私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!喪116~一度インターバルを置くからこそ見えてくるものもある~
6月15日に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」が喪116に更新されました。
前回の衝撃がいまだ冷めやらぬ中での今回の更新。
この後いったいどんな話になるか、読者の興味はこれまで以上に大きく膨らんでいたことでしょう。
成長した姿を見せた後だし、もこっちの誕生日回とか?
でも普通に考えれば春休み回かな。
いや、そろそろオムニバス回も来そうだし、春休みに入る前のちょっとした日常回もありか。
ひょっとすると、いきなり3年生編に突入もあるかもしれない。
…とまあ皆さんもあれこれいろんなパターンを想像していたのではないでしょうか。
ただ、おおまかに分ければ、二つのパターンに集約されたはずです。
つまり、「このまま物語を進めていく『王道』パターン」か、「いったんブレイクして、くだらない話を挟んでくる『脇道』パターン」か。だいたいどちらかしかないわけですよ。
まあ、捻くれているくせにバランスは重視する谷川さんのことですから、可能性としてはほぼ50:50だとは思っていましたが、とにかく、二つのうちのどちらかだと信じて疑わなかったわけです。
で、喪116の更新日を迎えたわけですが……。
で、これです。
そう、今回のタイトルは「モテないし二年目の卒業式(裏側)」。
『王道』パターンでも『脇道』パターンでもなく、言うならば、『逆走』パターンでしょうか。まさかこんな形があろうとは……
嘘はつきたくないので正直に言いますが、なんだかもう騙されたような気になりましたよw
要するに、バレンタインのとき同様、「アナザーサイド編」なわけです。
しかも今回はご丁寧に「(裏側)」と、明言してくるくらいですからね。もはや疑いようもないでしょう。
最初から「舞台裏」というか、ぶっちゃけ、「おまけ回」だよと言っているようなものですよ。
バレンタイン三部作の構成に味を占めたのかよくわかりませんけど、何も同じことを続けてやることもないと思うんですけど。
ただ、それはさておき、「裏側」編の主役が智貴である、という点はすごく興味深いですね。
巻末での「おまけ」や「番外編」なら、吉田さん視点ゆりちゃん視点もしくは今江さん視点でもいいかもしれませんが、「裏側」なら弟以外はありえないわけです。
そこに「わたモテ」という作品の大きな根幹がある気がしますね。
というわけで、今回の主役はもこっちの弟の智貴。
彼がこの日のもこっちをどう見たのか。さっそく見ていきましょう!
なんと智貴は、前回のあの場面に偶然(?)居合わせていました。
突然のことで、何が起きているのか今一つ把握できていないようですね。
まあ、ひと言の会話もなく「ずんずん」「ポン」ですからねw
傍から見たら、なんだか不穏な状況にしか見えません。
そうでなくても吉田さんの優しさは、誤解されやすいですから。
ていうか、吉田さんのあの切なそうな瞳がまったく見えていないじゃないかw
まあ、あの目は今江さんだけが感じ取れるものだったのかもしれませんね。
このシーンの「裏側」(ていうか、表側?)はこんな表情だったんですね。
意外とあっさりした感じですが、これもまた吉田さんらしい気もします。
それにしても、智貴が姉のイジメを想定していたことになんだか不思議な感慨を覚えますね。
やっぱりそういう可能性も頭にあったんだというね。
きっと、2年前、もこっちが会話のリハビリを求めにやってきていた時にも、
彼はどこかで、ひょっとしてイジメ的な扱いをうけているのではないかと思っていたんでしょうね。
もちろん、そんなことを口に出すことはしません。
仮にそうだとするなら、身内にそれを悟られることこそが彼女にとって一番辛いことだとわかっているでしょうから。
でも、たぶんずっと気にしてはいたのでしょう。
もしこの時初めてその可能性に気付いたなら、
「あれ?ひょっとして」とか「まさか」とか、そういったニュアンスの言葉が入ると思うんです。
ところが、彼は自然にこう考えます。
「…別にイジめられてるわけじゃねーのか?」
彼のこの呟きには“想定していた”匂いがします。そこに“驚き”の感情は見えないんです。
いつかこういう場面に出くわすかも知れないと考えていたからこそ、しばらく様子を見ていたような気がするんですね。
もし。
もし仮に本当に、もこっちがあそこで吉田さんにしめられていたなら。
智くんはいったいどうするつもりだったんでしょう。
そんなことを考えると、なんだか胸の奥が不思議と熱くなるのを感じますね。
まあ、あながち間違っていないというか、実際、吉田さんにヤキ入れられている場面も割とあるような気がしますけどねw
それはさておき、ついに智貴と吉田さんの初対面ですよ!
考えてみれば智貴って、もこっちの同級生に会うことって今までなかったんですよね、意外なことに。(小宮山さんはのぞく)
弟回って、単独か、ちんちんシスターズくらいしかなくって、それこそゆうちゃんとさえ共演がなかったんですよ。(だからこそ、優ちゃんの彼氏=智貴なんて説も出たわけですが)
そんな中、ここで修学旅行組と弟とが対面を果たすというのも、なかなかうまい構成ですよね。
喪108の感想の時に、私は「~修学旅行から続いている二つの流れ~」というサブタイトルを付けましたが、いよいよ、「合流」の時期が近づいてきているのかもしれませんよ。
それにしても、智貴、こんな近くで普通に見ていたんですね。
この立ち位置なら、もこっちや今江さんも気付きそうなものだけどなあw
(吉田さんの後ろ姿を見送っていたわけだし)
WWWW
どっちがあたったとか、そういう問題かよw
それにしても、初絡みでいきなりこの物言いですか……。
「冬の雨」でも
こんな感じでしたけど、まさに昭和のヤンキー像というか、
これじゃあ「ギザギザハートの子守唄」そのものですねw
(※歌詞内容等は各々検索してください。変にジャスさんに目をつけられたくないのでw)
ていうか、「ガンつけた」って…
今でもこんな化石みたいなヤンキーっているんでしょうかね?
ある意味、ファンタジーな存在ですよね、吉田さんってw
で、あっさり引き下がるのが、また吉田さんのいいところです。
まあ、奇異の目で見られることには慣れているんでしょうね。
「姉(あいつ)とどういう関係だ?」と、訝しがる智くんがまたいいですよね。
姉の交友関係を気にするとか、いかにもシスコンっぽいw
ていうか、どういう関係か、といわれると、確かに難しいな……
うーん、いったいどういう仲なんでしょう?

WWWWW
前回、コメントでたくろうさんが言及していたそのまんまじゃねーかwww
うっちー空気読んだと思いきや、構図の外にいただけかよw(まさに「裏側」w)
ていうか、いろいろおかしいだろ、なんだよ「最後の性を感じてる」ってw
その発想そのものがきもいわw
それにしても、うっちーはともかく、智貴がこの場に居合わせていたというのはちょっと驚きですね。
WWWWWWWWW
この空気感wなんともシュールな間が最高ですねw
うーん、やっぱりここが「個人的今回の一番笑ったシーン」だなあ。
前回の「後編」を挟んで、5連続うっちーネタが一番って、さすがにどうなの、と思わなくもないですが、こればっかりは仕方ないですね。実際そうなんだからw
バレンタイン三部作といい、今回の卒業式三部作といい、ちょっとうっちーに頼り過ぎだろという気持ちはぬぐえませんが、それでも毎回微妙にパターンを変えてきているのはさすがですね。
今回も「きもいきもい…」以上に、この智貴との初邂逅の空気感の方が面白かったですし。
WWWWW
何ごともなかったかのようにwww
うっちーは弟のこと知っているはずなんだから、一言くらい挨拶してもいいだろw
(喪106「モテないし最後の冬」 の「一目瞭然」参照)
ひょっとして、そういう鳴き声をする虫にでも擬態化しているつもりなのか?www
てか、なんなんだその口はw
前編のときからやっているけど、ぶっちゃけ、「スケバン刑事II」の「鉄仮面」にしか見えないんだがw
それと、智貴、もこっちの交友関係を気に過ぎだろw
うっちーはきもいきもいしか発していないんだし、もしかしたら、今江さん側の知り合いの可能性だってあるだろうにw
(てか、“あれ”呼ばわりはさすがにひどいぞw)
小宮山さん、とばっちりw
でもまあ、その存在は確実に智くんの心の中に刻まれつつあるようですから、むしろ望ましいことなのかも。
関心を持たれないよりはましですからね。
さて、向かう先にはあの二人が待っているようですが……
すれ違う際に、お互いを意識する二人。
最初に意識したのは、まこっちの「黒木さん」というフレーズに反応した智貴でしょうか。
そして、その視線を感じたゆりちゃんが「あれ、今すれ違った人…?」という流れかな?
うっちーじゃあるまいし、遺伝子レベルではさすがに気づけないでしょうからねw
なんだか、伏線ぽい匂いもしなくもないシーンですね。
お互いを認識し合っていた吉田さんのやうっちーの場合とは違い、
今はまだ、智貴側の一方的な認識かもしれない感じを残しているところがどうも気になります。
ただ、ゆりちゃんは、もこっちに弟がいることを知っていますから(喪75参照)、
もしかしたら、なんとなく気づいていた可能性もあるかもしれませんね。
なんだか、この智貴はちょっと雰囲気が違いますね。
まあ、姉の意外な一面に触れて、なんとも複雑な気持ちなんでしょう。
ウザかったことには違いないけど、いざ自分の手から離れてみると、やっぱり少し寂しい。
でも、それはもこっちの成長した姿でもあるから、それはやっぱり少しうれしい。
喪95「モテないし秋の終わり」 のラストでもこっちが感じた、ノスタルジックな感傷に通じるものがあるのかもしれませんね。
ここもなぜか、「モテないし秋の終わり」 の夕暮れを思い出させます。
きっと、智貴もこの空を見上げているんでしょうね。
そう、あの時のもこっちのように。
WWW もう、教科書にでも載っていそうなオチですねw
喪102「モテないしいつかの冬休み」 のラストも少し髣髴とさせます。
「変わらない」ことがまたうれしくもあるんですよね、きっと。
ていうか、この場合のもこっちって、本気で言っているわけじゃないんですよね。
たぶん、本当は先輩の行為になんの意味もないことなどわかっていて、
ただ単純に、弟と他愛のない話を交わしたいだけなんでしょう。
弟にとっては「変わらない」ウザさとうれしさがある一方、
かつての姉弟トークとは、実はどこかすれ違っている構図が透けて見えるようで、
少し切ないオチでもあるのかなという気がしましたね。
(ちなみに、ここが今回のベストもこっち&ベストシーン)
というわけで、なんと今回は4ページ!
今までのわたモテショート回の最小ページ記録を塗り替える結果になったわけですが、
こうして改めて振り返ってみると、これはこれでなかなか趣があるいい回だなあと思えてきました。
いえね。
今回の感想はすでに報告した通り、当初予定していた「初期バージョン」が存在していたんですが、本当はもっと辛辣なトーンの感想になるはずだったんですよ。
まあ、完成していたわけではなく、まだ7割程度の内容だったんですけど、けっこう不満をそのまま表に出した感じにするつもりだったんです。
「バレンタイン2もそうだったけど、これじゃあ完全に巻末の「おまけ」じゃないか」
「4ページというボリュームがそれを証明している」
「まっすぐに王道をいくのも脇道で楽しませてくれるのもいいけど、こんなごまかしはさすがにどうなのか」
といったことを中心に苦言を呈するものだったんですね。
ところが、予期せぬ出来事(恥)が起こり、ふたたびイチから書き直すはめになった際にふと思ったんです。
もう一度、同じことをわざわざトレースしながら綴っていくのもなんだかつまらないなあと。
実は、わたモテの感想って、あえて時間を置くことがあるんですね。
更新日当日にアップしないのはそういう理由もあるんです。
なんというか、初期衝動のまま書いていくのもいいんですけど、わたモテの場合はどうも感じ方とらえ方が読むたびに変わっていくことが多々あるんですよ。
最初は気づかなかったことや見逃していたことが、あとから見えてくることがけっこうあるんです。それ以外にも、みなさんのコメントを読んで評価が変わることもありますしね。
だから、これはいい機会だと思って、もう一度フラットな気持ちで読み直してみようと思ったんです。
そうすると、前には気づかなかったことがいろいろ見えてくるわけですよ。
例えば、タイトル。
喪115と同じ「モテないし二年目の卒業式」にもかかわらず、今回はちゃんと喪116となっています。
つまり、「後日談」でも「番外編」でも、ましてや「続編」でもなく、「裏側」として独立した話だということです。
で、「裏側」を語るとすれば、だれかという問題ですよ。
それは吉田さんでもゆりちゃんでも今江さんでも、もちろんうっちー(笑)でもなく、
絶対に智貴でなければ語れないはずなんですね。
…いや、語れないというより「語ってはいけない」んです。
なぜなら、黒木姉弟の物語こそが、わたモテの根幹なのですから。
要するに、もこっちと智貴は“表裏一体”なんですよ。
お互いをウザいと感じつつも、どこか最後の気持ちの拠り所にしているところがあるんです。
かつて、智貴の部屋で毎晩のように会話のリハビリ(笑)をしていた二人。
あの頃にはもう戻れないことを、もこっちも智貴ももう知っています。
それがまた、切なくもありまたうれしくもあるわけなんです。
だからこそ、もこっちは秋の終わりに空を見上げ、智貴もまた、春の訪れを感じつつ空を見上げるのです。
4ページというのも読み直すと実はすごくうまい構成なんですね。
1ページ目で吉田さん。
2ページ目でうっちー。
3ページ目ではゆりちゃんとまこっち。
そんな修学旅行組の彼女らと弟の邂逅をひとつひとつ見せていき、
4ページ目で弟なりの心情を語らせる。
こうしてみると、無駄がないというか、逆にこれ以上のページはむしろいらないだろうという気にさえ、させられますね。
そして、最後。
この定番ともいえるオチがあるからこそ、自然な形で次へのステージへ進めると思うんですよ。
確かに今回は「おまけ」というか、「つなぎ」に徹した感があります。
でもそれは、必要不可欠な「つなぎ」なんですね。
つまり、あのシリアスに徹したわたモテ最大の事件から、通常モードに移るまでの“インターバル”だったんですよ、今回は。
そうしないと、前回のあのラストから急にいつものくずっちに戻られても素直に笑えなくなるじゃないですかw
そう考えると、「逆走」でも「停滞」でもなく、やっぱり、前に進む意志が感じられる回だったなあと思いましたね。
わたモテという作品は、どこまでも果てしなく広がる宇宙のようなマンガです。
少し時間を置いて、よくよく読み直してみると、そのたびにまた違った顔を見せてきます。
今回は最初の下書きを自分のミスで消してしまったために、感想を楽しみにしている方々を待たせてしまいましたし、私もけっこう精神的なダメージ(笑)を受けましたが、
今となっては、かえって功を奏したというか、これでよかったのかもなあという気がしています。
本当に改めて、深いマンガです、わたモテは。
黒木姉弟の心温まる?エピソード、喪102「モテないしいつかの冬休み」も読めるコミックス11巻は絶賛発売中です!
前回の衝撃がいまだ冷めやらぬ中での今回の更新。
この後いったいどんな話になるか、読者の興味はこれまで以上に大きく膨らんでいたことでしょう。
成長した姿を見せた後だし、もこっちの誕生日回とか?
でも普通に考えれば春休み回かな。
いや、そろそろオムニバス回も来そうだし、春休みに入る前のちょっとした日常回もありか。
ひょっとすると、いきなり3年生編に突入もあるかもしれない。
…とまあ皆さんもあれこれいろんなパターンを想像していたのではないでしょうか。
ただ、おおまかに分ければ、二つのパターンに集約されたはずです。
つまり、「このまま物語を進めていく『王道』パターン」か、「いったんブレイクして、くだらない話を挟んでくる『脇道』パターン」か。だいたいどちらかしかないわけですよ。
まあ、捻くれているくせにバランスは重視する谷川さんのことですから、可能性としてはほぼ50:50だとは思っていましたが、とにかく、二つのうちのどちらかだと信じて疑わなかったわけです。
で、喪116の更新日を迎えたわけですが……。

で、これです。
そう、今回のタイトルは「モテないし二年目の卒業式(裏側)」。
『王道』パターンでも『脇道』パターンでもなく、言うならば、『逆走』パターンでしょうか。まさかこんな形があろうとは……
嘘はつきたくないので正直に言いますが、なんだかもう騙されたような気になりましたよw
要するに、バレンタインのとき同様、「アナザーサイド編」なわけです。
しかも今回はご丁寧に「(裏側)」と、明言してくるくらいですからね。もはや疑いようもないでしょう。
最初から「舞台裏」というか、ぶっちゃけ、「おまけ回」だよと言っているようなものですよ。
バレンタイン三部作の構成に味を占めたのかよくわかりませんけど、何も同じことを続けてやることもないと思うんですけど。
ただ、それはさておき、「裏側」編の主役が智貴である、という点はすごく興味深いですね。
巻末での「おまけ」や「番外編」なら、吉田さん視点ゆりちゃん視点もしくは今江さん視点でもいいかもしれませんが、「裏側」なら弟以外はありえないわけです。
そこに「わたモテ」という作品の大きな根幹がある気がしますね。
というわけで、今回の主役はもこっちの弟の智貴。
彼がこの日のもこっちをどう見たのか。さっそく見ていきましょう!

なんと智貴は、前回のあの場面に偶然(?)居合わせていました。
突然のことで、何が起きているのか今一つ把握できていないようですね。
まあ、ひと言の会話もなく「ずんずん」「ポン」ですからねw
傍から見たら、なんだか不穏な状況にしか見えません。
そうでなくても吉田さんの優しさは、誤解されやすいですから。
ていうか、吉田さんのあの切なそうな瞳がまったく見えていないじゃないかw
まあ、あの目は今江さんだけが感じ取れるものだったのかもしれませんね。

このシーンの「裏側」(ていうか、表側?)はこんな表情だったんですね。
意外とあっさりした感じですが、これもまた吉田さんらしい気もします。
それにしても、智貴が姉のイジメを想定していたことになんだか不思議な感慨を覚えますね。
やっぱりそういう可能性も頭にあったんだというね。
きっと、2年前、もこっちが会話のリハビリを求めにやってきていた時にも、
彼はどこかで、ひょっとしてイジメ的な扱いをうけているのではないかと思っていたんでしょうね。
もちろん、そんなことを口に出すことはしません。
仮にそうだとするなら、身内にそれを悟られることこそが彼女にとって一番辛いことだとわかっているでしょうから。
でも、たぶんずっと気にしてはいたのでしょう。
もしこの時初めてその可能性に気付いたなら、
「あれ?ひょっとして」とか「まさか」とか、そういったニュアンスの言葉が入ると思うんです。
ところが、彼は自然にこう考えます。
「…別にイジめられてるわけじゃねーのか?」
彼のこの呟きには“想定していた”匂いがします。そこに“驚き”の感情は見えないんです。
いつかこういう場面に出くわすかも知れないと考えていたからこそ、しばらく様子を見ていたような気がするんですね。
もし。
もし仮に本当に、もこっちがあそこで吉田さんにしめられていたなら。
智くんはいったいどうするつもりだったんでしょう。
そんなことを考えると、なんだか胸の奥が不思議と熱くなるのを感じますね。

まあ、あながち間違っていないというか、実際、吉田さんにヤキ入れられている場面も割とあるような気がしますけどねw
それはさておき、ついに智貴と吉田さんの初対面ですよ!
考えてみれば智貴って、もこっちの同級生に会うことって今までなかったんですよね、意外なことに。(小宮山さんはのぞく)
弟回って、単独か、ちんちんシスターズくらいしかなくって、それこそゆうちゃんとさえ共演がなかったんですよ。(だからこそ、優ちゃんの彼氏=智貴なんて説も出たわけですが)
そんな中、ここで修学旅行組と弟とが対面を果たすというのも、なかなかうまい構成ですよね。
喪108の感想の時に、私は「~修学旅行から続いている二つの流れ~」というサブタイトルを付けましたが、いよいよ、「合流」の時期が近づいてきているのかもしれませんよ。
それにしても、智貴、こんな近くで普通に見ていたんですね。
この立ち位置なら、もこっちや今江さんも気付きそうなものだけどなあw
(吉田さんの後ろ姿を見送っていたわけだし)

WWWW
どっちがあたったとか、そういう問題かよw
それにしても、初絡みでいきなりこの物言いですか……。
「冬の雨」でも

こんな感じでしたけど、まさに昭和のヤンキー像というか、
これじゃあ「ギザギザハートの子守唄」そのものですねw
(※歌詞内容等は各々検索してください。変にジャスさんに目をつけられたくないのでw)
ていうか、「ガンつけた」って…
今でもこんな化石みたいなヤンキーっているんでしょうかね?
ある意味、ファンタジーな存在ですよね、吉田さんってw

で、あっさり引き下がるのが、また吉田さんのいいところです。
まあ、奇異の目で見られることには慣れているんでしょうね。
「姉(あいつ)とどういう関係だ?」と、訝しがる智くんがまたいいですよね。
姉の交友関係を気にするとか、いかにもシスコンっぽいw
ていうか、どういう関係か、といわれると、確かに難しいな……
うーん、いったいどういう仲なんでしょう?

WWWWW
前回、コメントでたくろうさんが言及していたそのまんまじゃねーかwww
うっちー空気読んだと思いきや、構図の外にいただけかよw(まさに「裏側」w)
ていうか、いろいろおかしいだろ、なんだよ「最後の性を感じてる」ってw
その発想そのものがきもいわw
それにしても、うっちーはともかく、智貴がこの場に居合わせていたというのはちょっと驚きですね。

WWWWWWWWW
この空気感wなんともシュールな間が最高ですねw
うーん、やっぱりここが「個人的今回の一番笑ったシーン」だなあ。
前回の「後編」を挟んで、5連続うっちーネタが一番って、さすがにどうなの、と思わなくもないですが、こればっかりは仕方ないですね。実際そうなんだからw
バレンタイン三部作といい、今回の卒業式三部作といい、ちょっとうっちーに頼り過ぎだろという気持ちはぬぐえませんが、それでも毎回微妙にパターンを変えてきているのはさすがですね。
今回も「きもいきもい…」以上に、この智貴との初邂逅の空気感の方が面白かったですし。

WWWWW
何ごともなかったかのようにwww
うっちーは弟のこと知っているはずなんだから、一言くらい挨拶してもいいだろw
(喪106「モテないし最後の冬」 の「一目瞭然」参照)
ひょっとして、そういう鳴き声をする虫にでも擬態化しているつもりなのか?www
てか、なんなんだその口はw
前編のときからやっているけど、ぶっちゃけ、「スケバン刑事II」の「鉄仮面」にしか見えないんだがw
それと、智貴、もこっちの交友関係を気に過ぎだろw
うっちーはきもいきもいしか発していないんだし、もしかしたら、今江さん側の知り合いの可能性だってあるだろうにw
(てか、“あれ”呼ばわりはさすがにひどいぞw)

小宮山さん、とばっちりw
でもまあ、その存在は確実に智くんの心の中に刻まれつつあるようですから、むしろ望ましいことなのかも。
関心を持たれないよりはましですからね。
さて、向かう先にはあの二人が待っているようですが……

すれ違う際に、お互いを意識する二人。
最初に意識したのは、まこっちの「黒木さん」というフレーズに反応した智貴でしょうか。
そして、その視線を感じたゆりちゃんが「あれ、今すれ違った人…?」という流れかな?
うっちーじゃあるまいし、遺伝子レベルではさすがに気づけないでしょうからねw

なんだか、伏線ぽい匂いもしなくもないシーンですね。
お互いを認識し合っていた吉田さんのやうっちーの場合とは違い、
今はまだ、智貴側の一方的な認識かもしれない感じを残しているところがどうも気になります。
ただ、ゆりちゃんは、もこっちに弟がいることを知っていますから(喪75参照)、
もしかしたら、なんとなく気づいていた可能性もあるかもしれませんね。

なんだか、この智貴はちょっと雰囲気が違いますね。
まあ、姉の意外な一面に触れて、なんとも複雑な気持ちなんでしょう。
ウザかったことには違いないけど、いざ自分の手から離れてみると、やっぱり少し寂しい。
でも、それはもこっちの成長した姿でもあるから、それはやっぱり少しうれしい。
喪95「モテないし秋の終わり」 のラストでもこっちが感じた、ノスタルジックな感傷に通じるものがあるのかもしれませんね。

ここもなぜか、「モテないし秋の終わり」 の夕暮れを思い出させます。
きっと、智貴もこの空を見上げているんでしょうね。
そう、あの時のもこっちのように。

WWW もう、教科書にでも載っていそうなオチですねw
喪102「モテないしいつかの冬休み」 のラストも少し髣髴とさせます。
「変わらない」ことがまたうれしくもあるんですよね、きっと。
ていうか、この場合のもこっちって、本気で言っているわけじゃないんですよね。
たぶん、本当は先輩の行為になんの意味もないことなどわかっていて、
ただ単純に、弟と他愛のない話を交わしたいだけなんでしょう。
弟にとっては「変わらない」ウザさとうれしさがある一方、
かつての姉弟トークとは、実はどこかすれ違っている構図が透けて見えるようで、
少し切ないオチでもあるのかなという気がしましたね。
(ちなみに、ここが今回のベストもこっち&ベストシーン)
というわけで、なんと今回は4ページ!
今までのわたモテショート回の最小ページ記録を塗り替える結果になったわけですが、
こうして改めて振り返ってみると、これはこれでなかなか趣があるいい回だなあと思えてきました。
いえね。
今回の感想はすでに報告した通り、当初予定していた「初期バージョン」が存在していたんですが、本当はもっと辛辣なトーンの感想になるはずだったんですよ。
まあ、完成していたわけではなく、まだ7割程度の内容だったんですけど、けっこう不満をそのまま表に出した感じにするつもりだったんです。
「バレンタイン2もそうだったけど、これじゃあ完全に巻末の「おまけ」じゃないか」
「4ページというボリュームがそれを証明している」
「まっすぐに王道をいくのも脇道で楽しませてくれるのもいいけど、こんなごまかしはさすがにどうなのか」
といったことを中心に苦言を呈するものだったんですね。
ところが、予期せぬ出来事(恥)が起こり、ふたたびイチから書き直すはめになった際にふと思ったんです。
もう一度、同じことをわざわざトレースしながら綴っていくのもなんだかつまらないなあと。
実は、わたモテの感想って、あえて時間を置くことがあるんですね。
更新日当日にアップしないのはそういう理由もあるんです。
なんというか、初期衝動のまま書いていくのもいいんですけど、わたモテの場合はどうも感じ方とらえ方が読むたびに変わっていくことが多々あるんですよ。
最初は気づかなかったことや見逃していたことが、あとから見えてくることがけっこうあるんです。それ以外にも、みなさんのコメントを読んで評価が変わることもありますしね。
だから、これはいい機会だと思って、もう一度フラットな気持ちで読み直してみようと思ったんです。
そうすると、前には気づかなかったことがいろいろ見えてくるわけですよ。
例えば、タイトル。
喪115と同じ「モテないし二年目の卒業式」にもかかわらず、今回はちゃんと喪116となっています。
つまり、「後日談」でも「番外編」でも、ましてや「続編」でもなく、「裏側」として独立した話だということです。
で、「裏側」を語るとすれば、だれかという問題ですよ。
それは吉田さんでもゆりちゃんでも今江さんでも、もちろんうっちー(笑)でもなく、
絶対に智貴でなければ語れないはずなんですね。
…いや、語れないというより「語ってはいけない」んです。
なぜなら、黒木姉弟の物語こそが、わたモテの根幹なのですから。
要するに、もこっちと智貴は“表裏一体”なんですよ。
お互いをウザいと感じつつも、どこか最後の気持ちの拠り所にしているところがあるんです。
かつて、智貴の部屋で毎晩のように会話のリハビリ(笑)をしていた二人。
あの頃にはもう戻れないことを、もこっちも智貴ももう知っています。
それがまた、切なくもありまたうれしくもあるわけなんです。
だからこそ、もこっちは秋の終わりに空を見上げ、智貴もまた、春の訪れを感じつつ空を見上げるのです。
4ページというのも読み直すと実はすごくうまい構成なんですね。
1ページ目で吉田さん。
2ページ目でうっちー。
3ページ目ではゆりちゃんとまこっち。
そんな修学旅行組の彼女らと弟の邂逅をひとつひとつ見せていき、
4ページ目で弟なりの心情を語らせる。
こうしてみると、無駄がないというか、逆にこれ以上のページはむしろいらないだろうという気にさえ、させられますね。
そして、最後。
この定番ともいえるオチがあるからこそ、自然な形で次へのステージへ進めると思うんですよ。
確かに今回は「おまけ」というか、「つなぎ」に徹した感があります。
でもそれは、必要不可欠な「つなぎ」なんですね。
つまり、あのシリアスに徹したわたモテ最大の事件から、通常モードに移るまでの“インターバル”だったんですよ、今回は。
そうしないと、前回のあのラストから急にいつものくずっちに戻られても素直に笑えなくなるじゃないですかw
そう考えると、「逆走」でも「停滞」でもなく、やっぱり、前に進む意志が感じられる回だったなあと思いましたね。
わたモテという作品は、どこまでも果てしなく広がる宇宙のようなマンガです。
少し時間を置いて、よくよく読み直してみると、そのたびにまた違った顔を見せてきます。
今回は最初の下書きを自分のミスで消してしまったために、感想を楽しみにしている方々を待たせてしまいましたし、私もけっこう精神的なダメージ(笑)を受けましたが、
今となっては、かえって功を奏したというか、これでよかったのかもなあという気がしています。
本当に改めて、深いマンガです、わたモテは。
黒木姉弟の心温まる?エピソード、喪102「モテないしいつかの冬休み」も読めるコミックス11巻は絶賛発売中です!
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