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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!「喪61」~きーちゃんの重要性~

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪61が公開されましたね。

前回の予想通り、「きーちゃん回」第2回だったわけですが、もこっちがきーちゃんにちょっかいをかける感じが何か新鮮でした。
一年前の夏では、「いいところを見せよう」と見栄ばかり張っていたもこっちが、「きーちゃん、きぇーい!」ですからね。
mo61_01.png

こういった場面を見る限り、もこっちの「本性」がきーちゃんにばれて、かえってよかったのではないかと思ってしまいます。かつて、掃除機でキスマークをつけようとしていたもこっちもいじらしくてかわいいですが、やっぱりこちらのもこっちのほうが、もこっちらしいと今では思いますね。

この辺は意見が割れるところかもしれませんが、「喪女」であることを必死で隠し、自分を大きく見せようとしているもこっちよりも、ナチュラルにゲスなもこっちのほうが、私には魅力的なんですね。

さて、今回のきーちゃんに対しても「感情がない」というか、なにを考えているかよくわからないキャラに見えるとの感想がけっこうあるようです。正直、私はそこまで言われるようには思えないのですが、感情豊かなもこっちと比べるとどうしても表情に乏しいので、そういった印象を受けてしまう人もいるのかもしれません。

というわけで、今回はわたモテにおけるきーちゃんの意味を考えてみたいと思います。

わたモテには大きく分けて、「笑える」話「切ない」話、そして「痛い(トラウマ)」話の3つがあります。
どれもそれぞれわたモテを形成する欠かせないものですが、特に「痛い」話は他にはない、わたモテならばのものではないかと思います。

例えば、1巻での「喪5 モテないし宿る」。
例えば、2巻での「喪15 モテないし再会する」。
5巻での「喪39 モテないし自己紹介をする」。

これらは間違いなく「トラウマ回」です。“日常部”を作る回(喪26)や卒業式(喪37)のような「切ない回」とも違う、これらはまさにページをめくるのが辛いと思わせる「いたたまれない」回なのです。

実は意外と「トラウマ回」は多くありません。ギャグマンガであまり笑えないような展開を続けるのは問題ですし、あくまでもこっちはゲスかわいく、斜め上方向にモテ努力するのが正しいですからね。
ただ、ときどきは「悪意のない他人」に「実はぼっちで、でもそのことを知られたくなくって、必死で見栄を張って悪足掻きしている」姿がバレてしまうことも描く必要があります。そうしないと、「嘘くさく」なってしまうんですね。この作品はギャグであると同時に、リアリティもあってこそのものなのでそこは作者もこだわりがあるのだと思います。

で、その装置としてきーちゃんや荻野先生がいるわけですが、荻野先生はやっぱりなんだかんだ言って“先生”なんですね。大人ですし、もこっちの「自分の恥を知られたくない」感というのはどこかでわかっている部分があるんですよ。

わたモテはその性質上、「周りはいい人ばかり」というのが、基本的な舞台設定としてあります。そうすると、「いたたまれない」話をやる面で難しいところが出てきます。弟やゆうちゃん、小宮山さんではもこっちも比較的ナチュラルでいられますし、見栄を張ると言ってもどこかコミカルになりがちです。ゆうちゃん自身も天然ですしね。今江さんはいい人すぎて、すべてわかっている感がありますし、きっとそういった痛い場面になってももこっちの救いになってしまうでしょう。

その点きーちゃんは先生と違ってまだ子供なので、悪い意味で“無垢”ですし、その無垢さがもこっちを残酷に追い詰めていくわけですね。(喪15の土下座回はまさにそれの真骨頂でしょう!)

喪60、61のきーちゃんは「子供の残酷さ」をデフォルメしているだけだと私は思います。
無表情が多いのもその辺を意識してのことではないでしょうか。決して「人間性の欠如」ではないのです。
(ちなみに公式ファンブックによると、アニメスタッフにもきーちゃんの感情が出過ぎないように描いてくれと原作者の指示があったそうです)

今回の八尺様も子供らしい仕返しじゃないですか。前回の縁日における「「お姉ちゃん あまり恥ずかしいことしないでね」とか、ああいう子供ゆえの残酷さというのはきーちゃんにしか出せません。

きーちゃんはもこっちの「痛さ」に客観性を持たせるために欠かせない重要なキャラなのです。
彼女が主に夏のみに登場するのもうまい設定ですよね。
他の季節なら洒落にならなくても夏の開放感が多少の痛さを低減してくれるのですから。

それに一年前の夏に比べても確実にもこっちは変わってきています。
なにしろ「きーちゃん、きぇーい!」ですからね。
次の夏にはまた違ったもこっちときーちゃんの関係が見られるのではないでしょうか。
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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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