私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!19巻 感想~わたモテ最後の夏に立ち会えた幸せを今はただ噛みしめる~
2月12日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」19巻が発売されました。
喪177「モテないしまずは夏コミに行く(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-355.html
喪177「モテないしまずは夏コミに行く(後編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-358.html
喪178「モテないしお泊まり会してアニメを観る」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-361.html
喪179「モテないし演技する」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-364.html
喪180「モテないし飲む」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-366.html
喪181「モテないしドライブする」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-369.html
喪182「モテないし夏果と海」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-371.html
喪183「モテないし台風が来る(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-374.html
喪183「モテないし台風が来る(後編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-377.html
喪184「モテないし学校が始まった(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-380.html
喪184「モテないし学校が始まった(後編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-381.html
これは今回19巻に収録されているエピソードのリストになるわけですが、見ていて皆さん何か気づいたことはありませんでしょうか。
そう、実際の収録話よりも随分数が多いですよね。
それもそのはず、実際の19巻はなんと「8話」なんです。これはわたモテ史上もっとも少ない収録数になります。
それなのに、なぜリストアップするとこんな数になるかといえば答えは簡単、前編後編に分かれている回が3つもあるからなんですね。
これまたわたモテ史上初めてのことになります。
要するに、ふつうの連載物に近い形になったような気がするんですよね。
初出時では「以下次号!」みたいな引きで続いていた話が単行本ではひとつにまとまるような。
一話完結のギャグ作品からいよいよ本格的な“物語”としてシフトしてきたなと、実感せざるを得ない構成になっていたと思います。
実際に、今回は読み応えたっぷりというかボリューム感がありました。
ただ、意外とダレる感じはなかったんですよね。
18巻の時は喪175を読んでいて「長いな」と思ってしまったものでしたが、今回はそれがまったくなかったんです。
むしろ、バラエティに富んでいて飽きさせないとすら思いました。
というわけで遅くなりましたが、今回も19巻の感想を綴っていこうと思います。よければお付き合いのほどを。
●もしかすると表紙にも「物語」が存在する?
まずはいつものように、表紙から見てまいりましょう。
今回の表紙も前回ほどではありませんが、なかなか衝撃的だと思うんですよね。
一見すると、いつもの賑やかな感じに戻ったかのように見えますが、どこか違和感を覚えます。
それはどこからくるのかと考えてみると、なんだかもこっちが「グループの一員」になっているように見えるからなんですよ。
こういう「グループ」表紙は13巻や14巻でもありましたが、あくまで「黒木智子とゆかいな仲間たち」という構図だったんですよね。中心には必ずもこっちがそこにいたんです。
ところがどうでしょう、今回の“グループ”はまるで杏奈姉さんをリーダーとする「杏奈組」みたいな様相じゃないですかw
サイドを固める吉田さんと麗奈のほうがむしろ扱いが大きいですし、インパクトとしても二木さんに負けてる感が否めません。ていうか、杏奈姉さんのこの存在感は一体なんなんだw 扱いとしては一番小さいのに、むしろ「主人公」オーラがあるぞw
もこっちがなんだか「主人公の一人」となったような感じを受けたんですよね。
18巻の表紙で「独り立ち」をした彼女が、逆に輪の中に自ら飛び込んでいくみたいな。
そう考えてみると、3年生編になってからの表紙には背景としてストーリーがあるような気もします。
13巻・14巻では、突然変わり出した周りの環境にひたすら戸惑うばかりだったのが、15巻・16巻で自分に対して悩むようになり、17巻・18巻でついにはじけて(笑)、19巻でヤンキー街道まっしぐらみたいなw
…まあこれは冗談ですけど、ここ最近の表紙を眺めていると、なんとなくもこっちの心の道筋を辿るような気持ちになったのは確かです。
実際、わたモテがどういう作品か知らない人が表紙だけ見ると、16巻で急に病みだして18巻で吹っ切れて19巻でヤンキーに弟子入りしたのかと思うんじゃないでしょうかw
●なぜかここに来ての今江さん推し
それとは別に、もうひとつ私が意外に感じたことがありました。
今回は“核”となるモチーフは
喪177から喪179の「ネモ編」
喪181・182の「ドライブ編」
喪183の「台風編」
の3つだったと思うんですけど、表紙に選ばれる可能性があるものとして「ネモ編」>「台風編」>「ドライブ編」という予想だったんですよ。ヤンキードライブはあまり想定してなかったんです。
というのも、16巻でヤンキーグループをすでにとりあげているじゃないですか。なので、ここで再び登場するとは考えていなかったんですね。話の重要性的にもネモやゆりちゃんのほうが大きいような気がしていましたし。
いったいなんでなんだろうと今回の表紙を眺めながら考えていたんですけど、ふと意外なところに目が行きました。
これは販促帯をとったところなんですけど、バックの抜粋シーンを見てなにか気づきませんでしょうか。
そう、ネモや風夏、そしてゆりちゃんはなぜか帯の下に隠されているんですよ。
その代わり、上部で目立つように2つも「今江さん」が選ばれているんです。
その他、実は裏表紙のネタも今江さんなんですよね。今回はなぜか今江さん推しの印象があるんです。
ドライブ編当時、私は今江さん再登場に関して微妙な気持ちを抱いていました。
14巻のおまけならともかく、本編に再び彼女を登場させることに対して複雑な思いだったのは事実です。
ただ、この表紙の構成を見ていると、むしろ谷川さん的には「今江さんと再会したこと」が19巻における一番の“核”と考えているのかなと思えてきたんですよ。
なぜ今江さんが“核”なのかは私にはまだわかりませんけど、この表紙を見ているとそこに「文化祭」を紐解くヒントが隠されているような気がしてならないんです。
もこっちが「主人公」から「主人公の一員」になったことも含めて、なんとも意味深な表紙だと思いますね。
●特殊モチーフに選ばれたふたつのデザイン
それともうひとつ気になったポイントとして、特殊印刷モチーフがあります。
特殊印刷モチーフに関しては、14巻の「「目線」と「日付」が焦燥感を駆り立てる」中ほどを見ていただきたいんですけど、要は表紙にあしらわれている特殊加工の一種でその巻を象徴するアイテムがモチーフになっているものなんですね。
で、今回選ばれたデザインはかなり意外なものでした。
ひとつは「CITY」、もうひとつは「HAPPY」。
勘のいい人はこれだけでもうおわかりでしょう。
そう、「CITY」は、台風の夜にゆりちゃんが借りた
このダサTですねw
一方の「HAPPY」は、ネモとのお泊り会でもこっちがシャワー後に着た
これ。
どちらも入浴後というのが面白いですよねw
この二つが選ばれた理由としては、「ドライブ編」を表紙絵にした手前、「ネモ編」と「台風編」にもちゃんと出番を用意しておこうという意向があったのかなとは思いますが、あえてTシャツの絵柄を選んだところになんだか趣を感じます。
ていうか、こうしてみるとデザイン自体なんだか通じるものがあるんですよ。もしかすると、同じメーカーのシリーズなのかな?w
もこっちは他にも「COUNTRY」というTシャツも着ていましたし(コミックス2巻;喪17「モテないし握手会に行く」参照)、たぶんこのシリーズのファンなんだと思うw
まあそれはさておき、意外なところでネモ編とゆりちゃん編がつながっている感じがなんかいいですよね。
19巻を彩るモチーフとしてふさわしいものだったと思います。
●重厚感があるのにバラエティに富んでいる
冒頭でも述べましたが、今回は「長い」と思った回はありませんでした。
もちろん全体を通して読み応えたっぷりでしたし、重厚感すらあったのですが、なぜか読み疲れるということはなかったんです。
考えてみれば不思議ですよね。ボリュームからすれば今までで一番あったわけですから。
前編後編に分かれていた3つの話がひとつとなり、収録数も「8話」です。
必然的に一話におけるページ数も増えているわけで、物理的にはもっとも長く感じなければおかしいはずです。
我ながら謎だなと思っていたのですが、こういう時はむしろ逆に考えた方が簡単に答えが見つかるんですよね。
つまり、逆に18巻、特に喪175の時はなんで「長い」と感じたかを検証してみることです。
これに関しては、自分の前回の感想を読んですぐに諒解しました。
つまり、「日付をまたいでいた」という点が大きかったんです。喪175は元々前編と後編とでそれぞれ独立した話だったのをつなげたような話でもありましたから、そこに原因があったんです。
しかも夏合宿編というのは他のシリーズと違って、ずっと閉ざされた空間で話が進みますから。受験のための授業というシチュエーションも相まって、どこか息が詰まる感じがあったんだと思います。
それに引き換え、今回。
喪177や喪183、そして喪184にしても全て同じ日の出来事ですからね。(正確には喪183は一夜明けてるけど)
それと、場面がけっこう変わるんですよ。コミケ編にしても初芝と出会ったり、コスプレ会場に行ったり、ホテルに行ったり。
ドライブはもちろんのこと、ゆりちゃんと台風にしても、コンビニ行ったり、家族と食事をしたり、いろんな映画やアニメを見たりと、実に充実した一日を送ってますからw
なんていうか、全体的に開放感があったんです。
それが結果として、重厚感があるのにバラエティに富んでいるという感想にもつながったような気がします。
そもそも、元々の前後編ものがイレギュラーな存在だったんですよ。
特に喪177前編のぶつ切り感はすごかったですからね。
コマ切れだったものを本来の形にしたと考えれば、長いなんて感じるわけがないんです。短かったものが普通になっただけなんですから。
●「完成バージョン」を採用した喪184
今回一番気になっていたのは、喪184をどう収録してくるかでした。
というのも、この回は前編後編に分かれていたのにもかかわらず、どちらにも「表紙」がついていたんですね。
これまでの法則からすれば間違いなく単行本では一つにまとまるだろうけど、その際、果たしてこの二つの表紙がどうなるのか。それが最大の心配事でもありました。
一つの話に表紙が二つあるというのもおかしな話ですが、できればどちらの表紙も残してほしいですからね。
なんとか特例として載せてくれないかなあと思っていたわけです。
結果として、私の願いが叶うことはありませんでした。
喪184はひとつの話としてまとまり、表紙も冒頭に一つだけとなっています。
正直、少しがっかりしたことは否めませんが、それとは別になるほどと合点したところもあるんですよ。
というのも、採用されたのは「(後編)の表紙」なんですよね。つまり、風夏、麗奈、宮崎さん、そしてもこっちの「初期バージョン」ではなくって、「完成バージョン」を採用したということなんです。
意外ではありましたけど、これには納得せざるを得ませんでした。
考えてみれば、喪177前編も喪183前編も「未完成」ぽい感じがあったじゃないですか。あのぶつ切り感は「完成途中」のものを見せられる感があったんだと思うんですね。
そうなると、喪184前編の表紙もある意味プロトタイプだったとも言えるんですよ。
当初はその“仕掛け”っぷりからしてメタ的な構造を意識してしまったのですが、単に制作工程を見せられたんだと思えば、この構成はむしろ当然ともいえます。
他の喪177や喪183同様、不完全な形のものを単行本に収録する上で作品を完成させたということなのでしょう。
今回収録された「前編後編」は、どれも元々単行本にて完成品とすることを想定して描かれたものと考えたほうがよさそうです。
逆にいえば、その制作過程をリアルタイムで読むことができた読者はある意味幸運だったとも言えるかもしれません。
特に喪184の「初期バージョン」は幻の表紙になったわけで、今となっては貴重ですね。
●わたモテ最後の夏は智貴とともに
さて、恒例となった「偶数ページと奇数ページ」ですが、
今回は前編後編が一つにまとまった関係もあって、意外な構成になってるんですよね。
喪177が奇数+奇数で偶数になり、
喪184も表紙が一つなくなったことによって、偶数になってるんです。(喪183は元々偶数+偶数)
これにより8話中5話が偶数になり、右ページ終わりが増えているんですよ。
しかもその構成の分布が随分かたよっていて、最初の喪177が偶数、喪178から喪180までが奇数、そして喪181から喪184までずっと偶数になってるんですね。
率直に言って、この構成はかなり意外でした。
ネモ編、黒木姉弟回を挟んで、ドライブ、台風、そして新学期と流れるわけですから、むしろネモ編でいったん右終わりのブランク2ページが入るようなイメージがあったんです。
その後のドライブ、台風、新学期にブランク2ページが入るのもなんだか不思議な感覚がありました。
でもよくよく考えてみると、この方がいいですね。
特にドライブ2編は間にブランク2ページが入ったほうが深みが増して味わいがあります。
喪182の「モテないし夏果と海」はあれでひとつの「短編映画」にもなっているわけで、変に前後の話と繋げない方がいいでしょう。
面白いのは、ネモ編がお泊り会になってから智貴との夏の思い出までずっとブランク1Pの左終わりということですね。
つまり、ここでいったん「夏休み」が終わったようにも受け取れるんですよ。
次からは、「映画」の話が具体的に動き始めますからね。
わたモテが古き良き時代だった最後の証ともいえるのがこの喪180なんです。
ネモ編とドライブ編・台風編に挟まれて、少し地味な印象もある喪180「モテないし飲む」ですけど、こここそが19巻の要であると私は確信しています。
●雰囲気に魅かれた特典2つ
さて、そろそろ各ショップの特典を見ていきましょうか。(すでに配布は終了している場合があります)
今回もかなりすごくわかりやすいラインナップになってますね。
ネモクロ、ゆりもこ、ヤンキードライブ、そして風夏と、順序良く選んでいる感じがあります。
そして、今回のデジタル版の特典(今回は残念ながら1種類のようです)は
これ。
本当、今江さんを推してきますw
今回もどれにするか相当悩んだのですが、最終的には
この二つにしました。
まあ左の虎の穴さんはわかりますよね。ちびキャラは私の必須アイテムですからw
どことなくアメコミっぽい雰囲気もあって、かなり気に入っています。
16巻の特典だった、吉田さんとの二人乗りをもなんとなく彷彿とさせるものがありますし。
右のゲーマーズさんにしたのはやっぱりこの二人の雰囲気に魅かれたのと、谷川ニコさんのサインがしっかり入ってるところです。
そう、なぜかこの二つだけサインを入れているんですよ。なんかお得な感じがしません?
臨場感というか、イベントを共有したような気持ちになれるような気がするんですよね。まあもちろん気のせいなんですがw
それと、今回もデジタル版を購入しました。今回は1種類ですし、めったにない今江さんがイラストですしね。
ネモクロと風夏も欲しかったですが、そこは自戒。
どちらもなんとなく「ブロマイド」っぽくって、なんか作ってる感があったのも今回見送った原因のひとつかもしれませんw
最後は、恒例の単行本のネタチェックですが……
その前に
この話題に触れておかないわけにはいかないでしょう。
なんと18巻に続き、記念すべき20巻目でも「小冊子付き特装版」の制作がされることが決定されました!
いやあ、うれしいですね。
18巻の特装版の出来がかなりよかっただけに期待してしまいます。
今から9か月後のわたモテがどんな世界になっているかは想像もつきませんが、前回以上の内容をお願いしたいものです。その頃の交遊録はいったいどんな風になってるのかな?(「もっこり!?ほっこり」が若干気になりますが…)
さて、改めて裏表紙。
正直、今回のネタはイマイチでしたね。
ていうか、はっきり言って本編のク●ニネタの流用じゃないですか。
かつてのもこっちの「理想と現実」と比べると、どうしても物足りなさを感じてしまうんですよね。
むしろこれだと「理想」のほうが面白いw
「やさしそう」ってなんだよw 犬に対する褒め言葉じゃないだろw
かしこそうとかならわかるけどw
なんか友達が見せてくれた微妙な感じの彼氏への褒め言葉みたいですよねw
特別編10の「でも優しそうなひとだよねー」をちょっと思い出しましたw
今回の巻末おまけマンガは「喪183おまけ」と「喪184おまけ」。
なんとどちらも2Pもので、計4ページとの大盤振る舞い!
しかもどちらも過去最高といっていいレベルの面白さなんですよ。
特に「喪183おまけ」は本編以上に笑った!
実はこれには喪177も前フリとしてあるんですけど、このおまけのためにあの回はあったのか!と思わせるものがありました。
当時はエロネタがちょっと胸やけする感じもあったんですけど、今回のおまけでそれも吹っ切れましたね。
ここへのネタふりとするならさすがとしかいいようがありません!
しっかし、ゆりちゃんってば、本当にもう…w
「あとがき」も2本立てになっていました。
これまたどちらもなかなか深いというか、ネタではあるものの興味深い内容になっていたと思います。
確かにツ●ッターでそれは痛い…w(つーか、昔からあれ不思議に思ってたんだよなあ)
まあとにかく、ちゃんと「シロイハル」について言及してくれたのがすごくうれしかったです!
カバー裏イラストは納得のチョイス。あの二人は、喪184のあの後のワンショットかな?
もう一人はなんだかかっこいいなあと思ってしまいましたね。彼も文化祭で活躍してほしいなあ…
あともう一つ、「中表紙」が実に素晴らしかった!
…と、同時になんだか意味深なんですよね。
おそらく台風一過の後の一場面だと思うんですけど、朝なのか昼なのかが微妙なところなんですよ。
外が明るいようなので、ゆりちゃんを送った後なのかもしれませんが……
なんとも想像力を駆り立てる一枚になっていると思うので、是非こちらもチェックしてみてくださいね。
19巻を読むにあたって最初に抱いていたイメージとしては、もっとがっつり「映画」へと進む流れで統一されていました。
ネモ編を通し創作することへの意識が高まって「文化祭」で何かやろうとなり、ドライブ編で今江さんから助言をもらい、台風編で「ネタ」を思いつき、そして新学期を迎える…みたいな。
ところが実際に通して読んでみると、それほどでもないんですよね。
けっこうそれ以外の要素も多くて、思ったほど「大長編」という印象がないんです。
もちろん「大きな物語」はずっと続いているんですけど、少し余裕が出てきたかなと思いました。
それはやはり、喪180の存在が大きかったんだと思います。
あの何気ない黒木姉弟のエピソードが入ることで、わたモテ全体に「うるおい」を感じたんですよね。
だから「映画」の話で物語が休まずに進んでいても、ネモの前向きさや吉田さんのぼんやりした不安、ゆりちゃんと一緒に感じた終末感もちゃんと読者に伝わるんです。そこにやっぱり、ほっとさせられるものがあるんですね。
ほら、今回はただでさえ変な下ネタが多いじゃないですかw
ネモ編にしてもドライブ編にしても、最後の風夏との対決にしてもw
なんだかお腹いっぱいになってしまうんですよ。
だからよけいに、もこっちと智くんの、あの他愛もないドカコーラエピソードが一服の清涼剤として機能したんだと思います。
今回を持って、わたモテにおける最後の夏は終わりました。
あとは大学合格、そして卒業と進んでいくだけです。
いわば、私たちが知っている「わたモテ」はここまでとも言えます。
ここからは、まったく未知なるわたモテへと突き進んでいくことでしょう。
そこに行きつく前に、彼女たちとこの最後の夏を一緒に過ごせた幸せを今はただ噛みしめていたいと思います。
喪180がぶっちぎりの1位で、同率2位が喪184と喪182、その後に喪183といった感じでしょうか。(あれ、ネモがいない…)
喪177「モテないしまずは夏コミに行く(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-355.html
喪177「モテないしまずは夏コミに行く(後編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-358.html
喪178「モテないしお泊まり会してアニメを観る」
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喪179「モテないし演技する」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-364.html
喪180「モテないし飲む」
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喪181「モテないしドライブする」
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喪182「モテないし夏果と海」
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喪183「モテないし台風が来る(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-374.html
喪183「モテないし台風が来る(後編)」
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喪184「モテないし学校が始まった(前編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-380.html
喪184「モテないし学校が始まった(後編)」
https://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-381.html
これは今回19巻に収録されているエピソードのリストになるわけですが、見ていて皆さん何か気づいたことはありませんでしょうか。
そう、実際の収録話よりも随分数が多いですよね。
それもそのはず、実際の19巻はなんと「8話」なんです。これはわたモテ史上もっとも少ない収録数になります。
それなのに、なぜリストアップするとこんな数になるかといえば答えは簡単、前編後編に分かれている回が3つもあるからなんですね。
これまたわたモテ史上初めてのことになります。
要するに、ふつうの連載物に近い形になったような気がするんですよね。
初出時では「以下次号!」みたいな引きで続いていた話が単行本ではひとつにまとまるような。
一話完結のギャグ作品からいよいよ本格的な“物語”としてシフトしてきたなと、実感せざるを得ない構成になっていたと思います。
実際に、今回は読み応えたっぷりというかボリューム感がありました。
ただ、意外とダレる感じはなかったんですよね。
18巻の時は喪175を読んでいて「長いな」と思ってしまったものでしたが、今回はそれがまったくなかったんです。
むしろ、バラエティに富んでいて飽きさせないとすら思いました。
というわけで遅くなりましたが、今回も19巻の感想を綴っていこうと思います。よければお付き合いのほどを。
●もしかすると表紙にも「物語」が存在する?

まずはいつものように、表紙から見てまいりましょう。
今回の表紙も前回ほどではありませんが、なかなか衝撃的だと思うんですよね。
一見すると、いつもの賑やかな感じに戻ったかのように見えますが、どこか違和感を覚えます。
それはどこからくるのかと考えてみると、なんだかもこっちが「グループの一員」になっているように見えるからなんですよ。
こういう「グループ」表紙は13巻や14巻でもありましたが、あくまで「黒木智子とゆかいな仲間たち」という構図だったんですよね。中心には必ずもこっちがそこにいたんです。
ところがどうでしょう、今回の“グループ”はまるで杏奈姉さんをリーダーとする「杏奈組」みたいな様相じゃないですかw
サイドを固める吉田さんと麗奈のほうがむしろ扱いが大きいですし、インパクトとしても二木さんに負けてる感が否めません。ていうか、杏奈姉さんのこの存在感は一体なんなんだw 扱いとしては一番小さいのに、むしろ「主人公」オーラがあるぞw
もこっちがなんだか「主人公の一人」となったような感じを受けたんですよね。
18巻の表紙で「独り立ち」をした彼女が、逆に輪の中に自ら飛び込んでいくみたいな。
そう考えてみると、3年生編になってからの表紙には背景としてストーリーがあるような気もします。
13巻・14巻では、突然変わり出した周りの環境にひたすら戸惑うばかりだったのが、15巻・16巻で自分に対して悩むようになり、17巻・18巻でついにはじけて(笑)、19巻でヤンキー街道まっしぐらみたいなw
…まあこれは冗談ですけど、ここ最近の表紙を眺めていると、なんとなくもこっちの心の道筋を辿るような気持ちになったのは確かです。
実際、わたモテがどういう作品か知らない人が表紙だけ見ると、16巻で急に病みだして18巻で吹っ切れて19巻でヤンキーに弟子入りしたのかと思うんじゃないでしょうかw
●なぜかここに来ての今江さん推し
それとは別に、もうひとつ私が意外に感じたことがありました。
今回は“核”となるモチーフは
喪177から喪179の「ネモ編」
喪181・182の「ドライブ編」
喪183の「台風編」
の3つだったと思うんですけど、表紙に選ばれる可能性があるものとして「ネモ編」>「台風編」>「ドライブ編」という予想だったんですよ。ヤンキードライブはあまり想定してなかったんです。
というのも、16巻でヤンキーグループをすでにとりあげているじゃないですか。なので、ここで再び登場するとは考えていなかったんですね。話の重要性的にもネモやゆりちゃんのほうが大きいような気がしていましたし。
いったいなんでなんだろうと今回の表紙を眺めながら考えていたんですけど、ふと意外なところに目が行きました。

これは販促帯をとったところなんですけど、バックの抜粋シーンを見てなにか気づきませんでしょうか。
そう、ネモや風夏、そしてゆりちゃんはなぜか帯の下に隠されているんですよ。
その代わり、上部で目立つように2つも「今江さん」が選ばれているんです。
その他、実は裏表紙のネタも今江さんなんですよね。今回はなぜか今江さん推しの印象があるんです。
ドライブ編当時、私は今江さん再登場に関して微妙な気持ちを抱いていました。
14巻のおまけならともかく、本編に再び彼女を登場させることに対して複雑な思いだったのは事実です。
ただ、この表紙の構成を見ていると、むしろ谷川さん的には「今江さんと再会したこと」が19巻における一番の“核”と考えているのかなと思えてきたんですよ。
なぜ今江さんが“核”なのかは私にはまだわかりませんけど、この表紙を見ているとそこに「文化祭」を紐解くヒントが隠されているような気がしてならないんです。
もこっちが「主人公」から「主人公の一員」になったことも含めて、なんとも意味深な表紙だと思いますね。
●特殊モチーフに選ばれたふたつのデザイン
それともうひとつ気になったポイントとして、特殊印刷モチーフがあります。
特殊印刷モチーフに関しては、14巻の「「目線」と「日付」が焦燥感を駆り立てる」中ほどを見ていただきたいんですけど、要は表紙にあしらわれている特殊加工の一種でその巻を象徴するアイテムがモチーフになっているものなんですね。
で、今回選ばれたデザインはかなり意外なものでした。
ひとつは「CITY」、もうひとつは「HAPPY」。
勘のいい人はこれだけでもうおわかりでしょう。
そう、「CITY」は、台風の夜にゆりちゃんが借りた

このダサTですねw
一方の「HAPPY」は、ネモとのお泊り会でもこっちがシャワー後に着た

これ。
どちらも入浴後というのが面白いですよねw
この二つが選ばれた理由としては、「ドライブ編」を表紙絵にした手前、「ネモ編」と「台風編」にもちゃんと出番を用意しておこうという意向があったのかなとは思いますが、あえてTシャツの絵柄を選んだところになんだか趣を感じます。
ていうか、こうしてみるとデザイン自体なんだか通じるものがあるんですよ。もしかすると、同じメーカーのシリーズなのかな?w
もこっちは他にも「COUNTRY」というTシャツも着ていましたし(コミックス2巻;喪17「モテないし握手会に行く」参照)、たぶんこのシリーズのファンなんだと思うw
まあそれはさておき、意外なところでネモ編とゆりちゃん編がつながっている感じがなんかいいですよね。
19巻を彩るモチーフとしてふさわしいものだったと思います。
●重厚感があるのにバラエティに富んでいる
冒頭でも述べましたが、今回は「長い」と思った回はありませんでした。
もちろん全体を通して読み応えたっぷりでしたし、重厚感すらあったのですが、なぜか読み疲れるということはなかったんです。
考えてみれば不思議ですよね。ボリュームからすれば今までで一番あったわけですから。
前編後編に分かれていた3つの話がひとつとなり、収録数も「8話」です。
必然的に一話におけるページ数も増えているわけで、物理的にはもっとも長く感じなければおかしいはずです。
我ながら謎だなと思っていたのですが、こういう時はむしろ逆に考えた方が簡単に答えが見つかるんですよね。
つまり、逆に18巻、特に喪175の時はなんで「長い」と感じたかを検証してみることです。
これに関しては、自分の前回の感想を読んですぐに諒解しました。
つまり、「日付をまたいでいた」という点が大きかったんです。喪175は元々前編と後編とでそれぞれ独立した話だったのをつなげたような話でもありましたから、そこに原因があったんです。
しかも夏合宿編というのは他のシリーズと違って、ずっと閉ざされた空間で話が進みますから。受験のための授業というシチュエーションも相まって、どこか息が詰まる感じがあったんだと思います。
それに引き換え、今回。
喪177や喪183、そして喪184にしても全て同じ日の出来事ですからね。(正確には喪183は一夜明けてるけど)
それと、場面がけっこう変わるんですよ。コミケ編にしても初芝と出会ったり、コスプレ会場に行ったり、ホテルに行ったり。
ドライブはもちろんのこと、ゆりちゃんと台風にしても、コンビニ行ったり、家族と食事をしたり、いろんな映画やアニメを見たりと、実に充実した一日を送ってますからw
なんていうか、全体的に開放感があったんです。
それが結果として、重厚感があるのにバラエティに富んでいるという感想にもつながったような気がします。
そもそも、元々の前後編ものがイレギュラーな存在だったんですよ。
特に喪177前編のぶつ切り感はすごかったですからね。
コマ切れだったものを本来の形にしたと考えれば、長いなんて感じるわけがないんです。短かったものが普通になっただけなんですから。
●「完成バージョン」を採用した喪184
今回一番気になっていたのは、喪184をどう収録してくるかでした。
というのも、この回は前編後編に分かれていたのにもかかわらず、どちらにも「表紙」がついていたんですね。
これまでの法則からすれば間違いなく単行本では一つにまとまるだろうけど、その際、果たしてこの二つの表紙がどうなるのか。それが最大の心配事でもありました。
一つの話に表紙が二つあるというのもおかしな話ですが、できればどちらの表紙も残してほしいですからね。
なんとか特例として載せてくれないかなあと思っていたわけです。
結果として、私の願いが叶うことはありませんでした。
喪184はひとつの話としてまとまり、表紙も冒頭に一つだけとなっています。
正直、少しがっかりしたことは否めませんが、それとは別になるほどと合点したところもあるんですよ。
というのも、採用されたのは「(後編)の表紙」なんですよね。つまり、風夏、麗奈、宮崎さん、そしてもこっちの「初期バージョン」ではなくって、「完成バージョン」を採用したということなんです。
意外ではありましたけど、これには納得せざるを得ませんでした。
考えてみれば、喪177前編も喪183前編も「未完成」ぽい感じがあったじゃないですか。あのぶつ切り感は「完成途中」のものを見せられる感があったんだと思うんですね。
そうなると、喪184前編の表紙もある意味プロトタイプだったとも言えるんですよ。
当初はその“仕掛け”っぷりからしてメタ的な構造を意識してしまったのですが、単に制作工程を見せられたんだと思えば、この構成はむしろ当然ともいえます。
他の喪177や喪183同様、不完全な形のものを単行本に収録する上で作品を完成させたということなのでしょう。
今回収録された「前編後編」は、どれも元々単行本にて完成品とすることを想定して描かれたものと考えたほうがよさそうです。
逆にいえば、その制作過程をリアルタイムで読むことができた読者はある意味幸運だったとも言えるかもしれません。
特に喪184の「初期バージョン」は幻の表紙になったわけで、今となっては貴重ですね。
●わたモテ最後の夏は智貴とともに
さて、恒例となった「偶数ページと奇数ページ」ですが、
今回は前編後編が一つにまとまった関係もあって、意外な構成になってるんですよね。
喪177が奇数+奇数で偶数になり、
喪184も表紙が一つなくなったことによって、偶数になってるんです。(喪183は元々偶数+偶数)
これにより8話中5話が偶数になり、右ページ終わりが増えているんですよ。
しかもその構成の分布が随分かたよっていて、最初の喪177が偶数、喪178から喪180までが奇数、そして喪181から喪184までずっと偶数になってるんですね。
率直に言って、この構成はかなり意外でした。
ネモ編、黒木姉弟回を挟んで、ドライブ、台風、そして新学期と流れるわけですから、むしろネモ編でいったん右終わりのブランク2ページが入るようなイメージがあったんです。
その後のドライブ、台風、新学期にブランク2ページが入るのもなんだか不思議な感覚がありました。
でもよくよく考えてみると、この方がいいですね。
特にドライブ2編は間にブランク2ページが入ったほうが深みが増して味わいがあります。
喪182の「モテないし夏果と海」はあれでひとつの「短編映画」にもなっているわけで、変に前後の話と繋げない方がいいでしょう。
面白いのは、ネモ編がお泊り会になってから智貴との夏の思い出までずっとブランク1Pの左終わりということですね。
つまり、ここでいったん「夏休み」が終わったようにも受け取れるんですよ。
次からは、「映画」の話が具体的に動き始めますからね。
わたモテが古き良き時代だった最後の証ともいえるのがこの喪180なんです。
ネモ編とドライブ編・台風編に挟まれて、少し地味な印象もある喪180「モテないし飲む」ですけど、こここそが19巻の要であると私は確信しています。
●雰囲気に魅かれた特典2つ
さて、そろそろ各ショップの特典を見ていきましょうか。(すでに配布は終了している場合があります)




今回もかなりすごくわかりやすいラインナップになってますね。
ネモクロ、ゆりもこ、ヤンキードライブ、そして風夏と、順序良く選んでいる感じがあります。
そして、今回のデジタル版の特典(今回は残念ながら1種類のようです)は

これ。
本当、今江さんを推してきますw
今回もどれにするか相当悩んだのですが、最終的には


この二つにしました。
まあ左の虎の穴さんはわかりますよね。ちびキャラは私の必須アイテムですからw
どことなくアメコミっぽい雰囲気もあって、かなり気に入っています。
16巻の特典だった、吉田さんとの二人乗りをもなんとなく彷彿とさせるものがありますし。
右のゲーマーズさんにしたのはやっぱりこの二人の雰囲気に魅かれたのと、谷川ニコさんのサインがしっかり入ってるところです。
そう、なぜかこの二つだけサインを入れているんですよ。なんかお得な感じがしません?
臨場感というか、イベントを共有したような気持ちになれるような気がするんですよね。まあもちろん気のせいなんですがw
それと、今回もデジタル版を購入しました。今回は1種類ですし、めったにない今江さんがイラストですしね。
ネモクロと風夏も欲しかったですが、そこは自戒。
どちらもなんとなく「ブロマイド」っぽくって、なんか作ってる感があったのも今回見送った原因のひとつかもしれませんw
最後は、恒例の単行本のネタチェックですが……
その前に

この話題に触れておかないわけにはいかないでしょう。
なんと18巻に続き、記念すべき20巻目でも「小冊子付き特装版」の制作がされることが決定されました!
いやあ、うれしいですね。
18巻の特装版の出来がかなりよかっただけに期待してしまいます。
今から9か月後のわたモテがどんな世界になっているかは想像もつきませんが、前回以上の内容をお願いしたいものです。その頃の交遊録はいったいどんな風になってるのかな?(「もっこり!?ほっこり」が若干気になりますが…)
さて、改めて裏表紙。

正直、今回のネタはイマイチでしたね。
ていうか、はっきり言って本編のク●ニネタの流用じゃないですか。
かつてのもこっちの「理想と現実」と比べると、どうしても物足りなさを感じてしまうんですよね。
むしろこれだと「理想」のほうが面白いw
「やさしそう」ってなんだよw 犬に対する褒め言葉じゃないだろw
かしこそうとかならわかるけどw
なんか友達が見せてくれた微妙な感じの彼氏への褒め言葉みたいですよねw
特別編10の「でも優しそうなひとだよねー」をちょっと思い出しましたw
今回の巻末おまけマンガは「喪183おまけ」と「喪184おまけ」。
なんとどちらも2Pもので、計4ページとの大盤振る舞い!
しかもどちらも過去最高といっていいレベルの面白さなんですよ。
特に「喪183おまけ」は本編以上に笑った!
実はこれには喪177も前フリとしてあるんですけど、このおまけのためにあの回はあったのか!と思わせるものがありました。
当時はエロネタがちょっと胸やけする感じもあったんですけど、今回のおまけでそれも吹っ切れましたね。
ここへのネタふりとするならさすがとしかいいようがありません!
しっかし、ゆりちゃんってば、本当にもう…w
「あとがき」も2本立てになっていました。
これまたどちらもなかなか深いというか、ネタではあるものの興味深い内容になっていたと思います。
確かにツ●ッターでそれは痛い…w(つーか、昔からあれ不思議に思ってたんだよなあ)
まあとにかく、ちゃんと「シロイハル」について言及してくれたのがすごくうれしかったです!
カバー裏イラストは納得のチョイス。あの二人は、喪184のあの後のワンショットかな?
もう一人はなんだかかっこいいなあと思ってしまいましたね。彼も文化祭で活躍してほしいなあ…
あともう一つ、「中表紙」が実に素晴らしかった!
…と、同時になんだか意味深なんですよね。
おそらく台風一過の後の一場面だと思うんですけど、朝なのか昼なのかが微妙なところなんですよ。
外が明るいようなので、ゆりちゃんを送った後なのかもしれませんが……
なんとも想像力を駆り立てる一枚になっていると思うので、是非こちらもチェックしてみてくださいね。
19巻を読むにあたって最初に抱いていたイメージとしては、もっとがっつり「映画」へと進む流れで統一されていました。
ネモ編を通し創作することへの意識が高まって「文化祭」で何かやろうとなり、ドライブ編で今江さんから助言をもらい、台風編で「ネタ」を思いつき、そして新学期を迎える…みたいな。
ところが実際に通して読んでみると、それほどでもないんですよね。
けっこうそれ以外の要素も多くて、思ったほど「大長編」という印象がないんです。
もちろん「大きな物語」はずっと続いているんですけど、少し余裕が出てきたかなと思いました。
それはやはり、喪180の存在が大きかったんだと思います。
あの何気ない黒木姉弟のエピソードが入ることで、わたモテ全体に「うるおい」を感じたんですよね。
だから「映画」の話で物語が休まずに進んでいても、ネモの前向きさや吉田さんのぼんやりした不安、ゆりちゃんと一緒に感じた終末感もちゃんと読者に伝わるんです。そこにやっぱり、ほっとさせられるものがあるんですね。
ほら、今回はただでさえ変な下ネタが多いじゃないですかw
ネモ編にしてもドライブ編にしても、最後の風夏との対決にしてもw
なんだかお腹いっぱいになってしまうんですよ。
だからよけいに、もこっちと智くんの、あの他愛もないドカコーラエピソードが一服の清涼剤として機能したんだと思います。
今回を持って、わたモテにおける最後の夏は終わりました。
あとは大学合格、そして卒業と進んでいくだけです。
いわば、私たちが知っている「わたモテ」はここまでとも言えます。
ここからは、まったく未知なるわたモテへと突き進んでいくことでしょう。
そこに行きつく前に、彼女たちとこの最後の夏を一緒に過ごせた幸せを今はただ噛みしめていたいと思います。
喪180がぶっちぎりの1位で、同率2位が喪184と喪182、その後に喪183といった感じでしょうか。(あれ、ネモがいない…)
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