「うる星やつら」の再TVアニメ化について今の時点で思うこと
遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
今年も滅びゆくじじいをどうぞよろしくお願いいたします。
で、遅くなったといえば、
『うる星やつら』36年ぶりに再びTVアニメ化 フジ“ノイタミナ”枠「だっちゃ」
https://www.oricon.co.jp/news/2219893/full/
こちらの話題ですね。もうむちゃくちゃ出遅れましたw
いや、基本正月三が日は腑抜け三昧で過ごすと決めているんですよ。
ネットとかもほぼ遮断して食っちゃ寝食っちゃ寝の毎日で、頭を空っぽにしているんです。
なので、気づくのが3日ほど遅れてしまったんですね。
というわけで、今は後れを取り戻すべく、必死でネットを見て回っている状態ですw
まあしかし、あまりに予想外過ぎて頭がまだついていけていない感じですね。
驚いたというよりまだ現実のこととして実感が湧きません。どう受け止めていいのか模索中といったところでしょうか。
何度も言っているように、私は「高橋留美子主義者」と自称しています。
“なりそこない”という名前も、高橋留美子による連作短編漫画「人魚シリーズ」に出てくる怪物からいただいているくらいですから。私の人生のすべてとは申しませんが、かなりの部分を占めていると言っても過言ではないでしょう。
もし高橋留美子に出会っていなかったらこんなブログもやっていませんし、おそらく「わたモテ」にハマることすらなかったと思います。
そんな私ですから、やはりこのニュースに反応しないわけにはいきません。
ましてや世代的にも前のTVアニメをリアルタイム(!)で見ていた人間ですからね。
とりあえず、今の時点での思いをここに記しておこうと思います。
さて、すでに公式HP(http://uy-allstars.com/)も開設され、少しずつ情報も出ているようです。
現時点で確認できたものをまとめますと、
●完全新作
●フジテレビの深夜アニメ枠“ノイタミナ”にてTVアニメ化
●選び抜かれた原作エピソードを全4クールにわたって放送(第1期:2022年放送予定とクレジットされている)
●諸星あたる役は神谷浩史、ラム役は上坂すみれ
●小学館創業100周年、『うる星やつら』テレビアニメ放送40周年を記念し、企画されたもの
●監督はアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』を手掛けた高橋秀弥氏・木村泰大氏、シリーズ構成は『はたらく細胞』の柿原優子氏、キャラクターデザインは『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』の浅野直之氏、アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『炎炎ノ消防隊』のdavid productionが担当
こんなところでしょうか。(2022年1月4日現在。今後、追加されたり修正される可能性があります)
まず注目すべきは、「完全新作」の「TVアニメ」ということですね。
最初ヘッドラインを見たときは「は?今更再放送するのがなんでニュースになるんだ?」と早合点したくらいでしたからw(再びTVアニメ化という言い回しがまぎらわしいw)
まさか今の時代に新たに作るとは思いもしませんでした。
しかも「TVアニメ」ですからね。ネット配信とかオリジナル劇場版という話ならまだしも、毎週地上波で放送されるというのはかなりハードルが高いと思いますよ。
ただ考えてみると、過去の作品をリメイクするというのはこれまでも普通にあったことではあります。
「ゲゲゲの鬼太郎」や「天才バカボン」もそうですし、なんなら「ドラえもん」もリメイクですからね。(今のドラえもんはある意味3作目と言えるかも)
アニメに限らず、実写の世界でも頻繁にあります。松本清張や横溝正史の作品なんて、何度も繰り返しキャストを変えて撮り直されていますし。
そういった意味では、「うる星やつら」もそういう“枠”に入ったと言えるのかもしれません。
それに関してはまあうれしさ半分、さみしさ半分といったところでしょうか。いわゆる「名作」「古典」の類(たぐい)になったんだなあと思うと、オールドファンからすると少し複雑な気持ちになりますね。
ただ一方、いい作品は世代を越えてバトンを繋いでいって欲しいという思いもあります。これは音楽や小説、すべてにおいて言えることですけど、やっぱり「今」だけがポツンとあるわけじゃないんですよ。流れはずっと続いているんです。その流れの中でしか私たちは生きられないと思うんです。
ならば、「過去」を「今」、そして「未来」に引き継いでいくというのはまさに文化そのものじゃないかと。
そう考えると、「深夜アニメ枠」というのもまあ今の時代ならばなのかなと思います。
コンプライアンス云々は別としても、今やゴールデンタイムでのアニメなんてほぼ皆無ですからね。
私はアニメには疎いので詳しくは知らないのですが、“ノイタミナ”という枠はこれまでも意欲的な作品を手掛けているようですし(今は「王様ランキング」を放映してるとか)、なかなか期待は持てそうです。
声優さんが代わるのも賛否両論あるようですけど、私はいい悪い以前に、それはもう仕方のないことだと思います。
前シリーズのキャストを見ても、すでに鬼籍に入られている方も何人かおられますからね。それにほとんどの方がもう還暦を迎えているわけで、負担を考えると無理をさせるわけにもいかないでしょう。
私は変に「特別出演」とかで平野文さんや古川登志夫さんを登場させる必要もないんじゃないかと思っていますよ。(TVアニメ「境界のRINNE」で平野文さんがヒロイン桜のお母さん役をやっていたのはちょっとうれしかったけどw)
で、すでにティザーPVが公開されていますが、
TVアニメ「うる星やつら」解禁ティザーPV
…いやあ、声優さんってすごいですね。
最初「あれ、声替わってねーじゃん」と思ってしまいましたよw まったくと言っていいほど違和感がない!
まあ若干あたるの声がイケメン過ぎるかなという気もしましたが、そのくらいですね。
これ格付けチェックでやったら、絶対に間違える自信がありますよ。「映る価値なし」になりそうw
これなら声のうるさい旧ファンも納得のキャスティングなのではないでしょうか。
まあ正直、私は声に関してはあまり気にしてないんですけどね。
前のアニメの時も原作が好きだから見ていたという感じで特にこだわりがあったわけじゃないですし。
メガネを出すのかどうかという議論もあるようですが、私としてはどっちでもいいです。
元々原作忠実派でもアニメオリジナル派でもどっちでもないんですよ。面白ければなんだろうとかまわないというスタンスで、よく留美子ファンが目の敵にする押井守に対しても別段悪い感情は持っていませんし。(複雑ではありますけど)
個人的には声やキャラクターデザインよりも音楽の方が気になりますね。
「ラムのラブソング」で小林泉美を知り、「星空サイクリング」でヴァージンVSを知り、さらにそこからあがた森魚を知ったわけですから。
ニューウェーブやテクノといった当時最先端だった音楽に最初に触れたのがうる星でした。私の音楽原体験はそこから始まったといったと過言でもないんです。
BGMも斬新でしたし、アニメ音楽の幅を広げたという意味でアニメ「うる星やつら」の果たした意義は決して小さくないと思っています。
今回のアニメ化に際しても決して懐メロではなく、「今」の音楽を響かせてほしいものです。
前シリーズは1981年(昭和56年)から1986年(昭和61年)に渡って放映されました。実に4年半続いたわけです。
そういった中、全4クールという構成は短いように感じられますが、これも今の時代では当然のことでしょう。そもそも昔が異常だったのですw
昭和ではアニメもドラマも何年も普通に続いていましたからね。しかも第●期シリーズといった分割すらありませんでしたから。バラエティ番組と同じように、いつ終わるともなく人気が続く限り延々とやっていたわけです。
そんなことがいつまでも続けられるわけがありませんよ。むしろ正常に戻ったと言うべきでしょうw
ていうか、深夜アニメ枠で4クールというのは破格の扱いとも言えますね。
ただ、「第1期:2022年放送予定」という言い回しが少し気になります。これはいわゆる「分割4クール」という形になるのでしょうか。
そうなると、シリーズ構成がポイントになってきます。原作は9年近く続いた作品ですから300話以上あります。これをすべてやるというのは物理的に不可能でしょう。
かといって、アニメオリジナルを交えるというわけでもなさそうです。
そう、「選び抜かれた原作エピソードを」となってますからね。誰がどういう基準で「選び抜く」のかw
そもそも今回の「再アニメ化」のコンセプトが今一つ見えてきません。
どの層をターゲットにしてるのかわからないんですよ。私のようなオールドファンへのノスタルジックなサービスなのか、それとも「令和」の時代ならばの新たなうる星を若い世代にアピールしたいのかはっきりしないんです。
そこでなんとなく不安になるのが
「小学館創業100周年、『うる星やつら』テレビアニメ放送40周年を記念し、企画された」
この言葉。
ひょっとして何も考えずに、2022年は寅年だからラムちゃんで決まりだなwみたいなノリで決められたんじゃないかと。
そんな記念行事みたいな感じで作って欲しくはありません。
やるなら、ちゃんと勝算を見通しての計画を立ててもらいたいものですね。
今回のアニメを制作するスタッフおよびスタジオに関しては私からは何も言うことはありません。
もとよりアニメの知識がない人間なので、判断しかねるところがありますし。
でもまあ、これまで手掛けた作品からすると心配することはないでしょう。
その中で私が注目するのはやはり、「シリーズ構成」を手掛ける柿原優子氏ですね。
どういうコンセプトで誰をターゲットにして、今の令和に「うる星やつら」を再び世間に問おうとしているのか、そこを見極めたいと思っています。
「うる星やつら」というと、どうしても“ラブコメディ”という紹介のされ方をします。
それもまあうる星の一要素ですし、決して間違いではないのですが、原作ファンとしてはすこしモヤモヤしたものを感じてしまいます。
これも何度か言ってきたかと思うのですが「ギャグマンガ」なんですよ、うる星は。
そこにラムとあたるを中心とした恋愛模様があるとしても、それは笑いを巻き起こすための装置に過ぎないんです。
ラムとあたるのラブストーリーで私が一番好きなエピソードとして、「おみくじこわい」(新装版コミックス7巻PART4)があります。一切感動的な場面もない、完全なるドタバタ劇ですが、あれこそが二人の関係性を一番よく表している回だと思っています。
最初から最後まで喧嘩ばかりの二人ですけど、最後におみくじ人形がそんな二人に「鬼!!」「浮気者!!」「くされ縁!!」と云うんですよ。で、その後「ドロ沼化!!ドロ沼化!!」と言って去っていくんですw
もう最高じゃないですか。いじらしさも優しさもないですけど、あれこそがラムとあたるの本質を突いた話だと思うんですよね。
できれば、今回の新しいアニメではそういう感覚をどこかににじませてほしいなとは思います。
ただやっぱり、うる星って「昭和」のマンガなんですよね。
連載期間が昭和53年(1978年)から昭和62年(1987年)ですから、完全に昭和末期の世相と重なっているんです。
そこで描かれている時代背景や空気みたいなものはあの当時だからこその味でしたし、ギャグも時代ならばのものも多々あります。
私は「買い食い大戦争」」(新装版コミックス11巻PART4)みたいな暴力的なまでのドタバタが大好きなんですけど、あれを今の時代で忠実に再現したところで笑えるかと言われるとちょっと自信がないですからねw
時代設定を現在に置くのか、それともあの時代のままで行くのかによって、ギャグのテイストも変わるかと思います。
それこそ、あたるの「住所と電話番号」なんてフレーズも今の若い人には意味不明でしょうしw
まさか「LINE教えて」とはならないでしょうが、その辺はどう見せるんでしょうね。
まあ「サザエさん」にせよ「ドラえもん」にせよ、なんとなく今の時代にあわせつつも適当にうまくやっていますし、そこは演出の腕が問われるところかもしれません。
いずれにしても、なぜ今うる星なのかという基本方針をしっかり定めて作って欲しいなと思います。
それによって、おのずと時代背景も決まっていくことでしょうし、自動的にターゲット層も決まってくるでしょう。なんとか記念とか言ってる場合じゃないんです。
個人的な思いとしては私のようなじじいに懐かしんでもらうよりも、むしろ若い世代に伝達していって欲しいなと思いますけどね。
まあ色々と時代的に難しい部分もあるでしょうけど、老婆心ながら進言します。
そうそう、「うる星やつら」を知らない読んだことがないという人には今、
TVアニメ化記念!「うる星やつら」サンデーうぇぶりにて、1/12まで原作10巻無料公開中!
全巻無料の「らんま1/2」「犬夜叉」と共に、この冬休みにぜひ!
https://twitter.com/rumicworld1010/status/1477296475151699969
こんなキャンペーンをやっているようなので、ぜひ試しに読んでみたらいかがでしょうか。「うる星やつら」だけではなく、「らんま」や「犬夜叉」も読めるようなので是非。(ていうか、なんでうる星やつらだけ12日まで、しかも全巻でなく10巻までなのか…)
それにしても、今年は例年になくアニメを見る年になりそうです。
4月からは「SPY×FAMILY」も始まりますし、「スキップとローファー」もアニメ化するらしいですからね。
普段はアニメを見ない私ですが、好きな原作は別ですから。
「うる星やつら」に関しても昭和のアニメのリバイバルという形ではなく、令和の新作アニメとして期待したいと思います。
コミックス全34巻は新装版で出ています!
アニメの主題歌はこちらのベスト盤が便利。(2015年リマスター)
BGMはこちらのデジタルで聴くことができます。バラエティなどで耳にする曲もあるかと思いますよ。
今気に入ってるマンガを二つほど。
今年も滅びゆくじじいをどうぞよろしくお願いいたします。
で、遅くなったといえば、
『うる星やつら』36年ぶりに再びTVアニメ化 フジ“ノイタミナ”枠「だっちゃ」
https://www.oricon.co.jp/news/2219893/full/
こちらの話題ですね。もうむちゃくちゃ出遅れましたw
いや、基本正月三が日は腑抜け三昧で過ごすと決めているんですよ。
ネットとかもほぼ遮断して食っちゃ寝食っちゃ寝の毎日で、頭を空っぽにしているんです。
なので、気づくのが3日ほど遅れてしまったんですね。
というわけで、今は後れを取り戻すべく、必死でネットを見て回っている状態ですw
まあしかし、あまりに予想外過ぎて頭がまだついていけていない感じですね。
驚いたというよりまだ現実のこととして実感が湧きません。どう受け止めていいのか模索中といったところでしょうか。
何度も言っているように、私は「高橋留美子主義者」と自称しています。
“なりそこない”という名前も、高橋留美子による連作短編漫画「人魚シリーズ」に出てくる怪物からいただいているくらいですから。私の人生のすべてとは申しませんが、かなりの部分を占めていると言っても過言ではないでしょう。
もし高橋留美子に出会っていなかったらこんなブログもやっていませんし、おそらく「わたモテ」にハマることすらなかったと思います。
そんな私ですから、やはりこのニュースに反応しないわけにはいきません。
ましてや世代的にも前のTVアニメをリアルタイム(!)で見ていた人間ですからね。
とりあえず、今の時点での思いをここに記しておこうと思います。
さて、すでに公式HP(http://uy-allstars.com/)も開設され、少しずつ情報も出ているようです。
現時点で確認できたものをまとめますと、
●完全新作
●フジテレビの深夜アニメ枠“ノイタミナ”にてTVアニメ化
●選び抜かれた原作エピソードを全4クールにわたって放送(第1期:2022年放送予定とクレジットされている)
●諸星あたる役は神谷浩史、ラム役は上坂すみれ
●小学館創業100周年、『うる星やつら』テレビアニメ放送40周年を記念し、企画されたもの
●監督はアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』を手掛けた高橋秀弥氏・木村泰大氏、シリーズ構成は『はたらく細胞』の柿原優子氏、キャラクターデザインは『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』の浅野直之氏、アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『炎炎ノ消防隊』のdavid productionが担当
こんなところでしょうか。(2022年1月4日現在。今後、追加されたり修正される可能性があります)
まず注目すべきは、「完全新作」の「TVアニメ」ということですね。
最初ヘッドラインを見たときは「は?今更再放送するのがなんでニュースになるんだ?」と早合点したくらいでしたからw(再びTVアニメ化という言い回しがまぎらわしいw)
まさか今の時代に新たに作るとは思いもしませんでした。
しかも「TVアニメ」ですからね。ネット配信とかオリジナル劇場版という話ならまだしも、毎週地上波で放送されるというのはかなりハードルが高いと思いますよ。
ただ考えてみると、過去の作品をリメイクするというのはこれまでも普通にあったことではあります。
「ゲゲゲの鬼太郎」や「天才バカボン」もそうですし、なんなら「ドラえもん」もリメイクですからね。(今のドラえもんはある意味3作目と言えるかも)
アニメに限らず、実写の世界でも頻繁にあります。松本清張や横溝正史の作品なんて、何度も繰り返しキャストを変えて撮り直されていますし。
そういった意味では、「うる星やつら」もそういう“枠”に入ったと言えるのかもしれません。
それに関してはまあうれしさ半分、さみしさ半分といったところでしょうか。いわゆる「名作」「古典」の類(たぐい)になったんだなあと思うと、オールドファンからすると少し複雑な気持ちになりますね。
ただ一方、いい作品は世代を越えてバトンを繋いでいって欲しいという思いもあります。これは音楽や小説、すべてにおいて言えることですけど、やっぱり「今」だけがポツンとあるわけじゃないんですよ。流れはずっと続いているんです。その流れの中でしか私たちは生きられないと思うんです。
ならば、「過去」を「今」、そして「未来」に引き継いでいくというのはまさに文化そのものじゃないかと。
そう考えると、「深夜アニメ枠」というのもまあ今の時代ならばなのかなと思います。
コンプライアンス云々は別としても、今やゴールデンタイムでのアニメなんてほぼ皆無ですからね。
私はアニメには疎いので詳しくは知らないのですが、“ノイタミナ”という枠はこれまでも意欲的な作品を手掛けているようですし(今は「王様ランキング」を放映してるとか)、なかなか期待は持てそうです。
声優さんが代わるのも賛否両論あるようですけど、私はいい悪い以前に、それはもう仕方のないことだと思います。
前シリーズのキャストを見ても、すでに鬼籍に入られている方も何人かおられますからね。それにほとんどの方がもう還暦を迎えているわけで、負担を考えると無理をさせるわけにもいかないでしょう。
私は変に「特別出演」とかで平野文さんや古川登志夫さんを登場させる必要もないんじゃないかと思っていますよ。(TVアニメ「境界のRINNE」で平野文さんがヒロイン桜のお母さん役をやっていたのはちょっとうれしかったけどw)
で、すでにティザーPVが公開されていますが、
TVアニメ「うる星やつら」解禁ティザーPV
…いやあ、声優さんってすごいですね。
最初「あれ、声替わってねーじゃん」と思ってしまいましたよw まったくと言っていいほど違和感がない!
まあ若干あたるの声がイケメン過ぎるかなという気もしましたが、そのくらいですね。
これ格付けチェックでやったら、絶対に間違える自信がありますよ。「映る価値なし」になりそうw
これなら声のうるさい旧ファンも納得のキャスティングなのではないでしょうか。
まあ正直、私は声に関してはあまり気にしてないんですけどね。
前のアニメの時も原作が好きだから見ていたという感じで特にこだわりがあったわけじゃないですし。
メガネを出すのかどうかという議論もあるようですが、私としてはどっちでもいいです。
元々原作忠実派でもアニメオリジナル派でもどっちでもないんですよ。面白ければなんだろうとかまわないというスタンスで、よく留美子ファンが目の敵にする押井守に対しても別段悪い感情は持っていませんし。(複雑ではありますけど)
個人的には声やキャラクターデザインよりも音楽の方が気になりますね。
「ラムのラブソング」で小林泉美を知り、「星空サイクリング」でヴァージンVSを知り、さらにそこからあがた森魚を知ったわけですから。
ニューウェーブやテクノといった当時最先端だった音楽に最初に触れたのがうる星でした。私の音楽原体験はそこから始まったといったと過言でもないんです。
BGMも斬新でしたし、アニメ音楽の幅を広げたという意味でアニメ「うる星やつら」の果たした意義は決して小さくないと思っています。
今回のアニメ化に際しても決して懐メロではなく、「今」の音楽を響かせてほしいものです。
前シリーズは1981年(昭和56年)から1986年(昭和61年)に渡って放映されました。実に4年半続いたわけです。
そういった中、全4クールという構成は短いように感じられますが、これも今の時代では当然のことでしょう。そもそも昔が異常だったのですw
昭和ではアニメもドラマも何年も普通に続いていましたからね。しかも第●期シリーズといった分割すらありませんでしたから。バラエティ番組と同じように、いつ終わるともなく人気が続く限り延々とやっていたわけです。
そんなことがいつまでも続けられるわけがありませんよ。むしろ正常に戻ったと言うべきでしょうw
ていうか、深夜アニメ枠で4クールというのは破格の扱いとも言えますね。
ただ、「第1期:2022年放送予定」という言い回しが少し気になります。これはいわゆる「分割4クール」という形になるのでしょうか。
そうなると、シリーズ構成がポイントになってきます。原作は9年近く続いた作品ですから300話以上あります。これをすべてやるというのは物理的に不可能でしょう。
かといって、アニメオリジナルを交えるというわけでもなさそうです。
そう、「選び抜かれた原作エピソードを」となってますからね。誰がどういう基準で「選び抜く」のかw
そもそも今回の「再アニメ化」のコンセプトが今一つ見えてきません。
どの層をターゲットにしてるのかわからないんですよ。私のようなオールドファンへのノスタルジックなサービスなのか、それとも「令和」の時代ならばの新たなうる星を若い世代にアピールしたいのかはっきりしないんです。
そこでなんとなく不安になるのが
「小学館創業100周年、『うる星やつら』テレビアニメ放送40周年を記念し、企画された」
この言葉。
ひょっとして何も考えずに、2022年は寅年だからラムちゃんで決まりだなwみたいなノリで決められたんじゃないかと。
そんな記念行事みたいな感じで作って欲しくはありません。
やるなら、ちゃんと勝算を見通しての計画を立ててもらいたいものですね。
今回のアニメを制作するスタッフおよびスタジオに関しては私からは何も言うことはありません。
もとよりアニメの知識がない人間なので、判断しかねるところがありますし。
でもまあ、これまで手掛けた作品からすると心配することはないでしょう。
その中で私が注目するのはやはり、「シリーズ構成」を手掛ける柿原優子氏ですね。
どういうコンセプトで誰をターゲットにして、今の令和に「うる星やつら」を再び世間に問おうとしているのか、そこを見極めたいと思っています。
「うる星やつら」というと、どうしても“ラブコメディ”という紹介のされ方をします。
それもまあうる星の一要素ですし、決して間違いではないのですが、原作ファンとしてはすこしモヤモヤしたものを感じてしまいます。
これも何度か言ってきたかと思うのですが「ギャグマンガ」なんですよ、うる星は。
そこにラムとあたるを中心とした恋愛模様があるとしても、それは笑いを巻き起こすための装置に過ぎないんです。
ラムとあたるのラブストーリーで私が一番好きなエピソードとして、「おみくじこわい」(新装版コミックス7巻PART4)があります。一切感動的な場面もない、完全なるドタバタ劇ですが、あれこそが二人の関係性を一番よく表している回だと思っています。
最初から最後まで喧嘩ばかりの二人ですけど、最後におみくじ人形がそんな二人に「鬼!!」「浮気者!!」「くされ縁!!」と云うんですよ。で、その後「ドロ沼化!!ドロ沼化!!」と言って去っていくんですw
もう最高じゃないですか。いじらしさも優しさもないですけど、あれこそがラムとあたるの本質を突いた話だと思うんですよね。
できれば、今回の新しいアニメではそういう感覚をどこかににじませてほしいなとは思います。
ただやっぱり、うる星って「昭和」のマンガなんですよね。
連載期間が昭和53年(1978年)から昭和62年(1987年)ですから、完全に昭和末期の世相と重なっているんです。
そこで描かれている時代背景や空気みたいなものはあの当時だからこその味でしたし、ギャグも時代ならばのものも多々あります。
私は「買い食い大戦争」」(新装版コミックス11巻PART4)みたいな暴力的なまでのドタバタが大好きなんですけど、あれを今の時代で忠実に再現したところで笑えるかと言われるとちょっと自信がないですからねw
時代設定を現在に置くのか、それともあの時代のままで行くのかによって、ギャグのテイストも変わるかと思います。
それこそ、あたるの「住所と電話番号」なんてフレーズも今の若い人には意味不明でしょうしw
まさか「LINE教えて」とはならないでしょうが、その辺はどう見せるんでしょうね。
まあ「サザエさん」にせよ「ドラえもん」にせよ、なんとなく今の時代にあわせつつも適当にうまくやっていますし、そこは演出の腕が問われるところかもしれません。
いずれにしても、なぜ今うる星なのかという基本方針をしっかり定めて作って欲しいなと思います。
それによって、おのずと時代背景も決まっていくことでしょうし、自動的にターゲット層も決まってくるでしょう。なんとか記念とか言ってる場合じゃないんです。
個人的な思いとしては私のようなじじいに懐かしんでもらうよりも、むしろ若い世代に伝達していって欲しいなと思いますけどね。
まあ色々と時代的に難しい部分もあるでしょうけど、老婆心ながら進言します。
そうそう、「うる星やつら」を知らない読んだことがないという人には今、
TVアニメ化記念!「うる星やつら」サンデーうぇぶりにて、1/12まで原作10巻無料公開中!
全巻無料の「らんま1/2」「犬夜叉」と共に、この冬休みにぜひ!
https://twitter.com/rumicworld1010/status/1477296475151699969
こんなキャンペーンをやっているようなので、ぜひ試しに読んでみたらいかがでしょうか。「うる星やつら」だけではなく、「らんま」や「犬夜叉」も読めるようなので是非。(ていうか、なんでうる星やつらだけ12日まで、しかも全巻でなく10巻までなのか…)
それにしても、今年は例年になくアニメを見る年になりそうです。
4月からは「SPY×FAMILY」も始まりますし、「スキップとローファー」もアニメ化するらしいですからね。
普段はアニメを見ない私ですが、好きな原作は別ですから。
「うる星やつら」に関しても昭和のアニメのリバイバルという形ではなく、令和の新作アニメとして期待したいと思います。
コミックス全34巻は新装版で出ています!
アニメの主題歌はこちらのベスト盤が便利。(2015年リマスター)
BGMはこちらのデジタルで聴くことができます。バラエティなどで耳にする曲もあるかと思いますよ。
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