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「王とサーカス」感想~太刀洗万智から語られる物語~

単行本を購入したときのエントリーで、私は『さよなら妖精』を読んでいなくても問題ないと書きました。

これはあとがきで、作者自らそう書かれているわけですし、間違ってはいないのですが、改めて読み終えてみると、少し言い方を変えたほうがいいような気がしてきました。

これは『さよなら妖精』と内容的にはつながっていないので、単独でも楽しめます。
でも、『さよなら妖精』を読んでから『王とサーカス』を読んだ方がより深く楽しめますよ、と。

もちろん、ひとつのミステリとして物語を楽しむだけでも読み応えのある作品です。
ただ、これは太刀洗万智というひとりの女性の物語でもあるんですね。

なので、太刀洗万智というキャラクターにどれだけ寄り添って読むことができるかが問われる作品でもあるんです。
逆にいえば、太刀洗万智の魅力がわからなければ、『王とサーカス』という作品は楽しめないかもしれません。

太刀洗万智という人間を知るためには『さよなら妖精』はうってつけです。
この作品では、守屋という主人公の視点で太刀洗万智は描写されるのですが、
他人の目に太刀洗万智はどう映っているのかを踏まえた上で、彼女自身が語る『王とサーカス』を読むと、また違った彼女の魅力に気づくはずです。

というわけで、単行本購入からなんと三か月も経ってしまいましたが、米澤穂信最新作『王とサーカス』の感想を改めて綴っていこうと思います。
よろしくお付き合いのほどを。

※以降、人によっては『王とサーカス』および『さよなら妖精』のネタばれを含むかもしれません。要注意。

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tag : 米澤穂信

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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