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『米澤穂信と古典部』ほか2冊を紹介~週末(10/14)米澤穂信関連購入備忘録を兼ねて~

しばらくぐずついた天気が続いていて、休みの日も外出するのが億劫になりがちなのですが、
先週末はどうしても出かけないわけにはいきませんでした。

というのも、10月13日に米澤穂信関連の雑誌・書籍が続けさまに発売になったからです。

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左から、「小説野性時代Vol.168 2017年11月号」、「米澤穂信と古典部」(KADOKAWAムック)、「太宰治の辞書」(北村薫著)。
3冊とも米澤ファンなら買わずにはいられない必読の書です。

いやあ、雨も降っているしどうしようかなあと一瞬頭をよぎったんですけど、買いに行ってよかったです。

なにしろ、私が書店に着いたころにはもう、「米澤穂信と古典部」がラス2となっていましたからね。
あともう少し遅かったら売り切れているところでしたよ。

しかも、かえって来てからamazonで確認したら、すでに在庫切れで「2017年10月18日入荷予定」となっていましたから!
あやうく1週間待ちを覚悟しなければならないところでした。

そういえば、以前も「古典部シリーズ」が掲載された「小説野性時代」を入手するのに苦労したっけなあ……。
あらかじめ、ネット予約しておけばいいんでしょうけど、タイミングによってはamazonさんも当てにできない時がありますからね。
都内にいると、けっきょくは買いに行ったほうが早いことも多々あるんで、判断に悩むところですよ。



まあ、とにもかくにも、まずは「米澤穂信と古典部」ですよね。
実写映画「氷菓」が11月3日に公開されるということで、そのキャンペーンの一環としてのムックということなのでしょうけど、
それを差し引いても、シリーズファンなら是が非でも入手しておきたいマストアイテムでしょう。

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なにしろ、〈古典部シリーズ〉の新作が掲載されているというのですから!
(米澤さんがTwitterで「ぱっと見ると「〈古典部〉新作50作収録」に見えますが枚です枚。」とつぶやいていたのは笑いましたw)

もちろん、それだけではありません。
まだまだ、ファン垂涎の企画が盛りだくさん!

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見てください、この裏表紙の帯を見ただけでも「買うっきゃない!」て、感じですよねw

Interview 〈古典部〉シリーズ15年のあゆみ
対談集――北村薫、恩田陸、綾辻行人、大崎梢
著者による〈古典部〉シリーズ全解説
さらにディープな〈古典部〉隠れネタ大公開!
米澤穂信に30の質問 読者編/作家、声優、漫画家編
あなたの本棚見せてください! 古典部メンバー4人の本棚大公開
お仕事場拝見 2017年
『いまさら翼といわれても』刊行密着レポート!
米澤穂信のマイルストーン
講演録 物語のみなもと
門外不出の〈古典部〉ディクショナリー

(amazon内容説明より)

…と、もう、目次を見ただけでワクワクが止まりませんよ。

まあ基本的には、以前「小説野性時代」や「文芸カドカワ」で組まれた特集を再編集したものなのですが、
どれも今では入手困難なものばかりですので、むしろありがたいですよね。
こういう風にひとつの系統としてまとまると、また新たな気持ちで楽しめます。

……実はまだ、ほとんど読んでいないので、感想らしい感想はかけないのですが、
ざっと、各コンテンツの概要だけでもご紹介しておきましょう。

まず、冒頭の「Interview 〈古典部〉シリーズ15年のあゆみ」は再録じゃなく、最新のインタビューになっています。
〈古典部シリーズ〉新作とともに、今回のガイドブックの目玉ともいえる企画ですね。
ここでは古典部シリーズの今後についてもちらっと語っているようですので、要チェック!

次は、なんといっても一番の注目ですね。
そう、〈古典部シリーズ〉最新作、『虎と蟹。あるいは折木奉太郎の殺人』です!
なんとも、強烈なタイトルですが、どうやら「わたしたちの伝説の一冊」に続く、「読書感想文」にまつわるミステリのようで、それだけでも興味がそそられます。
しかもなんと、あの大日向が登場するようなのです!
ということは「わたしたちの伝説の一冊」同様、5月ごろの話なのかな?
まだ冒頭のリードしか読んでいないので、もう今からドキドキですねw

対談は4人。
前半と後半で「対談集1」「対談集2」と分かれています。

前半二人は北村薫と恩田陸。
北村薫さんとは、「小説野性時代」2013年5月号の再録、
恩田陸さんは「小説野性時代>」2008年7月号の再録ですね。
恩田陸さんとの対談は9年以上も前のもので、これは私も読んだことがなかったので、すごくうれしいです。

後半は綾辻行人と大崎梢。
綾辻行人さんは「小説野性時代」2013年11月号の再録、
大崎梢さんは「本の旅人」2016年12月号の再録になります。
大崎梢さんとの対談は未読だったのでこれまた楽しみですね。

これらの対談は、単に〈古典部シリーズ〉について語っているだけではなく、
それぞれがミステリという文化を語る中で数々の名作タイトルがどんどん挙がってくるので、
ある意味、ブックガイドとしても読めるんです。(対談中挙がったタイトルがそれぞれの推薦本として、ページ下に解説付きで紹介もされています)
みなさん古今東西のミステリに精通した人ばかりですから、これからミステリを読もうとしている人にとってこの上ない道標になることうけあい。

「著者による〈古典部〉シリーズ全解説」はおそらく(?)新規。
それとは別に主要人物データ(部員4人以外になぜか折木姉がチョイスされているのが面白いw)も載っていて、
これから〈古典部〉シリーズに触れようという人にもなかなか重宝するページではないでしょうか。
シリーズ6作の解説には米澤さんの興味深いコメントもついています。

「さらにディープな〈古典部〉隠れネタ大公開!」は、辞典形式でキーワードごとの“隠れネタ”を作者コメント付きで紹介。
氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『まわりする雛』までは「小説野性時代」2008年7月号の再録、
ふたりの距離の概算』『いまさら翼といわれても』は書き下ろしだそうです。

「米澤穂信に30の質問 読者編」は、『いまさら翼といわれても』刊行時に特設サイトで募集した読者からの質問400以上からセレクトしたもの。
「米澤穂信に30の質問 作家、声優、漫画家編」は「小説野生時代」2013年11月号の再録ですね。
道尾秀介氏、辻村深月氏、谷川流氏、賀東招二氏、佐藤聡美氏、タスクオーナ氏の6名の質問と米澤さんの回答が載っています。
道尾秀介さんは『月と蟹』で直木賞を受賞されましたが、今回の新作タイトルと何か関係があるのでしょうか(笑)。
個人的には谷川流さんの質問が(いろんな意味で)印象に残りました。まあ、なんだ、とにかく、いつかまた小説が書けるといいね……。

「あなたの本棚見せてください! 古典部メンバー4人の本棚大公開」「お仕事場拝見 2017年」「『いまさら翼といわれても』刊行密着レポート!」はオリジナル企画なのかな?
どれもカラー写真やイラストをふんだんに使い、ビジュアル的にも楽しいものになっています。

とくにメンバー4人の本棚は、それぞれの性格が色濃く出ているチョイスになっていそうで、実に興味深いリストになっていますね。
なお、摩耶花だけは漫画棚ということになっていますが、これがもう、お前は俺かといいたくなるようなラインナップで笑いましたよもうw
ネタバレは避けたいので具体的なタイトルはここでは控えますけど、とても今時の女子高生とは思えない“濃い”ものばかりで、ああいかにも“描きたい”派だよなあと思わせます。

「米澤穂信のマイルストーン」は、要するに米澤さん本人によるバイオグラフィですね。(「小説野性時代」2013年11月号の再録)
小学四年生から始まって、35歳までの“物語遍歴”が語られています。
米澤ワールドの秘密がここでわかるかも?

「講演録 物語のみなもと」は2016年1月に岐阜で行われた講演会の草稿をもとに講師(米澤穂信)自ら書き下ろした講演録を完全収録。(「文芸カドカワ」2016年4月号の再録)
どうして人は物語を必要とするのかという、ある意味哲学的ともいえる永遠のテーマを改めて問い直している内容となっています。
「物語」を創るということに込められた米澤さんの思いに深く感銘を受けますよ。
できれば、実際の講演を聴きに行きたかったなあと思いましたね。

最後の「門外不出の〈古典部〉ディクショナリー」は、設定資料集みたいなものですね。
実際に米澤さんも執筆する際に参照する資料だそうですよ!


さて、お次はこれ。
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今月発売の「小説野性時代Vol.168 2017年11月号」で、実写映画「氷菓」公開記念の小特集が組まれています。

ぶっちゃけ、私は、まだ見るかどうか決めかねている実写「氷菓」ですが、米澤さんが今回の映画に対してどういう印象を持っているのか知りたかったですし、
映画制作側の「氷菓」という作品に対する見方も見極めたいという気持ちがありました。

米澤さんも最初はびっくりしていたようですね。
いえ、映画化そのものというより、「愚者のエンドロール」や「クドリャフカの順番」のような映像映えする作品と合わせるのではなく、「氷菓」単独で映像化するということに。

まあ普通はそう思いますよね。「氷菓」って昔の文集の謎を資料を突き合わせながら推論を積み重ねていく、すご~く地味な話ですしw
でも個人的には、これはよかったですね。
いえ、少し前に「サクラダリセット」という失敗作を見ているだけに、変にシリーズを前提にしていないほうが安心できるんですよw

まあ正直、インタビューおよび、監督さんと主演二人の鼎談をざっと読み終えた後でも、まだ見るかどうか迷っている段階です。
アニメが原作ファンにとっても実に素晴らしい出来だっただけに、どうしても比べてしまうんですよね……。
ただ、内容自体はすごく興味深いものでしたし、見る見ないはともかくとしても読んで損のない特集だと思いますよ。
少なくとも、監督さんなり、主演の山崎さん、広瀬さんは、しっかりと原作の魅力を理解したうえで映画というフォーマットでそれを表現しようとしているように見えましたね。


さて、最後はこれです。
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太宰治の辞書」(北村薫)。

……米澤穂信じゃないじゃん!、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でもよく帯を見てください。米澤さんの推薦文が載っているでしょ?

しかもこれ、なんと「(解説より)」なんですよ。
そう、北村薫の<円紫さんと私>シリーズ最新作で、米澤さんは巻末の解説をされているのです!

いやあ、私も米澤さんと同じ気持ちですね。
まさか、<円紫さんと私>シリーズがまた読めるとは!

簡単に説明しておきますと、<円紫さんと私>シリーズとは、北村薫さんのデビュー作である「空飛ぶ馬」から始まる“日常の謎”ミステリです。
ある意味、“日常の謎”というジャンルの草分け的作品なんです。

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これまでに「夜の蝉」「秋の花」「六の宮の姫君」「朝霧」と5作品が文庫として出ていたのですが、
前作「朝霧」(2004年4月)からずっと途絶えていたシリーズでもあったんです。

始まった当初は大学一年生だった「私」も、前作で大学を卒業し出版社に就職したこともあり、
もうこのシリーズの続きは書かれることはないのかもしれないと思われていたくらいだったんですよ。

まさか、また読めるとは思わなかった――。

だから、この米澤さんの言葉は、シリーズファンみんなの共通の想いなんです。

思えば、高野文子さんのイラストに惹かれて、「空飛ぶ馬」を表紙買いをしてからもう四半世紀以上経っているんですよね。もうなんだか、しみじみしちゃいますよw

まあとにかく、米澤ファンならずとも「人が死なない“日常の謎”ミステリ」が好きならば、感涙もののマストです。これがなかったら、<古典部シリーズ>は生まれなかったんですからね!そりゃあ、米澤さんも喜んで解説を書くってものですよ!

ちなみに北村薫さんは他にも数多くの名作を書かれていますので、米澤ファンもぜひ読んで欲しい作家さんの一人ですね。

<円紫さんと私>シリーズ以外にも「覆面作家シリーズ」、「スキップ」「ターン」「リセット」の<時と人三部作>、「ベッキーさんシリーズ」などのシリーズものがあります。

どれもむちゃくちゃ面白いですけど、個人的に一番好きなのは「ベッキーさんシリーズ」ですね。昭和初期の帝都を舞台にしたちょっと毛色の違ったミステリなんですけど、とにかく雰囲気がいいんです。これこそ、映像で見てみたいと思わせる描写の美しさ!
<円紫さんと私>シリーズが気にいった方なら絶対にはまること間違いなしだと思いますよ。
私の中では今でも北村薫さん最高傑作シリーズですね。(シリーズ最終作「鷲と雪」は第141回直木賞も受賞されています)


ここまで、ざっと紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

何にしてもまずは「米澤穂信と古典部」だけでも読んでほしいのですが、
そのほかにも最近、米澤さんはいろんなところで優れたミステリを紹介されているようです。

例えば泡坂妻夫の「煙の殺意」の推薦文とか、はたまた、「連城三紀彦レジェンド2 傑作ミステリー集」の編選に携わり、なおかつ巻末では綾辻行人氏、伊坂幸太郎氏と鼎談をしていたり……。

こういうのは、本屋になにげなく立ち寄った際に、「お?」と見つけるのが楽しいんです。
それこそ、「日常の謎」を探しに出かけてみると、思いがけない発見があるかもしれませんよ。














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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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