うる星やつら パーフェクトカラーエディション上巻レビュー

 
うる星やつらカラー版!

コミックスでは見られない漫画本文のカラー原稿を全て集め、上下2冊の豪華本にしました! 少年サンデー掲載時に、ただ一度だけ誌面を飾った美麗なカラーページが、30数年の時を越え、最新の印刷技術で蘇ります! その数なんと約600ページ! 当時の熱気が伝わってきます!


【編集担当からのおすすめ情報】
巻末には高橋先生のインタビューも掲載。ファン必携の逸品です!



正直、「上下巻合わせて4,000円は高いなあ」と、最後までけっこう悩んだのですが、けっきょく購入してしまいました。
やっぱり「高橋留美子主義者」としての性には逆らえませんでしたね。

urusei_color_01.png 

うる星やつら」という作品に特別思い入れがある私は、
旧コミックス版、文庫版、ワイド版、新装版コミックスと、たとえ中身が同じでも、関連商品が出るたびに買いそろえてきました。
まあはっきり言って、「小学館のいいカモ」と言われても仕方がない人間です。
実際、文庫版とかは買うほどでもなかったか?と後から思ったりもしましたし。

でも、今回のはホント、いいですよ。素直に「買ってよかった!」と思いましたね。
少なくとも「うる星やつら」のファンなら絶対に買って損はしません!
A5というサイズもちょうどいいですし、久々にカラーで読む「うる星やつら」はやはり違いますよ。これを見ちゃうと、通常コミックスのモノクロに変換されたつぶれ気味のページはもう読みたくなくなりますねw

ただ、やはりこれは、あくまでファン向けの商品です。
これから「うる星やつら」という作品を知ろうという人にはおすすめできません。
本当に雑誌連載時カラーだったものだけを収録しているので、連続シリーズものも一部しか読めませんし、最初は素直に新装版コミックス全34巻を買ったほうがいいでしょう。

というわけで、まずは上巻のレビュー&感想を。


urusei_color_02.png 

上巻の収録作品は以下の17作品。

●大勝負(新装版コミックスでは1巻PART9)
●思い過ごしも恋のうち(新装版コミックスでは2巻PART8)
●美しい旅立ち(新装版コミックスでは4巻PART7)
●魔のランニング(新装版コミックスでは4巻PART9)
●サーフィンSOS(新装版コミックスでは5巻PART6)
●哀愁でいと(新装版コミックスでは5巻PART11)
●くノ一、奈良を走る・・・(新装版コミックスでは6巻PART5)
●くノ一、京に潜む・・・(新装版コミックスでは6巻PART6)
●お別れパーティー危機一髪・・・(新装版コミックスでは6巻PART11)
●テンちゃんの恋(新装版コミックスでは7巻PART6)
●ミス雪の女王(新装版コミックスでは7巻PART10)
●大空に舞うハチャメチャ四人組!!(新装版コミックスでは8巻PART5)
●三つ子の魂、百までも!(新装版コミックスでは9巻PART3)
●住めば都(新装版コミックスでは9巻PART6)
●見合いコワし=その4=(新装版コミックスでは9巻PART10)
●薬口害(新装版コミックスでは11巻PART1)
●アマテラス宴会(新装版コミックスでは11巻PART3)

これ以外に巻末特典として
●高橋留美子インタビュー「高橋留美子先生の色原稿術」
●高橋留美子先生全カラー回一言コメント
●連続エピソード解説
が載っています。

こうしてみると、比較的初期にカラーが多かったことがわかりますね。上巻に収まる分が11巻までですから。
特に6巻と9巻、そして下巻にもう1話収録されている11巻に、3話分あるのが目につきました。

それにしても、1巻収録の話とと11巻収録の話が一冊の中で一緒に読めるというのは、なかなか新鮮というか、ちょっと不思議な感覚でしたね。
1巻から3巻途中までの面堂終太郎登場以前の話と、それ以降って、まったくテイストが違うんですよ。はっきり言って、まったく別の作品といってもいいくらい世界観が違うと思うんです。
その変遷を一気に体感できるという点で、この上巻は下巻にはない面白さがありましたね。

あとは、なんといっても高橋留美子先生インタビューと一言コメントでしょうね。これがあるために買わざるを得ないというファンも多いでしょう。
実際、インタビューもコメントもかなり興味深いものになっています。

カラー原稿にまつわるインタビューでは、2色カラーといっても実は3色使っていた、という話が特に印象的でしたね。(余談ですが、今はもう2色原稿って存在しないみたいですね)

で、一言コメントがまた面白いんですよ!
いえ、本当に一言ですし、驚くようなウラ話とかがあるわけではないんですけど、これが実に味わい深いものになっているんです。
例えば、「くノ一、奈良を走る・・・」では、『この頃は絵が荒れていたかも』とか、けっこう、ぶっちゃけている部分もあったりして、高橋先生の意外な一面が見えたりするのが、長年ファンをやっている者としても新鮮でしたね。
個人的には「アマテラス宴会」のコメントがひどすぎて笑ってしまいましたwなんだそれってねw


“なりそこない”の一言コメント

●大勝負
この頃の絵は私でも少し古く感じますね。ていうか、高橋留美子ってすごく永井豪の影響も大きいんだなあと思いました。サクラさんの顔なんてすごく“永井豪”ぽく見えますw

●思い過ごしも恋のうち
第一期クラマ姫シリーズの中でも屈指の名作。個人的にも初期の最高傑作といってもいいくらい好きな話ですね。まだ、ラムとしのぶが対等だったころの「うる星」らしさがよく出ていると思います。

●美しい旅立ち
間違いなくマイベスト10位以内には確実に入る作品。今読んでも心がざわつくというか、冷静ではいられなくなるほどですね。
ちなみにこの次の話が、あの「君去りし後」でした。つまり、この話を持って、「うる星やつら」という作品も“衣がえ”したというわけなんですね。

●魔のランニング
いい意味で馬鹿馬鹿しい話w
でも今読むと、いかにも80年代初頭のノリが顕著すぎて、ちょっとムズムズしますw

●サーフィンSOS
「うる星」初の海もの。これ以降、毎年夏になると“海回”が定番になります。あと錯乱坊(チェリー)復活回でもあるか。
当時流行っていたCMをパロっていたりする表紙が、今見ると気恥しいw

●哀愁でいと
「うる星」のタイトルには当時の流行歌をよく使っていたりしますが、これもそのひとつ。もちろん田原俊彦のデビュー曲ですね。
今回初めて知りましたが、これが「うる星」初の4色カラーみたいです。

●くノ一、奈良を走る・・・
なんとこれ、“修学旅行”回なのですね。6巻で修学旅行やってその後34巻まで高校生のまま話が続くということだけでも、いかに異常なマンガだったかがよくわかりますw

●くノ一、京に潜む・・・
くノ一シリーズ第2弾。表紙が白土三平へのオマージュだったという話に、なぜかちょっとグッときました。

●お別れパーティー危機一髪・・・
何を隠そう「うる星」の中で一番好きなキャラクターが「ランちゃん」だったりします。
ラムとランちゃんのこの何とも言いようがない関係がもうたまらなく好きですね。

●テンちゃんの恋
これは確かテンちゃん初登場の次の回ですね。今見ると、テンちゃん随分肥えていますw

●ミス雪の女王
この頃らしいスピード感のあるドタバタ回。今読むとオチがバレバレなのはご愛敬w

●大空に舞うハチャメチャ四人組!!
これもタイトル通り、ハチャメチャな回だなあ。とにかく展開に無理があり過ぎるw
あと、「四人組」ってこいつらのことなんだ……うーんw

●三つ子の魂、百までも!
このあたりから、ちょっとテイストが変わったような気がします。ラム主観の話というのもなんだか新鮮。

●住めば都
プールの妖怪という存在が、すごく「うる星」的で好き。こういう異形の設定って高橋留美子にしか描けないような気がします。ちなみにこのプールの妖怪はこの後も何度か登場します。

●見合いコワし=その4=
当時はこれが「うる星」最高傑作だと信じて疑わなかった名作シリーズ。今と読むとこれがベストワンとは言えない気もしますが、それでも“超”がつくほど名作であることには変わりありません。
ちなみに、ここで出てくる宇宙人のデザインは当時読者から募集したものらしく、採用者の名前も作中に出てきています。いったいこの人たちは今どうしているんだろう……

●薬口害
「哀愁でいと」以来、2回目の4色カラー。冒頭の銀杏並木シーンが美しい。
「うる星」には「変な道具」で騒動が起こる、という「ドラえもん」ぽい回もけっこうありますが、これもその一つ。ラムの道具ではなく、サクラが作った薬というのがキモですね。すごく好きな話です。
思えば、この辺からラムとしのぶが仲良くなったというか、わだかまりが少しずつ薄まっていった感があります。そういった意味でも重要な回だと思いますね。

●アマテラス宴会
これまた「うる星」らしいシュールな回。日本神話を土台にしながらこういったドタバタテイストにしてしまうセンスというのは、やはりすごい。これは誰もが指摘しているところでしょうが、筒井康隆の影響は大でしょうね。


ああ、一話ずつコメントするのも疲れますねw 高橋先生も大変だ……

というわけで、下巻のレビューは次のエントリーで!


 
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tag : 高橋留美子

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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