ライト姉妹1巻感想〜「設定」は狭いが「キャラ」の広がりに期待ができる王道マンガ〜

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!11巻のあとがきマンガでも触れていましたので、知っている方も多いでしょうが、4月27日に「ライト姉妹」(サブタイは略)1巻が発売になりました。
「ナンバーガール」終了から約1年余り。電撃グループ系での谷川ニコの最新作が、ようやく単行本の形にまとまりましたね。


light_sis01_hyoushi.jpg light_sis01_ura.jpg 

表紙はなんかずいぶんキラキラしているというかファンシーな感じですけど(“ライト”にかけているのか?)、注目すべきは販促帯!
まだ「わたモテ」の看板で売るか、という感じですねw
しかもなぜ、このもこっちを選んだのか…これにスクエアエニックスの©が付くと、なんだか「こりゃホンマ勃起もんやで…」がスクエアエニックスの商標なのかと勘違いしそうじゃないかw

まあ、それはともかく、この帯はなかなか興味深いですね。
つまり、このライト姉妹は、「もこっち」に続く新たな「戦う少女」像を提示したマンガということなんです。

裏表紙にも「描くダメ少女には定評のある谷川ニコの新作コメディ」とあるように、前回の「ナンバーガール」と比べてもわりと「わたモテ」ぽい作風になっているかと思います。要するにはじめから「キャラ性」重視のギャグコメディになっているんですね。

ただ正直いいますと、この連載が始まった当初は、「短期連載」かなと思っていたんですよ。
だって、設定があまりにピンポイントすぎるというかニッチすぎるじゃないですか。


もともと、マンガを描くモチベーションがひねくれている谷川さんではありますが、
今回はさすがに振り切りすぎているというか、
ヒキコモリな中一の女の子を無職の姉がラノベ作家に育てようとする…って、「キャラ」にしても「舞台」にしてもあまりに狭すぎます。どう考えても話に発展性がないだろう…としか思えなかったんですね。
学校生活も描けないし、キャラも姉妹以外にはせいぜい母親くらいしか出せないだろうし、一発ネタならまだしも他に話の広げようがないだろうと。
だからワナビーネタやダメ人間ネタで持って3回〜5回くらいかなとにらんでいたんです。

ところが、連載始まってから早1年。一向に連載は終わる気配がありません。むしろどうやら長期連載を狙っているようです。
こちらで0話から3話までは読んだ限りでは、話自体は面白いけどやっぱり世界が狭いというか、このままの感じでは長くは続けられないだろうなと不安が先立ってしまっただけに、すごく気になっていたんです。
だから今回のコミックスはある意味楽しみでもありました。いったいこの後どういう話になっているんだろうと。

で、読んでみて納得しましたね。なるほど、これは確かに「わたモテ」の流れをくむ「ダメ少女コメディ」だと。

webで公開されている3話まではプロローグにすぎません。次の4話(コミックスでは「野望5」に相当)からいきなり世界が大きく広がるんです。
そう、ヒロイン奏愛は「外」に出ることになるんですよ。そして「読者」をも得ていくことになります。
それに伴い、キャラクターも徐々に増えていき、だんだん「物語」らしくなっていくんですね。

まあはっきりいって、そりゃそうなるよな、と思いましたw
ひねくれているようで、やっぱりそこは「バランス」を重視する谷川さんらしいなとちょっと安心しましたね。
確かに、もはや「ヒキコモリ」でもないだろという気もしないでもないですが、まあそれはわたモテも同じようなものですからw
思えば「わたモテ」や「ナンバーガール」も、最初はトンがった設定から始まりつつ、だんだんわかりやすい面白さに集約されていくという流れでしたし、この辺が谷川ニコたる所以なんでしょうね。

奏愛のキャラもいいですね。
はじめは、なんだこの世の中ナメたガキは、くらいの印象だったのですが、
読んでいくうちにその妙なメンタルの強さに少しずつ惹かれていくんです。
なんというか、「よりダメなもこっち」みたいな感じでしょうかw

普通に考えれば、もこっちの比じゃないくらいヘヴィな環境にいると思うんですよ。
中学1年で不登校でマンガアニメゲーム漬けの毎日で話す内容はネットの受け売りばかりとか、コメディとして成り立たないくらい「シャレにならない」状況なはずなんです。
でも、無職の姉の指導のもと小卒でラノベ作家を目指すというその「非現実」的な設定が、逆にうまく中和して“笑い”になっているんですね。

これが、20歳くらいの主人公が高卒でラノベ作家を目指すとなったら、絶対に“笑い”になりませんからね。生々しすぎて。
中一の女の子が「ナマポで暮らすの」とか言っているからまだ可愛いで済むんです。
そういった意味で、意外とよく考えられた設定だなと思いますね。

あと、個人的にはおねいさんの希美がすごく好きです。
マンガなんて子供かバカが読むものと言いながら、「Two PIECE」(笑)で泣きそうになるところなんて最高ですねw
妹の影に隠れていますけど、この姉も相当おかしいですよw
考えてみれば「ライト姉妹」というくらいなんですから、本来ならこの子もヒロインの一人のはずなんですし、妹ばかりじゃなく姉の方の話も期待したいですね。
会社を辞めた経緯とか、交友関係とか、いろいろ気になるところも多いですし。

新キャラの環季(どうでもいいけど「たまえ」じゃないのねw)も、奏愛以上に「非現実」的なキャラでいいですね。
なんというか、すごく「ファンタジー」な世界観なんですよ。だから強めの「毒」にも素直に笑えるんです。
しかもキャラが最初から立っているんですね。あるあるネタやパロディが目立つように見えて、意外とギャグマンガの王道なんですよ。ちゃんと「キャラ」で笑わせようとしているところに好感が持てましたね。

最新話(pixivコミックの「11話」)に登場する佐藤さんも、これから奏愛との絡みが期待できそうですし(「面白さ」に免疫がないところがいい!)、今後の展開がますます楽しみになってきました。なるべく長く続いて欲しいなあ……それこそ、奏愛がラノベ作家デビューするくらいまでw

ていうか、この子意外と文才あるんじゃなかろうかw
あまり「なろう系」のことは詳しくないんですけど、1日のPVが100前後って始めたばかりにしてはけっこうすごいんじゃないかなあ。
light_sis_yabou11_01.png 
下手するとうちのブログよりアクセス数が多いじゃねーかw

1巻終了の時点ですでに「最低限の文章」は書けるようになっているし、最終的にはmeguru先生のライバルくらいにはなるかもしれませんねw(そう考えると、意外と「成長物語」としても王道なのかも?)


コミックス発売記念各ショップ特典はこちらに載っている6種類。
http://natalie.mu/comic/news/230530

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この中で私はこれをチョイス。
light_sis01_tokuten.jpg 
なんていうか、これが一番「ポップ」な感じがするじゃないですか。
「ライト姉妹」はどちらかというと、リアルな表情よりもこういう戯画化された雰囲気が合っているような気がしますね。


さて、基本的には、文句無しに「買い」の一冊だと思うんですけど、
ひとつ苦言をさせてもらうなら、
あとがきやおまけマンガがないのは、かなり不満ですね。
(「ナンバーガール」のあとがきとかすごく面白かったのになあ…)

ていうか、なんで付いていないのか不思議です。
よっぽど、時間がなかったのか、それとも、何も描くことがなかったのか……
基本、webでも無料で読めるんですから、付加価値を付ける意味でもその辺はきちんとして欲しかった、というのが本音ですね。

あと、これはアマゾンのレビューでも指摘している方がいましたが、各話の区切りがわかりづらいです。
いわゆる「表紙」がないだけに、一息いれるところがなく、これは読んでいてちょっと疲れますよ。(ていうか、なんでこれ、「表紙」もないんだろ…電撃の方針か?)

「ナンバーガール」は基本四コマのオムニバスでしたし、各話のはじめは大コマから始まっていたのでわかりやすかったのですが、「ライト姉妹」は普通のスタイルですからね。
「野望3」と「野望4」の間にあった「キャラ紹介」が、他の区切りにもあればまだよかったのですが、せめて、ワンカットイラストくらいは挟んで欲しかったところです。

…とまあ、単行本の構成には若干不満が残りますが、全体的には買って損なしの内容だと思います。
ラノベあるあるやクズネタだけじゃなくキャラの相関性を期待させる面白さは、今のわたモテにも通じる部分がありますし、「わたモテ」ファンにもオススメですよ!


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tag : 谷川ニコ

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更新お疲れ様です
これのためだけにだいおうじを購入しているので単行本化は嬉しかったです
一気に読むとまた面白くて内容は文句なし(後書きくらいは欲しかったですが…)
クズ眼鏡も面白くなってきていて最近のニコ先生の充実ぶりには驚かされます
三作品同時連載という厳しいスケジュールが少し心配ですがどれも続きを楽しみに待ちたいですね

Re: タイトルなし

>コメントどうもありがとうございます。

雑誌のほうも購読されているのですね。
私も予想以上に面白くって、ちょっと雑誌の方でも追いかけたくなりましたよ。月400円くらいですしね。(でも電撃系の雑誌は正直買いづらい…)

確かにまとまって読むと、また印象が変わりますよね。そこに単行本の価値もあるかと思うんですけど、
だからこそ、あとがきがなかったのが余計に悔やまれます。

今、わたモテが絶好調で、クズメガネも面白いのは、三作品を同時に連載しているからこそだと私は思うんですね。
相乗効果というか、違う作品を描くことで他の作品にもいい刺激になっているんだと思うんですよ。
それだけに、こういうところでのサービス精神こそが大事なんです。
それがまた、さらなる「面白さ」につながるはずなんですから。
忙しいのはわかりますけど、ワンカットくらいでもなんとかして欲しかったです。

まあ、あとがきがないのは、単に電撃側の事情なのかもしれませんけどね。
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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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