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なりそこないの昔話6~エヴァンゲリオンのこと(アオイホノオ第6話より)~

テレ東系ドラマ「アオイホノオ」第6話は二者選択の話。トン子さんか津田ひろみか……、じゃなく、学園かSFかの話でしたね。
さらに言えば、アニメかマンガかという選択も暗示されていたんでしょうね。
だからこそ庵野組3人と対比する形でモユル組も3人という形で固定したのでしょうし。(原作には他にもマンガ家志望のレギュラーキャラがいます)

庵野組のほうは山賀の妹登場。
庵野がガンダムにて“最高のおもてなし”をしていたシーンがよかったです。
「やっぱり山賀の妹だよ!!ガンダムくらい知っとけよなああ!!」
……ごめんなさい、私も当時ガンダム知りませんでした。

ということで、今回の昔話はエヴァについて(ぇ。

奇しくも、先週から日テレが新劇場版金曜ロードSHOWにて3週連続で放映、
旧エヴァも深夜とはいえ、「映画天国」にて地上波初放映と、
なにげに来年の2015年(旧エヴァにおける舞台設定の年)に向けて、盛り上げようという感じになっているようですので、まあタイミングもいいかなと。

ただ、前にも言いましたが、私はアニメはほとんど見てませんし、知識もありません。
よって、ここで作品論を繰り広げるつもりはありません。それはあまりに不遜というか、語るだけの素養がないからです。
なので、今回は本当に“年寄りの思い出話”として聞き流してくれればありがたいかなとw

で、繰り返しになりますが、私はヤマトもガンダムもほとんど知りません。40代オタクとしてあるまじき姿勢ですが、事実なので仕方ありません。(だからこそ“なりそこない”と名乗っています)
正確には劇場版の1作目はTV放映のときに1、2度見てはいるのですが、特に思い入れがないわけなんですね。

そんな私がなぜ「新世紀エヴァンゲリオン」を見ることになったのか。
ヤマトやガンダムと何が違っていたのか。


その答えの一つはやはり環境の違いでしょうか。
前にもアニメについて語ったときに触れましたが、
ネットはおろか、ビデオデッキさえなかった少年時代、という環境はかなり大きいですね。

つまりそのせいで、TVシリーズをリアルタイムでなかなか見れないわけです。
今だったら後追いで見るのは簡単ですが、あの頃はビデオをもっている友人もほとんどいませんでしたし、いたとしてもそもそも自分のところに再生する環境がないわけですから、友人の家に行って見せてもらうしかない。
さすがに私の周りには庵野ヒデアキのように“最高のおもてなし”をするような友人はいませんでしたが、正直、そこまでしてもらっても見たいというモチベーションもなかったですしね。

それと、この「TVシリーズ」を見ていない、ということ自体も理由のひとつになり得るんですね。
ヤマトにしろガンダムにしろ、劇場版だけみてもどうもしっくりこないんですよ。
同じ理由でジブリも私はダメでした。

昭和世代にとってアニメというのはやっぱり「TVシリーズ」あってのものなんです。
だから、「ドラえもん」と「うる星やつら」だけは当時、劇場版を映画館に足を運んで見に行っていますが、それはマンガのファンとしてたまたまTVアニメを見ていたからなんですね。
つまりマンガ自体を読んでいるかどうかが大事だったわけです。

ヤマトもガンダムもジブリも先になるマンガやTVアニメがない。これがかなり大きかったように思います。

で、実はエヴァンゲリオンもTV放映当時、リアルタイムでは見ていません。
TV版弐拾伍話、弐拾伍六話でいっきに社会現象になったときでさえ、私はエヴァンゲリオンという言葉すら知らなかったはずです。

そんな私がエヴァンゲリオンというアニメがどうやら世間を賑わしているらしいと知ったのは、
放映終了後の次の年、1997年初め頃だったと思います。
当時、勤めていた会社にアルバイトが入ってきたんですよ。
で、そのバイトの子が何かにつけ、「エヴァというすごいアニメがあるんです」と熱っぽく語ってきた訳です。

もう昔のことなので、彼女がどう語っていたかも思い出せませんが、お昼休みにいつもアスカのマグカップを持っていたことだけはよく覚えています。

で、エヴァンゲリオンという作品が春に劇場版として公開されるということを教えられたわけです。

最初は見るつもりもなかったと思います。
ただ、当時たまたまつけたテレ東で、「劇場版公開直前スペシャル」として深夜にTVシリーズの再放送をすることを知ったんですね。
で、ものは試しとなにげに見ることにしたんです。まあ、バイトの子と話題を合わせるため、という動機もないわけでもないですがw

いやあ、やっぱりTVシリーズを見ちゃうと違いますね。見事にはまりました。
まず、本編より先にあのオープニングで度肝を抜かれましたからね。
高橋洋子さんの「残酷な天使のテーゼ」という楽曲の素晴しさももちろんありますが、
歌と見事にシンクロしたあの映像には本当に驚かされました。

もちろん、内容にも釘付けです。こんなすごいアニメがあるのかと。
特に19話ぐらいまでは、意外なほどに少年の成長ものとして王道路線でしたし、なにが賛否両論なのか不思議なくらいでしたね。

あと、ヤマトやガンダムと違い、現代に近い日本を舞台にしているという点も大きいかな。

これは私の好みの問題なんですが、どうもスペースオペラというか「宇宙戦争」ものって苦手なんですよ。SFでも日常系とかタイムトラベルなどの時間もののほうが好きですね。
これはやっぱり藤子・F・不二雄さんの影響かもしれません。(もっとも21エモンとかもじゃ公とかは大好きですが)つまり「すこし不思議」としてのSFなんですね、私にとっては。

エヴァンゲリオンは戦闘物といっても、あくまで「自己と現実」との戦いの話なんですよね。だからこそ、敵である“使徒”も「人間」なわけで。スケールが大きいようで実はすごく小さな世界の話でもあると思うんです。そこに私は魅力を感じたような気がします。

それと前回も書きましたがやはり「人外萌え」である私にとって、「綾波レイ」の存在は大きかったですね。旧劇場版を見るまでは私は完全に「レイ」派でした。その後、「THE END OF EVANGELION」(通称「夏エヴァ」)を経て「アスカ」派に鞍替えしましたが。今思うと、要するに「2人目の綾波レイ」派だったんでしょうね。

TV版を観た私の劇場版への期待は膨らみました。賛否両論(というか否が圧倒的?)だった25、26話も個人的には楽しめましたし、このメタ展開をどうやって「物語」として決着をつけるのか興味がありました。

で、まあ知っての通り、その年の春には「間に合わなかった」んですね。
TV総集編の「DEATH」パートと25、26話のリメイクの“冒頭”30分程度の「REBIRTH」パートを合わせて、「シト新生」として公開され(通称「春エヴァ」)、完結編は夏までおあずけとなりました。

まあ、さすがにあの時はいらだちましたね。間に合わなかったこともさることながら、アスカの“偽りの、再生”とか、「REBIRTH」のラストで流れる「私に還りなさい~」とか、「なんて悪趣味なんだ!」と。

私は高橋留美子主義者のはしくれとして、基本「バッドエンド」とか嫌いなんですよ。(高橋留美子はことあるごとに『私はハッピーエンドしか描きたくありません』と言っているほどのハッピーエンド主義者でもあります)
もちろん、「デビルマン」とか“必然性のある”バッドエンドはわかるんですが、
ただ、単なる“受け手側に対する嫌がらせとしての”バッドエンドは嫌いなんですね。
あの「REBIRTH」には、見る側へのあてつけ以上のものは感じられなかったんです。

さらに、「夏エヴァ」の販促チラシもすごく偽悪的というか見る側に対する悪意しか感じられなかったのを覚えています。

どす黒い赤を基調としたバックに「人類補完計画」でばらばらに溶けている人たち、それを無表情に見つめている綾波レイ、でキャッチコピーが「だからみんな、死んじゃえばいいのに」ですからね。

同じく’97年夏に上映された「もののけ姫」のキャッチコピーが「生きろ。」という正に真逆なものであったことも、エヴァに対する嫌悪感を増幅させるに十分でした。

完成に間に合わずに中途半端なものを見せられたことへの反発もあって、
そのころには「夏エヴァ」への期待はほとんど消え失せ、「まあ、落ち着いたら暇つぶしに見に行ってみるか」といった感じになっていました。

で、いよいよ7月に完結編「THE END OF EVANGELION」が公開になるわけですが、
聞こえてくるのは「残酷」だの「意味がわからん」だの見る気も削がせるものばかり。

それでも、TV版にはまった者として最後を見ととげなければ、と半ば義務感にも駆られて見に行った訳です。
ぼろくそにけなして終わりにしようぐらいの勢いで。

で、「夏エヴァ」を最後まで見て思いました。

(1回目)
あれ?なんだろうこれ。
これはもう一度見ないと判断できないか?もう一回だけ見るか。
(2回目)
…あれ?
これひょっとしてすげえ名作じゃね?おれの勘違いか?
(3回目)
もう間違いない。やばい、何回見てもすごい。世間がどう言おうがこれはすごい。
超ハッピーエンドじゃん!!!


ここで作品論は語らないと言ったので、どうすごいと思ったのか、なぜあれがハッピーエンドなのかは書きませんが、17年たった今でも評価は変わりませんね。本当にすばらしいラストを描いてくれたと思っています。

で、もうアニメはこれでいいかなとなり、しばらくアニメから離れることになります。
そう、2006年、「涼宮ハルヒの憂鬱」に出会うまで。

個人的にエヴァンゲリオンという作品は「THE END OF EVANGELION」できちんと完結していると思っているので、2007年から始まった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」はまた別のものとして考えています。
だから、たとえ仮に「新劇場版」の最後がこけたとしても私の中での「エヴァ」に対する評価は変わりません。

「新劇場版」はかつて旧エヴァを見た人間には意外と不評だととも言われますが、
個人的にはも素晴しかったです。
ただやはりQだけはよくわかりませんでしたね。いえ、つまらなくはなかったですよ。
ただ、本当に「よくわからなかった」んです。

もともとエヴァにおける過剰なほどのペダントリー趣味は興味がないというか、
あまり意味がないと思っているので、変に深読みとかしたくはないのですが、
あの展開と語られる“真実”とやらには「置いてけぼり感」がひどかったですね。

それでも、庵野秀明監督は「エヴァンゲリオンは繰り返しの物語」と言っている以上、最後の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』においても、
「夏エヴァ」での“あれ?なんだろうこれ”を、また再現してくれるのではないかと、ほのかな期待があったりもします。

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tag : アオイホノオ1980年代

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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