本日購入のラノベたち~別の路線と同じ路線~
本日購入のライトノベル(新たな積読リスト候補とも言う)たち。
どちらも前作が素晴らしかったので作者買い。
耳目口 司氏の前作「丘ルトロジック」シリーズはそれはそれは狂った作品で、とても人様にお勧めできるようなものではありませんでしたが、不思議な熱に冒されたような奇妙な読後感のある迷作でした。
そもそも冒頭からして、“風景フェチ”の主人公が“丘研究会”と勘違いして“オカルト研究会”に入部してしまう、といった感じですからね……。これだけでも、いかに異常な作品であったかおわかりでしょう。
最終巻の「丘ルトロジック4」が出てから早2年以上。そのあとがきには、これから就職活動のため休筆するとあったこともあって、ひょっとすると一作のみの幻のラノベ作家になるのかもと思っていました。(といってもデビュー作だけで消えていく人も普通に大勢いるのがラノベの世界なので別に珍しくもないのですが)
しかし!あれだけのものが書ける人が何も書けずにいられるわけがありません!
『就職活動を経て世間様に顔向けできるような真人間として更生することを心に誓った』(エンド・リ・エンド1あとがきより)耳目口さんは、真人間にはなれずにラノベ業界に再び舞い戻ってきたのです!
![]() | エンド・リ・エンド1 退屈で無価値な現実から、ゲエム世界へようこそ。 (角川スニーカー文庫) (2014/08/01) 耳目口 司 商品詳細を見る |
![]() | この恋と、その未来。 -一年目 春- (ファミ通文庫) (2014/06/30) 森橋ビンゴ 商品詳細を見る |
どちらも前作が素晴らしかったので作者買い。
耳目口 司氏の前作「丘ルトロジック」シリーズはそれはそれは狂った作品で、とても人様にお勧めできるようなものではありませんでしたが、不思議な熱に冒されたような奇妙な読後感のある迷作でした。
そもそも冒頭からして、“風景フェチ”の主人公が“丘研究会”と勘違いして“オカルト研究会”に入部してしまう、といった感じですからね……。これだけでも、いかに異常な作品であったかおわかりでしょう。
最終巻の「丘ルトロジック4」が出てから早2年以上。そのあとがきには、これから就職活動のため休筆するとあったこともあって、ひょっとすると一作のみの幻のラノベ作家になるのかもと思っていました。(といってもデビュー作だけで消えていく人も普通に大勢いるのがラノベの世界なので別に珍しくもないのですが)
しかし!あれだけのものが書ける人が何も書けずにいられるわけがありません!
『就職活動を経て世間様に顔向けできるような真人間として更生することを心に誓った』(エンド・リ・エンド1あとがきより)耳目口さんは、真人間にはなれずにラノベ業界に再び舞い戻ってきたのです!
それにしても、あれほどのキチ●イワールドを構築してきた人が「ギャルゲー世界にに転生した主人公」なんて題材を取り上げるとは思いませんでした。この手のものって他にいくらでもありますし、今更耳目口さんが書くようなものではない気がするのですが……。
まあ、そこは「…と思わせておいて、いつの間にか見たこともない世界に連れていかれている」パターンかもしれませんし、まずは読んでみてからですね。楽しみです。
もっとも森田季節さんみたいにとてつもなくマニアックなものを描く一方で、あまりに凡庸なテンプレラノベも書いたりする“ヘン”な作家さんもいるので、油断はできませんけどね。
一方、森橋ビンゴ氏の前作「東雲侑子」シリーズは、読んでいて恥ずかしくなってしまうほどの“真っ当な恋愛小説”でライトノベルというよりはジュブナイルというか、少年少女小説といった感じの名作でした。こちらは、昨今のラブコメに食傷気味の方には特におすすめの青春小説ですので、興味のある方は是非。
森橋ビンゴさんはもともと、「デビルメイクライ」や「鬼武者Soul」などのゲームシナリオも手掛けているように、ハードな面もあるので、「東雲侑子」シリーズの次は『ヤクザとか人殺しとかが出てくる話を書いてやろうか』(この恋と、その未来。 -一年目 春-あとがきより)と目論んでいたそうですが、
そこは担当者に『次も東雲侑子ちゃんみたいな淡い感じで』と念を押されたこともあって、今回も無事(?)、淡い青春路線でいくことになったようです(笑)。
片方は一見前シリーズとまったく別路線、もう片方は一見前シリーズ路線を踏襲、と見事に両極端の方向になったわけで、そう考えるとちょっと面白いですね。
どちらも今の主流とは言えない地味な作品ですが、今後もこういった“ヘン”なものも内包できるようなライトノベル界であって欲しいものです。
まあ、そこは「…と思わせておいて、いつの間にか見たこともない世界に連れていかれている」パターンかもしれませんし、まずは読んでみてからですね。楽しみです。
もっとも森田季節さんみたいにとてつもなくマニアックなものを描く一方で、あまりに凡庸なテンプレラノベも書いたりする“ヘン”な作家さんもいるので、油断はできませんけどね。
一方、森橋ビンゴ氏の前作「東雲侑子」シリーズは、読んでいて恥ずかしくなってしまうほどの“真っ当な恋愛小説”でライトノベルというよりはジュブナイルというか、少年少女小説といった感じの名作でした。こちらは、昨今のラブコメに食傷気味の方には特におすすめの青春小説ですので、興味のある方は是非。
森橋ビンゴさんはもともと、「デビルメイクライ」や「鬼武者Soul」などのゲームシナリオも手掛けているように、ハードな面もあるので、「東雲侑子」シリーズの次は『ヤクザとか人殺しとかが出てくる話を書いてやろうか』(この恋と、その未来。 -一年目 春-あとがきより)と目論んでいたそうですが、
そこは担当者に『次も東雲侑子ちゃんみたいな淡い感じで』と念を押されたこともあって、今回も無事(?)、淡い青春路線でいくことになったようです(笑)。
片方は一見前シリーズとまったく別路線、もう片方は一見前シリーズ路線を踏襲、と見事に両極端の方向になったわけで、そう考えるとちょっと面白いですね。
どちらも今の主流とは言えない地味な作品ですが、今後もこういった“ヘン”なものも内包できるようなライトノベル界であって欲しいものです。
- 関連記事
-
- ラノベと一般の違いはどこにあるのか ~キャラクター文芸の2作を読んでみて感じたこと~
- 本日購入のラノベたち~別の路線と同じ路線~
- 物語を追っかけることに必死になりたくはない、という話
スポンサーサイト