ライト姉妹2巻感想~決して逃げなかった、見事な「打ち切り」マンガ~
7月に最終巻が出た「クズとメガネと文学少女(偽)」に続いて、8月27日に「ライト姉妹」(いつものようにサブタイは省略の方向で)の最終2巻が発売になりました。
どちらも「わたモテ」に負けないくらい好きな作品だったので、こうも続けて最終巻を手にするのはやはり寂しいですね。
「わたモテ」に集中するのもいいですが、落ち着いたらまた新たな連載を始めてほしいものです。
なお、1巻の感想はこちらです↓
ライト姉妹1巻感想〜「設定」は狭いが「キャラ」の広がりに期待ができる王道マンガ〜
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-221.html
さて、今回の2巻ですが、正直がっかりしましたね。
いえ、内容のことではありません。
作品としてはむしろ、1巻よりもさらに面白くなっていると思います。
でもだからこそ、編集サイドのやる気のなさやいい加減さが目に付いてしまうんですよ。
まずは今回の表紙ですが、1巻と比べて何か気づきません?
そう、新刊だというのに「販促帯」もないんですよ!
いくら部数をしぼったとしてもこれはないんじゃないですか?
なんか、出してやるだけでもありがたいと思え的な態度が透けて見えるようで、この時点でがっくりですよ。
せっかくの華やかな表紙がかえって空しく思えてなりません。
しかも、今回は店舗購入特典も一切なしですからね。
一応は特典も帯(しかも乙一氏のコメント!)もあった「クズメガネ」と比べても、このやる気のなさはさすがにいただけません。
さらに中身にも不満があります。
相変わらず各話の区切りが分かりずらいのはともかくとしても、
明らかに収録話の順番を取り違えているところがあるんです。
具体的には、野望15から野望16。
ここの流れが明らかにおかしいんです。
これは、アマゾンレビューでも指摘されていました方がいましたし、たまたま私が購入したものが乱丁だったわけではないでしょう。
本来なら、野望15の引きは
この野望17冒頭へとつながるはずなんです。
そもそも、野望16は
「今から新人賞応募作の小説考えるよ」というこの奏愛のセリフからしても、プロットとキャラが決まって執筆し始める野望15の前でなければ辻褄が合いません。
そう、野望16は本来、野望12と野望13の間に入るべき話だったのです。(私の記憶が正しければ、pixivコミックでもその順番で公開されていたはずです)
一話が完全に独立している読み切り連載なら収録順が逆になってもいいでしょう。短編集みたいなものでしょうから。
でも、「ライト姉妹」は違います。
佐藤さんと出会ってから新人賞に応募することを決意して、プロット出しから執筆開始するまでの流れがしっかりとあるんですから。奏愛が必死で頑張ってひとつの作品を書き上げた努力の過程が、こんな形でないがしろにされるのはちょっと我慢なりません。
こういうミスは作品に対する侮辱ですよ。担当者はぜひ猛省していただきたいですね。
……すみません。なんだか暗い話ばかりになってしまいました。
肝心のお話の感想を進めてまいりましょう。
(なお、ここからは結末までの「ネタバレ」があります)
一言で言うなら、良かったです。
本当に意外なほど素晴らしい出来になっていて、逆に驚いたくらいですね。
実は「打ち切り」になったということで、それほど期待していなかった部分もあったんです。
「ナンバーガール」や「クズメガネ」と違って、ライト姉妹は大きなストーリーがある作品ですし、急に終わらせることになったわけですから、「尻切れトンボ」や「私たちの戦いはこれからだ!」的な強引なまとめになっていてもむしろ仕方ないかなくらいの気持ちだったんですね。
ところがどうでしょう。
最終的に奏愛が小説家としてデビューするまでの道筋が、きちんと段階を踏んで描かれているじゃないですか。
2巻では、彼女がラノベの新人賞に応募することを決意、数多くのプロット出しから夏休みをかけて執筆して応募に至るまでが前半の流れになるのですが、普通の打ち切りマンガだったらこの辺がもうクライマックスでもおかしくないと思うんです。
で、めでたくデビューするにせよ落選するにせよ、「これからもラノベ道は続いていく…」でなんとなくまとめればカッコがつくみたいな。
ところがこのライト姉妹2巻では、応募してからの流れも描くべきことをひとつひとつ取り上げていきます。
次の投稿作のために学園ものを見たり、学校に登校してみたり(!)、一次選考が通ったら速攻調子に乗ってみたり、で、二次選考は落ちてみたりw
ちゃんと「この世に楽なことなんてないんだよ!現実見て!」(by奏愛)な部分をしっかり描いているわけです。しかもそれが全然暗くも説教臭くもならないんですよね。あくまで谷川さんならではの毒っ気のあるギャグをふんだんに交えながら見せてくれるので、楽しい気分のまま読めるんです。
学校に登校したときの話(野望20)は特に素晴らしいですね。
環季と奏愛の二人が保健室で語るシーンはこの作品の根底につながるところでしょう。
そしてそれは、必然的にこの作品の結末を示唆するものだったわけです。
そう、二次選考で落ちた「妄想ラノベ」は別の新人賞に送られ、そこの佳作を受賞して奏愛はついに作家デビューを果たすことになります。
その結果、次の応募作として書いていた新作「ライト姉妹(仮)」はいったんお蔵入りになるんです。(応募する直前に(仮)を消すシーンは何度見ても泣きそうになります)
ここにこの作品の肝があると思ったんですね。
「ライト姉妹」という作品でデビューという「メタ構造」に逃げずに、「妄想ラノベ」で作家としてデビューするというところに谷川さんなりの「フィクション」への思いがあるように感じたんです。
1巻の終盤で、奏愛は姉の勧めで「不登校」という純文学(笑)を書いていますが、正直この頃は「ああこれは最終的に『ライト姉妹』という作品でデビューして終わりになるかもなあ」と予想していたんです。つまり、メタフィクションとして完結させるのではないかと。
それは、作家としては甘美な誘惑でしょう。構造的に読者を驚かせることもできますし、一応話としては恰好がつくわけです。
でも、作家を目指す作品でそれをやるというのはすごく「閉じた」世界のように私は感じるんですね。そうしたくなる気持ちは理解できますけど、やっぱりそれはずるいというか、卑怯なんじゃないかなというのが偽りざる気持ちなんです。
「ライト姉妹」はそこを逃げませんでした。ちゃんと「妄想ラノベ」でデビューさせたんですよ。奏愛は現実そのままをなぞったわけではなく、「妄想」を「物語」にアップデートさせた結果として作家になれたわけです。
現実をそのまま描くのではなく、フィクションとして世に出す意味。それを谷川ニコはこれからも考え続けるという意思表明にも感じて、なんだか無性にうれしくなりましたね。
そうそう、2巻から登場する佐藤さんの参入もすごく大きかったですね。単なるテコ入れキャラでない存在感があったと思います。
いわゆる「委員長」キャラなのですが、「面白さ」に免疫がないという設定が実にうまく作用しているんです。
基本的にはそこから生まれる「痛い」笑いがメインになるわけですが、実はけっこう重要な助言があったりもするんですよ。この辺が妙にリアルなんですよね。プロ読者(w)としての環季ちゃんよりも結果として的確なアドバイスができるという……
少なくとも、彼女がいなければ、「妄想ラノベ」(新人賞投稿作)は生まれることはなかったでしょうね。
後はやっぱり、お姉さんですね。
最後の最後で、まさかの転職(?)w
そこで、環季ちゃんと交わされる会話がまたひどいw(環季ちゃんもいい意味でキャラがぶっ壊れたよなあw)
でも、「仕事としては~」のセリフはマジで泣きそうになりましたよ。
ある意味、ここ一言にこの作品のすべてが詰まっているといっても過言ではないでしょう。
もちろん、「ギャグ漫画」としての面白さも1巻に負けていません。
佐藤さんが加わったことで生まれた奏愛環季とのトリオ漫才も最高でしたし、
ところどころ入る“文章ネタ”もライト姉妹ならではの笑いですごく楽しめました。
「引きこもりの描写が妙にリアリティがある」とかオネショタ小説の「一糸纏わぬ姿」とかw
1巻の頃からこういうネタがありましたけど、ますます磨きかかっていましたね。
クラスでやる演劇のタイトルが「二刀流スキルで異世界無双」だったのはもう爆笑しましたよwまさか、最初の頃のあのどうしようもない小説ネタがこんなところで生きるとは…w
ホントつくづく、終わってしまったのが残念ですよ。佐藤さんと環季との掛け合いももっと読みたかったなあ…。
ほろっとさせたと思ってからのストンと落とすパターンも健在で、特に温泉に行った際の奏愛の「え!?死ぬの?」はすごく意表を突かれた笑いでした。「……」のしんみりからのあれは(いい意味で)卑怯だわw
ああいうひねた感覚はわたモテ読者にもなじみ深いものではないでしょうか。
それと、1巻ではあとがきもおまけも描きおろしイラストもなくって不満だったのですが、
今巻は最終巻ということで、さすがに「あとがきマンガ」だけは収録されています。ここは数少ない単行本としての良いところでしたね。
内容もいつものネガティブネタ満載で、谷川ニコファンならニヤリとすること請け合いだと思います。
ただ、「前回のナンバーガールからほぼ休みなしで~」のくだりからすると、ひょっとしたら谷川さんも3本連載が少ししんどくなっていたのかなとも感じましたね。
でも、「次連載でも骨折するはず」と描いている以上、創作意欲がなくなっているわけではないでしょう。
ぜひ、3回目の骨折があることをファンとしては望みたいところですw(もちろんこれは嘘で、早く次の連載を始めてねというちょっと手荒い応援のつもりですよ)
最後の話で、奏愛が学校を探検し、かつて書いた「不登校」の学校描写を書き直すシーンが出てきます。それは特に新作として発表したいわけでもなく、ただそうしたいから書いているようです。
小説家としてデビューしたという事実そのものよりも、私はここに奏愛の確かな成長ぶりが描かれていると思います。
本当に見事な「打ち切り」作品でした。
どちらも「わたモテ」に負けないくらい好きな作品だったので、こうも続けて最終巻を手にするのはやはり寂しいですね。
「わたモテ」に集中するのもいいですが、落ち着いたらまた新たな連載を始めてほしいものです。
なお、1巻の感想はこちらです↓
ライト姉妹1巻感想〜「設定」は狭いが「キャラ」の広がりに期待ができる王道マンガ〜
http://horobijiji.blog.fc2.com/blog-entry-221.html
さて、今回の2巻ですが、正直がっかりしましたね。
いえ、内容のことではありません。
作品としてはむしろ、1巻よりもさらに面白くなっていると思います。
でもだからこそ、編集サイドのやる気のなさやいい加減さが目に付いてしまうんですよ。


まずは今回の表紙ですが、1巻と比べて何か気づきません?
そう、新刊だというのに「販促帯」もないんですよ!
いくら部数をしぼったとしてもこれはないんじゃないですか?
なんか、出してやるだけでもありがたいと思え的な態度が透けて見えるようで、この時点でがっくりですよ。
せっかくの華やかな表紙がかえって空しく思えてなりません。
しかも、今回は店舗購入特典も一切なしですからね。
一応は特典も帯(しかも乙一氏のコメント!)もあった「クズメガネ」と比べても、このやる気のなさはさすがにいただけません。
さらに中身にも不満があります。
相変わらず各話の区切りが分かりずらいのはともかくとしても、
明らかに収録話の順番を取り違えているところがあるんです。
具体的には、野望15から野望16。
ここの流れが明らかにおかしいんです。
これは、アマゾンレビューでも指摘されていました方がいましたし、たまたま私が購入したものが乱丁だったわけではないでしょう。
本来なら、野望15の引きは


この野望17冒頭へとつながるはずなんです。
そもそも、野望16は

「今から新人賞応募作の小説考えるよ」というこの奏愛のセリフからしても、プロットとキャラが決まって執筆し始める野望15の前でなければ辻褄が合いません。
そう、野望16は本来、野望12と野望13の間に入るべき話だったのです。(私の記憶が正しければ、pixivコミックでもその順番で公開されていたはずです)
一話が完全に独立している読み切り連載なら収録順が逆になってもいいでしょう。短編集みたいなものでしょうから。
でも、「ライト姉妹」は違います。
佐藤さんと出会ってから新人賞に応募することを決意して、プロット出しから執筆開始するまでの流れがしっかりとあるんですから。奏愛が必死で頑張ってひとつの作品を書き上げた努力の過程が、こんな形でないがしろにされるのはちょっと我慢なりません。
こういうミスは作品に対する侮辱ですよ。担当者はぜひ猛省していただきたいですね。
……すみません。なんだか暗い話ばかりになってしまいました。
肝心のお話の感想を進めてまいりましょう。
(なお、ここからは結末までの「ネタバレ」があります)
一言で言うなら、良かったです。
本当に意外なほど素晴らしい出来になっていて、逆に驚いたくらいですね。
実は「打ち切り」になったということで、それほど期待していなかった部分もあったんです。
「ナンバーガール」や「クズメガネ」と違って、ライト姉妹は大きなストーリーがある作品ですし、急に終わらせることになったわけですから、「尻切れトンボ」や「私たちの戦いはこれからだ!」的な強引なまとめになっていてもむしろ仕方ないかなくらいの気持ちだったんですね。
ところがどうでしょう。
最終的に奏愛が小説家としてデビューするまでの道筋が、きちんと段階を踏んで描かれているじゃないですか。
2巻では、彼女がラノベの新人賞に応募することを決意、数多くのプロット出しから夏休みをかけて執筆して応募に至るまでが前半の流れになるのですが、普通の打ち切りマンガだったらこの辺がもうクライマックスでもおかしくないと思うんです。
で、めでたくデビューするにせよ落選するにせよ、「これからもラノベ道は続いていく…」でなんとなくまとめればカッコがつくみたいな。
ところがこのライト姉妹2巻では、応募してからの流れも描くべきことをひとつひとつ取り上げていきます。
次の投稿作のために学園ものを見たり、学校に登校してみたり(!)、一次選考が通ったら速攻調子に乗ってみたり、で、二次選考は落ちてみたりw
ちゃんと「この世に楽なことなんてないんだよ!現実見て!」(by奏愛)な部分をしっかり描いているわけです。しかもそれが全然暗くも説教臭くもならないんですよね。あくまで谷川さんならではの毒っ気のあるギャグをふんだんに交えながら見せてくれるので、楽しい気分のまま読めるんです。
学校に登校したときの話(野望20)は特に素晴らしいですね。
環季と奏愛の二人が保健室で語るシーンはこの作品の根底につながるところでしょう。
そしてそれは、必然的にこの作品の結末を示唆するものだったわけです。
そう、二次選考で落ちた「妄想ラノベ」は別の新人賞に送られ、そこの佳作を受賞して奏愛はついに作家デビューを果たすことになります。
その結果、次の応募作として書いていた新作「ライト姉妹(仮)」はいったんお蔵入りになるんです。(応募する直前に(仮)を消すシーンは何度見ても泣きそうになります)
ここにこの作品の肝があると思ったんですね。
「ライト姉妹」という作品でデビューという「メタ構造」に逃げずに、「妄想ラノベ」で作家としてデビューするというところに谷川さんなりの「フィクション」への思いがあるように感じたんです。
1巻の終盤で、奏愛は姉の勧めで「不登校」という純文学(笑)を書いていますが、正直この頃は「ああこれは最終的に『ライト姉妹』という作品でデビューして終わりになるかもなあ」と予想していたんです。つまり、メタフィクションとして完結させるのではないかと。
それは、作家としては甘美な誘惑でしょう。構造的に読者を驚かせることもできますし、一応話としては恰好がつくわけです。
でも、作家を目指す作品でそれをやるというのはすごく「閉じた」世界のように私は感じるんですね。そうしたくなる気持ちは理解できますけど、やっぱりそれはずるいというか、卑怯なんじゃないかなというのが偽りざる気持ちなんです。
「ライト姉妹」はそこを逃げませんでした。ちゃんと「妄想ラノベ」でデビューさせたんですよ。奏愛は現実そのままをなぞったわけではなく、「妄想」を「物語」にアップデートさせた結果として作家になれたわけです。
現実をそのまま描くのではなく、フィクションとして世に出す意味。それを谷川ニコはこれからも考え続けるという意思表明にも感じて、なんだか無性にうれしくなりましたね。
そうそう、2巻から登場する佐藤さんの参入もすごく大きかったですね。単なるテコ入れキャラでない存在感があったと思います。
いわゆる「委員長」キャラなのですが、「面白さ」に免疫がないという設定が実にうまく作用しているんです。
基本的にはそこから生まれる「痛い」笑いがメインになるわけですが、実はけっこう重要な助言があったりもするんですよ。この辺が妙にリアルなんですよね。プロ読者(w)としての環季ちゃんよりも結果として的確なアドバイスができるという……
少なくとも、彼女がいなければ、「妄想ラノベ」(新人賞投稿作)は生まれることはなかったでしょうね。
後はやっぱり、お姉さんですね。
最後の最後で、まさかの転職(?)w
そこで、環季ちゃんと交わされる会話がまたひどいw(環季ちゃんもいい意味でキャラがぶっ壊れたよなあw)
でも、「仕事としては~」のセリフはマジで泣きそうになりましたよ。
ある意味、ここ一言にこの作品のすべてが詰まっているといっても過言ではないでしょう。
もちろん、「ギャグ漫画」としての面白さも1巻に負けていません。
佐藤さんが加わったことで生まれた奏愛環季とのトリオ漫才も最高でしたし、
ところどころ入る“文章ネタ”もライト姉妹ならではの笑いですごく楽しめました。
「引きこもりの描写が妙にリアリティがある」とかオネショタ小説の「一糸纏わぬ姿」とかw
1巻の頃からこういうネタがありましたけど、ますます磨きかかっていましたね。
クラスでやる演劇のタイトルが「二刀流スキルで異世界無双」だったのはもう爆笑しましたよwまさか、最初の頃のあのどうしようもない小説ネタがこんなところで生きるとは…w
ホントつくづく、終わってしまったのが残念ですよ。佐藤さんと環季との掛け合いももっと読みたかったなあ…。
ほろっとさせたと思ってからのストンと落とすパターンも健在で、特に温泉に行った際の奏愛の「え!?死ぬの?」はすごく意表を突かれた笑いでした。「……」のしんみりからのあれは(いい意味で)卑怯だわw
ああいうひねた感覚はわたモテ読者にもなじみ深いものではないでしょうか。
それと、1巻ではあとがきもおまけも描きおろしイラストもなくって不満だったのですが、
今巻は最終巻ということで、さすがに「あとがきマンガ」だけは収録されています。ここは数少ない単行本としての良いところでしたね。
内容もいつものネガティブネタ満載で、谷川ニコファンならニヤリとすること請け合いだと思います。
ただ、「前回のナンバーガールからほぼ休みなしで~」のくだりからすると、ひょっとしたら谷川さんも3本連載が少ししんどくなっていたのかなとも感じましたね。
でも、「次連載でも骨折するはず」と描いている以上、創作意欲がなくなっているわけではないでしょう。
ぜひ、3回目の骨折があることをファンとしては望みたいところですw(もちろんこれは嘘で、早く次の連載を始めてねというちょっと手荒い応援のつもりですよ)
最後の話で、奏愛が学校を探検し、かつて書いた「不登校」の学校描写を書き直すシーンが出てきます。それは特に新作として発表したいわけでもなく、ただそうしたいから書いているようです。
小説家としてデビューしたという事実そのものよりも、私はここに奏愛の確かな成長ぶりが描かれていると思います。
本当に見事な「打ち切り」作品でした。
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