森橋ビンゴの決断~「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」発売に際して~
本日、「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」が発売になりました。
感想を書くのはまだ先になりそうですが、その前にどうしても言及しておきたいことがありましたので、今回のエントリーを書いています。
昨日、ちゃーこりんさんのこちらのコメントで知ったのですが、
「この恋と、その未来。」シリーズは、今回で“打ち切り”とのことです。
作者の森橋ビンゴ氏自らTwitterにて報告があったそうです。
詳しくは、森橋ビンゴ氏のTwitterをみて欲しいのですが、
まあ要約すれば、「採算が合わない」ということを出版社に判断されたということですね。
正直、まだ気持ちの整理がつかないのですが、
以前から「次がでるかどうかわからない」的なことはあとがきでも匂わしてはいましたので、
どこかで覚悟していたところはあります。
それでも「この恋と、その未来。」というシリーズには個人的にも思い入れがありますし、
その行く先がずっと気になっていた大事な作品だっただけに、
今回のことは本当に残念としか言いようがないです。
……というより「悔しい」ですね。
こういった素晴らしい作品がこんな形で追い込まれてしまう現状に対して、悔しくてたまらないです。
あともうひとつ、どうしても触れておきたいことがあります。
それは、これを最後に森橋さんはもうライトノベルを書くことはないだろうと宣言していることです。
これは、今日発売の「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」のあとがきでもしっかりと書いてありました。
おそらくこの作品を最後に、ボクがライトノベルを書く事は、もうない。(「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」あとがきより引用)
その理由もわかりやすく説明されていますので、気になる方は是非購入して確かめてください。
(ていうか、買って欲しいです。編集部が判断を覆してくれるかもしれないわずかな可能性のためにも)
まあ、簡単にいえば、森橋ビンゴという作家と今のライトノベル業界とは、「合わなかった」という結論に至ったということです。
これは、「この恋と、その未来。」が売れなかったからということではなく、
そもそも最初からこれを最後のライトノベルシリーズにしようと決めていたそうです。
これは別に「この恋と、その未来。」のシリーズが売れなかったからではなく、シリーズを書き始める段階で既に決意していた事です。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
この森橋さんの判断について、ただの読者である私がどうのこうのとは言えません。言う筋合いもないでしょう。
だって、人は霞だけを食べて生きてはいけませんから。
なんらかの形でお金を稼いでいかないと生活できませんから。
いくらきれいごとを並べようとも、「生きていく」には当たり前のことなんです。
食っていけない、と言われれば、ファンとしても返す言葉がありません。
それに、「この恋と、その未来。」という作品は、到底、片手間で書けるような作品ではないですからね。
それこそ、命を削りながら執筆しているだろうということはわかりますよ。
貴重な時間を割いて必死で書いた作品に、それに見合った報酬が発生しないとなれば、そりゃあ誰だって生きるために他の道を選びます。
なぜ、「森橋ビンゴ」という才能が、ライトノベルという業界で花開かなかったのかはわかりません。
ライトノベル業界の構造的な問題なのか、それとも「ファミ通文庫」というレーベルの問題なのか。
あるいはもっと、社会全体的な問題なのか。
それほどラノベを読んでもいない40過ぎのおっさんには、語る言葉が見つかりません。
それにしても「東雲侑子」シリーズはそれなりにヒットしたのにどうして、という思いは拭いきれませんね。
「東雲侑子」シリーズの読者をなぜ繋ぎとめられなかったのか。「性同一性障害(GID)」という題材はそれほどまでに敬遠されるものだったのか。……まあどうしても、あれこれ考えてしまいます。
ただ、森橋さんは自分の作品の事をライトノベル界の「異物」、もしくは「ライトノベルの皮を被った何か」と称していました。
そして、そんな「異物」がおよそ15年もの間、この業界で仕事ができたことに対して感謝しているとも。
デビュー作で消えていくことさえ珍しくはない世界で、それは作家として幸せだったともいえるのではないでしょうか。
きっと森橋さんは、この15年を後悔はしていないはずです。そう信じたいですね。
それと、これもあとがきでも記していることですが、
今回の「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」で、この物語は終わっていません。
なんでも限りなく中途半端なところで終わっているそうです。
当初はこの5巻目で完結させる構想だったそうですが、
結局、この巻で全てに終止符を打つことができなかったと打ち明けています。
なぜなら、この「この恋と、その未来。」シリーズが、彼にとって最後のライトノベル作品だから。
せめて最後くらい、やりたいことを全てやりきって、終わらせたかったのだ。(「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」あとがきより引用)
あと二巻という本来の想定があった中で、急遽1巻でまとめるという妥協ができなかったのです。
それが「異物」として、この業界に居続けた森橋さんなりの“けじめ”なんですね。
だから、この作品は「未完」のままでは終わりません。
なんらかの形で、最後巻にあたるテキストは発表するそうです。
ファンにとっては、とりあえず最悪の結末だけは避けられそうで、まずは一安心といったところでしょうか。
ただ、もちろん、その文章は「仕事」にはなり得ず、
生活に支障がない範囲で少しずつ、「趣味」として書いていくことになるでしょう。
きっと、かなり待たされることになるはずです。
でも、私はこの森橋ビンゴの“決断”を尊重したいんですね。
本来なら、形だけ繕って、今回で終わりにすることだってできたはずなのに、
彼は「この恋と、その未来。」という作品に最後まで全力で向き合おうと決めたわけですから。
だから、私はここで宣言します。
どんなに待たされることになろうとも「この恋と、その未来。」のその行き先を、
必ず最後まで見届けるということを。
それが、ファンとしてのせめてもの“けじめ”だろうと思います。
感想を書くのはまだ先になりそうですが、その前にどうしても言及しておきたいことがありましたので、今回のエントリーを書いています。
昨日、ちゃーこりんさんのこちらのコメントで知ったのですが、
「この恋と、その未来。」シリーズは、今回で“打ち切り”とのことです。
作者の森橋ビンゴ氏自らTwitterにて報告があったそうです。
詳しくは、森橋ビンゴ氏のTwitterをみて欲しいのですが、
まあ要約すれば、「採算が合わない」ということを出版社に判断されたということですね。
正直、まだ気持ちの整理がつかないのですが、
以前から「次がでるかどうかわからない」的なことはあとがきでも匂わしてはいましたので、
どこかで覚悟していたところはあります。
それでも「この恋と、その未来。」というシリーズには個人的にも思い入れがありますし、
その行く先がずっと気になっていた大事な作品だっただけに、
今回のことは本当に残念としか言いようがないです。
……というより「悔しい」ですね。
こういった素晴らしい作品がこんな形で追い込まれてしまう現状に対して、悔しくてたまらないです。
あともうひとつ、どうしても触れておきたいことがあります。
それは、これを最後に森橋さんはもうライトノベルを書くことはないだろうと宣言していることです。
これは、今日発売の「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」のあとがきでもしっかりと書いてありました。
おそらくこの作品を最後に、ボクがライトノベルを書く事は、もうない。(「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」あとがきより引用)
その理由もわかりやすく説明されていますので、気になる方は是非購入して確かめてください。
(ていうか、買って欲しいです。編集部が判断を覆してくれるかもしれないわずかな可能性のためにも)
まあ、簡単にいえば、森橋ビンゴという作家と今のライトノベル業界とは、「合わなかった」という結論に至ったということです。
これは、「この恋と、その未来。」が売れなかったからということではなく、
そもそも最初からこれを最後のライトノベルシリーズにしようと決めていたそうです。
これは別に「この恋と、その未来。」のシリーズが売れなかったからではなく、シリーズを書き始める段階で既に決意していた事です。(森橋ビンゴ氏のTwitterより引用)
この森橋さんの判断について、ただの読者である私がどうのこうのとは言えません。言う筋合いもないでしょう。
だって、人は霞だけを食べて生きてはいけませんから。
なんらかの形でお金を稼いでいかないと生活できませんから。
いくらきれいごとを並べようとも、「生きていく」には当たり前のことなんです。
食っていけない、と言われれば、ファンとしても返す言葉がありません。
それに、「この恋と、その未来。」という作品は、到底、片手間で書けるような作品ではないですからね。
それこそ、命を削りながら執筆しているだろうということはわかりますよ。
貴重な時間を割いて必死で書いた作品に、それに見合った報酬が発生しないとなれば、そりゃあ誰だって生きるために他の道を選びます。
なぜ、「森橋ビンゴ」という才能が、ライトノベルという業界で花開かなかったのかはわかりません。
ライトノベル業界の構造的な問題なのか、それとも「ファミ通文庫」というレーベルの問題なのか。
あるいはもっと、社会全体的な問題なのか。
それほどラノベを読んでもいない40過ぎのおっさんには、語る言葉が見つかりません。
それにしても「東雲侑子」シリーズはそれなりにヒットしたのにどうして、という思いは拭いきれませんね。
「東雲侑子」シリーズの読者をなぜ繋ぎとめられなかったのか。「性同一性障害(GID)」という題材はそれほどまでに敬遠されるものだったのか。……まあどうしても、あれこれ考えてしまいます。
ただ、森橋さんは自分の作品の事をライトノベル界の「異物」、もしくは「ライトノベルの皮を被った何か」と称していました。
そして、そんな「異物」がおよそ15年もの間、この業界で仕事ができたことに対して感謝しているとも。
デビュー作で消えていくことさえ珍しくはない世界で、それは作家として幸せだったともいえるのではないでしょうか。
きっと森橋さんは、この15年を後悔はしていないはずです。そう信じたいですね。
それと、これもあとがきでも記していることですが、
今回の「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」で、この物語は終わっていません。
なんでも限りなく中途半端なところで終わっているそうです。
当初はこの5巻目で完結させる構想だったそうですが、
結局、この巻で全てに終止符を打つことができなかったと打ち明けています。
なぜなら、この「この恋と、その未来。」シリーズが、彼にとって最後のライトノベル作品だから。
せめて最後くらい、やりたいことを全てやりきって、終わらせたかったのだ。(「この恋と、その未来。 -二年目 秋冬- 」あとがきより引用)
あと二巻という本来の想定があった中で、急遽1巻でまとめるという妥協ができなかったのです。
それが「異物」として、この業界に居続けた森橋さんなりの“けじめ”なんですね。
だから、この作品は「未完」のままでは終わりません。
なんらかの形で、最後巻にあたるテキストは発表するそうです。
ファンにとっては、とりあえず最悪の結末だけは避けられそうで、まずは一安心といったところでしょうか。
ただ、もちろん、その文章は「仕事」にはなり得ず、
生活に支障がない範囲で少しずつ、「趣味」として書いていくことになるでしょう。
きっと、かなり待たされることになるはずです。
でも、私はこの森橋ビンゴの“決断”を尊重したいんですね。
本来なら、形だけ繕って、今回で終わりにすることだってできたはずなのに、
彼は「この恋と、その未来。」という作品に最後まで全力で向き合おうと決めたわけですから。
だから、私はここで宣言します。
どんなに待たされることになろうとも「この恋と、その未来。」のその行き先を、
必ず最後まで見届けるということを。
それが、ファンとしてのせめてもの“けじめ”だろうと思います。
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