ナンバーガール2巻購入。

「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」の谷川ニコさんのもう一つの代表作(?)である、「ナンバーガール」の2巻をようやく購入しました。
※余談ですが、“ナンバーガール”で検索するとバンドのほうばかり出てきますね。まあ、当たり前ですけど。
「わたモテ」ファンの中で、果たしてどれだけの人がこの作品も読んでいるかわかりませんが、
私は基本的に、好きになった作品は作者ごと追いかけるタチなので、この作品も読んでいます。(さすがに雑誌で追いかけてはいませんが)
……と言っても、ちょうど「わたモテ」のアニメが始まるころ、「わたモテ」4巻と同時発売だったので、まんまとその販売戦略にのせられただけなんですけどね。
「ナンバーガール」1巻の帯には“「ワタモテ」の作者が放つ4コマギャグ”というキャッチもありましたし、今回の2巻も帯を見ていただければわかるように“「私がモテないのは~」の谷川ニコのSF4コマ!”とあります。
なんというか、「わたモテ」のネームバリューで売ろうという意図が見え見えですねw まあ、私もそれでこの作品を知ったわけですし、別に悪くはないですけどね。
さて、この「ナンバーガール」。
どんな作品かというと、まあ一言でいえば「女子高生クローン4コママンガ」です。
といっても、これだけではよくわからないかもしれませんね。
要するに、まったく同じ姿をしたクローンの女の子が16人出てくるわけです。彼女らは名前すらありません。
「2」とか「16」とかみんな“ナンバー”で呼ばれるわけですよ。
エヴァの綾波レイだって、名前はありましたからね。ある意味、「私が死んでも代わりはいるもの」どころの話ではありません。
普通に考えれば、かなりへヴィな内容ですが、これをからっとしたテイストで“笑い”に変えていくわけです。
まあ、シャレにならないくらいの切ない状況を“笑い”に変えてしまうのは、「わたモテ」に通じるものがありますし、
きっと、「わたモテ」ファンにも楽しめる作品だと思います。
ただ、もこっちのように“共感性”や“クズかわいい”といったキャラ性で読ませる作品ではなく、どちらかというと、“ブラックユーモア”的な笑いなので、すべての人にお薦めできるかといえば、ちょっと微妙かもしれませんけどね。
それにしても谷川ニコさんって、マンガのモチベーションがホントひねくれていますよね。
「わたモテ」も『「モテない」と言いながら、なんだかんだいって、同性にも異性にも「モテてる」キャラクターが嫌い』で、
当初はまったく可愛くないキャラで、友達も本当に一人もいない設定にしようと思っていたらしいのですが、
この「ナンバーガール」の設定を思いついた理由も相当ひねくれています。
漫画のキャラクターは1人1人個性がないといけませんが、ならばと逆に全員、全く同じにしてみようと思ったのがスタートラインです。
これは、「ナンバーガール」1巻が発売したころのインタビュー記事からの引用ですが、普通は思いついてもそれを実際に作品にしようとは思いませんよね。
マンガはキャラクターだといったのは高橋留美子の師匠でもある小池一夫氏ですが、それが真理だとしてもあえてそれに逆らってやるという底意地の悪さがそこにあります。
でもその底意地の悪さこそが、もこっちという魅力的なキャラクターを生み出したわけです。
この「ナンバーガール」も初めのほうは、「みんな同じで個性がない」というそのこと自体を笑いしていましたが、
だんだんと、それぞれが微妙に“個体差”を獲得していく過程が描かれています。
この辺も「あるあるネタ」から「キャラクターギャグ」に変わっていった「わたモテ」に通じるところがありますね。
「わたモテ」より「毒」要素も多めですし、もこっち好きのすべての人にお薦めできるかといえば微妙ですが、
こちらから試し読みもできますし、少しでも気になる方は是非。
なお個人的には今回の2巻、本編以上にあとがきが一番笑いましたね。
わたモテのあとがきマンガとかが好きな人は必見ですよ。
ところで、

裏表紙には、谷川ニコさんの代表三作品(?)が紹介されているのですが、
それぞれのキャッチコピーの「やっつけ感」がひどいですw

ナンバーガールの「まだ持っていない人はどうぞ!」はまあいいとしても、
「ちょく!」の「やたら血がでる流血ラブコメ!」とか、これじゃあ何が何だかよくわからんだろw(まあ間違ってはいないけど)
そしてなにより、
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のコピー!
「喪女のもこっちがキレまくる!」って、ふざけてんのか!
まったく、よその出版社だからって、テキトーなこと書かないでもらいたいw
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