なりそこないの昔話4~あだち充のこと(アオイホノオ第4話より)~

本日ゲッサン9月号購入。

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表紙からして、まさにアオイホノオ暴言炸裂号ですが、

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私のお目当ては、この「アオイホノオ」暴言クリアファイルでしたw

しかし、あだち充&高橋留美子でいまだにサンデー二大巨頭的扱いなんですよねえ。
タッチ」が少年サンデーで連載始まったのが33年前ですよ……?
あのころの自分に、小学館は30年後もあだちと留美子で売っていると教えに行っても、まあ信用しないだろうなあ……


というわけで。

ドラマのほうの「アオイホノオ」第4話はいよいよ上京編。
ユースホステルの“実在のみゆき”が可愛かったですね!
ということで、今回の昔話はあだち充についてです。


あだち充。

高橋留美子主義者の私にとって、これほど複雑な思いを抱く作家は他にいません。

80年代、少年サンデーは、あだち充高橋留美子を“二大看板”として目下売り出し中でした。
紙面は常に「タッチ」「うる星やつら」でひしめき合い、
イベントがあれば必ず「あだち先生&高橋先生」がセットでした。

当時サンデーがこの2人をセットで扱うたびに、なんだか面白くなかったことを覚えています。

いえ、あだち充が嫌いだった訳ではありません。
ただ、高橋留美子に陶酔していた私にとって、「高橋留美子先生と同等扱い」される存在自体が我慢できなかったのです。(今考えるとほんと痛いですが、まあガキだったんですね)

しかも当時、あだち充が1番手で高橋留美子は2番手という雰囲気がなんとなくあったので、よけい苛立って、自分はあえて「タッチ」を読まないことでなんとか折り合いをつけていた状態でした。

ある日、サンデー主催のサイン会に行った時、近くのやつが「今日は留美子の日か、明日はあだちが来るらしいからもっと人出があるなあ」なんて呟いているのを聞いて、むちゃくちゃ悔しかったことを昨日のことのように覚えていますね。

また、なにより、当のおふたりがすごく仲がいいことも
私の屈折した気持ちに拍車をかける形になりました。

そう、このふたりは当時から今に至るまで本当に『戦友』といってもいいくらい、お互いを兄妹のように慕い、尊敬し、刺激し合っている存在なんですね。(小学館白井勝也氏もそういった証言をしています)

「タッチ」には作中に“ラムちゃん色紙”が出ていたりもしますが、これは高橋留美子直筆ですし、
少年サンデー50周年記念号には「MY SWEET SUNDAY」としてあだち充との合作マンガを寄稿したり、雑誌などでお互いの特集が組まれるたびにまっさきに名前があがったりと、今なお、セットで語られる筆頭株です。

言うなればビートルズとローリングストーンズ、ダウンタウンとウッチャンナンチャンみたいなものでしょうか。
ライバル意識というより、本人同士は普通に仲がよく、“同じ釜を食った戦友”のような存在というのもなんだか似ているような気がします。

余談ですが、当時から、高橋留美子と比べられる存在として、もうひとり「鳥山明」という天才漫画家がいますが、鳥山さんにはなぜか、嫉妬みたいな思いはありませんでした。

たぶん、ジャンプとサンデーで舞台がまったく違うことに加え、直接セットで語られることがほとんどなかったことも影響しているのかもしれません。

それでも、後に高橋留美子はインタビューで、鳥山明氏について、
「脅威を感じる前にファンになってしまった」と語っているように、かなり意識はしていたようですが。(クイックジャパンNo.71高橋留美子特集15,000字インタビューより)

どうも高橋留美子という人は、すごい才能を持つ同業者が出てきても、
“嫉妬”するよりも“ファン”になってしまうようで、ある意味、能天気というか無邪気なんですよね。
その辺は“マンガの神様”手塚治虫とは違うところで、
ファンとしては少しはあだち充にも対抗意識を燃やしてほしいと感じるところがあったわけです。

ただ、先日小池一夫氏と島本和彦氏の対談(COMICストレンジャー・ソレント8月号)を読んでいて、改めて気がついたのですが、
高橋留美子とあだち充って世代が違うんですよね。高橋留美子がデビューする8年ほど前にあだち充はデビューしていているんです。

つまり、「タッチ」と「うる星やつら」が連載されていた当時、
高橋留美子はまだデビューして2、3年のペーペーで、あだち充は10年選手の中堅作家だったわけです。
あだち充が前に出てくるのも当たり前というか、
むしろ先輩と肩を並べて看板しょっている高橋留美子こそ、とんでもない新人だったわけですね。

もちろん、当時まだ中学生なりたてぐらいだった私には、そんな知識もありませんでしたから
ただただ、仲が良いふたりを見つつ、いらいらする毎日をおくっていたのですがw

そんな“アンチ”あだち充だった私ですが、一方、あだち充を悪く言われるのもむかついていたんですね。
この辺が信者の複雑なところなのですが、留美子が認めているあだちを悪く言ってんじゃねえ!みたいな気持ちだったんだと思いますw

実際いたんですよ、セリフやコマ割のセンスで見せるだけで中身が薄いとか、評論家ぶる輩が。
私は先ほども触れたように、「タッチ」は読んでいませんでしたが、実は「陽当たり良好!」とか「みゆき」は読んでいたんですよ。特に「みゆき」は単行本を持っていたくらい好きだったんですw
(「みゆき」はサンデー本誌ではなかったので、「うる星」とセットで語られなかったことも大きい)

だから、やっぱりそういった批判には頭にきちゃうんですね。
「お前、『みゆき』の『エッチとスケベ』回を読んでそんなこと言ってんか!」ぐらいな勢いですよ、ええ。

実際「みゆき」は名作でした。
血のつながらない妹とクラスのアイドルの間で揺れる恋とか、設定自体はエロゲーの元祖みたいですが、
なんといっても間の見せ方が絶妙だったんですね。

故立川談志があだち充に陶酔していたのも納得の、間のとり方。
ラブコメなのにどこか飄々としていて、落語的な語り口は他にはない魅力がありました。
(※ちなみに、落語界では今でもあだち充ファンの噺家さんが多いそうです。)

まあ、さすがモユルが指摘していたような、
ヒロインの髪型の意図までは思いもしませんでしたが、
それまでのあだち作品とも何か違う雰囲気はなんとなく感じ取れましたね。

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そんなわけで、あだち充と言えば野球マンガというイメージが強いですが、
私にとってはなんといっても「みゆき」でした。
また、サンデー連載ものの中でも個人的には「ラフ」や「虹色とうがらし」とか、
なぜか野球ではないテーマのほうが好きですね。
(スポーツもの自体があまり好みじゃないことも影響しているとは思いますが)

高橋留美子は「萌え」の元祖とも言われますが、一方、なぜかあだち充は「萌え」の文脈で語られることはあまりありません。
確かにあだち充のヒロインは、“そそられる”ことがあまりないというか、
オタク文化の流れからはどこか離れていますよね。

そんな中で「みゆき」という作品は、“義理の妹”萌えの元祖として、
あだち作品の中では比較的オタク文脈に近い気がします。
なにしろ、意地でも単行本を買うことを避けていた私が、唯一買ったあだち充作品が「みゆき」だったわけですから。
あれだけ「タッチ」なんか頼まれても読まん!と思っていた自分が、「みゆき」に対してはどう折り合いをつけていたのか、未だによくわかりませんw

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ドラマ第4話の上京編が載っているコミックス第3巻。


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「あだち充をいつまでも『いつもの通り』などと思っていると――いつか火傷するぜ!お姉さん!!」


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tag : アオイホノオ 1980年代

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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