『いまさら翼といわれても』感想その2~「箱の中の欠落」「鏡には映らない」「連峰は晴れているか」~

昨年末には1月5日から更新うんぬんといっていましたが、
どうやら正月を腑抜けに過ごし過ぎて、気づけば2017年も松の内を過ぎていました。。。
ということで、今日からまたぼちぼち始めてまいります。

まずは、『いまさら翼といわれても』感想の続きを……
前回はまさかの「目次」のみの感想(!)で終わってしまったので、
今回からいよいよ本編に入っていこうと思います。

さて、今回の『いまさら翼といわれても』
改めて通して読んでみると、それぞれ短編を単独で読んだときと少し印象が変わりました。
「短編集」という形をとりながらも「短編集」に留まらないというか、ある意味、ひとつの「長編」作品を読まされているような錯覚さえ覚えましたね。

もちろん、「連作短編集」ではあるのですが、「短編集」よりも「連作」のほうにウエイトがあるんじゃないでしょうか。
遠まわりする雛』以上に各短編の結びつきが強いというか、それぞれの話が『いまさら翼といわれても』という作品の“章”に当たるような構成になっていたような気がしましたね。

では、まずは『箱の中の欠落』から見てまいりましょう。

なお、ミステリ的なネタバレはありませんが、話の内容に深く触れている部分もありますので、できれば既読後に観覧したほうがよいかと思います。

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『いまさら翼といわれても』感想その1~目次についてのあれこれ~

いやあ、<古典部シリーズ>6年半ぶりの新作になる『いまさら翼といわれても』ですが、かなり売れているようですね。

発売後、即重版で10万部の大ヒット!米澤穂信著『いまさら翼といわれても』の勢いが止まらない!

先日も三省堂に寄ってみたのですが、いまだにランキング1位の棚に鎮座していましたし、
みんなやっぱり、待ち望んでいたんですね。

もちろん、私もずっと待っていました。

ぶっちゃけ、収録作はすべて雑誌掲載時に読んではいますし、
本来なら文庫落ちを待つところなのですが、どうしても米澤さんの作品だけは単行本で買ってしまいますね。

imasara_01.jpg 
シリーズ累計205万部というのもすごいですが、
他社作品の『満願』『王とサーカス』まで引き合いにだしている角川さんの力の入れようがすごいですw
まあ、本当に久々の新作ですし、その間に各種ミステリランキングを総なめするほどの売れっ子作家になってしまいましたからね。
こっちが本家本元だぞ、と角川がムキになるのも仕方ないでしょうw
(あ、帯の端に「映画」がどうとか書いてあるようですが、今回はスルーの方向で)

で、当ブログでも「更新予定覚書」の筆頭にあげて「必ず書きます!」と宣言しているからには、
早く感想記事をアップしたいところだったのですが、
正直、まだ自分の中できちんと形になっていないというか、うまく言葉にできない状態です。

というのも、とにかく「目次」を見てびっくりしてしまったからなんですよ。
もう開いた瞬間に「え、何これ?」と思ってしまいましたからね。

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「古典部シリーズ」最新刊発売決定~『わたしたちの伝説の一冊』感想にかえて~

 
「大人」になるため、挑まなければいけない謎。待望の〈古典部〉最新作!

奉太郎が「省エネ主義」になったきっかけ、摩耶花に漫画研究会を辞める決心をさせた事件、えるが合唱祭の出番前に行方不明になったわけ――〈古典部〉メンバーの新たな一面に出会う、瑞々しくも時にビターな全6篇!


いや~、ついにきましたね。
<古典部シリーズ>最新刊『(仮)いまさら翼といわれても』が11月30日に発売されることが、ついに公式に発表になりました。

前作『二人の距離の概算』の単行本発売が2010年6月ですから、実に6年半ぶりの新刊ですか。
まあ、その間にテレビアニメ化されたり、コミックス版も始まったり、はたまた短編も定期的に発表されたりしていましたので、正直、それほど待たされたという感じはしません。

でも、短編を読み直すのにいちいち雑誌を引っ張りだすのもけっこう面倒ですし、
やっぱり、短編単独で読むのと「連作短編集」として読むのでは、作品の意味もまた変わってくると思うんですよね。
なので、これまで断片的だった作品たちがこうして一つの書籍として形になることは、やはり“待望の新作”といっていいかと思います。

※ところで、なんで「(仮)」がタイトルの前についているんでしょうね?
普通、仮タイトルって、後ろにつきません?「いまさら翼といわれても(仮)」というふうに。
まあ、どうでもいいっちゃあどうでもいいんですけど、
ひょっとして何か意味があるのかと、ちょっと気になりましたね。



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『箱の中の欠落』感想~奉太郎が“推理”をする基準~

 

前回予告したように、<古典部シリーズ>最新作『箱の中の欠落』の感想を綴っていこうと思います。

今回も基本ネタバレなしなので、単行本派の方でも大丈夫でしょう。
ただ、あくまで「“謎解き”のネタバレなし」という意味ですので、作中に出てくる奉太郎の言動などには言及したりはします。
余計な予備知識はなしで、年末刊行予定の古典部シリーズ第六作目を楽しみたい方は読まないほうがいいかもしれません。


というわけで、まずはざっと概要を。

六月のある日。夕食を作っていた奉太郎のもとに里志から夜の散歩のお誘いが。
もちろん、それが本来の用なわけがなく、何やら厄介な相談事がありそうなのだが……。

今回の話は構成的には至極シンプルです。
里志が持ち込んだ厄介事=生徒会長選挙で起こった不正行為の謎を、奉太郎と里志が仮定と推論を繰り返しつつ解き明かしていくだけです。
途中、ラーメン屋に寄ったりもしますが、基本ずっと二人の会話のみで進行していきます。

まあ、わかりやすく言えば「心当たりのある者は」の里志バージョンですね。

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文芸カドカワ2016年9月号購入~古典部最新作と今村夏子~



<古典部シリーズ>最新作『箱の中の欠落』が掲載されているということで、「文芸カドカワ2016年9月号」(電子書籍)を購入しました。

前作『いまさら翼といわれても』から約8ヶ月。
前回が2年待たされただけに、まさかこんなに早く次が読めるとは思っていませんでしたが、
どうやら年内発売予定の古典部最新単行本にも収録されるそうなのですね。(米澤穂信Twitter情報)
なのでまあ、それほど慌てて買うこともなかったのでしょうが、
やっぱり三ヶ月四ヶ月お預けというのも精神衛生的によろしくないですからねw

しかも、今回は電子書籍版ですから!
『いまさら翼といわれても』が載っていた「小説野性時代」のときのように、
売り切れを気にして都内を駈けずり回らなくても、タップ一つですぐさま読めるんですから、
そりゃあ買わない手はないでしょう。

まあ私も古い人間なので、基本的には紙の本でないと、というタチなのですが、
こと、<古典部シリーズ>に関しては、今回のカドカワの判断を支持せざるをえませんね。
なにしろ、古典部が載った「小説野性時代」の変なプレミア感は異常でしたから。
あれはやっぱりよくないですよ。
転売目的を減らすためにも、今後はなるべく電子版も用意して欲しいですね。

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tag : 米澤穂信 今村夏子

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ぬるく切なくだらしなく。 オタクにも一般人にもなれなかった、昭和40年代生まれの「なりそこない」がライトノベルや漫画を主観丸出しで書きなぐるところです。 滅びゆくじじいの滅びゆく日々。 ブログポリシーはこちら

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