古谷実が帰ってきた。
新連載が始まるたびに、もう何度となく思ってきたことですが、
やはり今回もこう呟かざるを得ません。
そう、古谷実が帰ってきた、と。

前作「サルチネス」から3年。
今度はなんとヤングマガジンではなく、「イブニング」での新連載。
(意外にもヤンマガ以外の雑誌での連載は初だそうです。)
それにしても、なんでも「もしも古谷実がヤンマガ以外で新連載をしたら……?」というコンセプトらしいのですが、正直、「いや、別にどうもしないだろ」としか思いませんでしたねw
実際、内容はいつもの「古谷実」そのものでしたしw
いや、本当に今回も、そのままヤンマガに載っていてもまったく違和感ないような作品なんですよ。
40歳のむさくるしい独身オヤジが恋をする、とか完全に平常運転じゃん!
(ちなみに私“なりそこない”も、40代の冴えないじじいですが…今回の主人公にもちょっと似ているのでかなり複雑です)
それはさておき、古谷実って、今の若い人にとってはどういう感じなんでしょうね。
デビュー作であり、大出世作でもある「行け!稲中卓球部」からもう20年ですからねえ。
ギャグ漫画家というイメージも、もはやないのかもしれませんね。
「日常の中に潜む狂気を描くサイコパス漫画家」といった印象の方が、もはや一般的なのかもしれません。
まあ、「いいかげん、うだつのあがらない男と美女、平和に見える日常、そこへ密かに忍び寄る狂気……といったパターンばかりじゃねーか」と言われれば、ファンとしても返す言葉もないんですがw
個人的にも「シガテラ」「わにとかげぎす」「ヒメアノ~ル」はどうもイマイチはまれなかったことは否めません。(でも「ヒミズ」までは大好きです)
だから、“ワンパターン漫画家”という意見も少しはわかります。
ただ、前作の「サルチネス」は割と好きなんですよ。
ギャグも少しずつ冴えてきているように思えましたし、キャラクターたちも魅力的でした。
まだ、吹っ切れていないというか、「リハビリ中」という感はありましたが、
「古谷実復帰間近!」という予感がしたのも事実です。
今回の「ゲレクシス」(この意味不明なタイトルからしても「いつもの古谷実」臭がしますw)も、初っ端からなかなか笑わせてくれます。
やっぱり、言語感覚というか、会話がうまいんですよね。
「人ホメる時に さらし首って言葉出て来ねえよ!」とかw
はっきり言って、まだ何も話は動いていませんが、
主人公の店長とバイトの女の子のやりとりだけで、どうしても期待してしまう自分がいますね。
ギャグ寄りなのか、やっぱり、哲学とバイオレンスの方にいくのか、まだなんとも判断できませんが、
いずれにせよ、これからしばらくイブニングを買うはめになりそうです。(「いぬやしき」とか「少女ファイト」、そして「レッド」と、何気にすごい漫画が多いんですよね、この雑誌)
なお、漫画界からの応援コメントとして、何人かの漫画家さんがコメントを寄せていますが、

やっぱり、平本アキラさんは強烈ですねw
以前にも触れたことがありましたが、「うる星やつら」以降、私がもっともハマったギャグマンガです。
「稲中」の後のせいか、なぜか過小評価されていますが、個人的に古谷さんの中で最も好きな作品です。
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