私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪121~「肩すかし」が肩すかしのまま「王道」になっている怪物マンガ~
9月21日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」が喪121に更新されました。
えっと、なんか今回すごくないですか?
読み終えた瞬間、おおげさじゃなくマジで震えが止まらなかったんですけど。
いや本当に前回以上に感銘を受けたかもしれないです。
「モテないし父親と出かける」
まず、このタイトルを見た段階では、
「またこういうパターンかよwこんなの誰も予想できないわw」と思ったのと同時に、
「ああ、ここ最近“生き急いでいる”感があったから、こういう“肩すかし”は逆に安心するなあ」と嬉しくも感じたんですね。
春休みを挟むのではないかという予想は誰でもできます。
きーちゃん再襲来とか、弟とのホッコリ話とか、ゆうこみと遊びに行くとか、それこそ、前回の流れでゆりちゃんたちとどこかに出かけるとか。
でも、ここで「お父さん」回って、いったい誰が思いつくかって話ですよw
今年に入ってからどんどんストーリーを進めていく感じが顕著だったんで、少し不安な気持ちもあったんですが、
この辺のすかしっぷりは、むしろ谷川さんらしくってなんだか嬉しくもなるってものです。
やっぱりたまにはこういうなんの意味もない箸休めもあってこそわたモテだよなあという感じだったんですね。
ところが、最後まで読んでみて、もう驚愕ですよ。
「肩すかし」でもあって、「王道」でもあり、「箸休め回」でもあって、「本筋」でもあるという、
もう全く意味がわからない領域に達しているじゃないですか!
自分はとんでもないモンスターを相手に感想記事を書いているのではないかと、逆になんだか怖くなってきましたよw
というわけで、さっそく見ていきましょう!
ようやく春休みに突入ですが、もこっちはなんだか暇を持て余し気味。
こういうときこそ、誰かを誘ってみればいいんじゃないかと思うのですが、
やっぱりそこまでは気が引けてしまうのでしょうね。
それにしても、このもこっちはなんだか腕も長いし、随分大人っぽく見えます。
前回の
これから急激に成長しすぎだろw
ここでお父さんの登場。相変わらず顔は見せない演出が印象的です。
それにしても、この導入部分は意外でしたが、興味深かったですね。
父親が娘を誘う形ではなく、暇を持て余した娘の方が父親のお供という形でイベント参加というのは、けっこう珍しいんじゃないでしょうか。
今時の女子高生はもっと父親に対して距離を置いているイメージがあったので、
この雰囲気はむしろ新鮮に感じましたね。
なんだかいいシーンですよね。
車内で父親と二人という状況で、お互い何も話すことはないでしょうけど、でも別に気まずい感じでもないんですよね。
ただ、窓の外を眺めつつ風を感じていれば、それはそれで悪くない、みたいな。
で、ステレオから流れる交通情報がまた「休日」感を醸し出すんですよね。
こういう空気感は家族ならばのものでしょうし、
それをこういうさりげない一コマで伝えられるわたモテのすごさをしみじみ感じてしまいます。
それにしてもこのもこっち、絵になりすぎだろw
少し眠たそうな目。風にたなびく黒髪。
…まるでサスペンスの導入部分のようじゃないかw
というわけで、今回のタイトルは「モテないし父親と出かける」。
父親と娘が二人で釣りっていうのは、予想外のシチュエーションでしたが、
これはこれですごくもこっちらしいというか、なんだかほっこりしますね。
それにしても、ここは県内の川なんでしょうかね?
ほとんど人もいないですしけっこう穴場的なところなのかな?
もしかしたら、もこっちのお父さんはかなりの釣り師なのかも。
…って、これ、川じゃなくって池のようですね。
千葉ではけっこうポピュラーなのかな。
WWW以前“蠱毒”やろうとか言ってたくせにそれはダメなのかよw
…でもまあ、わかりますけどね。
節足動物系がせまいところで密集してうねうねしているのは、虫云々以前に生理的なおぞましさがありますから。
釣りが女子にあまり人気がないのはこの辺もあるのかもしれません。
でも一度、フタを開けて見るところがもこっちらしくていいですよねw
で、けっきょく「お父さんがつけて」となるのがすごくかわいいです。
WWWWああ、すごくつまらなそうw
そうですよね、釣りってポイントを見極めたり、仕掛けを考えたりするところまでは面白いんでしょうけど、
実際に始めると、ひたすら“待つ”ことが求められますからね。
その“自分との会話”みたいな部分で人生論を打つ人もいますけど、
やっぱりそういうところがうざったく思えて、女子に人気がないんじゃないかなあw
ちなみに私も釣りはほとんどやりません。
“ほとんど”というのは、たまに釣り好きな親戚に付き合わされることがあるからです。
いろいろウンチクを聞かされるのも少しうんざりする部分もあるのですが、
でも“たまに”釣れたりするとすごく嬉しいんですよね。
ハマる人の気持ちも少しわかりますよ。(でもやっぱり話は面倒くさいw)
このお父さんは余計なことを言わずに娘に自由にさせている時点で、
すごくいい釣りをしているんだなとわかります。
まあ、単に口下手なだけなのかもしれませんがw
でも、今気づきましたけど、もこっちちゃんとズボンを釣り用の迷彩ものに履き替えていたんですね。
上はそのままで、下だけ着替えたところがなんともかわいらしいw
後ろで見ているお父さんがなんだか不審者にも見えてきてちょっと怖いんだがw
それにしても、ここのモノローグはいいですね。
普通、女子高生が暇だからって、休日のお父さんについてはいかないですよw
母親ともそうですけど、もこっちって家族関係がすごく良好ですよね。
ベタベタしているわけでもなく、なんか自然体なところがすごく好ましく思えます。
中二病をこじらせたような子の家庭環境が実は恵まれているという点が、また、なんていうか逆にリアルなんだよなあ。
しかし、小さいころにお父さんと弟で遊びにきた時と今とで比べるなよw
まったくシチュエーションが違うだろw
年の近い姉弟がいるだけでも違うし、
そもそも子供のころは、だいたいが初めての経験だからなんでも楽しく感じるものだろうがw
WWWWW相変わらず、そっくりな姉弟だなwww
てか、これ髪型違うだけじゃないのか?w
小学生の二人も約1年前の喪102「モテないしいつかの冬休み」以来でしょうか。
あの時よりはもうちょっと幼いようですから、まだ「お姉ちゃん大好き」あたりのころかなw
WWW淀みなく、すっとアミを差し出す智くんがいじらしいw
完全にお姉ちゃんのしもべというか、調教されすぎですよねw
暴虐でわがままな姫に振り回されながらも密かに許されぬ恋心に悩む召使、といった妄想が止まりませんよw
WWWWW
え?w釣りって、こんな腐敗した魚が釣れるものなんでしょうかね?w
でもまあ、池釣りって私は経験ないのでよく知らないのですが、
海や川と違って水も腐りやすいでしょうし、池ではよくあることなのかもしれませんね。
盛り上がったんかwww
でも確かに、ああいう体験の方が逆に楽しい思い出にはなりますよね。
バックがキラキラしているところになんだかほんわかします。
うわ、親子の会話感がハンパない…
「智子」という呼び方もなんだか新鮮に響きますね。
きっと、こういう機会でもないと、娘と会話らしい会話も中々できないんだろうな…
ここの会話もなんだかしみじみしてしまいます。
「もう3年だけど」
「学校はどうだ」
「どうって?」
「楽しいか?」
ひとつひとつのセンテンスに無限な感情が詰まっているんですよね。
こういってはなんですけど、昔のホームドラマを見ているような感覚に陥いります。
特に「どうって?」というもこっちの返しが、もうたまらなく娘の複雑な気持ちを表しているように思えてなりません。
で、これですよ。そう「普通」。
子供って、親に必ず「別に」「普通」という言葉を使いますよね。
ここの返しもそういった意味で、リアルではあります。
でも同時に、あのもこっちが「学校はどうだ」という問いに「普通」と答えたそのことに、
また特別な感慨を覚えざるを得ないのです。
この「普通」には、よくある親との会話がうっとおしくって返す「普通」とは、また違う色合いがあるのではないでしょうか。
ここの会話もすごく好きです。
まるで言い訳をするかのような「楽しいって言う奴いないよ」。
いまどきの高校生マインドを諭すかのようなニュアンスながら、どこか照れ隠し的な気持ちもあるんですよね。
「そうか」と一言だけ返すもこパパもなんだかグッときてしまいます。
本当にいいお父さんなんだなあ。
ああ、やっぱり夫婦でそんな会話もしていたんだ。
まあ、それほど深刻なトーンではないんでしょうけど、やっぱりそこは、親として少し気になるところですからね。
何しろ普段からちょっと奇行が目立つ子ですしw
(いや、クリスマスの夜にバイブ握ったまま寝落ちしている娘とか、ちょっとどころじゃないかw)
きっと、どこかのタイミングでちゃんと話したいと思っていたんでしょうね。
なんかギャグマンガの父親とは思えないようないいお父さんなんですけどw
でも、こういうリアル感こそが、ほかのギャグマンガにはないわたモテの魅力なんだとも思いますね。
もこっちの反応もいいですね。
娘にしてみれば、単なる“愚痴”というか、常套句みたいなものなんでしょうから、
そんな真剣に取られても……といった戸惑いというか、気恥ずかしさもあるんでしょう。
でも、親にとっては、そういうもんじゃないんですよね。
こういう親子のちょっとした認識の違いが実にうまく出ているなと思います。
なんか、今回はどのコマもみんな素晴らしすぎて困るんですけど!
行かないでいいなら今も行かないといいつつも、ただ色々あって…となるところなんて、
もう誰に対して言い訳してんだよ!といいたくなりますよw
修学旅行後からではなく、「ここ3か月くらい」というところが、またすごく大きなポイントですよね。
そう、言うまでもなくこれは、3学期が始まってすぐ、あの「雪の日の学校」のことを指しているのです。
この親子の会話も中々味わい深いですよね。
お父さんが釣った魚を自分が釣ったように写真を撮るというもこっちに対して、
「撮ってどうすんだ?インスタか?」
というお父さんwなんだかすごく微笑ましいw
きっと、ネットニュースとかでインスタというのを知ったんだろうなあ。
なんとか今の若者文化への理解度をさりげなく見せつつ、娘との対話に必死な感じが歯がゆくもあり、愛おしくもありますね。
そんないじらしい父親に対して、
あっさり「インスタなんかやってないよ」と斬り返すもこっちがまたいいw
ここのセリフも大きな衝撃と感動を呼んだのではないでしょうか。
何しろ、もこっちが
「友達に送る」ですよ?
しかも、「春休み連絡してなかったから」というのですから!
ある意味、大事件ですよ。
3年くらい前にタイムスリップして、あの頃の読者にこの画像を見せても誰も本物だとは思わないでしょうねw
しかもこれ、父親へのエクスキューズ的なニュアンスはほとんどないと思うんですよ。
前回までの流れを見ていれば、この「春休み連絡してなかったから」という言葉は本心から来ていることがわかりますよね。
「友達」ともこっちが素直に呼んだこともさることながら、しばらく連絡しなかったことを彼女なりに気にしているというこの事実に、私たちは感銘を受けずにはいられません。
そう、あの打ち上げの時に思わずこぼしてしまった、ゆりちゃんの「4人でご飯食べるの最後かもね」という言葉。
それに対して吉田さんが発した「会おうとすりゃ会えんだろ」。
あの時、もこっちは何も言葉を返しませんでした。
でも、吉田さんを見る表情はいつものもこっちとは少し違っていましたよね。
もこっちの、あの無言の表情を知っているからこそ、私はこの何気ない一言に胸を熱くしてしまうわけです。
……ところで、魚を持つもこっちの手、おかしくないですか?
なんで上からグーで握るような感じなんだよw
ていうかこれ、持ちづらくないかなあ…
まあ、魚の種類にもよるんでしょうけどね。あまりぬるぬるしていないのかな?
wwwなんかかわいいw
ここだけ見ると、小学校高学年くらいに見えますよね。
なんだか逆に、親のフェイスブックのために無理やり撮らされている感があるわw
ていうか、友達に見せる“自分が釣ったかのように装う”写真なんだから、もっと嬉しそうな顔しろよw
なんで急に凛々しくなるんだかよくわからないんだがw
ここのもこっち、なんか無駄にかっこよく見えますよねw
屈んだポーズが妙に様になっています。(てか脚、きれいだなw)
スマホをお父さんから返してもらうところを律儀に描いているのもなんだか妙におかしいw
ああ、なんてわかりやすいフリなんだろうw
もうページめくらなくても何が釣れたのかわかるわw
あと、それまでつまらなそうだったのに引いてるとなったとたんに目を輝かすこの感じ、すごくわかるなあ。
まさに釣りあるあるですねw
WWWWW
この池、なんかやばいんじゃないかw
こうもグズグズばかりが釣れるってw
(私は天丼ネタが好きなので、ここが今回一番笑ったシーンになりますw)
でも、小学生のころと比べると、グロ度が少し柔らかくなっていますね。
「ベロン」というところがちょっとかわいいかも?
WWWWW
ということは、小学3年の時点ですでに腐っていたということになるぞw
しかし、こんなグロいの、よく間近で見れるなあ…
帰りの車の中、釣れなかったしつまらなかったろと語りかける父親に対して、再びこのフレーズが出てきました。
そう、「普通」。
この場合の「普通」も、また違ったニュアンスが込められているのではないでしょうか。
心の声も興味深いことを言っていますね。
「メール送る口実もできた」
要するにもこっちは、送る“口実”が欲しかったわけです。
逆に言えば、釣れなければメールを送ることが憚られる気持ちがあったということなのでしょう。
このシーン、すごくないですか?
「普通」という言葉に対して、父親がまた、再びこの一言を返すんですよ。
「そうか」。
そして、この瞬間、初めて父親の顔が垣間見える。
そして、もこっちも父がそう返してくれることをあらかじめわかっているかのように一言。
「うん」
もうね。このシーンを見た瞬間に、あ、「ここが今回のベストシーンだわ」と確信してしまいましたよ。
こんなやり取りだけで、親子の間で確かに通じるものがあったことが読み手にはっきりと伝わるわけです。
この一コマだけでもマンガ史に残すべき名シーンだと声を大にして言いたいですね。
ここの使い分けもなんだか意味深ですね。
ゆうちゃんには「メール」、あっちには「ライン」。
まあ、ゆうちゃんとはライングループを作っていないのかもしれませんけど、
あえてこういう呟きをしたその意味を探りたくなってしまいますよね。
三者三様のプライベートな様子が面白いですね。
ゆうちゃんはメガネを変えたんでしょうか、フチなしのオシャレな感じになっています。
かわいい小物入れにきっちりスマホを納めているところもなんだか彼女らしいですよね。
全体的にファンシーな感じでまとまっているようです。
真子はさすが真面目に勉強?していたところのようですが、
ゆりちゃんはこれ、いったい何をしていたところなんだwただ机の前で座っているだけってwww
ていうか、なんかこの机妙に狭くありません?
これじゃあ、ノートも広げられないだろw
WWWWW
だから、なんでこんな無表情なんだよwww
「こんなん釣っちゃったよ…っもうなんだかなあ」みたいな感じじゃねーかwww
しかも相変わらず、変な魚の持ち方してるしwほんと、よく持てるよなw
ゆうちゃんwwwまんまじゃねーかwww
もこっちの表情見て、「え、何が言いたいの?」とか思わんのかwww
まあ、彼女には素直に伝わったようだからこれでいいのかもしれませんねw
それに比べて、二人のこの反応www
WWWWW
このもこっちの顔!もう最高ですよねw
まるで、小学生の悪ガキみたいじゃないですかw
(当然のことながら、これが今回のベストもこっち!)
「普通」とはいっていたものの、実は彼女にとって、小学生のときと同じくらい「盛り上がっていた」んですよね。
それはやっぱり、「自分が釣った」からなんです。
そして、そんなグズグズでも自分が釣ったんだよということをゆりちゃんと真子には伝えたかった。自分の中で盛り上がったこのしょうもないネタを一緒に共有したかった。
もこっちのその気持ちに笑いながらもほんのちょっぴり気持ちも暖かくなる、そんな素晴らしいオチだったと思います。
それにしても、この差はすごく面白いですよね。
普通なら、ちゃんとした魚のほうがドヤ顔で、グズグズのほうに「なんだかなあ」だと思うんですよ。ていうか、普通の笑いはそういう分かりやすい比較で見せますよね。
見栄を張るために友達に送るという設定なら特にそうでしょう。
で、あ、グズグズのほうを送っちゃった…というオチになるかと思うんです。
ところが、わたモテは違うんです。
自分が釣ったものではないものは「つまんねぇ…」的なテンションになり、
たとえ腐っていても自分自身が釣ったものは「やったぜ!」となるわけなんです。
(腐ったほうだけ釣り竿を持っているのがまた印象的!)
このなんでそっちで得意げなんだよwwwという逆張り的な発想。
なんかわたモテという作品の“キモ”がここにあるような気がしますよ。
いやあ、本当に今回はすごいと思いますよ。わたモテ全話の中でも個人的にベスト10には確実に入りますね。
前回のあの感動から一転して、「肩すかし」かと思いきや、しっかり話は続いているんですよ。
今回のもこっちの複雑な思いや行動は間違いなく、あのゆりちゃんの言葉が頭にあるからなんです。
でも、それでもやっぱり、「肩すかし」というか、「箸休め」にもなっているんですよね。
ここでお父さん回てwww岡田回以上にこんなん読めるわけがないw
クラス替えはどうなる3年生編はどうなると、話も盛り上がっているところで一気に叩みかけるのではなく、
意外な視点から一度クールダウンさせる今回の手口はまさに「肩すかし」そのものです。
それでいて、もこっちの成長ぶりもしっかり踏まえつつも、最後はわたモテらしいちょっと捻ったオチで締めるのですから、もう脱帽ですよ。
しかもそのオチすらも、前回の話を引き継いでのもこっちなりの姿勢も見せているわけです。
なぜ、ゆうちゃんとゆりちゃんグループとで送る写真を変えたのか。
取りようによっては、友達を格付けしているかのような嫌な感じを受ける人もいるかもしれません。
でも私は、前回の話が前提としてあっての行動だと思うんですね。
本来ならどちらにも「かっこよく」見せたいんですよ。つまり、元々はあの「釣ったかのように見せた写真」を3人に送るつもりだったんです。
でも、ゆうちゃんにはいつも通りに送ることができても、ゆりちゃんと真子にはやっぱりまだためらいというか、気恥しい気持ちもあったのでしょう。
だからこそ、「グズグズの魚」が釣れたときに「送る“口実”もできた」と呟いたのではないでしょうか。
(ここは「メール」を送る口実、と言っているところが混乱を招きやすいところなんですよね。この場合のメールはラインも含めた連絡手段全般を指しているんだと私は解釈しているのですが)
もこっちはきっと、あのときのゆりちゃんの言葉を気にしていたんです。
「わざわざ会いにくるようなタイプじゃないでしょ」

だから素直に、釣りに行ったよ魚も釣れたよ、とは言えなかったんですよ。
普通の友達なら、なんでもないことでも気軽にやり取りはできます。
でも、ゆりちゃんたちに連絡をするのには、どうしてもなんか特別な、それこそ“黒木さん”らしい理由が必要だったんです。
あの楽しかった小学生の頃をほうふつとさせる「グズグズの魚」。
自分が釣ったからこそネタになる「腐ってる同士惹かれ合っている」腐った魚。
それこそ、もこっちが求めていた、送るための“口実”だったのではないでしょうか。
どうでしょう。
「肩すかし」が肩すかしのまま王道になっていて、「箸休め」が箸休めのまま、本筋と繋がっている今回の話。
本当にすごくないですか?
まったく、とんでもない怪物マンガですよ。
いまだに震えが止まりませんねw
もこっちがなぜ「学校に行きたくない休みたい」と言わなくなったのかが、
わかるかもしれないコミックス11巻は絶賛発売中です!
えっと、なんか今回すごくないですか?
読み終えた瞬間、おおげさじゃなくマジで震えが止まらなかったんですけど。
いや本当に前回以上に感銘を受けたかもしれないです。
「モテないし父親と出かける」
まず、このタイトルを見た段階では、
「またこういうパターンかよwこんなの誰も予想できないわw」と思ったのと同時に、
「ああ、ここ最近“生き急いでいる”感があったから、こういう“肩すかし”は逆に安心するなあ」と嬉しくも感じたんですね。
春休みを挟むのではないかという予想は誰でもできます。
きーちゃん再襲来とか、弟とのホッコリ話とか、ゆうこみと遊びに行くとか、それこそ、前回の流れでゆりちゃんたちとどこかに出かけるとか。
でも、ここで「お父さん」回って、いったい誰が思いつくかって話ですよw
今年に入ってからどんどんストーリーを進めていく感じが顕著だったんで、少し不安な気持ちもあったんですが、
この辺のすかしっぷりは、むしろ谷川さんらしくってなんだか嬉しくもなるってものです。
やっぱりたまにはこういうなんの意味もない箸休めもあってこそわたモテだよなあという感じだったんですね。
ところが、最後まで読んでみて、もう驚愕ですよ。
「肩すかし」でもあって、「王道」でもあり、「箸休め回」でもあって、「本筋」でもあるという、
もう全く意味がわからない領域に達しているじゃないですか!
自分はとんでもないモンスターを相手に感想記事を書いているのではないかと、逆になんだか怖くなってきましたよw
というわけで、さっそく見ていきましょう!

ようやく春休みに突入ですが、もこっちはなんだか暇を持て余し気味。
こういうときこそ、誰かを誘ってみればいいんじゃないかと思うのですが、
やっぱりそこまでは気が引けてしまうのでしょうね。
それにしても、このもこっちはなんだか腕も長いし、随分大人っぽく見えます。
前回の

これから急激に成長しすぎだろw

ここでお父さんの登場。相変わらず顔は見せない演出が印象的です。
それにしても、この導入部分は意外でしたが、興味深かったですね。
父親が娘を誘う形ではなく、暇を持て余した娘の方が父親のお供という形でイベント参加というのは、けっこう珍しいんじゃないでしょうか。
今時の女子高生はもっと父親に対して距離を置いているイメージがあったので、
この雰囲気はむしろ新鮮に感じましたね。

なんだかいいシーンですよね。
車内で父親と二人という状況で、お互い何も話すことはないでしょうけど、でも別に気まずい感じでもないんですよね。
ただ、窓の外を眺めつつ風を感じていれば、それはそれで悪くない、みたいな。
で、ステレオから流れる交通情報がまた「休日」感を醸し出すんですよね。
こういう空気感は家族ならばのものでしょうし、
それをこういうさりげない一コマで伝えられるわたモテのすごさをしみじみ感じてしまいます。
それにしてもこのもこっち、絵になりすぎだろw
少し眠たそうな目。風にたなびく黒髪。
…まるでサスペンスの導入部分のようじゃないかw

というわけで、今回のタイトルは「モテないし父親と出かける」。
父親と娘が二人で釣りっていうのは、予想外のシチュエーションでしたが、
これはこれですごくもこっちらしいというか、なんだかほっこりしますね。
それにしても、ここは県内の川なんでしょうかね?
ほとんど人もいないですしけっこう穴場的なところなのかな?
もしかしたら、もこっちのお父さんはかなりの釣り師なのかも。
…って、これ、川じゃなくって池のようですね。
千葉ではけっこうポピュラーなのかな。

WWW以前“蠱毒”やろうとか言ってたくせにそれはダメなのかよw
…でもまあ、わかりますけどね。
節足動物系がせまいところで密集してうねうねしているのは、虫云々以前に生理的なおぞましさがありますから。
釣りが女子にあまり人気がないのはこの辺もあるのかもしれません。
でも一度、フタを開けて見るところがもこっちらしくていいですよねw
で、けっきょく「お父さんがつけて」となるのがすごくかわいいです。

WWWWああ、すごくつまらなそうw
そうですよね、釣りってポイントを見極めたり、仕掛けを考えたりするところまでは面白いんでしょうけど、
実際に始めると、ひたすら“待つ”ことが求められますからね。
その“自分との会話”みたいな部分で人生論を打つ人もいますけど、
やっぱりそういうところがうざったく思えて、女子に人気がないんじゃないかなあw
ちなみに私も釣りはほとんどやりません。
“ほとんど”というのは、たまに釣り好きな親戚に付き合わされることがあるからです。
いろいろウンチクを聞かされるのも少しうんざりする部分もあるのですが、
でも“たまに”釣れたりするとすごく嬉しいんですよね。
ハマる人の気持ちも少しわかりますよ。(でもやっぱり話は面倒くさいw)
このお父さんは余計なことを言わずに娘に自由にさせている時点で、
すごくいい釣りをしているんだなとわかります。
まあ、単に口下手なだけなのかもしれませんがw
でも、今気づきましたけど、もこっちちゃんとズボンを釣り用の迷彩ものに履き替えていたんですね。
上はそのままで、下だけ着替えたところがなんともかわいらしいw

後ろで見ているお父さんがなんだか不審者にも見えてきてちょっと怖いんだがw
それにしても、ここのモノローグはいいですね。
普通、女子高生が暇だからって、休日のお父さんについてはいかないですよw
母親ともそうですけど、もこっちって家族関係がすごく良好ですよね。
ベタベタしているわけでもなく、なんか自然体なところがすごく好ましく思えます。
中二病をこじらせたような子の家庭環境が実は恵まれているという点が、また、なんていうか逆にリアルなんだよなあ。
しかし、小さいころにお父さんと弟で遊びにきた時と今とで比べるなよw
まったくシチュエーションが違うだろw
年の近い姉弟がいるだけでも違うし、
そもそも子供のころは、だいたいが初めての経験だからなんでも楽しく感じるものだろうがw

WWWWW相変わらず、そっくりな姉弟だなwww
てか、これ髪型違うだけじゃないのか?w
小学生の二人も約1年前の喪102「モテないしいつかの冬休み」以来でしょうか。
あの時よりはもうちょっと幼いようですから、まだ「お姉ちゃん大好き」あたりのころかなw

WWW淀みなく、すっとアミを差し出す智くんがいじらしいw
完全にお姉ちゃんのしもべというか、調教されすぎですよねw
暴虐でわがままな姫に振り回されながらも密かに許されぬ恋心に悩む召使、といった妄想が止まりませんよw

WWWWW
え?w釣りって、こんな腐敗した魚が釣れるものなんでしょうかね?w
でもまあ、池釣りって私は経験ないのでよく知らないのですが、
海や川と違って水も腐りやすいでしょうし、池ではよくあることなのかもしれませんね。

盛り上がったんかwww
でも確かに、ああいう体験の方が逆に楽しい思い出にはなりますよね。
バックがキラキラしているところになんだかほんわかします。

うわ、親子の会話感がハンパない…
「智子」という呼び方もなんだか新鮮に響きますね。
きっと、こういう機会でもないと、娘と会話らしい会話も中々できないんだろうな…

ここの会話もなんだかしみじみしてしまいます。
「もう3年だけど」
「学校はどうだ」
「どうって?」
「楽しいか?」
ひとつひとつのセンテンスに無限な感情が詰まっているんですよね。
こういってはなんですけど、昔のホームドラマを見ているような感覚に陥いります。
特に「どうって?」というもこっちの返しが、もうたまらなく娘の複雑な気持ちを表しているように思えてなりません。

で、これですよ。そう「普通」。
子供って、親に必ず「別に」「普通」という言葉を使いますよね。
ここの返しもそういった意味で、リアルではあります。
でも同時に、あのもこっちが「学校はどうだ」という問いに「普通」と答えたそのことに、
また特別な感慨を覚えざるを得ないのです。
この「普通」には、よくある親との会話がうっとおしくって返す「普通」とは、また違う色合いがあるのではないでしょうか。

ここの会話もすごく好きです。
まるで言い訳をするかのような「楽しいって言う奴いないよ」。
いまどきの高校生マインドを諭すかのようなニュアンスながら、どこか照れ隠し的な気持ちもあるんですよね。
「そうか」と一言だけ返すもこパパもなんだかグッときてしまいます。
本当にいいお父さんなんだなあ。

ああ、やっぱり夫婦でそんな会話もしていたんだ。
まあ、それほど深刻なトーンではないんでしょうけど、やっぱりそこは、親として少し気になるところですからね。
何しろ普段からちょっと奇行が目立つ子ですしw
(いや、クリスマスの夜にバイブ握ったまま寝落ちしている娘とか、ちょっとどころじゃないかw)
きっと、どこかのタイミングでちゃんと話したいと思っていたんでしょうね。
なんかギャグマンガの父親とは思えないようないいお父さんなんですけどw
でも、こういうリアル感こそが、ほかのギャグマンガにはないわたモテの魅力なんだとも思いますね。
もこっちの反応もいいですね。
娘にしてみれば、単なる“愚痴”というか、常套句みたいなものなんでしょうから、
そんな真剣に取られても……といった戸惑いというか、気恥ずかしさもあるんでしょう。
でも、親にとっては、そういうもんじゃないんですよね。
こういう親子のちょっとした認識の違いが実にうまく出ているなと思います。

なんか、今回はどのコマもみんな素晴らしすぎて困るんですけど!
行かないでいいなら今も行かないといいつつも、ただ色々あって…となるところなんて、
もう誰に対して言い訳してんだよ!といいたくなりますよw
修学旅行後からではなく、「ここ3か月くらい」というところが、またすごく大きなポイントですよね。
そう、言うまでもなくこれは、3学期が始まってすぐ、あの「雪の日の学校」のことを指しているのです。

この親子の会話も中々味わい深いですよね。
お父さんが釣った魚を自分が釣ったように写真を撮るというもこっちに対して、
「撮ってどうすんだ?インスタか?」
というお父さんwなんだかすごく微笑ましいw
きっと、ネットニュースとかでインスタというのを知ったんだろうなあ。
なんとか今の若者文化への理解度をさりげなく見せつつ、娘との対話に必死な感じが歯がゆくもあり、愛おしくもありますね。
そんないじらしい父親に対して、
あっさり「インスタなんかやってないよ」と斬り返すもこっちがまたいいw

ここのセリフも大きな衝撃と感動を呼んだのではないでしょうか。
何しろ、もこっちが
「友達に送る」ですよ?
しかも、「春休み連絡してなかったから」というのですから!
ある意味、大事件ですよ。
3年くらい前にタイムスリップして、あの頃の読者にこの画像を見せても誰も本物だとは思わないでしょうねw
しかもこれ、父親へのエクスキューズ的なニュアンスはほとんどないと思うんですよ。
前回までの流れを見ていれば、この「春休み連絡してなかったから」という言葉は本心から来ていることがわかりますよね。
「友達」ともこっちが素直に呼んだこともさることながら、しばらく連絡しなかったことを彼女なりに気にしているというこの事実に、私たちは感銘を受けずにはいられません。
そう、あの打ち上げの時に思わずこぼしてしまった、ゆりちゃんの「4人でご飯食べるの最後かもね」という言葉。
それに対して吉田さんが発した「会おうとすりゃ会えんだろ」。
あの時、もこっちは何も言葉を返しませんでした。
でも、吉田さんを見る表情はいつものもこっちとは少し違っていましたよね。
もこっちの、あの無言の表情を知っているからこそ、私はこの何気ない一言に胸を熱くしてしまうわけです。
……ところで、魚を持つもこっちの手、おかしくないですか?
なんで上からグーで握るような感じなんだよw
ていうかこれ、持ちづらくないかなあ…
まあ、魚の種類にもよるんでしょうけどね。あまりぬるぬるしていないのかな?

wwwなんかかわいいw
ここだけ見ると、小学校高学年くらいに見えますよね。
なんだか逆に、親のフェイスブックのために無理やり撮らされている感があるわw
ていうか、友達に見せる“自分が釣ったかのように装う”写真なんだから、もっと嬉しそうな顔しろよw

なんで急に凛々しくなるんだかよくわからないんだがw
ここのもこっち、なんか無駄にかっこよく見えますよねw
屈んだポーズが妙に様になっています。(てか脚、きれいだなw)
スマホをお父さんから返してもらうところを律儀に描いているのもなんだか妙におかしいw

ああ、なんてわかりやすいフリなんだろうw
もうページめくらなくても何が釣れたのかわかるわw
あと、それまでつまらなそうだったのに引いてるとなったとたんに目を輝かすこの感じ、すごくわかるなあ。
まさに釣りあるあるですねw

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この池、なんかやばいんじゃないかw
こうもグズグズばかりが釣れるってw
(私は天丼ネタが好きなので、ここが今回一番笑ったシーンになりますw)
でも、小学生のころと比べると、グロ度が少し柔らかくなっていますね。
「ベロン」というところがちょっとかわいいかも?

WWWWW
ということは、小学3年の時点ですでに腐っていたということになるぞw
しかし、こんなグロいの、よく間近で見れるなあ…

帰りの車の中、釣れなかったしつまらなかったろと語りかける父親に対して、再びこのフレーズが出てきました。
そう、「普通」。
この場合の「普通」も、また違ったニュアンスが込められているのではないでしょうか。
心の声も興味深いことを言っていますね。
「メール送る口実もできた」
要するにもこっちは、送る“口実”が欲しかったわけです。
逆に言えば、釣れなければメールを送ることが憚られる気持ちがあったということなのでしょう。

このシーン、すごくないですか?
「普通」という言葉に対して、父親がまた、再びこの一言を返すんですよ。
「そうか」。
そして、この瞬間、初めて父親の顔が垣間見える。
そして、もこっちも父がそう返してくれることをあらかじめわかっているかのように一言。
「うん」
もうね。このシーンを見た瞬間に、あ、「ここが今回のベストシーンだわ」と確信してしまいましたよ。
こんなやり取りだけで、親子の間で確かに通じるものがあったことが読み手にはっきりと伝わるわけです。
この一コマだけでもマンガ史に残すべき名シーンだと声を大にして言いたいですね。

ここの使い分けもなんだか意味深ですね。
ゆうちゃんには「メール」、あっちには「ライン」。
まあ、ゆうちゃんとはライングループを作っていないのかもしれませんけど、
あえてこういう呟きをしたその意味を探りたくなってしまいますよね。

三者三様のプライベートな様子が面白いですね。
ゆうちゃんはメガネを変えたんでしょうか、フチなしのオシャレな感じになっています。
かわいい小物入れにきっちりスマホを納めているところもなんだか彼女らしいですよね。
全体的にファンシーな感じでまとまっているようです。
真子はさすが真面目に勉強?していたところのようですが、
ゆりちゃんはこれ、いったい何をしていたところなんだwただ机の前で座っているだけってwww
ていうか、なんかこの机妙に狭くありません?
これじゃあ、ノートも広げられないだろw

WWWWW
だから、なんでこんな無表情なんだよwww
「こんなん釣っちゃったよ…っもうなんだかなあ」みたいな感じじゃねーかwww
しかも相変わらず、変な魚の持ち方してるしwほんと、よく持てるよなw

ゆうちゃんwwwまんまじゃねーかwww
もこっちの表情見て、「え、何が言いたいの?」とか思わんのかwww
まあ、彼女には素直に伝わったようだからこれでいいのかもしれませんねw

それに比べて、二人のこの反応www

WWWWW
このもこっちの顔!もう最高ですよねw
まるで、小学生の悪ガキみたいじゃないですかw
(当然のことながら、これが今回のベストもこっち!)
「普通」とはいっていたものの、実は彼女にとって、小学生のときと同じくらい「盛り上がっていた」んですよね。
それはやっぱり、「自分が釣った」からなんです。
そして、そんなグズグズでも自分が釣ったんだよということをゆりちゃんと真子には伝えたかった。自分の中で盛り上がったこのしょうもないネタを一緒に共有したかった。
もこっちのその気持ちに笑いながらもほんのちょっぴり気持ちも暖かくなる、そんな素晴らしいオチだったと思います。
それにしても、この差はすごく面白いですよね。
普通なら、ちゃんとした魚のほうがドヤ顔で、グズグズのほうに「なんだかなあ」だと思うんですよ。ていうか、普通の笑いはそういう分かりやすい比較で見せますよね。
見栄を張るために友達に送るという設定なら特にそうでしょう。
で、あ、グズグズのほうを送っちゃった…というオチになるかと思うんです。
ところが、わたモテは違うんです。
自分が釣ったものではないものは「つまんねぇ…」的なテンションになり、
たとえ腐っていても自分自身が釣ったものは「やったぜ!」となるわけなんです。
(腐ったほうだけ釣り竿を持っているのがまた印象的!)
このなんでそっちで得意げなんだよwwwという逆張り的な発想。
なんかわたモテという作品の“キモ”がここにあるような気がしますよ。
いやあ、本当に今回はすごいと思いますよ。わたモテ全話の中でも個人的にベスト10には確実に入りますね。
前回のあの感動から一転して、「肩すかし」かと思いきや、しっかり話は続いているんですよ。
今回のもこっちの複雑な思いや行動は間違いなく、あのゆりちゃんの言葉が頭にあるからなんです。
でも、それでもやっぱり、「肩すかし」というか、「箸休め」にもなっているんですよね。
ここでお父さん回てwww岡田回以上にこんなん読めるわけがないw
クラス替えはどうなる3年生編はどうなると、話も盛り上がっているところで一気に叩みかけるのではなく、
意外な視点から一度クールダウンさせる今回の手口はまさに「肩すかし」そのものです。
それでいて、もこっちの成長ぶりもしっかり踏まえつつも、最後はわたモテらしいちょっと捻ったオチで締めるのですから、もう脱帽ですよ。
しかもそのオチすらも、前回の話を引き継いでのもこっちなりの姿勢も見せているわけです。
なぜ、ゆうちゃんとゆりちゃんグループとで送る写真を変えたのか。
取りようによっては、友達を格付けしているかのような嫌な感じを受ける人もいるかもしれません。
でも私は、前回の話が前提としてあっての行動だと思うんですね。
本来ならどちらにも「かっこよく」見せたいんですよ。つまり、元々はあの「釣ったかのように見せた写真」を3人に送るつもりだったんです。
でも、ゆうちゃんにはいつも通りに送ることができても、ゆりちゃんと真子にはやっぱりまだためらいというか、気恥しい気持ちもあったのでしょう。
だからこそ、「グズグズの魚」が釣れたときに「送る“口実”もできた」と呟いたのではないでしょうか。
(ここは「メール」を送る口実、と言っているところが混乱を招きやすいところなんですよね。この場合のメールはラインも含めた連絡手段全般を指しているんだと私は解釈しているのですが)
もこっちはきっと、あのときのゆりちゃんの言葉を気にしていたんです。
「わざわざ会いにくるようなタイプじゃないでしょ」

だから素直に、釣りに行ったよ魚も釣れたよ、とは言えなかったんですよ。
普通の友達なら、なんでもないことでも気軽にやり取りはできます。
でも、ゆりちゃんたちに連絡をするのには、どうしてもなんか特別な、それこそ“黒木さん”らしい理由が必要だったんです。
あの楽しかった小学生の頃をほうふつとさせる「グズグズの魚」。
自分が釣ったからこそネタになる「腐ってる同士惹かれ合っている」腐った魚。
それこそ、もこっちが求めていた、送るための“口実”だったのではないでしょうか。
どうでしょう。
「肩すかし」が肩すかしのまま王道になっていて、「箸休め」が箸休めのまま、本筋と繋がっている今回の話。
本当にすごくないですか?
まったく、とんでもない怪物マンガですよ。
いまだに震えが止まりませんねw
もこっちがなぜ「学校に行きたくない休みたい」と言わなくなったのかが、
わかるかもしれないコミックス11巻は絶賛発売中です!
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