私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!特別編~特別編が“特別”な理由~
新年あけましておめでとうございます。
今年も「滅びゆくじじい」および「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」をどうぞよろしくお願いいたします。
というわけで、1月2日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」がブラウザ版で特別編に更新されました。
そう、特別編。
「喪◯◯」となっていないことからもわかるように、今回は通常の本編ではありません。
でも特別編っていったいなんでしょう?
わたモテにおいて「特別編」といえば、かつては「クリスマス編」のことを指していました。毎年12月3週目に更新されるクリスマスの話をそう呼んでいたのですね。
これまで「特別編」(コミックス1巻所収)、「特別編2」(コミックス4巻所収)、「特別編3」(コミックス6巻所収)、「特別編4」(コミックス8巻所収)、「特別編5」(コミックス9巻所収)、そして「特別編7」(コミックス11巻所収)と続いてきましたが、「二年目のクリスマス」まで追いついてしまった現在、一旦休止となっています。本編が高校最後のクリスマスに追いつくまではしばらく再開することはないでしょう。
クリスマス以外の「特別編」といえば、ロッテとコラボした「特別編6」(コミックス10巻所収)と悪名高いKADOKAWA主催のキャラ選手権の産物である「特別編8」(コミックス15巻所収、web更新時のタイトルは「BOOK☆WALKER特別編」)しかありません。そして、これらの話はそれぞれ区別するためにナンバリングされています。
ところが今回、「特別編9」とは銘打っていません。また特に何かの企画と連動しているわけでもありません。アプリでは12月3週目の更新でしたが別に「クリスマス編」でもありません。何の説明もなくただ、「今回は特別編!2週連続掲載決定!!」と柱のコピーにあるだけです。
はたしていったい、なにが“特別”というのでしょうか?
……と、もったいぶった書き方をしましたが、中身を読めば「本編」とは違うということはすぐにわかります。
ただ、単に「特別編」とあるだけなのがよけいな邪推をしてしまうというか、なんかややこしいんですよね。
ていうか、単純に1巻収録の「特別編」とまぎらわしいんでやめてもらいたいw せめて単行本時には何か別の名前をつけてほしいですね。「特別編9」でいいんで。
すみません、新年早々特別特別言い過ぎましたねw
まずはとにかく見てまいりましょう!
「それぞれの夏休み」
冒頭から、のっぺらカップルのプリクラ?画像に不意を突かれますが、それよりもまず目に入るのは「それぞれの夏休み」というサブタイトル。
なんと一応、オムニバス形式を装っているんですね。
今回の「特別編」がてっきり2週連続で続くものだと思いこんでいたのは、このサブタイトルのことも大きかったんですよ。だって、今回はオムニバスかと思って読み進めていったら、このエピソードだけでぷつりと終わってしまうのですから!
もちろん、極端なページ数の少なさや、柱の「今回は特別編!2週連続掲載決定!!」という文面も理由のひとつではありましたが、最大の理由はこの「オムニバスなのに1話しかない」が一番かもしれませんね。
だから私は「上からの圧力があって後半がお蔵入りした」んじゃないかと思ったんです。普通にオムニバスだったら複数のエピソードがあってしかるべきですから。
この後に続くエピソードのどこかに「アウト」なネタがあって、直前でストップがかかったのでは勘ぐってしまったんですよ。
まあ結果としてはそんなことはなくって、このエピソードだけで「特別編」は完結しているわけですが、だったら変にサブタイトルつけんなよwと今でも言いたいですね。
それこそ「それぞれの夏休み特別編」でいいじゃないですかw
それはさておき、この子は「マキ」のようですね。
この後サチの口から「マキが彼氏作った」というセリフが出てくるので、今回で確定でしょう。
もっとも、それ以前に喪129にて
サチノリマキがセミロングとショートの黒髪2人とカラーの子だということは描かれていて、なおかつ喪156で
黒髪の二人がサチノリということが判明していますから、カラーの髪をサイドを結ってる子がマキだということは自動的に答えが出てるんですけどね。
ただ、これまで顔が見えないな(見たまんまも、ですがw)と思ってきたのっぺら3人組サチノリマキに、ここにきて、ついにというかようやくそれぞれのキャラが見えてきたような気がします。
WWWそれでも決して描かれないサチの顔w
こうして改めてアップで見ると、不気味さを飛び越えて逆になんだか笑えてきますねw
もう単なるモブではないと思うんですけど、どうやら彼女に関してはあくまでもこのままいくようです。
そういえば最近話題のWEBマンガに「顔がない女の子」というのがありますけど、あの子とはまたちがうんですよね。だってこちらは口と鼻はあるしw 要は「目」がないだけなんです。
しかし、完全なのっぺらぼうより彼女の方がなんとなく怖く感じるのは私だけでしょうか。
何もない顔の上にうっすら笑みだけが浮かんでいる姿は、人間の悪意をそのまま具現化したかのように思えてしまいます。
WWWWW心の声なげえなw
まあ高三の夏休みに付き合い始めるのは確かに馬鹿だとは思うけどw
(でもそれでも恋に落ちるのが若さってものですけどね。浜田省吾の「19のままさ」をちょっと思い出します)
それにしても、このモノローグシーンはすごいですね。
最初はマキから始まって、相手の彼氏→小陽ちゃん→ノリとまこっちと、悪口がどんどんスライドしていくというか、全方位に広がっていくじゃないですかw
それでいて、表向きは友達から送られて来た幸せいっぱいの写真をにこやかに見てるという構図ですからw
「顔が見えない」って、つくづく怖いことなんだなと思いますよ。
ていうか、突然挿入される「ていうか」が面白いですね。
なんだかんだいっても、実はうらやましいというのがバレバレですw
で、自分はなんでこんなところで一人いるんだろうとなって、その矛先が南さんたちに向かってるんですよねw
もしかしたらサチって、普段は寂しがり屋なのかも?
というわけで、ここが今回の個人的ベストシーンになります。
なんかファミレスで何も頼まずに女の子がひとりでスマホを見ながら微笑んでるって、すごく不思議な光景に思えて妙に心をとらえたんですよね。(つーか、注文どころかお冷も出さないのか、この店はw)
誘った南さんより先にまずはまこっちが登場。
さすがは真子さん…と言いたいところですが、よく考えたら彼女も遅刻してるんですよねw 時間通り来てるのはサチ一人というw
もちろん、サチはそのことを真子に咎めたりしません。
その代わり南さんがいないことをいいことに、さっそく「自分から誘ったのに遅刻とかありえないよね」と真子に同意を求めます。
これがノリやマキなら前のめりで話に乗って「そうそう、小陽ちゃんっていつもそうだよね。この間だってさ……」みたいな感じで話が弾むことでしょう。
ところが相手は真子さんです。基本悪口には乗ることはありません。ただ、強く否定することもできないんですよね。なので、
「あーうん でも南さんらしいよね」
と、なんとも煮え切らない返しになってしまうわけですw
まあずるいっちゃあずるいですけど、ある意味、一番人間くさい反応ですよね。誰だってできれば波風立てずに平穏に暮らしたいものです。
彼女たちと真子の仲がどれほどのものなのかはまだよくわからないところがありますけど、どうも一歩引いた感じのように思えますね。
マキも彼氏とのツーショットは真子には送っていないようですし。
彼女もまこっちとサチや南さんとでは、どこかで一線を画している部分があるのでしょう。
WWWサチのなんとも微妙な間www
どうやら期待していた反応とは違っていたようでw
「ねーーーー」の伸ばし方に若干の不満が混じっていますねw
それでも一緒に悪口で盛り上がりたいサチは、彼氏が芸人の誰かに似てることをアピールして、なんとかまこっちを共犯に巻き込もうとします。
「アゴ出てる…」がいかにも誘導尋問ぽい感じで笑っちゃいましたねw(冒頭の写真に戻ると確かにちょっと顎が出ていて、これまた笑えるw)
しかし、それでもまこっちはそのトラップには乗らずに、
「わかんないなーでも優しそうな人だよねー」と華麗に回避w
この返しはすごいですよね。顔のことを聞いてんのに“優しそう”とかw
さすがにこの無自覚いい人アピールはちょっとイラッとしますよw
だれも性格なんて聞いてねーよとサチもツッコミたくてしょうがないんじゃないでしょうかw
WWWWWある意味、素直な子だなおいw
でも、心の声はあくまで内に秘めておいて、口では「……そうだね」と形だけ同意するのがサチなんですね。まさに「顔が見えない」ところが妙にリアルw
そういえば、同じく顔がないモブから始まったキャラに“かよ”がいますけど、彼女はある時突然「顔」を獲得するんですよね(喪105のこのシーンと喪106のこのシーンを参照)。
でもこうして見ると、サチが「顔」を得ることは今後もないような気がします。
なぜなら、顔がないことこそが彼女の特色なのですから。
さて、ようやくもう一人がやってきたようですが……
WWWWWこいつかよwwwww
来て早々「ていうか」から始めんなってのw
ていうか、お前の恰好のほうがウケるんですけどw
これ、腹回りはどうなってんだw
つーか、なんかまた太ってないか?
というわけで、もちろんこれが今回一番笑ったシーンになります!
いやあ、中身も見た目も幼児って、裏表がなくていいですねw
ある意味、サチとは真逆の存在ですよ。
サチの会話術www
ある種天才というか、ちょっと怖いくらいですね。
マルチ商法とかやったらむちゃくちゃうまそうw
この後、「アゴがさ…」だけで南さんをハメちゃいますからね。
「何?アイ●シュタイン?ウケる!」てw
で、本人は「小陽ちゃんひどっ!私言ってないからね」と高笑いですからw
人に言わせるだけ言わせて自分の手だけは汚さないとか狡猾過ぎる……
(あと、セリフにwwwがあるのが、なんか妙に腹立ちますねw 自分も記事で多用しているくせに、マンガのフキダシ内で見ると変な違和感がありますよ)
あ、でもこれは余談ですけど、ア●ンシュタインのアゴの方曰く、「冗談でも自分に似てるなんて言うのはやめてください。気を付けて、言葉のナイフです」とのことですよ。いやあ、本当その通り!おいわかってるか、キバ子!(あんまりこの本人の言葉を絶賛するのも、それはそれでなんかもやもやしますけど…w)
WWWWWもはや、サチの掌の上www
これは確かに「小陽ちゃんいいわー」ってなるわなw
ここまでこちらの期待通りに動いてくれる子もそうはいないわw
しかしなるほど。ノリはいつも遅刻するキャラなんですね。
で、彼女らはとにかくその場にいない子の悪口で盛り上がりたいと。
この場合本気で嫌ってるというより、ただ悪意を共有する背徳感が快感なんでしょうね。ちょっとした遊戯なんです。
そしてそれは、自分も餌食になっていることさえ想定済みなんでしょう。
喪156の
こんな場面や、
または、喪145の
こんな言葉からもうかがえますね。
でもまあ、無邪気な顔で「化粧濃いもんね」と言える南さんはサチよりは怖くはないかなw やっぱり顔が見えるって大事ですよねw
ていうか、まこっちw なに傍観者面しているんだw
君もその“環境”の一部だろうにw
さて、けっきょく何が“特別”だったのでしょうか。
単純に考えれば、2ページというわたモテ史上最短ページという“特別”さもあるでしょう。
またガンガンオンラインアプリ的には、本来は喪170の更新が12月26日にあるんだけど、3週間空いちゃうから今回“特別”に描き下ろしの2ページを見せてやるよ(ただしブラウザで見ているやつらには内緒だぞw)みたいなノリだったのかもしれません。
でも話の内容的には、もっとはっきりしていることがありますね。
そう、「もこっちが出てこない話」だからです。
…いや、正確には違いますね。単純にもこっちが登場しない話なら喪157「モテないし謹慎するってよ」があります。(正確には表紙にいますけど)
あれはつまり、もこっちの外からもこっちを描いた話ですから本編なんです。
正しくは、「もこっちに関係のない話」だから。これですね。
わたモテはもこっちの物語です。どれだけ世界が広がってキャラが増えたとしても、そこの根幹は変わっていないはずです。
だからこそ、もこっちとまったく関わりのないサチたちだけの話を本編と銘打つわけにはいかなかったわけなんですね。
そう考えると「特別編」というよりは、むしろ「番外編」もしくは「スピンオフ」と呼ぶべきなのかもしれません。
1話しかないのにサブタイトルをつけて、あたかもオムニバス内の一遍のように見せたのも、そういう意図があるような気もします。
ほら、最近のオムニバスだったら、もこっちとは直接関係ない話が入っても違和感がないですよね。たぶんそういうことなんじゃないでしょうか。
今回の主役は間違いなく「サチ」ですね。決して南さんや真子ではありません。
でも同じ顔なしの中でも、ノリでもマキでもなく彼女がメインを張れたというのは偶然ではないと思います。
改めて南さんが登場してからのわたモテを読み返してみると、なかなか面白いことがわかります。
修学旅行直前の喪69では南さんはまだ登場せず、「名前だけ」の存在でした。
南さんが初めてわたモテに登場するのは意外と遅くて、喪99「モテないし友達の友達」(コミックス11巻所収)になります。
ところが、実はその時、サチも一緒に初登場しているんですよね。(南さんがトイレから出るシーンを参照)
もちろん、この時は名前はついておらず、文字通りの「顔なしモブ」だったわけですが、南さんのとりまく「環境」というポジションはすでにこの頃からできあがっていたと考えていいのではないでしょうか。
で、南さんが登場するシーンって、しばらくはサチと一緒の時ばかりなんですよ。
喪112「モテないしバレンタインデーを送る①」の
喪117「モテないし2年生の終わり」の
そして、喪120「モテないし打ち上げる」の

と、2年までは、南さんとサチしかいないんです。
実は「サチノリマキ」という3人の名前が出てくるのは、喪122「モテないし3年生になる」からなんですよね。
当時の感想に、
ていうか、サチ、ノリ、マキって誰なんでしょう?そもそも南班って、5人もいましたっけ?wいつものっぺら子としかつるんでいなかったような……w
とあるのは、なんだか象徴的です。サチノリマキという存在は3年生になってから初めて生まれたと言ってもいいのかもしれません。(ここまでの喪112から喪122までコミックス12巻所収)
3年生になると、基本サチノリの黒髪のっぺらコンビが南さんとのデフォルトになりますが、マキはほとんど出てきません。というか、サチノリマキが揃ったのって、喪129と喪134くらいしかないんですよね。マキに関して言えば、いまだに替えのきく「モブ」のままなんです。
その点、サチは格が違います。なにしろ2年の頃からずっと南さんの取り巻きだったんですからw
喪163「モテないし夏」の「こはるちゃん①②」で、ついに主役の座(?)を射止めたのも記憶に新しいところですよねw(これもオムニバスの1話だからこそなり得たことですが)
考えてみれば、「サチ」という名前もなんだか意味深のように思えてなりません。
サチという字がどう書くのはわかりませんが、仮に幸せの「幸」だとすると、なんだか皮肉な匂いがしませんか?
ほら、マンガ史上に残る名作「自虐の詩」のヒロインも幸江という名前だったじゃないですか。他にもばんばひろふみの「SACHIKO」という曲がありますよね。昔から幸せを意味する名前には“業”の深いイメージが宿るものなんです。(え、小林●子?あーほら、あの人はラスボスだし…)
まあさすがにこれは考えすぎかもしれませんが、いずれにしても、他の誰でもない「サチ」だからこそなり得た「特別編」だったという印象は強く持ちましたね。
彼女はわたモテという世界では異端な存在です。もこっちの周りに悪意のある人物はいないという不文律に真っ向から喧嘩を売っているようなキャラなのですから。善悪という概念すらなさそうな南さんとはまた別の意味で扱いが難しいんだと思います。
そういった中、「もこっちの世界」とは関わりないところで確実にキャラとして成長してきている“顔なし”が、「特別編」という枠の中で主役を張れたというのはなんだか面白いなあと思います。
とはいえ、世界観云々は抜きにしても、彼女が「もこっち」と交わることは今後もないでしょう。だって、“顔なし”のままでもこっちと絡ませたら絶対やばいですよ。
これまでも、キバ子、凸、淫乱ピンク(笑)と、見た目でひどいニックネームを人知れず付けてきたもこっちのことです。
間違いなく、「顔なし」とか「のっぺらぼう」とか心の中で呼ぶことでしょうw
そうなったら、メタなんだかネタなんだかよくわからなくなってしまいますからw
うん、やっぱり彼女は、「特別編」の中でしか生きられない存在のようです。
まこっちの意外な?一面も見えてきた最新単行本16巻は絶賛発売中!
サチ初登場である喪99「モテないし友達の友達」は11巻で読めます!
サチノリマキ3人揃うのは喪129「モテないし教えてあげる」で!
今年も「滅びゆくじじい」および「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」をどうぞよろしくお願いいたします。
というわけで、1月2日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」がブラウザ版で特別編に更新されました。
そう、特別編。
「喪◯◯」となっていないことからもわかるように、今回は通常の本編ではありません。
でも特別編っていったいなんでしょう?
わたモテにおいて「特別編」といえば、かつては「クリスマス編」のことを指していました。毎年12月3週目に更新されるクリスマスの話をそう呼んでいたのですね。
これまで「特別編」(コミックス1巻所収)、「特別編2」(コミックス4巻所収)、「特別編3」(コミックス6巻所収)、「特別編4」(コミックス8巻所収)、「特別編5」(コミックス9巻所収)、そして「特別編7」(コミックス11巻所収)と続いてきましたが、「二年目のクリスマス」まで追いついてしまった現在、一旦休止となっています。本編が高校最後のクリスマスに追いつくまではしばらく再開することはないでしょう。
クリスマス以外の「特別編」といえば、ロッテとコラボした「特別編6」(コミックス10巻所収)と悪名高いKADOKAWA主催のキャラ選手権の産物である「特別編8」(コミックス15巻所収、web更新時のタイトルは「BOOK☆WALKER特別編」)しかありません。そして、これらの話はそれぞれ区別するためにナンバリングされています。
ところが今回、「特別編9」とは銘打っていません。また特に何かの企画と連動しているわけでもありません。アプリでは12月3週目の更新でしたが別に「クリスマス編」でもありません。何の説明もなくただ、「今回は特別編!2週連続掲載決定!!」と柱のコピーにあるだけです。
はたしていったい、なにが“特別”というのでしょうか?
……と、もったいぶった書き方をしましたが、中身を読めば「本編」とは違うということはすぐにわかります。
ただ、単に「特別編」とあるだけなのがよけいな邪推をしてしまうというか、なんかややこしいんですよね。
ていうか、単純に1巻収録の「特別編」とまぎらわしいんでやめてもらいたいw せめて単行本時には何か別の名前をつけてほしいですね。「特別編9」でいいんで。
すみません、新年早々特別特別言い過ぎましたねw
まずはとにかく見てまいりましょう!
「それぞれの夏休み」

冒頭から、のっぺらカップルのプリクラ?画像に不意を突かれますが、それよりもまず目に入るのは「それぞれの夏休み」というサブタイトル。
なんと一応、オムニバス形式を装っているんですね。
今回の「特別編」がてっきり2週連続で続くものだと思いこんでいたのは、このサブタイトルのことも大きかったんですよ。だって、今回はオムニバスかと思って読み進めていったら、このエピソードだけでぷつりと終わってしまうのですから!
もちろん、極端なページ数の少なさや、柱の「今回は特別編!2週連続掲載決定!!」という文面も理由のひとつではありましたが、最大の理由はこの「オムニバスなのに1話しかない」が一番かもしれませんね。
だから私は「上からの圧力があって後半がお蔵入りした」んじゃないかと思ったんです。普通にオムニバスだったら複数のエピソードがあってしかるべきですから。
この後に続くエピソードのどこかに「アウト」なネタがあって、直前でストップがかかったのでは勘ぐってしまったんですよ。
まあ結果としてはそんなことはなくって、このエピソードだけで「特別編」は完結しているわけですが、だったら変にサブタイトルつけんなよwと今でも言いたいですね。
それこそ「それぞれの夏休み特別編」でいいじゃないですかw
それはさておき、この子は「マキ」のようですね。
この後サチの口から「マキが彼氏作った」というセリフが出てくるので、今回で確定でしょう。
もっとも、それ以前に喪129にて

サチノリマキがセミロングとショートの黒髪2人とカラーの子だということは描かれていて、なおかつ喪156で

黒髪の二人がサチノリということが判明していますから、カラーの髪をサイドを結ってる子がマキだということは自動的に答えが出てるんですけどね。
ただ、これまで顔が見えないな(見たまんまも、ですがw)と思ってきたのっぺら3人組サチノリマキに、ここにきて、ついにというかようやくそれぞれのキャラが見えてきたような気がします。

WWWそれでも決して描かれないサチの顔w
こうして改めてアップで見ると、不気味さを飛び越えて逆になんだか笑えてきますねw
もう単なるモブではないと思うんですけど、どうやら彼女に関してはあくまでもこのままいくようです。
そういえば最近話題のWEBマンガに「顔がない女の子」というのがありますけど、あの子とはまたちがうんですよね。だってこちらは口と鼻はあるしw 要は「目」がないだけなんです。
しかし、完全なのっぺらぼうより彼女の方がなんとなく怖く感じるのは私だけでしょうか。
何もない顔の上にうっすら笑みだけが浮かんでいる姿は、人間の悪意をそのまま具現化したかのように思えてしまいます。

WWWWW心の声なげえなw
まあ高三の夏休みに付き合い始めるのは確かに馬鹿だとは思うけどw
(でもそれでも恋に落ちるのが若さってものですけどね。浜田省吾の「19のままさ」をちょっと思い出します)
それにしても、このモノローグシーンはすごいですね。
最初はマキから始まって、相手の彼氏→小陽ちゃん→ノリとまこっちと、悪口がどんどんスライドしていくというか、全方位に広がっていくじゃないですかw
それでいて、表向きは友達から送られて来た幸せいっぱいの写真をにこやかに見てるという構図ですからw
「顔が見えない」って、つくづく怖いことなんだなと思いますよ。
ていうか、突然挿入される「ていうか」が面白いですね。
なんだかんだいっても、実はうらやましいというのがバレバレですw
で、自分はなんでこんなところで一人いるんだろうとなって、その矛先が南さんたちに向かってるんですよねw
もしかしたらサチって、普段は寂しがり屋なのかも?
というわけで、ここが今回の個人的ベストシーンになります。
なんかファミレスで何も頼まずに女の子がひとりでスマホを見ながら微笑んでるって、すごく不思議な光景に思えて妙に心をとらえたんですよね。(つーか、注文どころかお冷も出さないのか、この店はw)

誘った南さんより先にまずはまこっちが登場。
さすがは真子さん…と言いたいところですが、よく考えたら彼女も遅刻してるんですよねw 時間通り来てるのはサチ一人というw
もちろん、サチはそのことを真子に咎めたりしません。
その代わり南さんがいないことをいいことに、さっそく「自分から誘ったのに遅刻とかありえないよね」と真子に同意を求めます。
これがノリやマキなら前のめりで話に乗って「そうそう、小陽ちゃんっていつもそうだよね。この間だってさ……」みたいな感じで話が弾むことでしょう。
ところが相手は真子さんです。基本悪口には乗ることはありません。ただ、強く否定することもできないんですよね。なので、
「あーうん でも南さんらしいよね」
と、なんとも煮え切らない返しになってしまうわけですw
まあずるいっちゃあずるいですけど、ある意味、一番人間くさい反応ですよね。誰だってできれば波風立てずに平穏に暮らしたいものです。
彼女たちと真子の仲がどれほどのものなのかはまだよくわからないところがありますけど、どうも一歩引いた感じのように思えますね。
マキも彼氏とのツーショットは真子には送っていないようですし。
彼女もまこっちとサチや南さんとでは、どこかで一線を画している部分があるのでしょう。

WWWサチのなんとも微妙な間www
どうやら期待していた反応とは違っていたようでw
「ねーーーー」の伸ばし方に若干の不満が混じっていますねw
それでも一緒に悪口で盛り上がりたいサチは、彼氏が芸人の誰かに似てることをアピールして、なんとかまこっちを共犯に巻き込もうとします。
「アゴ出てる…」がいかにも誘導尋問ぽい感じで笑っちゃいましたねw(冒頭の写真に戻ると確かにちょっと顎が出ていて、これまた笑えるw)
しかし、それでもまこっちはそのトラップには乗らずに、
「わかんないなーでも優しそうな人だよねー」と華麗に回避w
この返しはすごいですよね。顔のことを聞いてんのに“優しそう”とかw
さすがにこの無自覚いい人アピールはちょっとイラッとしますよw
だれも性格なんて聞いてねーよとサチもツッコミたくてしょうがないんじゃないでしょうかw

WWWWWある意味、素直な子だなおいw
でも、心の声はあくまで内に秘めておいて、口では「……そうだね」と形だけ同意するのがサチなんですね。まさに「顔が見えない」ところが妙にリアルw
そういえば、同じく顔がないモブから始まったキャラに“かよ”がいますけど、彼女はある時突然「顔」を獲得するんですよね(喪105のこのシーンと喪106のこのシーンを参照)。
でもこうして見ると、サチが「顔」を得ることは今後もないような気がします。
なぜなら、顔がないことこそが彼女の特色なのですから。
さて、ようやくもう一人がやってきたようですが……

WWWWWこいつかよwwwww
来て早々「ていうか」から始めんなってのw
ていうか、お前の恰好のほうがウケるんですけどw
これ、腹回りはどうなってんだw
つーか、なんかまた太ってないか?
というわけで、もちろんこれが今回一番笑ったシーンになります!
いやあ、中身も見た目も幼児って、裏表がなくていいですねw
ある意味、サチとは真逆の存在ですよ。

サチの会話術www
ある種天才というか、ちょっと怖いくらいですね。
マルチ商法とかやったらむちゃくちゃうまそうw
この後、「アゴがさ…」だけで南さんをハメちゃいますからね。
「何?アイ●シュタイン?ウケる!」てw
で、本人は「小陽ちゃんひどっ!私言ってないからね」と高笑いですからw
人に言わせるだけ言わせて自分の手だけは汚さないとか狡猾過ぎる……
(あと、セリフにwwwがあるのが、なんか妙に腹立ちますねw 自分も記事で多用しているくせに、マンガのフキダシ内で見ると変な違和感がありますよ)
あ、でもこれは余談ですけど、ア●ンシュタインのアゴの方曰く、「冗談でも自分に似てるなんて言うのはやめてください。気を付けて、言葉のナイフです」とのことですよ。いやあ、本当その通り!おいわかってるか、キバ子!(あんまりこの本人の言葉を絶賛するのも、それはそれでなんかもやもやしますけど…w)

WWWWWもはや、サチの掌の上www
これは確かに「小陽ちゃんいいわー」ってなるわなw
ここまでこちらの期待通りに動いてくれる子もそうはいないわw
しかしなるほど。ノリはいつも遅刻するキャラなんですね。
で、彼女らはとにかくその場にいない子の悪口で盛り上がりたいと。
この場合本気で嫌ってるというより、ただ悪意を共有する背徳感が快感なんでしょうね。ちょっとした遊戯なんです。
そしてそれは、自分も餌食になっていることさえ想定済みなんでしょう。
喪156の

こんな場面や、
または、喪145の

こんな言葉からもうかがえますね。
でもまあ、無邪気な顔で「化粧濃いもんね」と言える南さんはサチよりは怖くはないかなw やっぱり顔が見えるって大事ですよねw
ていうか、まこっちw なに傍観者面しているんだw
君もその“環境”の一部だろうにw
さて、けっきょく何が“特別”だったのでしょうか。
単純に考えれば、2ページというわたモテ史上最短ページという“特別”さもあるでしょう。
またガンガンオンラインアプリ的には、本来は喪170の更新が12月26日にあるんだけど、3週間空いちゃうから今回“特別”に描き下ろしの2ページを見せてやるよ(ただしブラウザで見ているやつらには内緒だぞw)みたいなノリだったのかもしれません。
でも話の内容的には、もっとはっきりしていることがありますね。
そう、「もこっちが出てこない話」だからです。
…いや、正確には違いますね。単純にもこっちが登場しない話なら喪157「モテないし謹慎するってよ」があります。(正確には表紙にいますけど)
あれはつまり、もこっちの外からもこっちを描いた話ですから本編なんです。
正しくは、「もこっちに関係のない話」だから。これですね。
わたモテはもこっちの物語です。どれだけ世界が広がってキャラが増えたとしても、そこの根幹は変わっていないはずです。
だからこそ、もこっちとまったく関わりのないサチたちだけの話を本編と銘打つわけにはいかなかったわけなんですね。
そう考えると「特別編」というよりは、むしろ「番外編」もしくは「スピンオフ」と呼ぶべきなのかもしれません。
1話しかないのにサブタイトルをつけて、あたかもオムニバス内の一遍のように見せたのも、そういう意図があるような気もします。
ほら、最近のオムニバスだったら、もこっちとは直接関係ない話が入っても違和感がないですよね。たぶんそういうことなんじゃないでしょうか。
今回の主役は間違いなく「サチ」ですね。決して南さんや真子ではありません。
でも同じ顔なしの中でも、ノリでもマキでもなく彼女がメインを張れたというのは偶然ではないと思います。
改めて南さんが登場してからのわたモテを読み返してみると、なかなか面白いことがわかります。
修学旅行直前の喪69では南さんはまだ登場せず、「名前だけ」の存在でした。
南さんが初めてわたモテに登場するのは意外と遅くて、喪99「モテないし友達の友達」(コミックス11巻所収)になります。
ところが、実はその時、サチも一緒に初登場しているんですよね。(南さんがトイレから出るシーンを参照)
もちろん、この時は名前はついておらず、文字通りの「顔なしモブ」だったわけですが、南さんのとりまく「環境」というポジションはすでにこの頃からできあがっていたと考えていいのではないでしょうか。
で、南さんが登場するシーンって、しばらくはサチと一緒の時ばかりなんですよ。
喪112「モテないしバレンタインデーを送る①」の

喪117「モテないし2年生の終わり」の

そして、喪120「モテないし打ち上げる」の

と、2年までは、南さんとサチしかいないんです。
実は「サチノリマキ」という3人の名前が出てくるのは、喪122「モテないし3年生になる」からなんですよね。
当時の感想に、
ていうか、サチ、ノリ、マキって誰なんでしょう?そもそも南班って、5人もいましたっけ?wいつものっぺら子としかつるんでいなかったような……w
とあるのは、なんだか象徴的です。サチノリマキという存在は3年生になってから初めて生まれたと言ってもいいのかもしれません。(ここまでの喪112から喪122までコミックス12巻所収)
3年生になると、基本サチノリの黒髪のっぺらコンビが南さんとのデフォルトになりますが、マキはほとんど出てきません。というか、サチノリマキが揃ったのって、喪129と喪134くらいしかないんですよね。マキに関して言えば、いまだに替えのきく「モブ」のままなんです。
その点、サチは格が違います。なにしろ2年の頃からずっと南さんの取り巻きだったんですからw
喪163「モテないし夏」の「こはるちゃん①②」で、ついに主役の座(?)を射止めたのも記憶に新しいところですよねw(これもオムニバスの1話だからこそなり得たことですが)
考えてみれば、「サチ」という名前もなんだか意味深のように思えてなりません。
サチという字がどう書くのはわかりませんが、仮に幸せの「幸」だとすると、なんだか皮肉な匂いがしませんか?
ほら、マンガ史上に残る名作「自虐の詩」のヒロインも幸江という名前だったじゃないですか。他にもばんばひろふみの「SACHIKO」という曲がありますよね。昔から幸せを意味する名前には“業”の深いイメージが宿るものなんです。(え、小林●子?あーほら、あの人はラスボスだし…)
まあさすがにこれは考えすぎかもしれませんが、いずれにしても、他の誰でもない「サチ」だからこそなり得た「特別編」だったという印象は強く持ちましたね。
彼女はわたモテという世界では異端な存在です。もこっちの周りに悪意のある人物はいないという不文律に真っ向から喧嘩を売っているようなキャラなのですから。善悪という概念すらなさそうな南さんとはまた別の意味で扱いが難しいんだと思います。
そういった中、「もこっちの世界」とは関わりないところで確実にキャラとして成長してきている“顔なし”が、「特別編」という枠の中で主役を張れたというのはなんだか面白いなあと思います。
とはいえ、世界観云々は抜きにしても、彼女が「もこっち」と交わることは今後もないでしょう。だって、“顔なし”のままでもこっちと絡ませたら絶対やばいですよ。
これまでも、キバ子、凸、淫乱ピンク(笑)と、見た目でひどいニックネームを人知れず付けてきたもこっちのことです。
間違いなく、「顔なし」とか「のっぺらぼう」とか心の中で呼ぶことでしょうw
そうなったら、メタなんだかネタなんだかよくわからなくなってしまいますからw
うん、やっぱり彼女は、「特別編」の中でしか生きられない存在のようです。
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