2016年を適当に振り返る~語れなかったものを思いつくまま~

2016年大晦日。
もう年が変わろうというときに、絶対笑ってはいけない科学博士24時を見ながらこれを書いています。
やはり年内に『いまさら翼といわれても』本編、その他の感想記事は書けませんでした。すみません。

いやあ、28日過ぎればそれなりにやれるかなと思っていたのですが、甘かったです。
考えてみれば、仕事納め過ぎてからのほうがいろいろとバタバタするんですよね。
伝票整理やら年末調整やらで、銀行だ郵便局だと煩わしいことが残っていましたし、
その合間に正月用の買い出しやら大掃除やらでなんか普段以上に疲れましたよ……

というわけで、感想記事は来年にそれぞれ持ち越しになりそうです。
とりあえず、正月三が日は腑抜けの様に過ごすと思うので、
できれば4~5日あたりから始めたいですね。

まずは、『いまさら翼といわれても』に目鼻をつけて、
その後は、「わたモテ」の2016年総集編でしょうか。
次の更新が19日とかなり空くのでその間を埋めるような感じでやれればなと思っています。

で、それから『あしたはひとりにしてくれ』、『さよなら妖精』、『この恋と、その未来。 -三年目 そして- 』という感じでやれればいいんですけどね。
でもなんかオオカミ少年になりそうなので、もう断言するのはやめにします(笑)

さて今回は何をやるかというと、私、なりそこないが2016年読んだ中で、
これはちょっと触れておきたかったなあと思いつつ書くことができなかった本をピックアップして、簡単なコメントを残していこうという企画です。
あまり深く考えずに思いつくまま挙げていますので、まあ正月の暇つぶしにでも見ていただければと。


家庭用事件(似鳥 鶏)


「市立高校シリーズ」3年ぶりの新作。
デザインが変わった表紙については触れましたが、本当は中身にも触れたかったですね。

今回は短編集だったのですが、どうも時系列がばらばらで戸惑います。
柳瀬さんの出番が思いのほか少ないのが、ちょっと不満ではありましたが、
その分辻さんがむちゃくちゃかわいかったので良しとしますw

それにしても最後の「優しくないし健気でもない」のトリック?にはやられました。あれは卑怯だわ…
ていうか、『いわゆる天使の文化祭』もそうでしたけど、
似鳥さんって、トリックに凝り過ぎてなんか読後感がもやもやするんですよね。
本格ミステリの矜持があるんでしょうけど、ちょっと青春ミステリとしてはどうなのかなあという気がしなくもないです。
ただ、ミステリ的にも青春的にも水準以上の満足が得られることは保証します。
個人的にはとにかく辻さんが可愛すぎて柳瀬さんから浮気しそうですw
特に「お届け先には不思議を添えて」がお気に入り。

終わりの志穂さんは優しすぎるから(八重野統摩)

表紙買いでした。

販促コピーには「儚くも美しいライトホラーミステリ」とありましたが、はっきりいって、看板に偽りあり、です。
ちっともホラーではありません。まあ“ライト”という部分がポイントなんでしょうけど、それにしてもホラーと呼ぶには程遠いでしょう。
どちらかというと、「ファンタジー」に近いですね。
もちろん、「ミステリ」として伏線あっての謎解き、といった展開がメインではありますが、そっちでハラハラドキドキするというよりも、
美しくも切ない幻想的な世界観をじっくりと味わう作品だと思います。

ただ、どうなんでしょうね。
「ミステリ」的な真相はもちろん、大きなどんでん返しとして用意されているのですが、
これが、某有名作品のネタをどうしても思い出してしまうものなんですよ。

いえ、「パクリ」というわけではありません。
というか、これってある意味、「そういうパターン」なんですよね。
それこそ、タイムマシンが今更出てきてもウェルズのパクリと言わないように。
ラスボスが父親、的なもはや許される「定番」オチの形といってもいいでしょう。

ただ、勘がいい人は途中で、「ああ、これはあのオチパターンか」と気づいてしまうかもしれませんね。わかり易い伏線もけっこうありますし。
そういった意味では、「ミステリ」擦れした人にとってはちょっと面白みに欠ける内容かもしれません。

きっと、この作品は「ミステリ」とか「ホラー」という要素を期待するものではないんです。
あくまで、主人公の森、もしくはヒロインである織川志穂の心情に寄り添って、ひと夏の経験をするための作品なのでしょう。
幻想的な世界にどっぷりはまりたい人にはかなりおすすめですね。

いなくなった私へ(辻堂 ゆめ)

一昨年、第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞した「いなくなった私」が、文庫化したので購入。
作者の辻堂ゆめ氏は、受賞当時、現役東大生ということで、話題になりました。

人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃が渋谷のゴミ捨て場で目を覚ますと、
昨夜からの記憶がなく、しかも誰も自分のことを知らない。
さらに街頭ビジョンには、上条梨乃が自殺したというニュースが流れており……。

どうでしょうか。設定だけでもちょっと興味をそそられませんか?
まして選評で、「すべての疑問にきっちり(超自然設定の本格ミステリー的に)理屈がつくところがすばらしい」とまで言われれば、これはどれほど、「すごい」本格ミステリーなんだろうと、思わせますよね。

でも、はっきり言って、この作品に「本格ミステリーもの」的なノリを期待しないほうがいいです。そこを求めていくと、たぶん途中で失望します。
amazonのレビューを見ると、辛口のものも目立ちますが、中には「選評」への批判も目につきますよね。

思うにそもそも『このミステリーがすごい!』大賞というネーミングが悪いんですよ。
これに限らず『この◯◯がすごい!』というのが宝島社の売り文句のようですが、正直、あまりいいブランド名とは思いませんね。
「すごい!」という抽象的な褒め言葉にどうしても引っ張られてしまうというか、最初からハードルがあがりすぎて、素直に作品を楽しめなくなる嫌いがあるんですよ。
読む前から「何がすごいんだか、見極めやろうじゃないか」と身構えてしまうというか。

とにかく、「このミス大賞」受賞作という触れ込みや販促帯の選評を頭から捨て去り、変な先入観を持たずに素直に読めばかなり楽しめます。
ミステリやサスペンスではないです。いうなれば「青春ファンタジー」かな。
正直、ツッコミどころはたくさんありますが、なんというか、すごくみずみずしいですよね。
読後感も爽やかですし、いい意味で若い人向けの小説としてよくできています。
少女漫画にコミカライズすれば、かなり面白いものになるのではないでしょうか。

放課後スプリング・トレイン(吉野 泉)


第23回鮎川哲也賞最終候補作。吉野泉のこれがデビュー作になります。
連作短編の形をとった「日常の謎・青春ミステリ」とくれば、いささか食傷気味の人もいるでしょうが、
これがなかなか読ませるんですよ。とにかくヒロインのまっすぐさがまぶしいですね。
個人的には「いなくなった私へ」以上にヒロインの純粋さにひかれました。

それと最後のオチにはちょっとびっくりしました。まさか「作者名」がひっかけとは……
意外とミステリ的にも考えられていて、さすが鮎川哲也賞といったところでしょうか。

狼と香辛料XVIII Spring Log(支倉凍砂)
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙(支倉凍砂)

 

正直、はじめは、シリーズ復活にいい印象は持っていませんでした。
マグダラで眠れ』が佳境に入っているところになんで今さら、
ひょっとしてマグダラがあまり売れていないので昔の看板を引っ張り出したのかとさえ思っていました。

でも、5年というブランクを感じさせないロレンスとホロのあのやり取りを読んだらどうでもよくなりましたw
もうこうなったら、死ぬまで「幸せであり続ける物語」を書き続けてほしいですね。

読む順番としてはやはり『狼と香辛料18』から『狼と羊皮紙』がいいと思います。
新たな旅の主人公、コルとミューリのコンビネーションにロレンスとホロとはまた違う「ニヨニヨ」が味わえますよw

星読島に星は流れた(久住 四季)


久住さんはライトノベルのトリックスターシリーズが有名ですけど、読んだことがなかったんですよね。
米澤さんの推薦文に惹かれて初めて読んだのですが、これはいいですよ。
キャラがすごく立っていて確かにラノベっぽい雰囲気もあるのですが、
舞台設定や文体からすると、むしろ「海外ユーモアミステリ」といった趣向なんですよね。
あと、クローズドサークルというか孤島物がわりと好物なので、ミステリ的にも楽しめました。
犯人候補が限定されているのって好きなんですよ。考えるのが楽なのでw

ラストもなんだか映画を見ているようで、心に焼き付けられます。
うーん、時間を見て、この作品はそのうちちゃんとした感想を書きたいなあ。

ミステリーズ! vol.80

もちろん、<小市民シリーズ>実に7年ぶりの新作、「巴里マカロンの謎」目当て。

実は、私が最初に米澤穂信を読んだのがこの<小市民シリーズ>だったんですよ。
片山若子氏が描く『春期限定いちごタルト事件』の表紙に一目惚れしてしまったんです。
そんな出会いもあってか、今でも米澤さんの作品の中で最も好きなシリーズですね。
特に「夏季限定トロピカルカフェ事件」のラストにはもう感涙しましたよ。あんな素晴らしいラストは他にないです。

<小市民シリーズ>の魅力についてもそのうちじっくりと触れておきたいところですねえ…

他にも「階段島」シリーズ最新作『凶器は壊れた黒の叫び』(河野裕)、『バビロンII』(野崎まど)、『小説の神様』(相沢沙呼)、『翼を持つ少女』(山本弘)、『オーダーメイド殺人クラブ』(辻村深月)などが印象に残りました。


マンガ方面はあまり読んでいないんですよねえ。ホント「わたモテ」ばかり読み返していましたからw

そんな中、
バーナード嬢曰く。(施川 ユウキ)

これはよく読みましたね。
バーナード嬢こと、町田さわ子を見ていると、本当に救われますよ。
こんな風に本と付き合えたらいいなあといつも思います。
彼女こそ私の理想の「読書家」ですね!

中2の男子と第6感(福満 しげゆき)


福満しげゆきはねー。「僕の小規模な生活」がとにかく面白すぎて、他の作品がどうもイマイチというか、
この人の描くストーリー物はあまり好きではなかったんです。
この「中2の男子と第6感」も最初は同様でヤンマガでもざっと流していたんですけど、
最後の展開にちょっとぐっときてしまったんですよ。(12月に完結しました)
で、改めて真面目に読み直してみたら、これがけっこういい話なんですね。
ああ、この人やっぱり才能あるんだな(何目線だw)と評価を改めた作品です。

ヤンマガは今、ハロルド作石が「7人のシェークスピア」の続編を始めたりして、以前よりは読める雑誌になりつつありますね。
今は「監獄学園」「ザ・ファブル」「喧嘩稼業」「ORIGIN」「ロボニートみつお」あたりを楽しみにしています。

あと、エッセイマンガといえば、「中国嫁日記」の6巻もけっこう印象的でしたね。
最後の書き下ろし長編「中年男と中国娘6」は衝撃的な内容でしたが、いろいろと考えさせられました。

他にも「それでも町は廻っている」の完結とかけっこう感慨深いものもありましたが、
とりあえずはこんなところでしょうか。

何かひとつでも気になるものがあれば幸いです。

2017年は1月5日あたりから更新初めできればなあと考えています。それでは!
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2016

施川ユウキって2016年初めて知りました
バーナード嬢って、私は別に読書家でもないんですけど、
それなりには読んでるっていう人にはジャストミートな作品でした
オンノジって作品も良かったです

福満しげゆきの「中2の男子と第6感」は読んでないですね
福満しげゆきってガロ時代はあまりに表現が直接的過ぎて、
読むの辛かったんですよね
山田花子とかと同じ感じなんですかね
ガンガン心に訴えかけてきてはいるんだけど、
でも作品としてはどうなんだろ?面白くはないかな?的な
「僕の小規模な生活」はその集大成でとても面白かったんだけど、
そのまま追いかけようとは思わなかったんですよね
「中2の男子と第6感」も読んでみようかな

それでも町は廻っているはずっと好きだった漫画なので感慨深いですね

似鳥鶏はつい最近、偶然ブックオフで旧デザインの
「理由あって冬にでる」を買って、あ、いいなと思いました
これ、後追いでも旧版のデザインのが良いですよねえ

Re: 2016

Ooさん、コメントどうもありがとうございます。

バーナード嬢、いいですよね。
読書あるある、というより、
読書家を気取りたいあるある的なところが素晴らしいですw
施川ユウキはどれも面白いですが、個人的には「鬱ごはん」もおすすめです。

福満しげゆきは特殊マンガ家に近いですからねw
かなり人を選ぶと思います。
山田花子はああいう最期を選んだというのがすごくショックでした。
当時、石野卓球か誰かが「ああ、この人“本物”だったんだ」とコメントしていたんですが、
まさに私もそういう衝撃だったんですね。
あれは芸風ではなくって、すべて本当の魂の訴えだったんだという。
あれ以来、山田花子の作品は読めなくなってしまいましたね。

それに比べると福満しげゆきはもっと自分の作風に自覚的だと思いますよ。
少なくとも家庭を持っている2児の父親ですからね。
もちろん、彼の「愚痴」というかネガティブパワーに嘘はないでしょうけど、
それを商売としてなんとか昇華させようという“あがき”こそが彼の魅力になっていて、
またそれを本人もわかっているところが山田花子とは違うところだと思います。

彼は今、「ゲレクシス」が連載している「イブニング」にて、
「妻に恋する66の方法」という作品を描いています。
正直、「うちの妻ってどうでしょう」から毒を抜いたような感じで、
パワーダウンしている感は否めないですが、
それでも“妻”の魅力で楽しませてくれますよ。
「小規模」が面白かったなら、こちらもどうでしょうか。

「中2の男子と第6感」は、通して一気に読むことをお薦めしますね。
1話分がたった4ページなので、連載時にはその面白さが伝わらなかったんですよ。
(まあこの人はいつもこのくらいの分量しか描けない人ではあるんですがw)
ヤンマガの時は流していましたからね。単行本も買っていなかったんです。
それが、後半の展開にはしびれてしまって…
もう、年末の忙しい最中にあわてて3巻まで揃えましたよ。

ただ、別に感動巨編というわけでも抱腹絶倒のギャグというわけでもないんで、
あまり大きな期待をされてもアレなんですけどねw
彼の今までの作品通りネタがせまいというか、
要は自分が好きな作品である「シックスセンス」「ファイトクラブ」「ジョジョ」等の要素を
適当にぶちこみました、みたいなノリですから。

でも、そんななんちゃってサブカルのノリから、
初めて「自分の作品」を描き切った感がラストからは感じ取れたんです。
ネガティブなだけではない、福満しげゆきの本気のメッセージが伝わってきますよ。
ある意味最高のハッピーエンドになっているんで、是非読んでみてください。
(2月に最終4巻が出ますので、そこまで読めばその魅力が伝わるはずです)

それ町は10年くらい続いたのかな?
亀有じゃないですけど、なんかずっと続くものという気もしていたんで、
不思議な感慨深さがあります。

>後追いでも旧版のデザインのが良いですよねえ
おお、やっぱりそう思いますか!
そうですよね、本当に今からでも2パターンのデザインを用意してほしいくらいですよ。

「市立高校」シリーズは面白いんですけど、
ミステリ的なギミックにこだわりすぎているのが玉に瑕かな。
最初の方はまだいいんですけど、巻を重ねるほどに構成が凝り過ぎて、
素直に物語を楽しめなくなりつつあるのがちょっと気になるんですよね。
でも、個人的にはとにかく「さよならの次にくる」がすごく好きなので、
これだけは是非読んでほしいですね。
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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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