私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!18巻 感想~前代未聞のノンストップ状態に突入したかもしれない18巻~
7月10日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」18巻が発売されました。
今回はもう書きたいことが山ほどあるというか、言及すべきところが目白押しですので、よけいな前置きは省いて先を急ぎたいと思います。
というわけで世間の波には若干乗り遅れましたが、今回も18巻の感想を綴っていこうと思います。よければお付き合いのほどを。
※各話(喪169から喪176+特別編)の感想は、以下の各エントリーを参照してください。
喪169「モテないし弟の性癖」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-324.html
喪170「モテないし染まる」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-328.html
喪171「モテないし夏合宿」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-332.html
喪172「モテないし夏合宿初日の夜」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
喪173「モテないし他の奴は」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-336.html
特別編9
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-343.html
喪174「モテないし合宿の日々」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-338.html
喪175「モテないし合宿が終わる 前編」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-347.html
喪175「モテないし合宿が終わる 後編」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-349.html
喪176「モテないし実況する」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-351.html
特別編10
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
●迷っているなら特装版一択
それにしても今回は7巻以来の特装版も発売ということで、かなりの盛り上がりを見せていましたね。
私は発売日の次の日に都内某所で購入したのですが、すでに特装版はかなり品薄になっていました。
できればこのように、保存用も兼ねて通常版も一緒に購入したいところでしょうが、なかなかそうもできない人もいることでしょう。一冊に絞るとして、どちらを買おうか悩んでいる方もけっこうおられるのではないでしょうか。
で、僭越ながらアドバイスをさせていただくと、
「特装版以外あり得ない!」です。
これはもう自信持って言えます。逆に言えば無理して通常版を購入する必要はあまりありません。
というのも今回、「特装版」に付属する「特別冊子」以外これといった違いはないんですよ。
前回の7巻の時は表紙絵が微妙に違っていたりマニア心をくすぐる仕掛けがいくつかあって、両方揃える価値はそれなりにあったかと思いますが、今回ははっきりいって「色違い」以外、特に何が変わっているというところはありません。
なのでコレクターとしての義務感に駆られない限り、普通のファンがあえて両方手にいれる必要性は薄いかと思います。
もちろん、細かいところをあげていけば他にもあります。バックに散りばめられている各シーンは違いますし(通常版のみ喪170からのシーンが2つもあったり)、表面に特殊加工してある3種類のモチーフも特装版と通常版とでは異なります。(特殊印刷モチーフに関しては14巻の感想記事を参照してください)
でも、それらは小異であって、わたモテという作品を味わう上で必要不可欠というわけではありません。描き下ろしのイラストに違いがあるなら話は別ですけどね。今回はもこっちの制服が異なるわけでも髪の色が異なるわけでもないのですから、別に無理することはないでしょう。
あとはもうコスパだけの問題ですよね。通常版が税抜545円で特装版が税抜1100円。
要は「小冊子」(48P)に555円(税込610円)払えるかという話です。
はっきり言いましょう。その価値は十二分にあります!
むしろ良心的な価格ですよ。仮にこれが同人誌なら、少なくとも1000円以上はするはずですから。
なので、もう迷うことはありません。特装版一択ですね。
ただ店頭では今、品切れのところも出てきているようですが、だからといって、あわててAmazonとかでポチるのは少し待ったほうがいいです。特装版は変に値段が高騰してますから。
そんなものに手を出さなくても今は「電子書籍版」があります。
そう、特装版の電子書籍も販売しているんですよ。おまけにストアによっては特典イラストデータがもらえますからね。こちらで購入したほうが間違いなくお得でしょう。(特典がつく電子書籍ストアはガンガンオンラインの18巻発売記念フェア情報にてご確認ください)
どうしても紙版のほうがほしいという方も定価以上の金額を払う必要はありません。DVD付きなどと違って完全限定版というわけではないですから、需要が高まれば再販という可能性もあるでしょう。
むしろ、そういった声をドンドン編集部にあげていって、わたモテの人気ぶりをアピールしていったほうがいいんじゃないかと思いますね。
●再び「ぼっち表紙」の衝撃
というわけで、まずは表紙から見ていくわけですが、今回はいろんな意味で衝撃を受けました。
はっきり言って、今まで見てきた表紙の中で一番驚きましたよ。
私でさえそうだったのですから、単行本派の人にとってはなおさらだと思います。
そして、その方たちが真っ先に指摘したいところがあるのもわかります。そう、もこっちの“アレ”ですよねw
でもそれはひとまず置いておきましょう。物事には順番というものがあります。
ここでは何よりもまず最初に押さえておきたいポイントがあるはずです。
それはこのタイミングで、かつての「ぼっち表紙」に戻っているということ。これこそが今回もっとも注目すべきことと言っていいでしょう。
「ぼっち表紙」とは何か。
詳しくは9巻の時の感想記事を見ていただきたいんですけど、要するに1巻から4巻までの「もこっちしかいない表紙」に戻っているんです。これは何よりも特筆すべき大事件だと私は思います。
これが2年生の頃ならまだわかるんですよ。例えば10巻から12巻あたりの頃に「ぼっち表紙」があったとしても、多少意外には感じるでしょうが「大事件」とまでは思わなかったことでしょう。2年生編の“最終巻”でもある12巻なら、ある意味「もこっち一人」というパターンも十分あり得たでしょうし。(余談ですが、10巻から17巻までの表紙は12巻を除いて必ず「3人以上」のキャラが描かれています)
3年生編はそれまでのわたモテとは明らかに違ってきています。黒木智子というとある女の子の“どうでもいい日常の物語”という枠を越えて、黒木智子とその仲間たちの青春群像を描いたものへと変化しているわけですよ。
果たして、ここにきての「原点回帰」はどういうことなのでしょう。
●銀髪が意味するもの
そこで考えたいのがもこっちの「髪の色」です。そう、なぜか“銀色”に染まってますよね。今までずっと“黒髪”を守り通してきたもこっちの一大決心と言えるでしょう。
これはもちろん、今回の収録話である喪170「モテないし染まる」からのモチーフです。そして、この話が今回の表紙テーマに選ばれたというのもわかります。「夏合宿編」に入る上で欠かせない重要なエピソードですからね。
しかしだからといって、あえて「ぼっち表紙」にする意味はなんでしょう。普通に考えたら少なくとも加藤さんは一緒に描かれていてもおかしくないですよね。
この謎を考えるポイントは、もこっちの「銀髪」は何を象徴しているかだと思います。
「モテないし染まる」で描かれるその心のうちは、勉強ばかりの地味な毎日の反動から思わず弾けてしまったという感じですよね。実際、夏休みが明けると急に垢抜けたりするやつは昔からいましたし、それ自体はよくある話でしょう。
でもそれはあくまで表向きの理由だと思うんです。
単なる反動や若気の至りではなく、そこには将来への漠然とした不安や迷いに対峙せざるを得ない状況が彼女をそういう行動に駆り立てたように感じるんですね。
私は9巻の感想の時に、仲間を得て悩むようになったもこっちの「青春」の象徴としての「ぼっち表紙」だったのではないかと書きました。今回も同じことが言えるんじゃないでしょうか。
つまり、あの銀髪はもこっちの悩み(青春)の象徴なんですよ。
そして、加藤さん色でもなくゆうちゃん色でもなく、自分の色を選んだということに大きな意味があるんですね。
つまりそれは「自立への覚悟」なんです。
ただそれは、青学進学をやめるとかそういうことではないと思います。単に進路をどうするかということではなく、もっと内面的な話ですね。
黒木智子という人間と自分がどう向き合っていくかが、この「ぼっちもこっち」の姿に表れているのではないでしょうか。
(これは中表紙のイラストと合わせて見るとまた興味深いかもしれません。)
…それとなんとなくですが、下の毛を黒に戻さないことにも何か意味があるような気もしないでもないですw
●「特別編」はなぜ順番が変わったのか
驚くのは表紙だけではありません。目次を開くと、さらなる衝撃がそこには待っていました。
冒頭で各話の感想へのリンクを貼りましたが、何か気づいたことはありませんでしたか?
そう、初出時と掲載順が変わっているんですよ。
具体的には「特別編」2編の入る位置がそれぞれ異なっているんです。
いや、これが「クリスマス特別編」や「ロッテコラボ編」とかならわかるんです。実際11巻や10巻では、発表時期とは関係なく巻末に持ってきていますし。
「クリスマス編」は時系列的に本編と離した方が流れを読みやすいですし、「ロッテコラボ」に関してはある意味スピンオフ的な扱いですからね。巻末マンガとしての扱いのほうがわかりやすいでしょう。
かつての「特別編」は「クリスマス編」をはじめ本編とは切り離されていたので、むしろそれが自然だったんですね。
ところが、15巻に収録された「特別編8」にてその不文律はなくなります。別名「ネモ過去編」とでも言うべきその「特別編」は、明らかに本編の流れに組み込まれるべき一遍でした。
だからこそ初出順通り、喪144と喪145の間に入ったわけです。
今回、「特別編9」とされている回は喪174の後、「特別編10」と銘打たれた回は本来なら喪169の後にくるはずでした。
「特別編」といえども、内容的には本編の流れに準じているわけですからね。15巻の例を踏まえれば、特に順番をいじる必要性もないように思えます。
果たしてそこにはどんな意図が隠されているのでしょうか。
ひとつには、これらの2編は「もともとイレギュラーな回」だったということがあげられるでしょう。
真相は定かではありませんが、「特別編10」は喪170の更新が間に合わずに…という説があります。
また「特別編9」は、谷川先生が風邪をひかれて休載された後に、特別に喪175(前編)と同時更新されたものでした。(休載の件についてはこちらを参照してください)
つまり、本来ならこの流れで掲載されるはずではなかった回なんですよね。今回こういう措置が取られた理由のひとつとしては十分考えられることではあります。
●ブランク2ページの消失
でも私は、それだけではないと考えています。
なぜなら、「特別編9」が喪173と喪174の間に組み込まれているからです。
実は今回、さらに驚くべき前代未聞の事態が起こっているんですね。
それは「ブランク2P」が消失していること。これもまた、わたモテ始まって以来の大事件です。
「ブランク2P」に関しては14巻の感想記事にある、「●偶数と奇数とでは息の入りかたが変わる」と「●実は11巻の構成と似ていた14巻」という章を見ていただくとわかると思います。
要するに「右ページで終わるか左ページで終わるかで息の入り方が違う」ということなんですが、今回特別編2編はもちろん、喪173と喪175、そして喪176が「右ページ」終わりにもかかわらず、なぜか2ページのブランクがなくなっているんですよ。
いったいこれは、何が起こっているのでしょう。
具体的には喪173と特別編9がブランクなしにそのままつながることで“消失”しているんですね。さらには特別編9の後も、ブランクを挟まずに喪174とつながっています。
これにより、喪173から喪174までシームレスというか、まるで一つの話であるかのような構成になっているんです。いわば、特別編9は喪173と喪174の緩衝材というところでしょうか。
まあ実際問題、喪173と特別編9をつなげた意図はわかります。同じ「オムニバス」ということで一緒にした方がわかりやすいと考えたのでしょう。
特別編10に関しては、はっきり言って「巻末おまけマンガ」的な意味合いだからだと思います。やはり、もこっちとは一切関わりのないところの話ですから本編から外したのでしょう。
ただ、それでも謎は残ります。
それならなぜ、喪175と喪176の間にもブランクを挟まなかったのでしょう?
●どうしても「喪176」まで収録したかった理由
実はこれには、意外なところに理由があります。
わたモテの単行本の(次巻予告や広告ページを含む)総ページ数は、「144ページ」と決まっているんですね。製本コストの関係上、16の倍数にする必要があるので146ページとか142ページにはできないんですよ。だから例えば、15巻なんかは次巻予告が1ページだったりしているわけです。
つまり、なんとか144ページに収めるためにブランクを省いたということになります。
でもおかしいじゃないですか。今まで17巻を数える中でそんな例は一度もありませんでしたよね。なぜここにきてこんな苦肉の策をしなければならなかったのでしょう。
それは、どうしても「喪176」を収録したかったから。
私にはそうとしか思えないんです。
喪176は8ページのいわゆる「ショート回」です。通常の12~16ページ物ならともかく、このくらいならブランクを調整することでなんとか収録可能でしょう。事実、本来なら6ページ分のブランクが入るところをカットしているわけです。
つまり、特別編9を喪173と喪174の間に組み込んだ本当の理由は、「喪176までを18巻に収録したかったから」だったのではないでしょうか。
ここで思い出すのは、前回17巻の感想記事でのこと。「●ほんの少しだけ気になること」という章で私はこんなことを言っています。
> もしかすると、すでに「最後の大きな物語」は始まっていて、このまま完結まで一直線ということもあるのではと、ほんの少しですけど不安にもなります。
> 今回は特に「ヒキ」のインパクトが強かっただけに、よけいそんな気がしてしまいますね。
> まあ、この邪推が曲がりなりにも当たっているかは、今続いている「夏合宿編」が次の18巻でちょうど収まるかどうかである程度判断できるかもしれません。
この事から考えると、「夏合宿編」ではない喪176まであえて収録したということで、私のこの仮説は強化されたと言ってもよさそうです。
つまり、18巻で一段落させることなく、次巻への橋渡しとしての「喪176」収録だったと考えられるのではないでしょうか。
●時には休みながら物語を楽しみたいものです
ただ不思議なことに、喪175と喪176がシームレスにつながることで喪176がまるで「夏合宿編」の後日談みたいな印象になるんですよね。実質、最初の喪169以外まるまる「夏合宿編」といってもいいくらいの感じを受けるんです。
この辺のことは、どう捉えていいのかちょっと微妙なところではありますw
でもまあ、喪176で示されたテーマというのは次の喪177につながっていきますからね。冒頭で描かれたあのスケジュールが、次の19巻への「ヒキ」となっているという見方もできるでしょう。
やはり、「最後の大きな物語」はずっと続いているのかもしれません。
正直言うと、前編と後編が一緒になった「喪175」なんかは、「長いな」という印象が否めなかったんですよね。
まあわたモテ史上最長の26ページですから、当然と言えば当然なのかもしれませんが、それだけではないような気がします。
話が日付をまたいでいることもあって、どうしても二つの話を強引に結合したような印象を受けるんですよね。おまけに喪176との間にブランクもないため、息継ぎができない感じになってしまうんです。
そこはちょっとせわしないというか、読んでいて少し疲れるところはありました。
ふと、もしかしたら休むことなくこのまま最後まで突き進んでしまうのだろうかという不安に少し駆られましたよ。
まだまだ長い旅路なのですから、時には休みながらゆっくり行こうよと思ってしまいましたね。
●今回は特典にも前代未聞の事態が起こっています
さて、そろそろ各ショップの特典を見ていきましょうか。(すでに配布は終了している場合があります)


今回のモチーフはすごくわかりやすいというか、各エピソードの別視点からみた風景というコンセプトが根底にあるような感じですね。
左上のアニメイトさんは喪170の後でしょうかw 右上のゲーマーズさんは喪174の冒頭でしょうね。
右下の虎の穴さんは特別編9、左下メロンブックスさんは喪171の集合シーンをサイドから見た視点しょう。
かつてはイメージ重視で、あまり具体的なモチーフはなかったような気がするのですが、今は単行本のおまけに入ってもおかしくないようなテイストのものが主流になってきているようですね。まるで、本編の補足をしているかのようなイラストが目立ちます。
それにしても、どれも実に魅力的な特典ですよね。今回は今までで一番悩んだというか、正直選べないなと思いましたよ。
もういっそのこと、全部コンプリートしようかいう考えも一瞬頭をよぎりましたからね。
しかしなんとか寸でのところで自分の欲望を抑え、いつも通りなんとか2つに絞ることに成功しました。
そのふたつがこれ。
左の加藤さんと夏帆さんの初々しいツーショットは外せませんでした。16巻の時にこの4人の絵柄を泣く泣く外しましたからね。それに他の絵柄と比べてもレア度が高いと思うんですよ。出会った頃の加藤さんと夏帆さんですからね。これは永久保存版だろうと。
あと永久保存版と言えば、何といってもアニメイトさんの黒木姉弟ショットでしょう!
私の選択必須条件であるちびキャラであると同時に、智くんともこっちが同じ食卓で一緒にソーメンをすすってるなんて、レア中のレアですからね。
しかも喪170の騒動の裏で、実は智くんももこっちの“銀髪”に遭遇していたという貴重な目撃情報(笑)ですよ!これはもうマストでしょう。
できればいとこみのショットも捨てがたいところではあったのですが、2つまでという条件下の中で最適な解を得ることが出来たかなと自負しておりますw
さて、ここ最近はデジタル版も2種類の特典がつくようになりましたよね。
…………いやいや。
なんですかこれ。ここでも前代未聞の事態が起こってますよ。まさか特典イラストにまでこんなことがあるとは……
ていうか、左のDMM特典は私に対する挑戦ですか!これを目の前にして私がスルーできるとでも?まったく甘く見るのもいい加減にしてもらいたい!(多少錯乱しております)
ええ、そうですよ。今回もデジタル版を購入してしまいました。
しかも普段は別のストアで買っているんですけど、このためだけにDMMに登録してまで「おめかしうっちー」を手に入れてしまいました!何か問題でも?(少々興奮しております)
しかし、うっちーうんぬんを別にしてもかなり珍しいですよね。そもそも、どのエピソードとも関係のないモチーフですし。
正直、なんで18巻の特典がこれなのかがよくわからないんですよ。教室の机に座って制服姿って、まるで卒業記念のスナップみたいじゃないですか。夏合宿編一色の今回とは、まったく一致していないように思えるんです。
だからこそよけいに気になるというか、一体どういうシチュエーションなんだろうとあれこれ想像してしまいますね。
あと正直言うと、右の吉田さんも欲しかったです。
だってこれも前代未聞の特典イラストなんですよ。何しろ、モチーフ元をしっかり明示しているのですから!
そう、右下にある「喪173」という直筆の文字。今までこんなことってあります?まるでサイン色紙のようじゃないですか。
今回は見送りましたが、デジタルですから終了することはまずないでしょうし、そのうち時期を見て購入しようかなとも考えています。
特装版と通常版で住み分けすれば複数購入でもそれほど無駄買いしたという感じもありませんしね。
最後は、恒例の単行本のネタチェック。
まずは裏表紙。
今回の「理想と現実」は割と良かったですね。原点回帰というほどではありませんが、少し懐かしい感じがしました。
ていうかこれ、もこっちのことのように見せかけて、ゆうちゃんにとっての「理想と現実」ですよねw そのねじれた構造がちょっと面白かったかな。
さて、今回は巻末おまけマンガもすごいことになっています。
前巻に引き続き「おまけ」のみ。しかも今回はサブタイトルもない、単に「おまけ」となっているわけですが、特筆すべきなのはその中身。
いやあやってくれましたよ、谷川さん!まさかの「夏合宿四日目の夜」!
しかも、
このうっちーの心の叫びを引き継いでの「後日談」ですよ!
もうこれだけでも狂喜乱舞ですよね(私が)。
そうでなくても、夏合宿編があれで終わりというのは少し寂しい感じは否めませんでしたからね。うっちーファンならずとも、これはうれしい「おまけ」でしょう。
内容も文句なしの面白さでしたし、ようやくこれで「夏合宿」が終わったという実感が湧いてきましたね。18巻の巻末マンガとして実にふさわしいものだったと思います。(あえて「喪175その後…」とせずにノータイトルだったのも特別感があってうれしい!)
「あとがき」は予備校合宿の取材の裏話。
こちらもお得意の自虐風味がなんとも切ない笑いを誘うわけですが、逆にそれが滋味深さにもつながっているんです。心に染みてくるというか、この味は彼にしか出せませんね。17巻のあとがきが個人的に少し物足りなかったので、今回は特に楽しめました。
カバー裏イラストはこれまた意外なお二人が選ばれています。特に裏表紙の彼女は“あの顔”(笑)でついに表紙裏まで出世してきましたからね。次はもしかしたら、堂々のメイン表紙に抜擢されるかも?
また、どちらも作中と同じファッションなのがいいですね。特典イラスト同様エピソード上のアナザーショットといった趣があって、彼女たちの意外な一面を覗いたような気がしました。
17巻はこれといった「核」がない分、バラエティに富んだ内容でしたが、今回はほぼがっつり「夏合宿編」ということもあって、全体を通して読み応えのある巻だったと思います。間にブランクがほとんど入らないため、そのボリューム感に少し胸やけ(笑)するほどでしたね。17巻が短編集なら、18巻は長編小説といったところでしょうか。
それとひとつ思ったのは、やはり3年生編はずっと「大きな物語」が続いているんだなということ。
13巻まではともかく、少なくとも14巻からは基本的に切れ目なく話が続いているような気がしますね。
「大学見学編」「きーちゃん編」「名前を呼び合う」「雨がやむまで」という流れ、そして「一人で寄り道」を経ての「球技大会」「謹慎編」。
この道筋を辿っていけば、もこっちが「銀色」にした心境もなんとなく見えてくるかもしれません。
もこっちは今、自分と真っ正面から向き合おうとしています。その中で、必死に何かを掴もうともがいています。
それに呼応するように、周りの人間関係もまた少しずつ変化を見せているようです。
そうした中で今回の18巻で起こった、いくつかの「前代未聞」。
どうやら「大きな物語」は動きを止めるどころか、さらに加速化しているかのように見えます。
果たしてこのまま最後まで突っ走るのか。それともいつかどこかで落ち着くのか。
まさにノンストップ状態に突入したわたモテの行く先に、ますます目が離せなくなってきそうです。
……え?これで終わり? まだ、言及しないといけないことがあるだろうって?
えーえーわかってますって。そうあわてないでください。一休み、一休み。
そう、今回はなんと2本立て!
特装版の「小冊子」についての感想は、↓こちらから。(若干ネタバレあり)
【微ネタバレあり】わたモテ18巻特装版「小冊子」感想
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-357.html
個人的ベスト3は、喪170と喪174、そして喪176ですね。(Amazonで特装版を購入する場合は価格にご注意を)
どうしても待てないようでしたら、まずは通常版を購入するのもあり!
今回はもう書きたいことが山ほどあるというか、言及すべきところが目白押しですので、よけいな前置きは省いて先を急ぎたいと思います。
というわけで世間の波には若干乗り遅れましたが、今回も18巻の感想を綴っていこうと思います。よければお付き合いのほどを。
※各話(喪169から喪176+特別編)の感想は、以下の各エントリーを参照してください。
喪169「モテないし弟の性癖」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-324.html
喪170「モテないし染まる」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-328.html
喪171「モテないし夏合宿」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-332.html
喪172「モテないし夏合宿初日の夜」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-334.html
喪173「モテないし他の奴は」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-336.html
特別編9
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-343.html
喪174「モテないし合宿の日々」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-338.html
喪175「モテないし合宿が終わる 前編」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-347.html
喪175「モテないし合宿が終わる 後編」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-349.html
喪176「モテないし実況する」
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-351.html
特別編10
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-327.html
●迷っているなら特装版一択
それにしても今回は7巻以来の特装版も発売ということで、かなりの盛り上がりを見せていましたね。
私は発売日の次の日に都内某所で購入したのですが、すでに特装版はかなり品薄になっていました。

できればこのように、保存用も兼ねて通常版も一緒に購入したいところでしょうが、なかなかそうもできない人もいることでしょう。一冊に絞るとして、どちらを買おうか悩んでいる方もけっこうおられるのではないでしょうか。
で、僭越ながらアドバイスをさせていただくと、
「特装版以外あり得ない!」です。
これはもう自信持って言えます。逆に言えば無理して通常版を購入する必要はあまりありません。
というのも今回、「特装版」に付属する「特別冊子」以外これといった違いはないんですよ。
前回の7巻の時は表紙絵が微妙に違っていたりマニア心をくすぐる仕掛けがいくつかあって、両方揃える価値はそれなりにあったかと思いますが、今回ははっきりいって「色違い」以外、特に何が変わっているというところはありません。
なのでコレクターとしての義務感に駆られない限り、普通のファンがあえて両方手にいれる必要性は薄いかと思います。
もちろん、細かいところをあげていけば他にもあります。バックに散りばめられている各シーンは違いますし(通常版のみ喪170からのシーンが2つもあったり)、表面に特殊加工してある3種類のモチーフも特装版と通常版とでは異なります。(特殊印刷モチーフに関しては14巻の感想記事を参照してください)
でも、それらは小異であって、わたモテという作品を味わう上で必要不可欠というわけではありません。描き下ろしのイラストに違いがあるなら話は別ですけどね。今回はもこっちの制服が異なるわけでも髪の色が異なるわけでもないのですから、別に無理することはないでしょう。
あとはもうコスパだけの問題ですよね。通常版が税抜545円で特装版が税抜1100円。
要は「小冊子」(48P)に555円(税込610円)払えるかという話です。
はっきり言いましょう。その価値は十二分にあります!
むしろ良心的な価格ですよ。仮にこれが同人誌なら、少なくとも1000円以上はするはずですから。
なので、もう迷うことはありません。特装版一択ですね。
ただ店頭では今、品切れのところも出てきているようですが、だからといって、あわててAmazonとかでポチるのは少し待ったほうがいいです。特装版は変に値段が高騰してますから。
そんなものに手を出さなくても今は「電子書籍版」があります。
そう、特装版の電子書籍も販売しているんですよ。おまけにストアによっては特典イラストデータがもらえますからね。こちらで購入したほうが間違いなくお得でしょう。(特典がつく電子書籍ストアはガンガンオンラインの18巻発売記念フェア情報にてご確認ください)
どうしても紙版のほうがほしいという方も定価以上の金額を払う必要はありません。DVD付きなどと違って完全限定版というわけではないですから、需要が高まれば再販という可能性もあるでしょう。
むしろ、そういった声をドンドン編集部にあげていって、わたモテの人気ぶりをアピールしていったほうがいいんじゃないかと思いますね。
●再び「ぼっち表紙」の衝撃

というわけで、まずは表紙から見ていくわけですが、今回はいろんな意味で衝撃を受けました。
はっきり言って、今まで見てきた表紙の中で一番驚きましたよ。
私でさえそうだったのですから、単行本派の人にとってはなおさらだと思います。
そして、その方たちが真っ先に指摘したいところがあるのもわかります。そう、もこっちの“アレ”ですよねw
でもそれはひとまず置いておきましょう。物事には順番というものがあります。
ここでは何よりもまず最初に押さえておきたいポイントがあるはずです。
それはこのタイミングで、かつての「ぼっち表紙」に戻っているということ。これこそが今回もっとも注目すべきことと言っていいでしょう。
「ぼっち表紙」とは何か。
詳しくは9巻の時の感想記事を見ていただきたいんですけど、要するに1巻から4巻までの「もこっちしかいない表紙」に戻っているんです。これは何よりも特筆すべき大事件だと私は思います。
これが2年生の頃ならまだわかるんですよ。例えば10巻から12巻あたりの頃に「ぼっち表紙」があったとしても、多少意外には感じるでしょうが「大事件」とまでは思わなかったことでしょう。2年生編の“最終巻”でもある12巻なら、ある意味「もこっち一人」というパターンも十分あり得たでしょうし。(余談ですが、10巻から17巻までの表紙は12巻を除いて必ず「3人以上」のキャラが描かれています)
3年生編はそれまでのわたモテとは明らかに違ってきています。黒木智子というとある女の子の“どうでもいい日常の物語”という枠を越えて、黒木智子とその仲間たちの青春群像を描いたものへと変化しているわけですよ。
果たして、ここにきての「原点回帰」はどういうことなのでしょう。
●銀髪が意味するもの
そこで考えたいのがもこっちの「髪の色」です。そう、なぜか“銀色”に染まってますよね。今までずっと“黒髪”を守り通してきたもこっちの一大決心と言えるでしょう。
これはもちろん、今回の収録話である喪170「モテないし染まる」からのモチーフです。そして、この話が今回の表紙テーマに選ばれたというのもわかります。「夏合宿編」に入る上で欠かせない重要なエピソードですからね。
しかしだからといって、あえて「ぼっち表紙」にする意味はなんでしょう。普通に考えたら少なくとも加藤さんは一緒に描かれていてもおかしくないですよね。
この謎を考えるポイントは、もこっちの「銀髪」は何を象徴しているかだと思います。
「モテないし染まる」で描かれるその心のうちは、勉強ばかりの地味な毎日の反動から思わず弾けてしまったという感じですよね。実際、夏休みが明けると急に垢抜けたりするやつは昔からいましたし、それ自体はよくある話でしょう。
でもそれはあくまで表向きの理由だと思うんです。
単なる反動や若気の至りではなく、そこには将来への漠然とした不安や迷いに対峙せざるを得ない状況が彼女をそういう行動に駆り立てたように感じるんですね。
私は9巻の感想の時に、仲間を得て悩むようになったもこっちの「青春」の象徴としての「ぼっち表紙」だったのではないかと書きました。今回も同じことが言えるんじゃないでしょうか。
つまり、あの銀髪はもこっちの悩み(青春)の象徴なんですよ。
そして、加藤さん色でもなくゆうちゃん色でもなく、自分の色を選んだということに大きな意味があるんですね。
つまりそれは「自立への覚悟」なんです。
ただそれは、青学進学をやめるとかそういうことではないと思います。単に進路をどうするかということではなく、もっと内面的な話ですね。
黒木智子という人間と自分がどう向き合っていくかが、この「ぼっちもこっち」の姿に表れているのではないでしょうか。
(これは中表紙のイラストと合わせて見るとまた興味深いかもしれません。)
…それとなんとなくですが、下の毛を黒に戻さないことにも何か意味があるような気もしないでもないですw
●「特別編」はなぜ順番が変わったのか
驚くのは表紙だけではありません。目次を開くと、さらなる衝撃がそこには待っていました。
冒頭で各話の感想へのリンクを貼りましたが、何か気づいたことはありませんでしたか?
そう、初出時と掲載順が変わっているんですよ。
具体的には「特別編」2編の入る位置がそれぞれ異なっているんです。
いや、これが「クリスマス特別編」や「ロッテコラボ編」とかならわかるんです。実際11巻や10巻では、発表時期とは関係なく巻末に持ってきていますし。
「クリスマス編」は時系列的に本編と離した方が流れを読みやすいですし、「ロッテコラボ」に関してはある意味スピンオフ的な扱いですからね。巻末マンガとしての扱いのほうがわかりやすいでしょう。
かつての「特別編」は「クリスマス編」をはじめ本編とは切り離されていたので、むしろそれが自然だったんですね。
ところが、15巻に収録された「特別編8」にてその不文律はなくなります。別名「ネモ過去編」とでも言うべきその「特別編」は、明らかに本編の流れに組み込まれるべき一遍でした。
だからこそ初出順通り、喪144と喪145の間に入ったわけです。
今回、「特別編9」とされている回は喪174の後、「特別編10」と銘打たれた回は本来なら喪169の後にくるはずでした。
「特別編」といえども、内容的には本編の流れに準じているわけですからね。15巻の例を踏まえれば、特に順番をいじる必要性もないように思えます。
果たしてそこにはどんな意図が隠されているのでしょうか。
ひとつには、これらの2編は「もともとイレギュラーな回」だったということがあげられるでしょう。
真相は定かではありませんが、「特別編10」は喪170の更新が間に合わずに…という説があります。
また「特別編9」は、谷川先生が風邪をひかれて休載された後に、特別に喪175(前編)と同時更新されたものでした。(休載の件についてはこちらを参照してください)
つまり、本来ならこの流れで掲載されるはずではなかった回なんですよね。今回こういう措置が取られた理由のひとつとしては十分考えられることではあります。
●ブランク2ページの消失
でも私は、それだけではないと考えています。
なぜなら、「特別編9」が喪173と喪174の間に組み込まれているからです。
実は今回、さらに驚くべき前代未聞の事態が起こっているんですね。
それは「ブランク2P」が消失していること。これもまた、わたモテ始まって以来の大事件です。
「ブランク2P」に関しては14巻の感想記事にある、「●偶数と奇数とでは息の入りかたが変わる」と「●実は11巻の構成と似ていた14巻」という章を見ていただくとわかると思います。
要するに「右ページで終わるか左ページで終わるかで息の入り方が違う」ということなんですが、今回特別編2編はもちろん、喪173と喪175、そして喪176が「右ページ」終わりにもかかわらず、なぜか2ページのブランクがなくなっているんですよ。
いったいこれは、何が起こっているのでしょう。
具体的には喪173と特別編9がブランクなしにそのままつながることで“消失”しているんですね。さらには特別編9の後も、ブランクを挟まずに喪174とつながっています。
これにより、喪173から喪174までシームレスというか、まるで一つの話であるかのような構成になっているんです。いわば、特別編9は喪173と喪174の緩衝材というところでしょうか。
まあ実際問題、喪173と特別編9をつなげた意図はわかります。同じ「オムニバス」ということで一緒にした方がわかりやすいと考えたのでしょう。
特別編10に関しては、はっきり言って「巻末おまけマンガ」的な意味合いだからだと思います。やはり、もこっちとは一切関わりのないところの話ですから本編から外したのでしょう。
ただ、それでも謎は残ります。
それならなぜ、喪175と喪176の間にもブランクを挟まなかったのでしょう?
●どうしても「喪176」まで収録したかった理由
実はこれには、意外なところに理由があります。
わたモテの単行本の(次巻予告や広告ページを含む)総ページ数は、「144ページ」と決まっているんですね。製本コストの関係上、16の倍数にする必要があるので146ページとか142ページにはできないんですよ。だから例えば、15巻なんかは次巻予告が1ページだったりしているわけです。
つまり、なんとか144ページに収めるためにブランクを省いたということになります。
でもおかしいじゃないですか。今まで17巻を数える中でそんな例は一度もありませんでしたよね。なぜここにきてこんな苦肉の策をしなければならなかったのでしょう。
それは、どうしても「喪176」を収録したかったから。
私にはそうとしか思えないんです。
喪176は8ページのいわゆる「ショート回」です。通常の12~16ページ物ならともかく、このくらいならブランクを調整することでなんとか収録可能でしょう。事実、本来なら6ページ分のブランクが入るところをカットしているわけです。
つまり、特別編9を喪173と喪174の間に組み込んだ本当の理由は、「喪176までを18巻に収録したかったから」だったのではないでしょうか。
ここで思い出すのは、前回17巻の感想記事でのこと。「●ほんの少しだけ気になること」という章で私はこんなことを言っています。
> もしかすると、すでに「最後の大きな物語」は始まっていて、このまま完結まで一直線ということもあるのではと、ほんの少しですけど不安にもなります。
> 今回は特に「ヒキ」のインパクトが強かっただけに、よけいそんな気がしてしまいますね。
> まあ、この邪推が曲がりなりにも当たっているかは、今続いている「夏合宿編」が次の18巻でちょうど収まるかどうかである程度判断できるかもしれません。
この事から考えると、「夏合宿編」ではない喪176まであえて収録したということで、私のこの仮説は強化されたと言ってもよさそうです。
つまり、18巻で一段落させることなく、次巻への橋渡しとしての「喪176」収録だったと考えられるのではないでしょうか。
●時には休みながら物語を楽しみたいものです
ただ不思議なことに、喪175と喪176がシームレスにつながることで喪176がまるで「夏合宿編」の後日談みたいな印象になるんですよね。実質、最初の喪169以外まるまる「夏合宿編」といってもいいくらいの感じを受けるんです。
この辺のことは、どう捉えていいのかちょっと微妙なところではありますw
でもまあ、喪176で示されたテーマというのは次の喪177につながっていきますからね。冒頭で描かれたあのスケジュールが、次の19巻への「ヒキ」となっているという見方もできるでしょう。
やはり、「最後の大きな物語」はずっと続いているのかもしれません。
正直言うと、前編と後編が一緒になった「喪175」なんかは、「長いな」という印象が否めなかったんですよね。
まあわたモテ史上最長の26ページですから、当然と言えば当然なのかもしれませんが、それだけではないような気がします。
話が日付をまたいでいることもあって、どうしても二つの話を強引に結合したような印象を受けるんですよね。おまけに喪176との間にブランクもないため、息継ぎができない感じになってしまうんです。
そこはちょっとせわしないというか、読んでいて少し疲れるところはありました。
ふと、もしかしたら休むことなくこのまま最後まで突き進んでしまうのだろうかという不安に少し駆られましたよ。
まだまだ長い旅路なのですから、時には休みながらゆっくり行こうよと思ってしまいましたね。
●今回は特典にも前代未聞の事態が起こっています
さて、そろそろ各ショップの特典を見ていきましょうか。(すでに配布は終了している場合があります)




今回のモチーフはすごくわかりやすいというか、各エピソードの別視点からみた風景というコンセプトが根底にあるような感じですね。
左上のアニメイトさんは喪170の後でしょうかw 右上のゲーマーズさんは喪174の冒頭でしょうね。
右下の虎の穴さんは特別編9、左下メロンブックスさんは喪171の集合シーンをサイドから見た視点しょう。
かつてはイメージ重視で、あまり具体的なモチーフはなかったような気がするのですが、今は単行本のおまけに入ってもおかしくないようなテイストのものが主流になってきているようですね。まるで、本編の補足をしているかのようなイラストが目立ちます。
それにしても、どれも実に魅力的な特典ですよね。今回は今までで一番悩んだというか、正直選べないなと思いましたよ。
もういっそのこと、全部コンプリートしようかいう考えも一瞬頭をよぎりましたからね。
しかしなんとか寸でのところで自分の欲望を抑え、いつも通りなんとか2つに絞ることに成功しました。
そのふたつがこれ。

左の加藤さんと夏帆さんの初々しいツーショットは外せませんでした。16巻の時にこの4人の絵柄を泣く泣く外しましたからね。それに他の絵柄と比べてもレア度が高いと思うんですよ。出会った頃の加藤さんと夏帆さんですからね。これは永久保存版だろうと。
あと永久保存版と言えば、何といってもアニメイトさんの黒木姉弟ショットでしょう!
私の選択必須条件であるちびキャラであると同時に、智くんともこっちが同じ食卓で一緒にソーメンをすすってるなんて、レア中のレアですからね。
しかも喪170の騒動の裏で、実は智くんももこっちの“銀髪”に遭遇していたという貴重な目撃情報(笑)ですよ!これはもうマストでしょう。
できればいとこみのショットも捨てがたいところではあったのですが、2つまでという条件下の中で最適な解を得ることが出来たかなと自負しておりますw
さて、ここ最近はデジタル版も2種類の特典がつくようになりましたよね。


…………いやいや。
なんですかこれ。ここでも前代未聞の事態が起こってますよ。まさか特典イラストにまでこんなことがあるとは……
ていうか、左のDMM特典は私に対する挑戦ですか!これを目の前にして私がスルーできるとでも?まったく甘く見るのもいい加減にしてもらいたい!(多少錯乱しております)
ええ、そうですよ。今回もデジタル版を購入してしまいました。
しかも普段は別のストアで買っているんですけど、このためだけにDMMに登録してまで「おめかしうっちー」を手に入れてしまいました!何か問題でも?(少々興奮しております)
しかし、うっちーうんぬんを別にしてもかなり珍しいですよね。そもそも、どのエピソードとも関係のないモチーフですし。
正直、なんで18巻の特典がこれなのかがよくわからないんですよ。教室の机に座って制服姿って、まるで卒業記念のスナップみたいじゃないですか。夏合宿編一色の今回とは、まったく一致していないように思えるんです。
だからこそよけいに気になるというか、一体どういうシチュエーションなんだろうとあれこれ想像してしまいますね。
あと正直言うと、右の吉田さんも欲しかったです。
だってこれも前代未聞の特典イラストなんですよ。何しろ、モチーフ元をしっかり明示しているのですから!
そう、右下にある「喪173」という直筆の文字。今までこんなことってあります?まるでサイン色紙のようじゃないですか。
今回は見送りましたが、デジタルですから終了することはまずないでしょうし、そのうち時期を見て購入しようかなとも考えています。
特装版と通常版で住み分けすれば複数購入でもそれほど無駄買いしたという感じもありませんしね。
最後は、恒例の単行本のネタチェック。
まずは裏表紙。

今回の「理想と現実」は割と良かったですね。原点回帰というほどではありませんが、少し懐かしい感じがしました。
ていうかこれ、もこっちのことのように見せかけて、ゆうちゃんにとっての「理想と現実」ですよねw そのねじれた構造がちょっと面白かったかな。
さて、今回は巻末おまけマンガもすごいことになっています。
前巻に引き続き「おまけ」のみ。しかも今回はサブタイトルもない、単に「おまけ」となっているわけですが、特筆すべきなのはその中身。
いやあやってくれましたよ、谷川さん!まさかの「夏合宿四日目の夜」!
しかも、

このうっちーの心の叫びを引き継いでの「後日談」ですよ!
もうこれだけでも狂喜乱舞ですよね(私が)。
そうでなくても、夏合宿編があれで終わりというのは少し寂しい感じは否めませんでしたからね。うっちーファンならずとも、これはうれしい「おまけ」でしょう。
内容も文句なしの面白さでしたし、ようやくこれで「夏合宿」が終わったという実感が湧いてきましたね。18巻の巻末マンガとして実にふさわしいものだったと思います。(あえて「喪175その後…」とせずにノータイトルだったのも特別感があってうれしい!)
「あとがき」は予備校合宿の取材の裏話。
こちらもお得意の自虐風味がなんとも切ない笑いを誘うわけですが、逆にそれが滋味深さにもつながっているんです。心に染みてくるというか、この味は彼にしか出せませんね。17巻のあとがきが個人的に少し物足りなかったので、今回は特に楽しめました。
カバー裏イラストはこれまた意外なお二人が選ばれています。特に裏表紙の彼女は“あの顔”(笑)でついに表紙裏まで出世してきましたからね。次はもしかしたら、堂々のメイン表紙に抜擢されるかも?
また、どちらも作中と同じファッションなのがいいですね。特典イラスト同様エピソード上のアナザーショットといった趣があって、彼女たちの意外な一面を覗いたような気がしました。
17巻はこれといった「核」がない分、バラエティに富んだ内容でしたが、今回はほぼがっつり「夏合宿編」ということもあって、全体を通して読み応えのある巻だったと思います。間にブランクがほとんど入らないため、そのボリューム感に少し胸やけ(笑)するほどでしたね。17巻が短編集なら、18巻は長編小説といったところでしょうか。
それとひとつ思ったのは、やはり3年生編はずっと「大きな物語」が続いているんだなということ。
13巻まではともかく、少なくとも14巻からは基本的に切れ目なく話が続いているような気がしますね。
「大学見学編」「きーちゃん編」「名前を呼び合う」「雨がやむまで」という流れ、そして「一人で寄り道」を経ての「球技大会」「謹慎編」。
この道筋を辿っていけば、もこっちが「銀色」にした心境もなんとなく見えてくるかもしれません。
もこっちは今、自分と真っ正面から向き合おうとしています。その中で、必死に何かを掴もうともがいています。
それに呼応するように、周りの人間関係もまた少しずつ変化を見せているようです。
そうした中で今回の18巻で起こった、いくつかの「前代未聞」。
どうやら「大きな物語」は動きを止めるどころか、さらに加速化しているかのように見えます。
果たしてこのまま最後まで突っ走るのか。それともいつかどこかで落ち着くのか。
まさにノンストップ状態に突入したわたモテの行く先に、ますます目が離せなくなってきそうです。
……え?これで終わり? まだ、言及しないといけないことがあるだろうって?
えーえーわかってますって。そうあわてないでください。一休み、一休み。
そう、今回はなんと2本立て!
特装版の「小冊子」についての感想は、↓こちらから。(若干ネタバレあり)
【微ネタバレあり】わたモテ18巻特装版「小冊子」感想
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-357.html
個人的ベスト3は、喪170と喪174、そして喪176ですね。(Amazonで特装版を購入する場合は価格にご注意を)
どうしても待てないようでしたら、まずは通常版を購入するのもあり!
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