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【なりそこないの四方山うる星ばなし11】10くらいからわかるうる星講座その8・続いて前期を読もう!~「トラブルは舞い降りた!!」から「君待てども…」まで~

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)


さて、ここから三度目の「新連載」が始まるわけですが、これまでの「連載」とは明らかに違う点があります。
それは期間限定ではないということ。要するに「いついつまで」と終わりが定められていない、本格的な連載ということです。

それまでは学生の身だったこともあり、5週とか10週と決められた期間の中での集中連載でした。
間に「読み切り」期間も挟まりましたし、どこか学業の合間に制作するという意識があったんじゃないかと思います。
しかし、1980年の春に無事大学を卒業した高橋先生はもはや完全なるプロ、人気があればいつまでも続けられる代わりに人気が出なければいつ何時打ち切りになるかもわからない厳しい世界に身を投じることになるわけです。

そういった中でいよいよ週刊誌で新連載というときに、高橋留美子先生は何を思ったのでしょうか。

無事大学を卒業でき、いよいよ週刊で新連載の準備という段階で『うる星』でいこうと言われ、正直困惑しました。
新連載なのだから、別タイトルでやるものだと思い込んでいたので。
(復刻BOX4原画集あとがきより)

こちらは「うる星の歴史を区分化しよう!」でも紹介しましたが、非常に興味深い発言だと思います。
つまり、高橋先生の中ではすでに「別タイトル」の気持ちでいたんですよ。そこからもう一度気持ちを「うる星」に持っていくのは、そう簡単なことではなかったのではないかと想像します。

読切や不定期連載が本格連載になるにあたって、やり方としては大きく分けて二つあるでしょう。
一つは仕切り直しで、まったく新たにスタートする方法。文字通り「新連載」の名の下にそれまでの話はなかったこととして、改めてキャラクター紹介などを含め物語を一から始めるやり方です。
二つ目は継続連載ですね。それまでの流れを踏襲しながら「また始まったよ!」という感じで続けていく方法。

「うる星」の場合、一つ目のやり方は難しいでしょう。かつて短命に終わった連載とか他誌からの移籍とかならともかく、つい最近まで1年半ものの間、断続的に続いていた連載作品ですからね。いきなりこれまでのものは無かったことにして新スタートしますと言われても読者はついていけないのではないでしょうか。

ただ、二つ目のやり方が採用されたかといえばそうでもないんですよね。だったら、クラマをまた出せばよかったわけですし。
チェリーもサクラもいない世界はある意味「仕切り直し」だったとも言えるんです。

高橋先生の中でいったん「最終回」を迎えた「うる星」は、単にそのまま続けて始めるわけにはいきませんでした。
かといって、まったくの「新連載」として一から話をまた作っていくわけにもいきません。彼らとはもう1年半以上の付き合いになるのですから、高橋先生にとっても愛着があったはずです。

そこで登場するのが、ゲームチェンジャー・面堂終太郎でした。
彼によってうる星はうる星のままでありつつも、まったく別の作品へと生まれ変わることになるわけです。

というわけで、ここから新たに連載が始まった「うる星やつら」を見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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tag : うる星やつら高橋留美子

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【なりそこないの四方山うる星ばなし10】10くらいからわかるうる星講座その7・特別企画!オリジナルコミックスの表紙を堪能しよう!

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

今回は少し趣向を変えて、オリジナルコミックス版の「表紙」について取り上げようかと思います。

以前「原作コミックスを知ろう!」という記事でも少し触れましたが、今オリジナルの「表紙」に出会える機会ってほとんどないんですよね。
市場に出回っているのは「新装版」の電子書籍か「文庫版」だけですし、あとは中古を探すくらいしかないんです。

もちろん原作を読むだけなら電子版でも文庫版でもいいでしょう。
でも本来、コミックスというのは「表紙」も含めて作品だと思うんです。要は「顔」になるわけですから。
中身を見る前に判断する材料として、それは作品との最初の出会いになるんです。そして連載当時に描き下ろされた表紙の数々には、恋にも似たときめきがありました。
それに今出会えないというのは、すごくもったいないと思うんですよね。

幸い、昨年に「復刻BOX」が4つにわけて発売されましたから、余裕がある方は是非そちらをお買い求めいただきたいんですけれども、なかなかそこまで手が回らない人も多いでしょう。
ならば、せめてこの場だけでも、みなさんと一緒に「表紙」の素晴らしさを共有できたらなと考えたわけです。

というわけで、今回はいつものようなディープな感じにはならないと思います。ぜひ肩の力を抜いて見てくださいね。

ただ、34巻分の表紙と裏表紙を見ていくわけなので、単純に記事はむちゃくちゃ長くなりますw
なので、今回は一気に全部読もうとしなくてもいいかもしれません。
いわばギャラリーを回るような感覚で、お茶でも飲みながらゆっくり楽しんでいただけると幸いです。

なお画像ですが、あまり性能のよくない型落ちのスマホで撮影しております。
撮った日時もバラバラだったりするので、ものによっては色味がはっきり出ていなかったりピンぼけ気味なものもあるかもしれません。そこはご容赦いただくようお願いいたします。
もっと奇麗なものが見たい!という方は「復刻BOX」をお買い求めの上、実物をご堪能いただくのが一番かとw

それでは、いきましょう!

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tag : うる星やつら高橋留美子

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【なりそこないの四方山うる星ばなし09】10くらいからわかるうる星講座その6・まずは初期から読んでみよう!単発掲載期~クラマ姫~編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
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「10週連続連載」の「最終回」だった「さよならを言う気もない」は、週刊少年サンデー1979年21号(’79 4/25発売)に掲載されました。
それから無事大学を卒業、本格的に週刊連載が始まるのは週刊少年サンデー1980年15号(’80 3/12発売)からです。その間、実に約一年ほどのブランクが空いています。

実はその間に、高橋留美子は「少年サンデー増刊号」で新連載を始めているんです。それが令和版アニメ13話でもちらっと紹介した「ダストスパート!!」になるわけですが、こちらは1979年5月号から9月号までの5回で連載が終わっています。

高橋留美子先生によると、「うる星」の最初の集中連載(注:おそらく10週連載期のことを指しているのだと思われる)が終わる頃に、
編集部から「次はサンデーの増刊で何か連載を始めてください」と言われまして。当時はまだ学生でしたけど、増刊ペースでの連載なら大学に通いながらでもやれるだろうと思い、あまり後先考えずに始めさせていただきました。(2019年12月発行 漫画家本Vol.14「高橋留美子本」小学館 P34より)
ということで連載が始まったとのこと。そして、

――5回で終わったというのはやはり、ある段階から編集部に本誌の『うる星やつら』の連載に集中しろと言われた感じですか。
高橋 まあ、ぶっちゃけて言えばそうです。私は本当はもう少し続けたかったんですけどね。
(同「高橋留美子本」小学館 P35より)
ということだったようです。

高橋先生としては、恋愛要素がほとんどない庶民的なドタバタSFであった「ダストスパート!!」をもっと描きたい気持ちがあったようですが、サンデー編集部としてはやはり「うる星やつら」のほうを推したかったようですね。そして当時の読者もそれを望んでいたのでしょう。

「ダストスパート!!」の連載が終わったのとほぼ同時に、週刊少年サンデー1979年37号(’79 8/15発売)に「うる星やつら」は再び帰ってきます。
そこから週刊少年サンデー1979年43号(’79 9/26発売)、週刊少年サンデー1979年48号(’79 10/31発売)、週刊少年サンデー1980年5-6合併号(’80 1/5?発売)と、ほぼ1ヶ月おきに「番外編」が掲載されることになるわけです。

というわけで、これから「初期」最後を飾った「番外編」たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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【なりそこないの四方山うる星ばなし08】新TVアニメ「うる星やつら」第2期が2024年1月から放送決定!今の時点で内容を予想してみる

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)

さる8月23日に新TVアニメ「うる星やつら」の第2期が2024年1月放送開始になることが発表されました。
(※ちなみに今年の8/23は「うる星やつら」45周年の記念日なんだそうな。「うる星」は週刊少年サンデー1978年39号から始まったのですが、今年のサンデー39号がちょうど8/23発売ということでそうなったらしいです。45年前の39号は8/30発売だったんですけどねw どうやら発売日よりも発売号の方を取ったようで)

1期が終わった時告知ビジュアルでは桜が舞っていたので、てっきり4月からかと思っていましたが、どうやら前倒し(?)になったようです。
1年も間があると思って「四方山うる星ばなし」ものんびりやっていくつもりだったのですが、どうやらそうも行かなくなりましたねw
まあ今さら焦っても仕方がないので、マイペースで続けていくつもりですが。こうなったら、2期が終了したあとも細々と続けていこうかなと目論んでいますw

というわけで、せっかくキービジュアルも公開になったことですし、第2期の内容を予想してみようかなと思います。
ちょっと気が早い気もしますが、現時点での情報だけであれこれ考える方がむしろ楽しいような気がしたんでw

それに4か月なんてあっという間ですからね。うかうかしていると第2、第3の情報が出てきて予想ができるような雰囲気じゃなくなる可能性もありますから。

それでは、いきましょう!

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【なりそこないの四方山うる星ばなし07】10くらいからわかるうる星講座その5・まずは初期から読んでみよう!10週連続連載期編

※【なりそこないの四方山うる星ばなし】とは……
令和の時代に新しくTVアニメ化された「うる星やつら」。自他共に認める高橋留美子主義者である私なりそこないが、2024年から始まる第2期までの間、「うる星やつら」についてざっくばらんに語っていく企画です。
(私の新アニメ「うる星やつら」への思いはこちらこちらで。)


二度目の「連載」が始まったのは週刊少年サンデー1979年12号、時期としては2月の下旬になります。
最後の「読切」だった「酒と泪と男と女」が1978年11月下旬ですから、およそ3ヶ月くらいのブランクが空いての連載開始だったわけです。

その間、読者からの反応をじっくり読む機会もあったでしょう。それによって、求められている方向性は何かということにも考えを巡らせたのではないかと想像します。

ただ、この時期はさすがに「5週連続」とは違って休みの間に一気に描くという形ではなかったかと思います。いくら長期の休みがあっても、さすがに10本まとめて描き上げるのは現実的ではないですからね。
つまりこの2ヶ月余りの連載期間は、リアルタイムで読者の反応を見つつ微調整が可能だったということになります。
話のバリエーションが多彩になり、少しずつ雰囲気も明るめになっていったのはそういった一面も関係しているのかもしれませんね。

というわけで、これからその「初期」の世界観が確立した時期の作品たちを見ていきます。各話ごとに注目ポイントなどを箇条書きしていますので、読む際の参考にしてみてください。

※各話の収録データはオリジナルコミックス(新装版および電子書籍版)に基づいています。
※重要度は4段階評価で、S=★★★★ A=★★★ B=★★ C=★。Sは絶対に外せない最重要エピソードになります。いずれも私見に寄るものですので、あくまで参考程度に考えてください。(なお、これは話の傑作度ではありません。あくまでうる星の歴史を顧みた場合の重要性を評価したものです)
※記事内の引用画像は当ブログにて考察研究のために「うる星やつら(新装版)1巻~34巻」より引用しています。

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プロフィール
ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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