊買ってしまいました。
うわ、これはまた思い切りましたね。Perfect Collectionなんて50ドルくらいするじゃないですか。
でも、こちらは紙版なので、手に取って味わえるよさがあるかと思います。表紙がカラフルなので、見ているだけでも楽しくなりますね。


ところで話は変わりますが、この後「【なりそこないの四方山うる星ばなし05】10くらいからわかるうる星講座その3・まずは初期から読んでみよう!5週連続連載期編」をアップする予定ですので、そちらもぜひご覧いただけるとうれしいです。
「かけめぐる青春」~「絶体絶命」までを私なりの視点で掘り下げた記事になっていますよ。
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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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