この恋と、その未来。最終巻発売決定~ラノベ界の「異物」はラノベレーベルで完結する~
えー、タイトル通りです。
「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」が発売になったときに、
シリーズの“打ち切り”が決まったということについて言及しましたが、
どうやら、シリーズ最終巻となる6冊目が無事発売されるそうです。
しかもちゃんとファミ通文庫から!
…いや~正直、まだ半信半疑ではありますが、
森橋ビンゴ氏のTwitterでも告知がありましたので、まあ間違いないでしょう。
既にネットでの発表があった事ですが、打ち切りだった「この恋と、その未来。」の最終巻を、ファミ通文庫より出版して頂ける運びになりました。わー。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
……といっても、あれから爆売れしたので編集部が考えを改めた、ということではなくって、
皆さんが話題にして下さった事で、「まあ、あと1巻ならええんちゃう」とお許しを頂いたような感じです。売り上げの数字の割には各所で取り上げて頂いたので、それが大きかったのではないかと。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
とのことだそうですが。
>「まあ、あと1巻ならええんちゃう」
いやでも、本当そうですよ。
もうしばらく書き続けさせろ、と要求しているならともかく、
あと1冊で完結するといっているのに、いくら採算合わないって言ったって、
今まで曲がりなりにも5巻まで続いていたのに、その1冊だけは出せない、という論理がよくわかりません。
(まあそれが「大人の事情」ってやつだったんでしょうが)
まあこれは、ゲスの勘ぐりというやつかもしれませんが、
おそらく、採算うんぬんよりもファミ通文庫の「イメージ」が悪くなることを危惧したんじゃないでしょうかね。
一部では、作者がそういう裏の台所事情を明かすのはどうなのか、といった意見も見受けられましたが、
結果としてはそのことでファンが編集部を動かすことになったわけで、
今の膠着したライトノベル業界に一石を投じた意義はあったのではないでしょうか。
まあ、何はともあれよかったです。
しかし、参ったなあ。
実はまだちゃんと5巻目の『この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 』の感想を書いていないんですよね。
前のエントリーでは“打ち切り”問題で終始してしまいましたし、
近いうちにちゃんとした感想をアップしますと、コメントにも書いたはずなんですが、なんとなく後々になってしまったあげくにこのニュースですよ……
いえもちろん、まったく手を付けていなかったわけではなくって、半分くらい…いや1/3くらいまでは書き進めていたんですが、
なにしろ、「打ち切り」前提というか、いつ完結編が出るか分からない状態での感想なもので、どうもうまく文章に落とし込めなかったんですよ。
例えば、こんな感じで書き進めていたんです。
(以下、没原稿wからの抜粋)
結果として続きがでないというシリーズものは多々ありましたが、
先にシリーズ“打ち切り”とアナウンスされた後に読む作品というのも中々変なもので、
なんとも複雑な読書体験ではありました。
それでも読んでいる時間はすごく楽しいものでしたね。
あとがきでは「限りなく中途半端なところで終わらせてしまった」とありますが、
決して、おざなりなやっつけ仕事にはなっていません。
確かに、何も知らされずに読み終えたあとで「これでこの物語は完結」と言われたら、
丸投げエンドかよ!と憤慨するかもしれません。
でもこれが、「次は出せない」「やるなら2巻分の構想を1巻に凝縮するしかない」「でも最後くらい、やりたいことを全部やりきりたい」といった条件のもとで書かれたことを知っていると、
これが現時点でできるギリギリの選択だったんだろうなと思えるんですね。
もちろん、それは作者の都合であって、読者がそこまでおもねる必要なんてありません。
ただそれを踏まえた上でも、
これはこれで「ラストひとつ前」の巻としては、納得のいくものになっています。
まあ、普通だったら「打ち切りエンド」というか、「俺たちの未来はこれからだ!エンド」と揶揄されても仕方ない“ヒキ”ではあります。
でも、この続きはいつか必ず読めるんだということを念じた上で今回の締めを読むと、すごく腑に落ちるんですね。
“終わり”ではないけれど、確かにひとつの“節目”にはなっているんです。
正直、読む前は、ハシゴを外されたような宙ぶらりんの状態で
果たしてどこまで待ち続けられるか不安だったのですが、
これなら何年待たされても大丈夫と思わせられましたね。
……と、こんなだらだらとした前置きから書き始めたものの、もうこの時点で何が言いたいのかよくわからない感じになってますからねw
自分でもこれはどうなのかあ、俺は率直に感想を書けているのかなあと自問自答するばかりだったんですよ。
で、「何年待たされても大丈夫」と宣言した矢先に「11月にファミ通から発売!」ですからねW
もう頭の中が全部ふっとんじゃいましたよ。
まあ、次に出る6巻と合わせて、2冊で完結編といってもいいでしょうから、
その時にまとめて書こうかなあとも考えています。
ただ、「 -二年目 秋冬- 」を読んでいて、ひとつ確実に感じたことがあります。
それは、「これは間違いなく“ライトノベル”だ」ということ。
それだけは、はっきりと思いましたね。
世間一般での“ライトノベル”に対するイメージは、現状必ずしもいいものではありません。
“ライト”という響きから「軽佻浮薄」「軽薄短小」と連想してしまう人も多いかもしれません。
でも、わたしはこの“ライトノベル”という呼称は割と好きなんです。
かつては「ジュブナイル」とか「少年少女小説」などと呼ばれていた、
狭くてあやふやだったこの分野に対して“ライトノベル”という名前が与えられたことは、
ある種の発明だったのではないかとまで思っているんですね。
初めてこのカテゴリーを聞いたときに、私は“ライト”という響きに「軽やか」なイメージを抱いたんです。
物語とはこうだ、10代が読むべき内容はこうだといった、硬直した“重力”から解き放された自由な表現。
“ライトノベル”には、そんなわくわくするような世界が広がっているような気がしました。
“ライトノベル”はいつからか“ラノベ”となり、
いつのまにか、その言葉のイメージの“重力”にとらわれるようになってしまいました。
でも、本来の“ライトノベル”はもっと「自由」だったと思うんですね。
普通の小説にはない「軽さ」があったはずなんです。
森橋さんは自分のことを「ライトノベルの異物」と称していましたが、
その「異物」を「まあいいよいいよOKOK(笑)」と許容してしまうような「軽さ」。
それこそが“ライトノベル”の魅力だったような気がするんです。
5巻目の「 -二年目 秋冬- 」にもそういう「異物」感が満ち溢れています。
この感覚は一般小説では浮きますよ。
今回出てくる梵ちゃんのストーカー「鷹宮」とか梵ちゃんに惚れている武田とか
あと高山とかも、間違いなく“一般小説”界では「人間が描けてない!」の一言で一蹴されることでしょう。
やっぱり、「この恋と、その未来」シリーズは“ライトノベル”でしかありえないのです。
そんな「異物」シリーズが、ちゃんとした「ラノベ」レーベルから最終巻が発売される。
紆余曲折はありましたが、今はそれを素直に喜びましょう。
森橋ビンゴ氏は今後どういう道を歩むのか。
はたまた、「ライトノベル」はこれからどうなっていくのか。
残されたさまざまな問題は山積みですが、
それはまた、別のお話ということで。
「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」が発売になったときに、
シリーズの“打ち切り”が決まったということについて言及しましたが、
どうやら、シリーズ最終巻となる6冊目が無事発売されるそうです。
しかもちゃんとファミ通文庫から!

…いや~正直、まだ半信半疑ではありますが、
森橋ビンゴ氏のTwitterでも告知がありましたので、まあ間違いないでしょう。
既にネットでの発表があった事ですが、打ち切りだった「この恋と、その未来。」の最終巻を、ファミ通文庫より出版して頂ける運びになりました。わー。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
……といっても、あれから爆売れしたので編集部が考えを改めた、ということではなくって、
皆さんが話題にして下さった事で、「まあ、あと1巻ならええんちゃう」とお許しを頂いたような感じです。売り上げの数字の割には各所で取り上げて頂いたので、それが大きかったのではないかと。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
とのことだそうですが。
>「まあ、あと1巻ならええんちゃう」
いやでも、本当そうですよ。
もうしばらく書き続けさせろ、と要求しているならともかく、
あと1冊で完結するといっているのに、いくら採算合わないって言ったって、
今まで曲がりなりにも5巻まで続いていたのに、その1冊だけは出せない、という論理がよくわかりません。
(まあそれが「大人の事情」ってやつだったんでしょうが)
まあこれは、ゲスの勘ぐりというやつかもしれませんが、
おそらく、採算うんぬんよりもファミ通文庫の「イメージ」が悪くなることを危惧したんじゃないでしょうかね。
一部では、作者がそういう裏の台所事情を明かすのはどうなのか、といった意見も見受けられましたが、
結果としてはそのことでファンが編集部を動かすことになったわけで、
今の膠着したライトノベル業界に一石を投じた意義はあったのではないでしょうか。
まあ、何はともあれよかったです。
しかし、参ったなあ。
実はまだちゃんと5巻目の『この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 』の感想を書いていないんですよね。
前のエントリーでは“打ち切り”問題で終始してしまいましたし、
近いうちにちゃんとした感想をアップしますと、コメントにも書いたはずなんですが、なんとなく後々になってしまったあげくにこのニュースですよ……
いえもちろん、まったく手を付けていなかったわけではなくって、半分くらい…いや1/3くらいまでは書き進めていたんですが、
なにしろ、「打ち切り」前提というか、いつ完結編が出るか分からない状態での感想なもので、どうもうまく文章に落とし込めなかったんですよ。
例えば、こんな感じで書き進めていたんです。
(以下、没原稿wからの抜粋)
結果として続きがでないというシリーズものは多々ありましたが、
先にシリーズ“打ち切り”とアナウンスされた後に読む作品というのも中々変なもので、
なんとも複雑な読書体験ではありました。
それでも読んでいる時間はすごく楽しいものでしたね。
あとがきでは「限りなく中途半端なところで終わらせてしまった」とありますが、
決して、おざなりなやっつけ仕事にはなっていません。
確かに、何も知らされずに読み終えたあとで「これでこの物語は完結」と言われたら、
丸投げエンドかよ!と憤慨するかもしれません。
でもこれが、「次は出せない」「やるなら2巻分の構想を1巻に凝縮するしかない」「でも最後くらい、やりたいことを全部やりきりたい」といった条件のもとで書かれたことを知っていると、
これが現時点でできるギリギリの選択だったんだろうなと思えるんですね。
もちろん、それは作者の都合であって、読者がそこまでおもねる必要なんてありません。
ただそれを踏まえた上でも、
これはこれで「ラストひとつ前」の巻としては、納得のいくものになっています。
まあ、普通だったら「打ち切りエンド」というか、「俺たちの未来はこれからだ!エンド」と揶揄されても仕方ない“ヒキ”ではあります。
でも、この続きはいつか必ず読めるんだということを念じた上で今回の締めを読むと、すごく腑に落ちるんですね。
“終わり”ではないけれど、確かにひとつの“節目”にはなっているんです。
正直、読む前は、ハシゴを外されたような宙ぶらりんの状態で
果たしてどこまで待ち続けられるか不安だったのですが、
これなら何年待たされても大丈夫と思わせられましたね。
……と、こんなだらだらとした前置きから書き始めたものの、もうこの時点で何が言いたいのかよくわからない感じになってますからねw
自分でもこれはどうなのかあ、俺は率直に感想を書けているのかなあと自問自答するばかりだったんですよ。
で、「何年待たされても大丈夫」と宣言した矢先に「11月にファミ通から発売!」ですからねW
もう頭の中が全部ふっとんじゃいましたよ。
まあ、次に出る6巻と合わせて、2冊で完結編といってもいいでしょうから、
その時にまとめて書こうかなあとも考えています。
ただ、「 -二年目 秋冬- 」を読んでいて、ひとつ確実に感じたことがあります。
それは、「これは間違いなく“ライトノベル”だ」ということ。
それだけは、はっきりと思いましたね。
世間一般での“ライトノベル”に対するイメージは、現状必ずしもいいものではありません。
“ライト”という響きから「軽佻浮薄」「軽薄短小」と連想してしまう人も多いかもしれません。
でも、わたしはこの“ライトノベル”という呼称は割と好きなんです。
かつては「ジュブナイル」とか「少年少女小説」などと呼ばれていた、
狭くてあやふやだったこの分野に対して“ライトノベル”という名前が与えられたことは、
ある種の発明だったのではないかとまで思っているんですね。
初めてこのカテゴリーを聞いたときに、私は“ライト”という響きに「軽やか」なイメージを抱いたんです。
物語とはこうだ、10代が読むべき内容はこうだといった、硬直した“重力”から解き放された自由な表現。
“ライトノベル”には、そんなわくわくするような世界が広がっているような気がしました。
“ライトノベル”はいつからか“ラノベ”となり、
いつのまにか、その言葉のイメージの“重力”にとらわれるようになってしまいました。
でも、本来の“ライトノベル”はもっと「自由」だったと思うんですね。
普通の小説にはない「軽さ」があったはずなんです。
森橋さんは自分のことを「ライトノベルの異物」と称していましたが、
その「異物」を「まあいいよいいよOKOK(笑)」と許容してしまうような「軽さ」。
それこそが“ライトノベル”の魅力だったような気がするんです。
5巻目の「 -二年目 秋冬- 」にもそういう「異物」感が満ち溢れています。
この感覚は一般小説では浮きますよ。
今回出てくる梵ちゃんのストーカー「鷹宮」とか梵ちゃんに惚れている武田とか
あと高山とかも、間違いなく“一般小説”界では「人間が描けてない!」の一言で一蹴されることでしょう。
やっぱり、「この恋と、その未来」シリーズは“ライトノベル”でしかありえないのです。
そんな「異物」シリーズが、ちゃんとした「ラノベ」レーベルから最終巻が発売される。
紆余曲折はありましたが、今はそれを素直に喜びましょう。
森橋ビンゴ氏は今後どういう道を歩むのか。
はたまた、「ライトノベル」はこれからどうなっていくのか。
残されたさまざまな問題は山積みですが、
それはまた、別のお話ということで。
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