私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪183(後編)~それはまるでジグソーパズルのような~
11月19日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」がブラウザ版で喪183(後編)に更新されました。
今回は「後編」というより、まんま「続き」と言った方が正しいですね。
何しろ、喪183(後編)と銘打っているのはトップページのサムネの隣だけで、本編ではタイトルはおろか作者名も一切入ってないという徹底ぶりです。これはまさに前回からそのまま続けて読んで欲しいという気持ちの表れでしょう。
というわけで、こちらもよけいな前置きはなしでいきたいと思います。
それではさっそく見てまいりましょう!
最初の一コマから完全に前回からの「続き」ですよね。これをもう読んでしまうと、あの“オチ”がどうしてもオチとは思えなくなりますw
ていうか、いきなり「まぁいいや」と言われてもw 完全に会話の途中じゃねーかw
そういえば前回、「映画と勉強にはおやつ必要」とか言ってましたね。
もはや単なるお泊り会と化してる気がしますがw でもこういう買い出しの時間がまたすごく楽しいというかなんだかワクワクするものなんですよね。大人になるとこういう気持ちも忘れるからなあ…学生時代に一緒に過ごす夜って、なんであんなにテンションがあがるんでしょう。なんか思い出したら涙が出てきた…w
もこっち的にはたぶん、自分の好きな映画も一緒に観たいんでしょう。
そして、ああだこうだ色々言い合いたいんだと思います。
そんなちょっと浮かれた気分がおやつを選ぶ姿に滲み出ていて、なんだかいじらしくすら感じますw
糖分と塩分って何の話かと思いきや、勉強は頭を使うから糖分、映画は涙を流すから塩分が不足するということなんでしょうかw バランスはともかく、「センス」を要求する辺りがもこっちらしいw
ていうか、その手に持ったチョコポッキーは果たしてセンスがいいのかw(いや、チョコポッキーをバカにしてるわけじゃなくって、むしろ大好きですがw)
さて、そんなもこっちの無茶ぶりにゆりちゃんはいったい何を選ぶのでしょうか……
WWWWWこれは確かに斜め上www
ていうか、けっこう渋めのお弁当がお好みなんですねw 定番の卵焼きとサバもいいですが、ご飯の上にキノコがのっているのがポイント高いw
いやしかし、このズレっぷりはすごい。自分が出すからって、そういうことかよw
ゆりちゃんなりの気遣いなんでしょうけど、どう考えてもコンビニ弁当持参で泊まりに来られる方が対処に困るだろw
WWWWWなんだ、この光景はwww
人んちでぬいぐるみに囲まれて弁当食ってるってw それこそ、こっちが気になって夕食食えなくなるわw
というか、よその家の食卓は緊張するというのはわかりますけど、普通はこっちの方がよけい落ち着かなくなると思うんだが……
「もぐ…もぐ…」が妙におかしいですねw
その“…”はいったいなんなんだよw
何か含んだ意味がありそうで怖いわw
もこっちのツッコミがまた実にうまくハマってますよね。
ゆりもこって、けっこういい漫才コンビになりそうw
もこっちの目が限りなく優しい。(今回の個人的ベストもこっち)
語り方もなんだか大人っぽく聞こえますね。
実際、もこっちはゆりちゃんのこういう気の遣いようがわかってしまうからこそ、「そこは我慢してよ」と言うしかないんです。
本当はゆりちゃんが「嫌ではない」ことも理解してるんだと思います。
だって、もこっちが人の家族と飯を食うのが「嫌」なのも同じような理由だから。
なんてことない場面のように見えますけど、お互いの心の襞に触れるか触れないかの繊細な描写が染みてくるいいシーンですよね。
ここもすごく好き。あえて後ろ姿しか見せないところが最高にしびれます。
台風の真っただ中に飛び込む決意。
そして前回の「表紙」へと、繋がっていくわけです。
こういうカメラワークって、すごく映画的だなあと思います。
場面転換を映像の切り替えで見せるというだけではなく、描いていない場面を想像させる効果があるんです。
多くを語らなくても、びしょぬれになった靴とシャワーが台風の激しさをちゃんと教えてくれますからね。
今回のベストシーンに選ぼうかと少し考えたくらい、すごく印象的なシーンです。
さりげなく、しょぼーんに手をやってる仕草になんかグッときてしまうw
それはともかく、もこっちが言いたいのってバスト的なあれのことをおっしゃってるんですかね?
まあそうでなくても、背丈的なこともあるからなあw
意外とそういうことを気にしてるのが逆に微笑ましいです。
WWWWWそこ、あえて言いますかw
ていうか、これはゆりちゃんなりのジョークのつもりなんだろうかw
天然かどうかはともかく、やっぱり漫才っぽいw
ところで、これはネタバレなし感想の時にアルさんのコメントで教えてもらったことなのですが、このゆりちゃんが着てるダサTシャツって喪14「モテないし見栄をはる」(コミックス2巻所収)でもこっちが着ていたやつなんですね。
そう、きーちゃんが遊びにくるというので、鏡を見つつ「こんなくそダサイ服着て…」と己の姿を省みている回ですw
まさか、ここでそんなネタを回収してくるとは普通考えもしないでしょw
こういうことを仕掛けてくるから、わたモテはやめられないんだよなあ。
…しかし、ダサイと言いながらもまだ持っていたとはw(しかもそれをお客さんに出してしまうしw)
WWWあ、ボケとツッコミが入れ替わったw
ていうか、毛落ちてんの、やたら気にするな…やっぱり、あの加藤さんが家に来た時のあれが一種のトラウマになってるのかw
WWWWWそりゃ、びっくりするわwww
ていうか、もっさ~ってw
いったいどんな状況だよw逆にホラーかと思うわw(大量の髪の毛が…とか、けっこう怪談の定番ですよね)
ゆりちゃんの「バカじゃない?」も、もはや定番のツッコミの趣を感じますねw
ここのユニゾンがまたなんか心に残るんですよね。
こういうちょっとした動作の積み重ねが、彼女たちを作りあげているんだなと思うと、すごく愛おしく見えます。
そして、同時に口に運ぶとw
雪見大福とピコの位置がさりげなく入れ替わっているところに二人の気持ちが表れているようで、なんだかじんわりくるものがありますね。
ぬいぐるみたちは疲れて眠ってしまっているようですがw
冒頭でもこっちが「録画したアニメ」と言っていた作品ですが、どうやら「心が叫びたがってるんだ。」という作品のようですね。ざっくりと調べたら、本当にこのナレーションのとおりに「女の子がお山の上にあるお城(ラブホ)に憧れていた」という話でびっくりしました。
いやあてっきり、喪181「モテないしドライブする」の吉田さんがらみのネタかと思ってましたよ。
「吉田さんが主人公のアニメかよwww」と的外れなツッコミを入れてしまうところでした。危ない、危ないw
でもこの「心が叫びたがってるんだ。」(通称ここさけ)をもこっちが好きなのはなんとなくわかりますね。
ある種の呪縛に囚われた女の子がいろんな困難を乗り越えて仲間たちとなにかを築き上げる物語に、何かしら自分の姿を投影してしまう面もあるのでしょう。
そんな中、外ではますます雨風が強くなっているようですね。疑似的な閉鎖空間がより彼女たちを物語の世界に誘っているかのようです。
見終わった後の二人。なんとも対照的ですが、お互いしばらく無言。どちらもそれなりに映画に入り込んでいたようです。
とくにゆりちゃんは何か思うことがあるようですね。
「クラスでミュージカルをやる話」。
そこに今回の文化祭の件を結び付けてしまうのは、まあ当然でしょう。
おまけに、前回ゆりちゃんが持ってきた「ダンサーインザダーク」もミュージカルですしねw
もこっちに「青春してたしゆりちゃんにはきつかったでしょ」と言われた日には、ちょっと複雑になってしまうのもわかります。
「別に まぁまぁ面白かったよ」という返しにその辺の気持ちがよく表れているなと思いますね。
もこっちのダルそうな感じが、すべてを言い表しているような気がします。
ああいう青春ものに憧れはするけど、実際はなんとなく体のいい感じで流されてしまうこともわかってる。それ自体は別に悪いとも思っていないし、それもまた私たちの青春であるんだろうとも思う。でも、あの画面の向こう側の世界に憧れる気持ちも確かにあるんだ…
曇りガラスの向こう側にあるようなぼんやりとした淡い青春像は、そんなもこっちの”妥協”を象徴しているものなのかもしれません。
WWWWW激やきそばwww
うまがないなら、単なる劇薬だぞw
口にしなくてもそばにいるだけで目がやられるって、いったい何がはいってんだ…
ていうか、誰か身を挺して止める奴はいなかったのかw後ろの彼氏はいったい何をしてるwさりげなく煙をよけてんじゃねーw
いやあ、この垂れ幕はちょっと問題ありですねw「激うま」と縦読みさせる意図を感じるw
ていうか、「うまたこ焼き」の吉田さんもどうかとは思うがw なんでさらし姿なんだよw
でもまあ、まこっちがすごく楽しそうだからいいかw
もこっちの中でも、よしまこはすでに認定済なのがまた面白いw
まあやっぱり、今回はここが一番笑ったシーンになりますね。
情報量が多すぎて、ちょっと胸やけしそうにはなりますがw
ラフでは二木さんがセンターを陣取っていたのに、夕飯の食卓シーンを入れるために端に追いやられてるのがちょっと不憫w 顔もほとんど隠れちゃってるしw
でも、そんな二木さんの尊い犠牲(?)を伴っても、夕飯のシーンはどうしても入れたかったんでしょうね。
時間の経過がわかりづらい中、いつの間にか夕飯の時間になるまで映画の話をしていたことを谷川さんは欠かすことができないと考えたわけです。
今回のもう一つのハイライトシーンがこれでしょうか。
黒木家の食卓自体がめずらしいですし、そこにゆりちゃんが加わるとなるとますますレア度が高まりますよねw
ゆりちゃんの表情は少し硬いようではありますが、居心地は悪くなさそうです。
緊張するとは言ってましたけど、別に「嫌」ではないんですよね。
お母さんの方もなんだか気を遣っている感じが見ていて微笑ましいw
たぶん、いつもより張り切って奮発したんだろうしw
智くんがじっと目の前の献立を見ているのは、そんなことを感じてるじゃないでしょうかw
でも、やっぱり父親はいないんですね。
まあ日本の平均的な家庭の食卓ならそれが普通なんでしょうけど、できればお父さんの反応も見たかった気はします。
WWWもぐもぐともちゃもちゃのコラボwww
これも一種のユニゾンなのかもw
「もぐ…もぐ…」じゃないのは、みんなと一緒に食卓を囲んでいるせいでしょうか。
会話はなくても、それでも一人だけの食事とはやっぱり違いますよね。
人の家族での食事だと、こういうところに神経を使ってしまうんですよね。
あれ取ってとかそれこっちに回してとか、なかなか言えませんから。
ましてや、ゆりちゃんのことですからうまく気持ちを表に出すのができないでいるわけですが、そこはさすがに智貴ですね、気づいても相手を萎縮させることなく、さりげなく差し出すところがかっこいいです。これは惚れかねないw
まあ、普段からもこっちの相手をしてるわけですから、こういう空気の読み方には長けているんでしょうね。
ゆりちゃんはこういう常識的なやり取りもちゃんとできるんですね。
なにも人と触れ合いたくないと思ってるわけでもないんです。
逆に他人にあれこれ気を遣い過ぎて疲れてしまう面があるのでしょう。感受性が強い子にはありがちなケースだと思います。
だからこそ、こういう愛想笑いもできるわけでw
でもなんだか自然ですよね。肩に力が入った感じがしません。
そんな二人のやり取りを尻目に黙々と食べる黒木姉弟w
まあしかし、普段からこれおいしいねとか言ってる家族もちょっと気持ち悪いですし、これが普通なのかもw
先ほどの激しさもどこへやら、台風も一旦小休止といったところですが、この間をとっかかりにして「夕食時の静けさ」に結びつけるところがゆりちゃんらしいですね。お母さんと社交辞令的な会話を交わしつつも、そんなことを気にしてたのかとw
それはさておき、ぬいぐるみたちも夕食前とは変わっていますね。まさか勝手に動くわけもないでしょうから、時々もこっちたちが位置や姿勢を調整しているのでしょうか。想像するとなんかいいw
なにげに、もこっちのお膝元にしょぼーんが鎮座しているのがまたかわいいですね。
まあ確かに。
何か大きな出来事や節目があったならともかく、日々の日常の中でそんな「家族ごっこ」を演じてるほうが不自然ですよね。
ていうかこの影絵家族、なんか不気味だわwどう考えても不穏な匂いしかしないw
WWWまあ、実際暗かったしw
でも、ゆりちゃんにとってはあれは居心地がよかったんですね。
この「静かな夕食」の話は、先ほどのもこっちが話していた、「けど実際はあんないい感じのトラブル起きないし」につながるような気がします。
ドラマなどで描かれる「家族像」に憧れもあるけど、実際はそんなもんじゃない。でもそれはそれで自分たちのリアルだし、決して悪いものでもない、みたいな。
そういえば、ゆりちゃんは2本用意してきてたんですよね。
ゆりちゃんは前回のことが若干トラウマなのか、「面白いかわからないよ」と予防線を張っていますが、もこっちにしてみればそこはどうでもいいんだと思います。自分だって、先ほどのアニメを「ゆりちゃんにはきつかったでしょ」と言ってたわけですしね。
相手がどういうものを好きなのか、面白いと思ってるのか、そこが知りたいわけですから。
コーラをいきなりドンと用意したのは、そう固いことを言わずにまあ飲めやwみたいな気分なのかもしれませんね。
そうそう、確か「文化祭でバンドやる話」とゆりちゃんも言ってましたよね。
ネモから「打ち合わせ」の話が来たとき、彼女なりに考えたチョイスがこれだったんでしょう。
やっぱり彼女は空気が読めないんじゃなくって、読み過ぎて疲れてしまうタイプなのかなという気がします。
でも話を受けて慌てて用意したわけでもなく、間違いなく彼女のフェイバリットの中にある一本でもあったわけで、そういった意味では、「みんなで観る用」というのは半分自分に対する弁解でもあるのかなとも感じましたね。
プールに一人浮かんでいるのって、映画ではすごく印象的な絵になりますが、実際にはそんなことをやるのはまあないですよね。
それはあくまで作品上の「リアル」であって、現実における「リアル」ではないのですから。
それこそわたモテだったら、「何 あいつ」と変な目で見られるのが「リアル」なわけですw
で、コーラを口にしつつ、「見張っててあげようか?」とクールに返すのもゆりちゃんならばのリアルさですよねw
いやあ、絵になるわあ~
ここは今回で一番心に残ったセリフですね。
いろんな意味で自分にもぐっさり突き刺さった言葉です。
「疑似的に作った青春はちょっと違う」
これが文化祭の映画における大きなテーマになってくるのは間違いないでしょう。
…しかし、こんな重要なことをゲップしながら言うなよ、もこっちw
そんなことも考えつつ映画に入り込んでいるもこっちですが、いつの間にか外の様子が変わりつつあることも気づいていないようです。
ひょっとして、何か思うことがあったのでしょうか。
WWW本当に我を忘れるくらいに没頭していたようですねw
うぉっ!!?ってw
でも、この一連のことが彼女に映画のヒントを与えてくれたような気もします。
これはもうTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の「ライブアライブ」のことですよね。そういえば私も当時聞いたことがあります。
まあここでいう「リンダリンダリンダ」以外にもパロディ満載の作品でもありましたから、真似したというのはちょっと語弊があるような気がしないでもないですがw
それにしても、「ここさけ」「リンダリンダリンダ」ときて「ライブアライブ」とくれば、もう文化祭に映画をやるというのは既成路線になりそうですね。そして、どんな映画になるのかもなんとなく透けて見えてきたような気がします。
この流れは、この二人じゃなければ成立しなかったでしょうね。
そういった意味でも、これこそが台風が運んでくれた「打ち合わせ」だったんだと思います。
そりゃ一応作家だし、映画やマンガもそれなりに一通り見るでしょw
ていうか、君もラノベ作家を夢見る若者だからこの手のものを好きだったりするわけでw
まあ要するに「王道」ってやつです。
それを踏襲しつつも、自分なりのオリジナリティを出していくことが作家に求められているのでしょう。
こうやって、友達と一緒に作品について語ったりするのもむちゃくちゃ「青春」ですよね。
WWWこういうやり取りも青春ならばですねw
視点が窓の外からになっているのもなんだか青春映画っぽい。
まあ実際、死ぬ話が好きというわけではないのでしょう。
それはあくまで結果であって、その中で何を見いだすかということなんでしょうね。
だからゆりちゃんの中では、「ダンサーインザダーク」と「リンダリンダリンダ」がどちらも好きな映画になっているわけです。
そして突然訪れる「閉鎖空間」。
ある意味、これこそ疑似的な終末感ですよね。
さすがにこの中では勉強や映画どころではありません。
すぐ点くんじゃないと言いつつも、なかなか復旧しない現状にしびれを切らしたのか、諦めて横になるもこっち。
こういうちょっとした仕草に、なんだか「リアル」な彼女の青春を感じてしまいます。
隣で寝ていた(?)ぬいぐるみをさっと引き寄せるのも、なんか生身の人間ぽく見えるんですよね。
かわいそうなしょぼーんw
いや逆に、ゆりちゃんの下にひかれて僥倖なのかも?w
この後「台風も終わりだね…」と、少し寂しそうにつぶやいていましたが、その気持ちなんとなくわかりますね。
ピークの後は降りるだけですし、いつだって祭りの後は寂しいものです。
そして、明々後日には学校が待っています。
夏は終わり、文化祭までもうすぐなのです。
この「文化祭に台風」というのは、そんな名残惜しい思いもちょっと混じっているのでしょう。
疑似的な青春はちょっと違っても、やはりそういうむちゃくちゃさを恋い焦がれてしまう気持ちもまた「リアル」なのです。
テーブルに置かれたコーラが、そんな彼女たちのもどかしさにも似た気持ちを代弁しているかのようですね。
この、会話だけで余韻を残す演出がもうたまりませんね。
私もここまで読んできて、もこっちの中に何か見えてきたのはなんとなくわかります。でもそれをうまく言葉にあらわすことはできないんですよね。
それはそのまま、この二人が交わすこの時間だけが知っていることなのかもしれません。
いったいどんな映画を思いついたのか。
今から楽しみですね。
電気が点いたとたん、ノーフェイントで起き上がるゆりちゃんw
横ですやすや眠っている誰かさんの寝顔をずっと見ていたんじゃないかという説もあるようですけど、ここははっきり答えを出すこともないでしょう。
言葉で決めてしまわないほうがいいこともきっとあるのです。
ぬるくて気の抜けたコーラ。
それもまた青春の一ページです。
台風が過ぎ去りつつある、このなんとも中途半端なスキマの時間。
そこにはきっと、こういうぬるさがうまくマッチするんだと思います。
再び勉強を黙々と始める二人。
こうなると、逆になかなか寝付けないものですよね。
言葉を交わすこともなく、お互いが発する音だけが響く時間がとても愛おしく思えてくるのは私だけでしょうか。
…後ろでぬいぐるみが横たわってるのはちょっと怖いけどw
ゆりちゃんの提案でもこっちが好きなアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」を見始めたもこっちたちですが、ここで「God knows...」が流れるのが実にうまいですね。
もちろんこれは、「ライブアライブ」の中に出てくる劇中歌なわけですが、まさに「閉鎖空間」に閉じ込められた二人にとってこれ以上ないテーマソングといえるでしょう。
そして、外はいつの間にか新しい日の訪れを告げているわけです。
台風でびしょぬれになった靴も、もうすっかり乾いています。
彼女たちは朝日を見るために、そこに足を踏み入れる。
そう、台風がもたらした疑似的な終末はこの時終わったのですね。
今回の個人的ベストシーン。
話の中のワンシーンというより、なんだかひとつの絵画を見ているような気持ちにさせられますね。
まるで、街が新たな産声をあげる瞬間を二人で見届けているかのようです。
世界がまた動き出した瞬間ですね。
朝陽を浴びて、二人とも実にいい笑顔をしていますよね。
特にゆりちゃんのこの表情は貴重ですよ。(久々にあげちゃいます、今回のベストゆりちゃん!)
二人で飲む朝のコーヒーはまた格別ですよねw
余ったチョコ系を流しこもうという発想も彼女たちならばの「青春」という気がします。それは他のどの青春ものにもきっとない、彼女たちだけの青春なんだと思います。
ところで、最後の「街の音」がわかりづらいということですけど、私はやっぱりこれは必要な気がします。
まさに疑似的ではない世界の音という感じで、単行本でも何らかの形で残してほしいなと切に思いますね。
ネタバレなし感想でも触れたことですが、セリフが多い割には全体的に静かな印象を抱きました。
それはいわゆる「映画」的な演出が目立ったこともあるでしょう。
台風そのものを描く替わりにびしょぬれになった靴を見せたり、台風情報を伝えることで時間の経過を暗示したり、日の出を見に行く時の足元を見せることで、台風が過ぎ去ったことを強く印象付けたり……
あらゆる場面が何かを語りかけてくるんですよ。でもそれは、「言葉」じゃないんですよね。何かのパーツというか、それだけではあまり意味をなさないんですけど、でも確かにそこにある。そんな感じでしょうか。
それは「映画」という以上に、なんだか「ジグソーパズル」みたいだなと思いました。
ひとつひとつのピースだけでは何が描かれているかよくわかりませんが、すべて組み合わさると大きな絵が見えてくるんです。それはどのピースがひとつ欠けても見えてこない絵なんですね。
今回泣く泣く取り上げなかったコマにもすべて意味があります。ひとつとして無駄なコマなどありません。
一見すると単なる場面転換でも、そこには世界を構築するのに欠かせないものが必ずあるんです。
それこそ、二木さんを隅に寄せても「ご飯出来たから下りてきて」からのグラタンはどうしても描かなければならなかった。
実際、あの夕食のシーンはすごく重要な意味を持っていました。あれがあるからこそ、「疑似的な青春はちょっと違う」に説得力が生まれるわけですから。
また、ゆりちゃんが他人を嫌がってるわけではないということもあれでよくわかりましたよね。それはきっと、文化祭に向けての気持ちにもつながっているはずなんです。その思いが「リンダリンダリンダ」という選択にも表れていたのではないでしょうか。
最初は台風によって打ち合わせが飛ばされたと思っていましたが、こうして見ると映画の話は順調に進んでいるようです。みんなが集まってワイワイやるだけでは、決して進むことはできなかったでしょうね。
「閉鎖空間」の中、二人が交わした言葉の欠片の数々、言葉になる前の心の中に沈んでいるもの、音、光、匂い、ぬくもり、それらが渾然一体となったその先に、彼女たちの「映画」が出来上がるのかなという気がします。
もちろんそれは、二人だけでは完成できません。
パズルが完成するには、まだいくつかのピースが残っているはずです。
夏休みが明けて再び仲間たちと出会うことによって、それは揃うことでしょう。
果たしてどんな絵を私たちに見せてくれるのか、期待は高まる一方ですね。
加藤さんにあの毛を見つけられたのがよっぽどショックだったのか…w
コーラとハルヒとくれば、やっぱりいつかの冬休みですよね!
もこっちが言っていた「体育倉庫」は、喪163で!
思えば、修学旅行から帰ってきてから少しずつ、本当に少しずつ変わっていったのでした。
今回は「後編」というより、まんま「続き」と言った方が正しいですね。
何しろ、喪183(後編)と銘打っているのはトップページのサムネの隣だけで、本編ではタイトルはおろか作者名も一切入ってないという徹底ぶりです。これはまさに前回からそのまま続けて読んで欲しいという気持ちの表れでしょう。
というわけで、こちらもよけいな前置きはなしでいきたいと思います。
それではさっそく見てまいりましょう!

最初の一コマから完全に前回からの「続き」ですよね。これをもう読んでしまうと、あの“オチ”がどうしてもオチとは思えなくなりますw
ていうか、いきなり「まぁいいや」と言われてもw 完全に会話の途中じゃねーかw
そういえば前回、「映画と勉強にはおやつ必要」とか言ってましたね。
もはや単なるお泊り会と化してる気がしますがw でもこういう買い出しの時間がまたすごく楽しいというかなんだかワクワクするものなんですよね。大人になるとこういう気持ちも忘れるからなあ…学生時代に一緒に過ごす夜って、なんであんなにテンションがあがるんでしょう。なんか思い出したら涙が出てきた…w
もこっち的にはたぶん、自分の好きな映画も一緒に観たいんでしょう。
そして、ああだこうだ色々言い合いたいんだと思います。
そんなちょっと浮かれた気分がおやつを選ぶ姿に滲み出ていて、なんだかいじらしくすら感じますw

糖分と塩分って何の話かと思いきや、勉強は頭を使うから糖分、映画は涙を流すから塩分が不足するということなんでしょうかw バランスはともかく、「センス」を要求する辺りがもこっちらしいw
ていうか、その手に持ったチョコポッキーは果たしてセンスがいいのかw(いや、チョコポッキーをバカにしてるわけじゃなくって、むしろ大好きですがw)
さて、そんなもこっちの無茶ぶりにゆりちゃんはいったい何を選ぶのでしょうか……

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ていうか、けっこう渋めのお弁当がお好みなんですねw 定番の卵焼きとサバもいいですが、ご飯の上にキノコがのっているのがポイント高いw
いやしかし、このズレっぷりはすごい。自分が出すからって、そういうことかよw
ゆりちゃんなりの気遣いなんでしょうけど、どう考えてもコンビニ弁当持参で泊まりに来られる方が対処に困るだろw

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人んちでぬいぐるみに囲まれて弁当食ってるってw それこそ、こっちが気になって夕食食えなくなるわw
というか、よその家の食卓は緊張するというのはわかりますけど、普通はこっちの方がよけい落ち着かなくなると思うんだが……
「もぐ…もぐ…」が妙におかしいですねw
その“…”はいったいなんなんだよw
何か含んだ意味がありそうで怖いわw
もこっちのツッコミがまた実にうまくハマってますよね。
ゆりもこって、けっこういい漫才コンビになりそうw

もこっちの目が限りなく優しい。(今回の個人的ベストもこっち)
語り方もなんだか大人っぽく聞こえますね。
実際、もこっちはゆりちゃんのこういう気の遣いようがわかってしまうからこそ、「そこは我慢してよ」と言うしかないんです。
本当はゆりちゃんが「嫌ではない」ことも理解してるんだと思います。
だって、もこっちが人の家族と飯を食うのが「嫌」なのも同じような理由だから。
なんてことない場面のように見えますけど、お互いの心の襞に触れるか触れないかの繊細な描写が染みてくるいいシーンですよね。

ここもすごく好き。あえて後ろ姿しか見せないところが最高にしびれます。
台風の真っただ中に飛び込む決意。
そして前回の「表紙」へと、繋がっていくわけです。

こういうカメラワークって、すごく映画的だなあと思います。
場面転換を映像の切り替えで見せるというだけではなく、描いていない場面を想像させる効果があるんです。
多くを語らなくても、びしょぬれになった靴とシャワーが台風の激しさをちゃんと教えてくれますからね。
今回のベストシーンに選ぼうかと少し考えたくらい、すごく印象的なシーンです。

さりげなく、しょぼーんに手をやってる仕草になんかグッときてしまうw
それはともかく、もこっちが言いたいのってバスト的なあれのことをおっしゃってるんですかね?
まあそうでなくても、背丈的なこともあるからなあw
意外とそういうことを気にしてるのが逆に微笑ましいです。

WWWWWそこ、あえて言いますかw
ていうか、これはゆりちゃんなりのジョークのつもりなんだろうかw
天然かどうかはともかく、やっぱり漫才っぽいw
ところで、これはネタバレなし感想の時にアルさんのコメントで教えてもらったことなのですが、このゆりちゃんが着てるダサTシャツって喪14「モテないし見栄をはる」(コミックス2巻所収)でもこっちが着ていたやつなんですね。
そう、きーちゃんが遊びにくるというので、鏡を見つつ「こんなくそダサイ服着て…」と己の姿を省みている回ですw
まさか、ここでそんなネタを回収してくるとは普通考えもしないでしょw
こういうことを仕掛けてくるから、わたモテはやめられないんだよなあ。
…しかし、ダサイと言いながらもまだ持っていたとはw(しかもそれをお客さんに出してしまうしw)

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ていうか、毛落ちてんの、やたら気にするな…やっぱり、あの加藤さんが家に来た時のあれが一種のトラウマになってるのかw

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ていうか、もっさ~ってw
いったいどんな状況だよw逆にホラーかと思うわw(大量の髪の毛が…とか、けっこう怪談の定番ですよね)
ゆりちゃんの「バカじゃない?」も、もはや定番のツッコミの趣を感じますねw

ここのユニゾンがまたなんか心に残るんですよね。
こういうちょっとした動作の積み重ねが、彼女たちを作りあげているんだなと思うと、すごく愛おしく見えます。

そして、同時に口に運ぶとw
雪見大福とピコの位置がさりげなく入れ替わっているところに二人の気持ちが表れているようで、なんだかじんわりくるものがありますね。
ぬいぐるみたちは疲れて眠ってしまっているようですがw

冒頭でもこっちが「録画したアニメ」と言っていた作品ですが、どうやら「心が叫びたがってるんだ。」という作品のようですね。ざっくりと調べたら、本当にこのナレーションのとおりに「女の子がお山の上にあるお城(ラブホ)に憧れていた」という話でびっくりしました。
いやあてっきり、喪181「モテないしドライブする」の吉田さんがらみのネタかと思ってましたよ。
「吉田さんが主人公のアニメかよwww」と的外れなツッコミを入れてしまうところでした。危ない、危ないw
でもこの「心が叫びたがってるんだ。」(通称ここさけ)をもこっちが好きなのはなんとなくわかりますね。
ある種の呪縛に囚われた女の子がいろんな困難を乗り越えて仲間たちとなにかを築き上げる物語に、何かしら自分の姿を投影してしまう面もあるのでしょう。
そんな中、外ではますます雨風が強くなっているようですね。疑似的な閉鎖空間がより彼女たちを物語の世界に誘っているかのようです。

見終わった後の二人。なんとも対照的ですが、お互いしばらく無言。どちらもそれなりに映画に入り込んでいたようです。
とくにゆりちゃんは何か思うことがあるようですね。
「クラスでミュージカルをやる話」。
そこに今回の文化祭の件を結び付けてしまうのは、まあ当然でしょう。
おまけに、前回ゆりちゃんが持ってきた「ダンサーインザダーク」もミュージカルですしねw
もこっちに「青春してたしゆりちゃんにはきつかったでしょ」と言われた日には、ちょっと複雑になってしまうのもわかります。
「別に まぁまぁ面白かったよ」という返しにその辺の気持ちがよく表れているなと思いますね。

もこっちのダルそうな感じが、すべてを言い表しているような気がします。
ああいう青春ものに憧れはするけど、実際はなんとなく体のいい感じで流されてしまうこともわかってる。それ自体は別に悪いとも思っていないし、それもまた私たちの青春であるんだろうとも思う。でも、あの画面の向こう側の世界に憧れる気持ちも確かにあるんだ…
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ていうか、誰か身を挺して止める奴はいなかったのかw後ろの彼氏はいったい何をしてるwさりげなく煙をよけてんじゃねーw
いやあ、この垂れ幕はちょっと問題ありですねw「激うま」と縦読みさせる意図を感じるw
ていうか、「うまたこ焼き」の吉田さんもどうかとは思うがw なんでさらし姿なんだよw
でもまあ、まこっちがすごく楽しそうだからいいかw
もこっちの中でも、よしまこはすでに認定済なのがまた面白いw
まあやっぱり、今回はここが一番笑ったシーンになりますね。
情報量が多すぎて、ちょっと胸やけしそうにはなりますがw
ラフでは二木さんがセンターを陣取っていたのに、夕飯の食卓シーンを入れるために端に追いやられてるのがちょっと不憫w 顔もほとんど隠れちゃってるしw
でも、そんな二木さんの尊い犠牲(?)を伴っても、夕飯のシーンはどうしても入れたかったんでしょうね。
時間の経過がわかりづらい中、いつの間にか夕飯の時間になるまで映画の話をしていたことを谷川さんは欠かすことができないと考えたわけです。

今回のもう一つのハイライトシーンがこれでしょうか。
黒木家の食卓自体がめずらしいですし、そこにゆりちゃんが加わるとなるとますますレア度が高まりますよねw
ゆりちゃんの表情は少し硬いようではありますが、居心地は悪くなさそうです。
緊張するとは言ってましたけど、別に「嫌」ではないんですよね。
お母さんの方もなんだか気を遣っている感じが見ていて微笑ましいw
たぶん、いつもより張り切って奮発したんだろうしw
智くんがじっと目の前の献立を見ているのは、そんなことを感じてるじゃないでしょうかw
でも、やっぱり父親はいないんですね。
まあ日本の平均的な家庭の食卓ならそれが普通なんでしょうけど、できればお父さんの反応も見たかった気はします。

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「もぐ…もぐ…」じゃないのは、みんなと一緒に食卓を囲んでいるせいでしょうか。
会話はなくても、それでも一人だけの食事とはやっぱり違いますよね。

人の家族での食事だと、こういうところに神経を使ってしまうんですよね。
あれ取ってとかそれこっちに回してとか、なかなか言えませんから。
ましてや、ゆりちゃんのことですからうまく気持ちを表に出すのができないでいるわけですが、そこはさすがに智貴ですね、気づいても相手を萎縮させることなく、さりげなく差し出すところがかっこいいです。これは惚れかねないw
まあ、普段からもこっちの相手をしてるわけですから、こういう空気の読み方には長けているんでしょうね。

ゆりちゃんはこういう常識的なやり取りもちゃんとできるんですね。
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逆に他人にあれこれ気を遣い過ぎて疲れてしまう面があるのでしょう。感受性が強い子にはありがちなケースだと思います。

だからこそ、こういう愛想笑いもできるわけでw
でもなんだか自然ですよね。肩に力が入った感じがしません。
そんな二人のやり取りを尻目に黙々と食べる黒木姉弟w
まあしかし、普段からこれおいしいねとか言ってる家族もちょっと気持ち悪いですし、これが普通なのかもw

先ほどの激しさもどこへやら、台風も一旦小休止といったところですが、この間をとっかかりにして「夕食時の静けさ」に結びつけるところがゆりちゃんらしいですね。お母さんと社交辞令的な会話を交わしつつも、そんなことを気にしてたのかとw
それはさておき、ぬいぐるみたちも夕食前とは変わっていますね。まさか勝手に動くわけもないでしょうから、時々もこっちたちが位置や姿勢を調整しているのでしょうか。想像するとなんかいいw
なにげに、もこっちのお膝元にしょぼーんが鎮座しているのがまたかわいいですね。

まあ確かに。
何か大きな出来事や節目があったならともかく、日々の日常の中でそんな「家族ごっこ」を演じてるほうが不自然ですよね。
ていうかこの影絵家族、なんか不気味だわwどう考えても不穏な匂いしかしないw

WWWまあ、実際暗かったしw
でも、ゆりちゃんにとってはあれは居心地がよかったんですね。
この「静かな夕食」の話は、先ほどのもこっちが話していた、「けど実際はあんないい感じのトラブル起きないし」につながるような気がします。
ドラマなどで描かれる「家族像」に憧れもあるけど、実際はそんなもんじゃない。でもそれはそれで自分たちのリアルだし、決して悪いものでもない、みたいな。

そういえば、ゆりちゃんは2本用意してきてたんですよね。
ゆりちゃんは前回のことが若干トラウマなのか、「面白いかわからないよ」と予防線を張っていますが、もこっちにしてみればそこはどうでもいいんだと思います。自分だって、先ほどのアニメを「ゆりちゃんにはきつかったでしょ」と言ってたわけですしね。
相手がどういうものを好きなのか、面白いと思ってるのか、そこが知りたいわけですから。
コーラをいきなりドンと用意したのは、そう固いことを言わずにまあ飲めやwみたいな気分なのかもしれませんね。

そうそう、確か「文化祭でバンドやる話」とゆりちゃんも言ってましたよね。
ネモから「打ち合わせ」の話が来たとき、彼女なりに考えたチョイスがこれだったんでしょう。
やっぱり彼女は空気が読めないんじゃなくって、読み過ぎて疲れてしまうタイプなのかなという気がします。
でも話を受けて慌てて用意したわけでもなく、間違いなく彼女のフェイバリットの中にある一本でもあったわけで、そういった意味では、「みんなで観る用」というのは半分自分に対する弁解でもあるのかなとも感じましたね。

プールに一人浮かんでいるのって、映画ではすごく印象的な絵になりますが、実際にはそんなことをやるのはまあないですよね。
それはあくまで作品上の「リアル」であって、現実における「リアル」ではないのですから。
それこそわたモテだったら、「何 あいつ」と変な目で見られるのが「リアル」なわけですw
で、コーラを口にしつつ、「見張っててあげようか?」とクールに返すのもゆりちゃんならばのリアルさですよねw
いやあ、絵になるわあ~

ここは今回で一番心に残ったセリフですね。
いろんな意味で自分にもぐっさり突き刺さった言葉です。
「疑似的に作った青春はちょっと違う」
これが文化祭の映画における大きなテーマになってくるのは間違いないでしょう。
…しかし、こんな重要なことをゲップしながら言うなよ、もこっちw

そんなことも考えつつ映画に入り込んでいるもこっちですが、いつの間にか外の様子が変わりつつあることも気づいていないようです。
ひょっとして、何か思うことがあったのでしょうか。

WWW本当に我を忘れるくらいに没頭していたようですねw
うぉっ!!?ってw
でも、この一連のことが彼女に映画のヒントを与えてくれたような気もします。

これはもうTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の「ライブアライブ」のことですよね。そういえば私も当時聞いたことがあります。
まあここでいう「リンダリンダリンダ」以外にもパロディ満載の作品でもありましたから、真似したというのはちょっと語弊があるような気がしないでもないですがw
それにしても、「ここさけ」「リンダリンダリンダ」ときて「ライブアライブ」とくれば、もう文化祭に映画をやるというのは既成路線になりそうですね。そして、どんな映画になるのかもなんとなく透けて見えてきたような気がします。
この流れは、この二人じゃなければ成立しなかったでしょうね。
そういった意味でも、これこそが台風が運んでくれた「打ち合わせ」だったんだと思います。

そりゃ一応作家だし、映画やマンガもそれなりに一通り見るでしょw
ていうか、君もラノベ作家を夢見る若者だからこの手のものを好きだったりするわけでw
まあ要するに「王道」ってやつです。
それを踏襲しつつも、自分なりのオリジナリティを出していくことが作家に求められているのでしょう。
こうやって、友達と一緒に作品について語ったりするのもむちゃくちゃ「青春」ですよね。

WWWこういうやり取りも青春ならばですねw
視点が窓の外からになっているのもなんだか青春映画っぽい。
まあ実際、死ぬ話が好きというわけではないのでしょう。
それはあくまで結果であって、その中で何を見いだすかということなんでしょうね。
だからゆりちゃんの中では、「ダンサーインザダーク」と「リンダリンダリンダ」がどちらも好きな映画になっているわけです。

そして突然訪れる「閉鎖空間」。
ある意味、これこそ疑似的な終末感ですよね。
さすがにこの中では勉強や映画どころではありません。

すぐ点くんじゃないと言いつつも、なかなか復旧しない現状にしびれを切らしたのか、諦めて横になるもこっち。
こういうちょっとした仕草に、なんだか「リアル」な彼女の青春を感じてしまいます。
隣で寝ていた(?)ぬいぐるみをさっと引き寄せるのも、なんか生身の人間ぽく見えるんですよね。

かわいそうなしょぼーんw
いや逆に、ゆりちゃんの下にひかれて僥倖なのかも?w
この後「台風も終わりだね…」と、少し寂しそうにつぶやいていましたが、その気持ちなんとなくわかりますね。
ピークの後は降りるだけですし、いつだって祭りの後は寂しいものです。
そして、明々後日には学校が待っています。
夏は終わり、文化祭までもうすぐなのです。

この「文化祭に台風」というのは、そんな名残惜しい思いもちょっと混じっているのでしょう。
疑似的な青春はちょっと違っても、やはりそういうむちゃくちゃさを恋い焦がれてしまう気持ちもまた「リアル」なのです。
テーブルに置かれたコーラが、そんな彼女たちのもどかしさにも似た気持ちを代弁しているかのようですね。

この、会話だけで余韻を残す演出がもうたまりませんね。
私もここまで読んできて、もこっちの中に何か見えてきたのはなんとなくわかります。でもそれをうまく言葉にあらわすことはできないんですよね。
それはそのまま、この二人が交わすこの時間だけが知っていることなのかもしれません。
いったいどんな映画を思いついたのか。
今から楽しみですね。

電気が点いたとたん、ノーフェイントで起き上がるゆりちゃんw
横ですやすや眠っている誰かさんの寝顔をずっと見ていたんじゃないかという説もあるようですけど、ここははっきり答えを出すこともないでしょう。
言葉で決めてしまわないほうがいいこともきっとあるのです。

ぬるくて気の抜けたコーラ。
それもまた青春の一ページです。
台風が過ぎ去りつつある、このなんとも中途半端なスキマの時間。
そこにはきっと、こういうぬるさがうまくマッチするんだと思います。

再び勉強を黙々と始める二人。
こうなると、逆になかなか寝付けないものですよね。
言葉を交わすこともなく、お互いが発する音だけが響く時間がとても愛おしく思えてくるのは私だけでしょうか。
…後ろでぬいぐるみが横たわってるのはちょっと怖いけどw

ゆりちゃんの提案でもこっちが好きなアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」を見始めたもこっちたちですが、ここで「God knows...」が流れるのが実にうまいですね。
もちろんこれは、「ライブアライブ」の中に出てくる劇中歌なわけですが、まさに「閉鎖空間」に閉じ込められた二人にとってこれ以上ないテーマソングといえるでしょう。
そして、外はいつの間にか新しい日の訪れを告げているわけです。

台風でびしょぬれになった靴も、もうすっかり乾いています。
彼女たちは朝日を見るために、そこに足を踏み入れる。
そう、台風がもたらした疑似的な終末はこの時終わったのですね。

今回の個人的ベストシーン。
話の中のワンシーンというより、なんだかひとつの絵画を見ているような気持ちにさせられますね。
まるで、街が新たな産声をあげる瞬間を二人で見届けているかのようです。
世界がまた動き出した瞬間ですね。

朝陽を浴びて、二人とも実にいい笑顔をしていますよね。
特にゆりちゃんのこの表情は貴重ですよ。(久々にあげちゃいます、今回のベストゆりちゃん!)
二人で飲む朝のコーヒーはまた格別ですよねw
余ったチョコ系を流しこもうという発想も彼女たちならばの「青春」という気がします。それは他のどの青春ものにもきっとない、彼女たちだけの青春なんだと思います。
ところで、最後の「街の音」がわかりづらいということですけど、私はやっぱりこれは必要な気がします。
まさに疑似的ではない世界の音という感じで、単行本でも何らかの形で残してほしいなと切に思いますね。
ネタバレなし感想でも触れたことですが、セリフが多い割には全体的に静かな印象を抱きました。
それはいわゆる「映画」的な演出が目立ったこともあるでしょう。
台風そのものを描く替わりにびしょぬれになった靴を見せたり、台風情報を伝えることで時間の経過を暗示したり、日の出を見に行く時の足元を見せることで、台風が過ぎ去ったことを強く印象付けたり……
あらゆる場面が何かを語りかけてくるんですよ。でもそれは、「言葉」じゃないんですよね。何かのパーツというか、それだけではあまり意味をなさないんですけど、でも確かにそこにある。そんな感じでしょうか。
それは「映画」という以上に、なんだか「ジグソーパズル」みたいだなと思いました。
ひとつひとつのピースだけでは何が描かれているかよくわかりませんが、すべて組み合わさると大きな絵が見えてくるんです。それはどのピースがひとつ欠けても見えてこない絵なんですね。
今回泣く泣く取り上げなかったコマにもすべて意味があります。ひとつとして無駄なコマなどありません。
一見すると単なる場面転換でも、そこには世界を構築するのに欠かせないものが必ずあるんです。
それこそ、二木さんを隅に寄せても「ご飯出来たから下りてきて」からのグラタンはどうしても描かなければならなかった。
実際、あの夕食のシーンはすごく重要な意味を持っていました。あれがあるからこそ、「疑似的な青春はちょっと違う」に説得力が生まれるわけですから。
また、ゆりちゃんが他人を嫌がってるわけではないということもあれでよくわかりましたよね。それはきっと、文化祭に向けての気持ちにもつながっているはずなんです。その思いが「リンダリンダリンダ」という選択にも表れていたのではないでしょうか。
最初は台風によって打ち合わせが飛ばされたと思っていましたが、こうして見ると映画の話は順調に進んでいるようです。みんなが集まってワイワイやるだけでは、決して進むことはできなかったでしょうね。
「閉鎖空間」の中、二人が交わした言葉の欠片の数々、言葉になる前の心の中に沈んでいるもの、音、光、匂い、ぬくもり、それらが渾然一体となったその先に、彼女たちの「映画」が出来上がるのかなという気がします。
もちろんそれは、二人だけでは完成できません。
パズルが完成するには、まだいくつかのピースが残っているはずです。
夏休みが明けて再び仲間たちと出会うことによって、それは揃うことでしょう。
果たしてどんな絵を私たちに見せてくれるのか、期待は高まる一方ですね。
加藤さんにあの毛を見つけられたのがよっぽどショックだったのか…w
コーラとハルヒとくれば、やっぱりいつかの冬休みですよね!
もこっちが言っていた「体育倉庫」は、喪163で!
思えば、修学旅行から帰ってきてから少しずつ、本当に少しずつ変わっていったのでした。
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