【ネタバレあり】海浜秀学院のシロイハルを読んで〜彼らの行く先を最後まで見届ける覚悟〜
「クズとメガネと文学少女(偽)」と「ライト姉妹 ~ヒキコモリの妹を小卒で小説家にする姉と無職の姉に小卒で小説家にされるヒキコモリの妹~」が立て続けに終了してからちょうど2年。
ついに谷川ニコが再び立ち上がる時がやってきました。
「わたモテ」谷川ニコも登場!マンガワン夏の新連載、4作品が次週スタート

その名も「海浜秀学院のシロイハル」。
タイトルといい、ビジュアルといい、「とある偏差値高めな全寮制男子校を舞台に、より高い気持ちよさを求め男子たちが“ひとり☆快楽”に青春をかける」という舞台設定といい、相当攻めている感じが見なくても分かりますよね。
実際、攻めてるとかそういう次元じゃなかったですよ。もう谷川さんは完全にフルスロットルで一般読者を振り切りにかかっていますw
正直、わたモテ読者なら誰にでもお勧め、とはいかないと思います。題材が題材だけに、人によっては受け付けない方もいるでしょう。その辺も覚悟の上での今回の連載なんだと思います。
まあ一度、読んでみてください。それから自分に合うかどうかを決めても良いかと。
なお、マンガワンはこちらからダウンロードできます↓
https://manga-one.com
アプリなんでガンガンオンライン同様、ポイントやチケットなど色々課金制度はありますけど、変に読みまくったりしない限り特別課金をしなくても読めるはずです。なお、第1話は無料で読めます。
あと8月30日には「マンガワン祭り2020」と題して、公開される作品が全て「FREE」になるそうですので、これを機会に一度試してみたらいかがでしょうか。(ただし「先読み」などはその対象外になる模様)
というわけで、これから感想を述べていきますが、ネタバレ前提で話を進めてまいりますのでご注意ください。
まず、2ページ目からいきなり度肝を抜かれました。
おま、しょっぱなから躊躇なしかよ!とw
まあ逆に考えれば、親切設計という考えもできますね。もうこの時点で、離脱する人はするんじゃないでしょうかw
しかも次のページで早くも、ドアを開けたやつも普通じゃないということはおおよそ見当がつきますからねw
全く、「不用意だった」じゃねーよw しかも、体勢がどうのとか変なところで引っかかってるしw
で、「Gノート」が出てきて二人の会話が始まるにつけ、だいたいどういうマンガなのかわかってきますw
ここはもう「間」の笑いですよね。テンポというかリズムにハマるかハマらないかの問題なので、そう言った意味でも人を選ぶような気がします。
余談ですが、「野望の王国」という漫画を思い出しましたよ。正確にはそれへのオマージュでもあった、「サルでもかけるマンガ教室」ですけどw
あと、劇画風でシュールな雰囲気の笑いという意味では「魁!!クロマティ高校」のテイストもなくはないかも。
まあ基本的には「シリアスギャグ」というジャンルですね。
当の本人たちは至って真面目にやっているにもかかわらず、それが読み手には笑いになるという。
絵柄も極力リアル志向に寄せてきているのはそういう効果も狙っているんだと思います。
そういえば、「Gノート」ですけど、みうらじゅんの「エロ・スクラップ」に通じるものがあるなとちょっと思いました。どちらも「自分のためではなく読者前提のもの」という意味でw
そう言った意味では、叶くんは根っからの表現者気質な面がありますよ。
叶くんと星くんは、クズメガネの古河と守谷を彷彿とさせるものがありますね。ていうか、よくよく考えてみたら、おーりがいない……というより女子のいない「クズメガネ」という雰囲気もあるかも。あの時の怨念が今回のアクセル全開っぷりに繋がってるような気もしないでもないですね。静かな怒りみたいなものも感じるし。
実際、不思議なメッセージ性みたいなものも見受けられるんですよね。
「部活動に精を出す、ある種の自己満足(オナニー)ではあるな」とかw(ぶっちゃけ、このシーンは声を上げて笑ってしまいましたw 特にバックの集中線にはやられたw 星、衝撃を受けてんじゃねーよw)
あと、最後らへんの「もし遠くない未来〜」なんて、モロ社会派ですよね。もしかしたら、今のこの世界の状況から今回の題材を思いついたのかもしれません?w
それはそうと、第1話からすると星くんの語りで話が進んでいくのかなと思ったんですよね。ホームズとワトソンみたいな感じで。
二人の間にそことなく匂い立つような友情が感じられますし、ある意味、わたモテとは逆方向の「青春もの」として成り立つんじゃないかと思ったんです。男同士のバディものって、けっこうライト文芸とかでも流行ってますし。
言うなれば、星くんがキョンで、叶くんがハルヒみたいなw
ところが、第2話で早くもそれは覆されます。いきなり「神の声」がナレーションになってるしw
「カップラーメンオナニーを経験した読者ならわかると思うが、」で、思わずコーヒーを吹き出しましたよw
今後もこのパターンでいくのかなあ。叶くんが新たな方法を試して、その結果を星くんが淡々とまとめるという……
ていうか、これ、どういう展開を考えてるんですかね?
まさか、「Gノート」を編纂していくだけで話を進めていくとは思えないですし、これから少しずつ仲間が増えていき、「性徒会」の組織が形作られるにつけ、「学園」側や「生徒会」との戦いがメインになってきたりするんでしょうか。そんなジャンプ的な展開を誰が望むかという気もしますけどw(でもちょっとだけ見てみたいw)
考えてみれば谷川さんって、新連載へのモチベーションこそ、ある種のカウンターというか非常にひねくれた動機から始まるものの、連載が進むにつれ、だんだん角が取れてきてそれなりに「大衆向け」になっていくパターンがほとんどですよね。
モテないといいながらなんだかんだ結局モテてるキャラが嫌いで始めた「わたモテ」、マンガのキャラは一人一人の個性が大事ということへの反発から始めた「ナンバーガール」、引きこもりの中一の女の子と無職の姉だけでラノベを書いていくというむちゃくちゃ「閉じた」内容の「ライト姉妹」など、連載当初はかなり特殊な設定と世界観で始めたものの、続いていくにつれいつの間にか「王道」な面白さになっていくケースが目立ちます。
まあそれも当然なんですよね。別に日和ったとか、そういうレベルの話でもないでしょう。
一発ネタや短期集中ならともかく、こんなニッチで特殊な話で何年も連載していけると思える方がどうかしてますw
望む望まずにかかわらず、長く続けていく中で必ずどこかで路線変更を余儀される時がくるんです。連載作品の宿命とも言えますね。
果たしてその時、どういう選択をするのか。そこが一番気になるところです。
正直、この作品に限ってはもう余計な「枷」はぶっちぎって欲しいんですよね。これまでの鬱憤がたまりに溜まっての今回のこの「振り切り」ぶりだと思うんで、そこはもう変に売れ線とか考えて欲しくないんです。谷川さんが本当にやりたいことだけをここにぶつけてもらいたいですね。
そう言った意味では、設定からして「退路を断ってるな」という気がします。
何しろ全寮制の男子校ですからね。よっぽどアクロバットな展開じゃない限り、女の子一人出せないでしょう。
この状態から果たして長期連載を続けられるのか注目ですね。
まあ個人的には「男の娘」的なキャラは出さざるを得ないんじゃないかとは思ってますがw
何にせよ、このまま主要キャラが二人のみということはないでしょうから、いずれ出てくるであろう新キャラに期待ですね。
とにかく確実に人は選びますし、合わないからといって特に気にすることもないかと思いますけど、私個人としては谷川ニコという表現者の「本気」に頭が下がる思いがしました。ある種の凄みを感じましたよ。恐ろしくとんでもない才能を持った作家さんであることには間違いありません。
こういう作品をよりにもよって、超大手の小学館から出すというところも谷川さんらしいというかなんというかw
メジャーなミュージシャンが自主制作で好きにアバンギャルトな内容のものを発表するというのはありますけど、これなんかその逆じゃないですかw
まあ、出す方も出す方ですけどねw 小学館って、どちらかというと保守的な編集方針なイメージがあったんですけど、時代は変わったなあw
そうそう、更新日なんですけど、基本隔週水曜日だそうです。
ただ、次回は特別に9月2日に更新となるようですね。
ということは、そこから隔週となるのかな?……わたモテ更新週とかぶるじゃねーか!(もっとも9月の水曜日は30日も含めて5回あるので、10月以降はまた1週ごとにずれるかな?)
まあどちらにせよ、わたモテのように毎回ブログで記事を書くというのは難しそうなので、次回からはTwitterでボソッと呟くだけになると思います。
けっきょくね。すごくバカバカしいことに真面目に取り組む姿って、見ていて面白いんですよ。笑えるんですよ。で、同時に胸を打たれるわけですよ。そこに意味なんかなくていいんです。無駄なことに燃えられるものがあるのが若さというものなのですから。
連載が進むにつれ、彼らがどういう青春(性春)を過ごしていくかはわかりませんが、その行き先だけは最後まで見届けてやろうと私は思っています。(なんとなくかっこいいことを言ってるように見えますが、要はこのネタでどこまでやれるか興味あるだけだったりしてw)
彼らの“シロイハル”に幸あれ!
わたモテ以外の谷川ニコ作品は以下からどうぞ↓
「ライト姉妹」
「クズとメガネと文学少女(偽)」
「ナンバーガール」
「ちょく!」
ついに谷川ニコが再び立ち上がる時がやってきました。
「わたモテ」谷川ニコも登場!マンガワン夏の新連載、4作品が次週スタート

その名も「海浜秀学院のシロイハル」。
タイトルといい、ビジュアルといい、「とある偏差値高めな全寮制男子校を舞台に、より高い気持ちよさを求め男子たちが“ひとり☆快楽”に青春をかける」という舞台設定といい、相当攻めている感じが見なくても分かりますよね。
実際、攻めてるとかそういう次元じゃなかったですよ。もう谷川さんは完全にフルスロットルで一般読者を振り切りにかかっていますw
正直、わたモテ読者なら誰にでもお勧め、とはいかないと思います。題材が題材だけに、人によっては受け付けない方もいるでしょう。その辺も覚悟の上での今回の連載なんだと思います。
まあ一度、読んでみてください。それから自分に合うかどうかを決めても良いかと。
なお、マンガワンはこちらからダウンロードできます↓
https://manga-one.com
アプリなんでガンガンオンライン同様、ポイントやチケットなど色々課金制度はありますけど、変に読みまくったりしない限り特別課金をしなくても読めるはずです。なお、第1話は無料で読めます。
あと8月30日には「マンガワン祭り2020」と題して、公開される作品が全て「FREE」になるそうですので、これを機会に一度試してみたらいかがでしょうか。(ただし「先読み」などはその対象外になる模様)
というわけで、これから感想を述べていきますが、ネタバレ前提で話を進めてまいりますのでご注意ください。
まず、2ページ目からいきなり度肝を抜かれました。
おま、しょっぱなから躊躇なしかよ!とw
まあ逆に考えれば、親切設計という考えもできますね。もうこの時点で、離脱する人はするんじゃないでしょうかw
しかも次のページで早くも、ドアを開けたやつも普通じゃないということはおおよそ見当がつきますからねw
全く、「不用意だった」じゃねーよw しかも、体勢がどうのとか変なところで引っかかってるしw
で、「Gノート」が出てきて二人の会話が始まるにつけ、だいたいどういうマンガなのかわかってきますw
ここはもう「間」の笑いですよね。テンポというかリズムにハマるかハマらないかの問題なので、そう言った意味でも人を選ぶような気がします。
余談ですが、「野望の王国」という漫画を思い出しましたよ。正確にはそれへのオマージュでもあった、「サルでもかけるマンガ教室」ですけどw
あと、劇画風でシュールな雰囲気の笑いという意味では「魁!!クロマティ高校」のテイストもなくはないかも。
まあ基本的には「シリアスギャグ」というジャンルですね。
当の本人たちは至って真面目にやっているにもかかわらず、それが読み手には笑いになるという。
絵柄も極力リアル志向に寄せてきているのはそういう効果も狙っているんだと思います。
そういえば、「Gノート」ですけど、みうらじゅんの「エロ・スクラップ」に通じるものがあるなとちょっと思いました。どちらも「自分のためではなく読者前提のもの」という意味でw
そう言った意味では、叶くんは根っからの表現者気質な面がありますよ。
叶くんと星くんは、クズメガネの古河と守谷を彷彿とさせるものがありますね。ていうか、よくよく考えてみたら、おーりがいない……というより女子のいない「クズメガネ」という雰囲気もあるかも。あの時の怨念が今回のアクセル全開っぷりに繋がってるような気もしないでもないですね。静かな怒りみたいなものも感じるし。
実際、不思議なメッセージ性みたいなものも見受けられるんですよね。
「部活動に精を出す、ある種の自己満足(オナニー)ではあるな」とかw(ぶっちゃけ、このシーンは声を上げて笑ってしまいましたw 特にバックの集中線にはやられたw 星、衝撃を受けてんじゃねーよw)
あと、最後らへんの「もし遠くない未来〜」なんて、モロ社会派ですよね。もしかしたら、今のこの世界の状況から今回の題材を思いついたのかもしれません?w
それはそうと、第1話からすると星くんの語りで話が進んでいくのかなと思ったんですよね。ホームズとワトソンみたいな感じで。
二人の間にそことなく匂い立つような友情が感じられますし、ある意味、わたモテとは逆方向の「青春もの」として成り立つんじゃないかと思ったんです。男同士のバディものって、けっこうライト文芸とかでも流行ってますし。
言うなれば、星くんがキョンで、叶くんがハルヒみたいなw
ところが、第2話で早くもそれは覆されます。いきなり「神の声」がナレーションになってるしw
「カップラーメンオナニーを経験した読者ならわかると思うが、」で、思わずコーヒーを吹き出しましたよw
今後もこのパターンでいくのかなあ。叶くんが新たな方法を試して、その結果を星くんが淡々とまとめるという……
ていうか、これ、どういう展開を考えてるんですかね?
まさか、「Gノート」を編纂していくだけで話を進めていくとは思えないですし、これから少しずつ仲間が増えていき、「性徒会」の組織が形作られるにつけ、「学園」側や「生徒会」との戦いがメインになってきたりするんでしょうか。そんなジャンプ的な展開を誰が望むかという気もしますけどw(でもちょっとだけ見てみたいw)
考えてみれば谷川さんって、新連載へのモチベーションこそ、ある種のカウンターというか非常にひねくれた動機から始まるものの、連載が進むにつれ、だんだん角が取れてきてそれなりに「大衆向け」になっていくパターンがほとんどですよね。
モテないといいながらなんだかんだ結局モテてるキャラが嫌いで始めた「わたモテ」、マンガのキャラは一人一人の個性が大事ということへの反発から始めた「ナンバーガール」、引きこもりの中一の女の子と無職の姉だけでラノベを書いていくというむちゃくちゃ「閉じた」内容の「ライト姉妹」など、連載当初はかなり特殊な設定と世界観で始めたものの、続いていくにつれいつの間にか「王道」な面白さになっていくケースが目立ちます。
まあそれも当然なんですよね。別に日和ったとか、そういうレベルの話でもないでしょう。
一発ネタや短期集中ならともかく、こんなニッチで特殊な話で何年も連載していけると思える方がどうかしてますw
望む望まずにかかわらず、長く続けていく中で必ずどこかで路線変更を余儀される時がくるんです。連載作品の宿命とも言えますね。
果たしてその時、どういう選択をするのか。そこが一番気になるところです。
正直、この作品に限ってはもう余計な「枷」はぶっちぎって欲しいんですよね。これまでの鬱憤がたまりに溜まっての今回のこの「振り切り」ぶりだと思うんで、そこはもう変に売れ線とか考えて欲しくないんです。谷川さんが本当にやりたいことだけをここにぶつけてもらいたいですね。
そう言った意味では、設定からして「退路を断ってるな」という気がします。
何しろ全寮制の男子校ですからね。よっぽどアクロバットな展開じゃない限り、女の子一人出せないでしょう。
この状態から果たして長期連載を続けられるのか注目ですね。
まあ個人的には「男の娘」的なキャラは出さざるを得ないんじゃないかとは思ってますがw
何にせよ、このまま主要キャラが二人のみということはないでしょうから、いずれ出てくるであろう新キャラに期待ですね。
とにかく確実に人は選びますし、合わないからといって特に気にすることもないかと思いますけど、私個人としては谷川ニコという表現者の「本気」に頭が下がる思いがしました。ある種の凄みを感じましたよ。恐ろしくとんでもない才能を持った作家さんであることには間違いありません。
こういう作品をよりにもよって、超大手の小学館から出すというところも谷川さんらしいというかなんというかw
メジャーなミュージシャンが自主制作で好きにアバンギャルトな内容のものを発表するというのはありますけど、これなんかその逆じゃないですかw
まあ、出す方も出す方ですけどねw 小学館って、どちらかというと保守的な編集方針なイメージがあったんですけど、時代は変わったなあw
そうそう、更新日なんですけど、基本隔週水曜日だそうです。
ただ、次回は特別に9月2日に更新となるようですね。
ということは、そこから隔週となるのかな?……わたモテ更新週とかぶるじゃねーか!(もっとも9月の水曜日は30日も含めて5回あるので、10月以降はまた1週ごとにずれるかな?)
まあどちらにせよ、わたモテのように毎回ブログで記事を書くというのは難しそうなので、次回からはTwitterでボソッと呟くだけになると思います。
けっきょくね。すごくバカバカしいことに真面目に取り組む姿って、見ていて面白いんですよ。笑えるんですよ。で、同時に胸を打たれるわけですよ。そこに意味なんかなくていいんです。無駄なことに燃えられるものがあるのが若さというものなのですから。
連載が進むにつれ、彼らがどういう青春(性春)を過ごしていくかはわかりませんが、その行き先だけは最後まで見届けてやろうと私は思っています。(なんとなくかっこいいことを言ってるように見えますが、要はこのネタでどこまでやれるか興味あるだけだったりしてw)
彼らの“シロイハル”に幸あれ!
わたモテ以外の谷川ニコ作品は以下からどうぞ↓
「ライト姉妹」
「クズとメガネと文学少女(偽)」
「ナンバーガール」
「ちょく!」
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