プロだからこそあえて寝る!~アオイホノオ最終話感想~

ついに迎えたテレ東系ドラマ「アオイホノオ」最終回。
いやあ、素晴らしかったです。本当に最後までテンションを保ったままよく突っ走ってくれました。

行き違い。勘違い。自意識過剰。
青春時代の痛さと熱さをからかいつつも最後まで決して否定しない姿勢はまさに島本和彦の作風そのもの。

例えば、ワンダーマスミ、とんこさん、津田ひろみへの一方通行ぶりと、
MADホーリィのアドバイスに対しての歯がゆいまでの思い込み。
どちらもつながっているんですよね。
この自分の都合のいいように考えて最後に自爆する感じが、マンガ執筆も恋愛も同じなんです。

本棚に八つ当たりするシーンは、
以前、5話のサンデーカレッジに落選のときに同じことをしようとしてためらったシーンとの対比でしょうか。
今回はためらわなかったですよね。
そして、部屋に戻っての津田さんの妄想シーン!もう、あの肩たたきも見ることはないのだと思うと、ちょっと泣きそうになりましたよ。

で、マンガ家デビューのきっかけも印象的です。

MADホーリィがあれだけ真摯にアドバイスをして、「熱血をからかうようなギャグじゃなく、車田先生の“ベタ”を見習え」と言ってくれたのに、
その真意は伝わらずに、最終的には「センスが合わないんだよな」とあっさり捨てた小学館の“ダメなやつ”な新人編集者・三上によって、拾われてデビュー。

まさに「痛みは生きている証拠だぜ」と強がるイタイ若者への青春応援歌としてふさわしい顛末だったと思います。
MADホーリィのようなできる編集者よりも三上のようなダメな編集者のほうが庵野にいつも嫉妬してきたモユルの気持ちがわかったんでしょう。
「これはダメなやつが描いているわ」のセリフがすごく印象的でしたね。
(ちなみに小学館の原稿を捨てるシーンは小学館編集部によると「妄想」とのことです)

そして、あれだけ「何者かになる」ことを切望していたのに、いざ誌面に自分のマンガが載ってもそれほどうれしいと思わないモユル。
あそこの庵野とモユルの掛け合いはベストシーンでしょう。
二人の“プロ”が誕生した瞬間でした。

ところで島本和彦デビュー作「必殺の転校生」って、
高橋留美子のギャグ短編「戦国生徒会」が表紙時の増刊サンデーだったんですね。
高橋留美子主義の私は当然、この号を発売日に買っているんですが、
まったく記憶がないなあ。読んではいるはずなんですけど……。

そして、まさかの島本先生本人登場!

島本先生がモユルに対しての
「お前はこのバイクに乗って明日に向かって走るんだよ!」
「大人になって、学生時代はよかったなあなどと振り返るようなくだらない大人だけにはなるなよ!」
はベタだけど、メタ構造にもなっていてぐっときますよね。

今の島本先生があのころの自分に対して言い聞かせている形なわけですから。
これは「アオイホノオ」という作品そのものを象徴もしている名シーンでした。
というか、島本先生、演技意外とうまいですよねw

で、夢オチかと思いきやのまさかの「燃えよペン」!!

あえて寝る!!

最高です。本当に素晴らしい。
モユルがあのころの熱い思いを持ったまま、プロのマンガ家になった瞬間でした。

マンガの実写化はどうしてもファンにとって不安というか、鬼門となりがちですが、
力のあるスタッフが、愛をもって本気で作ればいいものも作れるんだといういいお手本になったとも思います。

福田監督をはじめ、スタッフのみなさん、お疲れさまでした!
一視聴者として素晴らしいひと時を過ごさせていただきました。
本当にありがとうございました。

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2話、5話、7話、8話、そして今回の最終話も「ディレクターズカット」だそうで、楽しみです!
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tag : アオイホノオ 1980年代

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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