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【なりそこないの四方山うる星ばなし09】10くらいからわかるうる星講座その6・まずは初期から読んでみよう!単発掲載期~クラマ姫~編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)


「10週連続連載」の「最終回」だった「さよならを言う気もない」は、週刊少年サンデー1979年21号(’79 4/25発売)に掲載されました。
それから無事大学を卒業、本格的に週刊連載が始まるのは週刊少年サンデー1980年15号(’80 3/12発売)からです。その間、実に約一年ほどのブランクが空いています。

実はその間に、高橋留美子は「少年サンデー増刊号」で新連載を始めているんです。それが令和版アニメ13話でもちらっと紹介した「ダストスパート!!」になるわけですが、こちらは1979年5月号から9月号までの5回で連載が終わっています。

高橋留美子先生によると、「うる星」の最初の集中連載(注:おそらく10週連載期のことを指しているのだと思われる)が終わる頃に、
編集部から「次はサンデーの増刊で何か連載を始めてください」と言われまして。当時はまだ学生でしたけど、増刊ペースでの連載なら大学に通いながらでもやれるだろうと思い、あまり後先考えずに始めさせていただきました。(2019年12月発行 漫画家本Vol.14「高橋留美子本」小学館 P34より)
ということで連載が始まったとのこと。そして、

――5回で終わったというのはやはり、ある段階から編集部に本誌の『うる星やつら』の連載に集中しろと言われた感じですか。
高橋 まあ、ぶっちゃけて言えばそうです。私は本当はもう少し続けたかったんですけどね。
(同「高橋留美子本」小学館 P35より)
ということだったようです。

高橋先生としては、恋愛要素がほとんどない庶民的なドタバタSFであった「ダストスパート!!」をもっと描きたい気持ちがあったようですが、サンデー編集部としてはやはり「うる星やつら」のほうを推したかったようですね。そして当時の読者もそれを望んでいたのでしょう。

「ダストスパート!!」の連載が終わったのとほぼ同時に、週刊少年サンデー1979年37号(’79 8/15発売)に「うる星やつら」は再び帰ってきます。
そこから週刊少年サンデー1979年43号(’79 9/26発売)、週刊少年サンデー1979年48号(’79 10/31発売)、週刊少年サンデー1980年5-6合併号(’80 1/5?発売)と、ほぼ1ヶ月おきに「番外編」が掲載されることになるわけです。

というわけで、これから「初期」最後を飾った「番外編」たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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tag : うる星やつら高橋留美子

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【なりそこないの四方山うる星ばなし08】新TVアニメ「うる星やつら」第2期が2024年1月から放送決定!今の時点で内容を予想してみる

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

さる8月23日に新TVアニメ「うる星やつら」の第2期が2024年1月放送開始になることが発表されました。
(※ちなみに今年の8/23は「うる星やつら」45周年の記念日なんだそうな。「うる星」は週刊少年サンデー1978年39号から始まったのですが、今年のサンデー39号がちょうど8/23発売ということでそうなったらしいです。45年前の39号は8/30発売だったんですけどねw どうやら発売日よりも発売号の方を取ったようで)

1期が終わった時告知ビジュアルでは桜が舞っていたので、てっきり4月からかと思っていましたが、どうやら前倒し(?)になったようです。
1年も間があると思って「四方山うる星ばなし」ものんびりやっていくつもりだったのですが、どうやらそうも行かなくなりましたねw
まあ今さら焦っても仕方がないので、マイペースで続けていくつもりですが。こうなったら、2期が終了したあとも細々と続けていこうかなと目論んでいますw

というわけで、せっかくキービジュアルも公開になったことですし、第2期の内容を予想してみようかなと思います。
ちょっと気が早い気もしますが、現時点での情報だけであれこれ考える方がむしろ楽しいような気がしたんでw

それに4か月なんてあっという間ですからね。うかうかしていると第2、第3の情報が出てきて予想ができるような雰囲気じゃなくなる可能性もありますから。

それでは、いきましょう!

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tag : うる星やつら高橋留美子

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【なりそこないの四方山うる星ばなし07】10くらいからわかるうる星講座その5・まずは初期から読んでみよう!10週連続連載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)


二度目の「連載」が始まったのは週刊少年サンデー1979年12号、時期としては2月の下旬になります。
最後の「読切」だった「酒と泪と男と女」が1978年11月下旬ですから、およそ3ヶ月くらいのブランクが空いての連載開始だったわけです。

その間、読者からの反応をじっくり読む機会もあったでしょう。それによって、求められている方向性は何かということにも考えを巡らせたのではないかと想像します。

ただ、この時期はさすがに「5週連続」とは違って休みの間に一気に描くという形ではなかったかと思います。いくら長期の休みがあっても、さすがに10本まとめて描き上げるのは現実的ではないですからね。
つまりこの2ヶ月余りの連載期間は、リアルタイムで読者の反応を見つつ微調整が可能だったということになります。
話のバリエーションが多彩になり、少しずつ雰囲気も明るめになっていったのはそういった一面も関係しているのかもしれませんね。

というわけで、これからその「初期」の世界観が確立した時期の作品たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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tag : うる星やつら高橋留美子

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【なりそこないの四方山うる星ばなし06】10くらいからわかるうる星講座その4・まずは初期から読んでみよう!単発掲載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

この時期の特徴としては、「連載ではない」というのがまず挙げられます。それはいわば「読み切り」と呼ぶべき性格のものでした。
もっとも不安定だった時期ともいえますね。

高橋先生が読者の反響を知るのは「5週連続連載」が終わった後です。そこで先生は、どうやら「ただのドタバタSF」よりも読者の興味は「あたる、しのぶ、ラムの三角関係」にあるらしいということを知ります。

「大反響だったと知ったのは、連載が終わってから。」(好書好日 人気漫画家インタビュー「 祝「うる星やつら」アニメ化、高橋留美子さんインタビュー! SF、ギャグ、学園もの…なんでもありの世界だっちゃ」 2022年4月22日より)

「幸い1話を発表してすぐに、読者からたくさんのお手紙をいただきまして。」(漫画家本Vol.14「高橋留美子本」P37より)

ただ、現役大学生だった高橋留美子にとって、まとまった時間がとれるのは夏休みだったり冬休み春休みくらいしかなかったのでしょう。1978年9月末に最初の連載が終わった後、次の長期休みまで時間が空くわけです。
その間、だいたい月1くらいのペースで「読み切り」を、という話になったのは容易に想像できます。

最初の「読み切り」は10月下旬発売の「少年サンデー1978年11月25日増刊号」です。9月頃に読者の要望を知ったとしても、それをじっくり反映させるまでの時間はあまりなかったんじゃないかと思われますね。
次の「読み切り」が11月22日発売の「週刊少年サンデー1978年51号」、さらに続けて11月下旬の「少年サンデー1978年12月20日増刊号」となれば、作画に追われる一方だったんじゃないでしょうか。当時はもちろんアシスタントを雇うわけにもいきませんでしたからね。(劇画村塾時代や大学の友人に手伝ってもらったらしいですが)
方向性をはっきり定めるほどには、まだそれほど余裕がなかった頃だったわけです。

というわけで、これからその微妙な時期の作品たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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【なりそこないの四方山うる星ばなし05】10くらいからわかるうる星講座その3・まずは初期から読んでみよう!5週連続連載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

前回で「うる星やつら」をその時代ごとに区分化したので、今回からいよいよ具体的について見ていこうと思います。
特に「初期」に関しては、令和版アニメではほとんど取り上げられませんでしたからね。新アニメからうる星に興味を持たれた方たちに、まずはこの時代ならではの面白さや空気感を知ってもらいたいなと考えました。

進め方としてはコミックス収録順ではなく、雑誌初出の順番で見ていきます。
そうすることで、本来のうる星が歩んできた道筋が見えてくると思うんですよね。そこからさらに、うる星の世界が少しずつ変わっていく兆しみたいなものを感じ取っていただけたらうれしいです。

というわけでこれから一つ一つ見ていくわけですが、今回はスタイルを少し変えています。
各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻〜34巻」より引用しています。

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プロフィール
ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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